3分でわかる最新人事コラム

第29回2007/07/31

「雇用のミスマッチ」

景気回復や2007年の団塊世代の大量退職に伴い、企業の採用意欲が高まる中、
企業規模・ステージを問わず、各社共通の採用ニーズの存在が浮き彫りになって来ました。


「企業は人なり」という言葉もあるように、企業が発展していく上で、
人材の確保は当面どの企業にとっても重要な課題であります。
企業は、新卒で採用され企業内で育成される人材、
中途で採用され即戦力を期待される人材で構成されているわけですが、
特に後者の場合、企業側と求職者の間に思惑の相違があり、ミスマッチを引き起こして、
せっかくコストと時間をかけて採用した人材なのに短期に離脱してしまう、
というケースが後をたちません。
また採用段階において、
企業側が求める人材像が転職市場にいる求職者のスペックとあまりにもかけ離れ、
即刻、人材を確保したいのになかなかうまくいかないケースも頻繁に見られます。


今回は、このような「雇用のミスマッチ」が起こってしまう要因、
そしてそういったケースを少しでも解消すべく
企業側がどういった対応をすればよいかについて、考えていきたいと思います。


1.要因その1:「求職者の求める給与」と「企業側が提示する給与」のギャップ

まず、給与面のギャップが「雇用のミスマッチ」につながっている状況があるといえます。
これは採用段階で起こり得るミスマッチです。


企業側が採りたいと思う優秀な人材は、
転職に際して「給与アップ」を考えている場合が多いです。
また、その人材が現在のスキルを身に付けた現職もしくは前職の企業において
ある程度の在籍期間があったとするならば、
当然昇給のタイミングを経験したり、評価される実績を残したりしているので、
1企業での在籍期間が長い人材ほど、給与レベルはハイクラスになっているはずです。


一方、採用する企業側、特にベンチャー企業にとって人件費コストの抑制は当然の課題です。
いくら他の企業で経験を積んできている優秀な人材とはいえ
自社においては未経験なわけですし、
まずはスタートの給与は最高でも前職並みを維持、
できれば高いスキルを持った人材を低コストで雇用したい、
というスタンスの企業が多いというのが現状です。


よって、両者間の思惑の違いがミスマッチを引き起こし、
なかなか採用が上手く進まない、という現象がおこっています。


2.要因その2:「年齢」と「スキル」の関係

次に考えられるのが、
企業側が「若くてスキルの高い人材」を求めることによる「雇用のミスマッチ」です。
これもまた主に採用段階で頻繁に起こるミスマッチです。
中途で即戦力といえども、やはり自社である程度長期間経験を積んでもらい、
会社風土やビジョンに対して、よりコミットした人材になってほしい、
と考えるのが企業側の当然の思いであります。


また、ベンチャー企業であれば若手層の年齢構成に偏っているケースが多く、
年齢の高い人材はそれだけで馴染まない、という判断もあり得ます。
さらにマネージャークラスを外から採用することにより、
自社でコツコツ努力してきた向上心の高い
プロパー社員のモチベーションを下げる結果を招きかねない、
という危惧を持つ企業もあります。


ところが求職者側の状況を考えると、
「若くてスキルの高い人材」が転職市場において人数が少ないことは明白です。
昨今、フリーターや非正規社員が増えた事も、この状況に拍車をかけているとも言えます。
そして、このような若手優秀層は当然各社からのオファーが集中し、
獲得は困難となってしまうのですが、このタイプの人材にこだわるあまり、
余計な労力と時間を費やすことになってしまう結果を迎える企業も多く見られます。
また、仮にこのクラスの獲得に成功したとしても、
過度な企業アピールによる求職者側の誤解や、無理な給与設定により、
入社後も両者があまりよい関係を築けないケースもあります。


3.要因その3:「即戦力」に固執することでの弊害

最後に挙げておきたいのが、「○○のできる人」というように、
スキル面に採用の軸を置くことによるミスマッチです。
企業側としては、特に急募のケースであれば尚更、
「この業務をやって欲しいのですが、できますか」
という点を確認することで安心してしまいがちです。
なぜ転職を考えていて、どういう職場で何をやりたいか、
今後のキャリアプランはどう考えているのか、
さらには性格や特性については二の次で、そこに若干の不安を抱えていたとしても、
即戦力として業務上機能しそうであれば採用してしまう、という場合があります。


一方、求職者側も、
「こんな仕事がやりたい」や「こういう企業で働きたい」という点において企業をチェックし、
「そこで働いている人はどんな人か」「どういう風土の企業か」をないがしろにしてしまうと、
入社してから「こんなはずじゃなかった...」となりがちです。


要するに「即戦力」として考えるあまり、
面接でスキル面の確認のみをすることによって、
入社後のミスマッチを引き起こしている、ということです。


4.「雇用のミスマッチ」防止のために企業側ができること

それでは今まで述べてきたミスマッチを防ぐ為には、
企業側はどういった対応をすればよいのでしょうか。


まず給与面についてですが、IPOを目指す企業であれば尚更、
人件費の抑制・削減は必ず意識しなければならない事項です。
しかしながら事業を進めるために必要な人材の確保なくして企業の発展成長は成しえません。
あくまでも戦略的投資という考え方を忘れてはならず、現場のニーズをしっかり把握し、
事業を推進する上でどうしても必要な人材枠が発生したならば、
ある程度給与面は柔軟に対応するという考え方を持った方がよいということです。


次に年齢面について考えてみると、
市場を冷静に見るならば、若手ならやはり経験値だけでなく、
ポテンシャルややる気を加味して採用ジャッジを下さざるを得なく、
スキルを求めるのであれば、
年齢の上限をあげることを検討すべき、ということになります。
若い社員の中で経験豊富な方が入社し組織に安定感ができたというケースもあります。


また採用段階では、スキルチェックは当然のことで、むしろ求職者の転職理由、
志望動機、性格、キャリアプラン等についてできる限り把握するようにし、
できれば複数の目で採用ジャッジをした方が上手くいきやすいのではないでしょうか。


いずれにせよ、「雇用のミスマッチ」を防ぎ、
採用にかけるコストと時間を無駄にしないためには、
中途採用において「即戦力」を安易にあてはめることを考えるのではなく、
その人材の能力を最大限に引き出し、育成しようとする姿勢が必要なのです。
そうすることが結果的にプロパー社員にもよい影響を与え、
企業として一団となって事業を推進する力になっていくのではないでしょうか。

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