3分でわかる最新人事コラム

第55回2009/08/03

「障がい者の雇用」

近年、障がい者雇用促進法の改正や、ノーマライゼーション*の高まりなどから、障がい者雇用は社会からより注目されるようになっています。また、社会問題にもなっている少子高齢化社会による労働力の減少への対策という観点からも、企業には、障がい者の雇用への積極的な取り組みが社会的責任として求められていくと考えられます。以前は大企業を中心に行われていた障がい者の雇用ですが、このような社会的な流れを受け、中小企業やベンチャー企業においても、取り組みがはじまりつつあります。
今回は、障がい者雇用の関連法や、雇用の現状について解説します。貴社における障がい者雇用を検討するきっかけとなれば幸いです。


*normalization:障がい者を特別視するのではなく、一般社会の中で普通の生活が送れるような条件をととのえるべきであり、共に生きる社会こそノーマルであるという考え方。


障がい者雇用と関連法
障がい者雇用とは障がい者手帳の交付を受けている人を対象に、企業や国・地方公共団体が新卒採用・中途採用枠とは別の障がい者採用枠で採用を行うことを指します。
これを促進するために、国は「障がい者の雇用の促進等に関する法律(障がい者雇用促進法)」という法律を1960年に制定しました。(制定当事は、身体障がい者雇用促進法という名称でした)
障がい者雇用促進法は、働く障がい者、働くことを希望する障がい者を支援するため、障がい者の就業機会を拡大を目的とした各種施策を推進するべく施行されました。これにより事業主には、障がい者雇用率(法定雇用率)に相応する人数以上の障がい者の雇用が義務づけられるようになりました。


※法定雇用率は、障がい者雇用促進法に基づき定められた、障がい者を雇用しなければならない割合を示しており、組織の常用労働者数に対して何%というように算出されます。
○民間企業...一般の民間企業(常用労働者数56人以上)1.8%
特殊法人等(常用労働者数48人以上) 2.1%
(厚生労働省:労働省発表資料一覧:(参考)◎法定雇用率とは)http://www2.mhlw.go.jp/kisya/syokuan/20001128_01_sy/20001128_01_sy_sankou.html


このように国は民間企業や国・地方公共団体に対し障がい者の雇用を義務付けているほか、以下のように障がい者の雇用に伴う事業主の経済的負担の調整も図っています。
○障がい者雇用納付金(雇用率未達成事業主)不足1人月額5万円徴収
○障がい者雇用調整金(雇用率達成事業主)超過1人月額2万7千円支給


その他には、障がい者の職業生活における自立を支援する「職業リハビリテーションの実施」などもおこなっています。
(厚生労働省:障がい者雇用促進法の概要)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha02/pdf/01.pdf


障がい者雇用の関連法について、基本的なところはご理解いただけましたでしょうか。
次に、障がい者雇用促進法の改正点の概要にも触れておきます。
平成18年4月1日(一部、平成17年10月)には、大きく以下の3点に改正がありました。
1、精神障がい者に対する雇用対策の強化
精神障がい者(精神障がい者保健福祉手帳所持者)でも、各事業主の雇用率の算定対象とする。
2、在宅就業障がい者に対する支援
自宅等において就業する障がい者に仕事を発注する事業主については、障がい者雇用納付金制度において、特例調整金・特例報奨金の支給を行う。
3、障がい者福祉施策との有機的な連携等
国及び地方公共団体は、障がい者の雇用促進施策を推進するに当たって障がい者福祉施策との有機的な連携を図るものとする。
(厚生労働省:障がい者雇用促進法の改正の概要)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha01/pdf/kaisei01.pdf


障がい者雇用の現状と課題
上で述べたように、関連法の制定や改正が進んではいるものの、障がい者全体の雇用率は現在(2006年度)1.49%、法定雇用率の達成企業は42.1%と、まだまだ十分とは言いがたい現状です。厚生労働省が2003年から5年間の「障がい者雇用対策方針」を打ち出し、近年ではCSRの観点からも障がい者雇用に積極的に取り組む企業は増えていますが、なかなか成果として表れてきていません。


障がい者の雇用率が伸びない主な要因として、採用する企業側が、
・雇用したいけれども、ノウハウが無く対応できない
・ニーズに合う人材と出会えない
・どの部署でどんな仕事をしてもらうか見当がつかない
などといった課題を抱えていることが挙げられます。


また採用ができた場合でも、
・研修のノウハウが無く、十分な教育を行えない
・コミュニケーションが不足しがちである
・採用前後で、仕事のミスマッチが生じた
などの課題が発生することもあり、結果として障がい者が早期に退社してしまうケースも少なくありません。


採用のノウハウ不足や、受入態勢への不安が多くの企業にとって課題となっていることは事実ですが、障がい者雇用をサポートする機関や企業、団体といった'専門家'に相談することで現状を打開していくことが可能です。


障がい者の雇用を実現するために
では、具体的に障がい者雇用をサポートする機関や企業にはどういったところがあるのか、特徴と共に解説していきます。


ハローワーク
ハローワークでは、求人情報を受け付けるだけでなく、事業主が積極的に障がい者を雇用できるように、職域開拓、雇用管理、職場環境整備、特例子会社設立等について、相談を受け付けています。
障がい者試行雇用(トライアル雇用)、職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援や、職場適応訓練、障がい者の態様に応じた多様な委託訓練への対応なども、企業・障がい者の双方にとって心強い制度です。
また、各種助成金の案内を受けることも可能です。
(ハローワークインターネットサービス:障がい者の方の雇用に向けて)
https://www.hellowork.go.jp/enterprise/sy_employmemt.html


人材紹介会社
障がい者の採用支援を専門に行う、人材紹介事業者も増えてきています。
人材紹介会社によってサービスの特徴が異なるため、自社に合う人材紹介会社を見極めて選択することがポイントになります。


独立行政法人 高齢・障がい者雇用支援機構
事業主からの様々な相談に対して、職業リハビリテーション専門機構の立場から、雇用管理に関する助言、その他の支援を行っています。個々の事業主の障がい者雇用に関するニーズと雇用管理上の課題を分析して「事業主支援計画」を策定し、体系的な支援を行っていることが特徴です。
(独立行政法人 高齢・障がい者雇用支援機構のページ)
http://www.jeed.or.jp/


まとめ
近年のIT化により、これまで限定されていた職種も拡がりをみせ、障がい者自身もやりがいを感じることができる仕事にめぐりあう機会を増やしたいという姿勢が強くなってきています。
障がい者を雇用するにあたっては、社内の意識改革や人事制度の確立など、取組まなければならない課題はありますが、専門家の力を借りることで解決していけることはたくさんあります。
障がい者雇用が本格化しつつある今、是非貴社においても障がい者雇用について考えてみてはいかがでしょうか。

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