3分でわかる最新人事コラム

第46回2008/11/05

「中途採用における選考時のポイント」

前回のコラムで会社のビジョンを実現するためには、
現在と将来を見越した的確な人材採用を行い、
組織力の強化を図ることが重要であると述べました。
組織力強化を目的とした中途採用における募集時の流れとして、
1.採用方針・計画を立て、2.「求める人材ターゲット」を明確にし、
3.ターゲットへアプローチする、ということを説明しました。


以上の3点をクリアして、候補者の母集団形成をすると、
次は「いかに選考を進めていくか」ということがポイントになります。
そこで今回は「中途採用における選考時のポイント」について説明します。


~選考時の企業側の心構え~

■選考に臨む応募者の意識
 かつては、企業への応募者は入社を強く希望し面接に臨んでいるという前提がありました。
 そのために企業は
 自社が求める人物像に合致する人材であるかを見極める選考を行っていました。
 しかし、現在は多くの応募者は
 必ずしも強い入社動機を持って面接に臨んでいるとは言えません。
 在籍企業に残ることも踏まえながら、
 いくつかの転職先の候補の一つとして選考に臨んでいることが多々あります。
 強い動機を持って応募者が選考に臨まないことが想定されうる現状では、
 企業が「自社に合うかを判断するだけの選考」をしていると、
 採用までの道のりは遠のいてしまいます。


■選考の目的
 そもそも企業は何のために選考をするのでしょうか。
 選考の経験者の大半は
 「当社に必要な人材か否かを見極めるためである」と答えるでしょう。
 確かに、選考時において、応募者が自社に相応しい人物か見極めることは大事なことです。
 

 しかし、候補者を「見極める」ことと並ぶ選考の本当の目的は当たり前のことですが、
 「採用すること」なのです。
 応募者が強い動機を持って選考に臨まないことが想定されうる限り、
 企業は選考の場において、
 自社に入社したいという思いを応募者に喚起させなければならないのです。


■選考での心構え
 是非とも自社に来て欲しいと思う優秀な候補者は
 他の企業からも同じように評価されているでしょう。
 この背景から企業は選考時において、応募者が自社に相応しい人物か判断することに加え、
 応募者の入社動機を高めるために会社や業務内容のアピールをする必要があるのです。
 

 そこで、重要になってくるのが応募者は何にこだわり、
 何を判断基準として転職活動をしているかを把握することです。
 なぜなら、新卒と異なり職務経験のある方の転職活動は、
 前職での経験があるが故に、
  転職活動における基軸をもって臨んでいる方が多くいるからです。
 

 特に応募者と面と向かって話すことのできる面接の場は
 企業にとって会社をアピールする非常に大きな機会だと言えます。
 選考することだけに意識を集中しないで、候補者が何を求めているのかを探りながら、
 自社の魅力を精一杯伝えるよう心がけたいものです。


~各選考段階での留意点~ 

これまで、選考全体を一つの採用過程として捉えて、企業側の心構えを述べてきました。
しかし、一口に選考といっても書類選考から社長面接まで、ポイントが異なります。
ここからは選考をいくつかのステージに分け、各ステージでのポイントを説明します。


■書類選考について
 選考時の企業側の心構えとして、
 「候補者が何を求めて転職活動をしているのか把握すべきである」と先に述べましたが、
 これを推察できる最初の機会が応募書類に接するときです。
 応募書類から候補者が何を求めて転職するのか、
 どのように活躍したいのかというストーリーを仮定することができます。
 そして、仮定と現実のギャップを埋めていくために、
 面接でどのような質問をするかを考えるなど、書類選考の後で準備を行うことが重要です。
 これは選考を一方通行なものにしないために、大切なプロセスです。
 

 また、多くの人にとって転職の回数は限られていることから、
 職務経歴書を完璧に作成することは非常に難しいものです。
 アピールポイントが不鮮明な職務経歴書なども少なくないでしょう。
 職務経歴書の内容や作成能力と、
 その方の業務上の能力は必ずしも一致しないことを念頭に置き、
 書類選考に臨むことで機会損失を防ぐことが出来ます。


■一次面接(人事担当者の面接)
 前回のコラムで人事担当者から社長まで「求める人材ターゲット」を
 具体化・明確化してそれを共有することの必要性を述べました。
 これは人事に限らず採用活動に関わる方が全員理解していなければならないことです。
 そして、このターゲット像を軸に面接を行うのですが、
 人事担当者は二次面接の担当者の考え方を理解した上で、
 多くのタイプの候補者を二次面接へ進めて行かなければなりません。
 その理由は、二次面接を担当する現場の担当者・管理職は
 一緒に働きやすいタイプの候補者を評価する傾向が強く、
 このような採用が続くと、社内に同じタイプの人材が多くなり、
 様々な問題が発生したときの適応力・対応力が低下してしまう恐れがあるからです。
 

 また人事担当者は社内を俯瞰できる立場に居るため、
 中長期的な人員計画・事業計画を踏まえて選考に臨み、
 次の面接担当者へコメントを伝える重要な役割を担っていることを
 強く意識する必要があります。


■二次面接(現場担当者・管理職の面接)
 現場の担当者や管理職との面接は、
 候補者が未来の自分の姿を重ね合わせて考えることのできる機会となります。
 候補者が入社後のイメージを描けるよう、
 できるだけ率直に「素」の状態で話ができるような雰囲気作りが肝要です。
 特に、中途入社の社員と面接時に話せることは、
 候補者にとって有力な判断材料になります。
 これは、生え抜きの社員と、中途入社の社員の間に、
 差があるかどうかを気にする候補者が多いためです。
 中途入社の社員から入社経緯や今取り組んでいる業務などについて話してもらうことは、
 候補者の不安を払拭することにもなります。
 また、複数名の現場担当者が面接に入ることが出来ると、
 候補者が現場のイメージを掴みやすいだけでなく、
 企業側の「採用したい」という熱意も伝わる効果もあります。


■最終面接(社長・役員面接)
 最終面接では、当然のことながら選考の最終地点として
 候補者の採用・不採用を決定しなければなりません。
 しかし、候補者が複数企業において選考が進んでいることが当たり前の今、
 最終面接では、社長・役員の方は候補者を選考するとともに、
 その方が入社を決意するための動機づけを強く意識する必要があります。
 会社の事業計画、将来性を重視して転職活動をする方が増えているため、
 そのような方に対しては、経営陣が直接これらを語ることは、
 入社を決意する上で大変有効です。


 ここで大切なことは、候補者自身の目標や夢と、自社のビジョンや夢をシンクロさせ、
 その具体的なイメージを経営陣が候補者と共に描く、ということです。


 これは入社への意思を固める助けになるだけでなく、入社後のモチベーション維持や、
 社風とのミスマッチ防止にも効果的で、双方にとって実りのある選考となります。
 

 仮に、経営状況に関して、一見マイナス要素と思える情報があった場合も、
 経営陣が率直に伝えることで、候補者が経営陣に対して信頼感を強め、経営陣と共に、
 もしくはその下で、経営課題を解決したいと思うことも多々あります。


■よりよい面接をするために(人材紹介会社の活用)
 一次面接から最終面接までに共通している留意点は、
 応募書類から読み取った候補者の求めているものや、
 どのように活躍したいのかという仮説のストーリーに即して、
 個々人に対応した面接を行うことです。
 応募者の求めるものが異なると企業が質問することも、アピールすることも変わってきます。
 面接での会話や質問を通じて、
 本人の希望と仮説とのギャップを埋めていくことが大切になります。


 しかし、いくら面接を重ねても本音が聞き出せないケースもあり、
 その場合、仮説が正しい形でブラッシュ・アップされるとは限りません。
 そこで、企業側と候補者が互いに聞きたいことを聞ける
 よりよい面接をするための一つの手段として有効なものが、
 人材紹介会社を活用することです。


 人材紹介会社は、候補者に対してカウンセリングを行い、
 転職の理由や、何を求めているかを把握しています。
 企業側は選考に入る前に、
 人材紹介会社から候補者についての情報を正確に聞くことができるので、
 より効果的な選考を行うことが可能となります。
 人材紹介社は、候補者と企業の双方にとって良きアドバイザーとなることができます。
 よりよい選考を行い、優秀な人材を採用するために、
 一つの手段として活用することができます。


~選考時に候補者はここを見ている~

■候補者も判断する
 候補者と直接会うことのできる面接の場は、企業が候補者を見極めるだけでなく、
 優秀な人材を確実に採用に導くための重要な機会でもあることは、先ほども述べた通りです。
 この場は企業が人物を見極めようとしているのと同じように、
 候補者もまた企業を見極めようとしています。


■印象の与える影響を考慮する
 複数の企業の面接に臨む候補者は、
 初めて顔を合わせることになる人事担当者や現場の面接担当から受ける印象を、
 転職先を決定する際の判断基準として重視することが多々あります。
 

 面接担当は時に険しい表情を見せたり、
 候補者を威圧するような態度を取ってしまうこともあります。
 裏を返せば企業側の責任感の表れでもあるのですが、
 候補者がそこまで理解することは稀で、無為に悪い印象を与えかねません。
 

 そこで、重要になるのが採用のプロである人事の気遣いです。
 

 例えば、現場責任者が面接で厳しい面接をすることが事前にわかっているのなら、
 人事から候補者に「面接時に厳しい質問や表情をすることもありますが、
 それはあなたの評価が低いのではなく、
 一生をともにする同志として真剣に採用を考えているからです。」と
 一言声をかけることもできます。
 面接での印象は180度変わり、厳しい質問と表情が好印象につながります。


■好印象を与える具体例
 その他にも、ほんの少しの気遣いで候補者の企業に対する印象は変えることができます。
 面接を行う前に、
 応募いただいたことに対するお礼を述べるだけでも、ぐっと印象が良くなります。
 面接の案内を連絡する際にも、
 配属予定部署の先輩から直筆の手紙でコメントを送るような企業もあります。
 こういった気遣いは候補者にとって非常に嬉しいものです。


 自分を評価してくれている、
 または、自分のことを気にかけていることを実感できるかは
 企業を選別する際の大きなポイントになります。


 なぜなら候補者にとって、選考時に受けた印象はそのまま、
 入社後の評価や処遇を推し量る材料となるからです。


 候補者を大事なお客様だと思えば、企業の選考はより魅力的なものになり、
 優秀な人材を採用できることにつながります。
 例え採用に至らなかったとしても、そのような心構えで選考を行った場合、
 企業・候補者の双方にとって無駄な経験には決してなりません。


~最後に~ 

これまで「中途採用における選考時のポイントについて」述べてきました。
最終選考を終え、内定を出した時点で、選考活動自体は終了します。
しかし、内定を出した候補者が入社の意思表示を示して、
入社後に活躍してはじめて、その採用活動が意味のあるものになるのです。
優秀な人材は複数の企業から内定を獲得することも、多々あります。
企業は内定の辞退を避けるため、何らかの施策を打たなければなりません。
次回は「中途採用における、内定時~入社後のポイント」について説明したいと思います。

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