3分でわかる最新人事コラム

第60回2010/01/18

「派遣のメリットと直接雇用のメリット」

昨今、様々な雇用形態が一般化し企業の人材活用のあり方に大きな変化が出てきています。急速な景気悪化の影響で、大量の派遣社員が期間満了以前に契約終了となり、「派遣切り」という言葉まで生まれ社会問題となったことは記憶に新しいでしょう。派遣法の改正案が政党の公約に挙がる程、今やその影響力は大きな問題となっています。ひとくちに採用と言っても、「正社員」、「契約社員」、「派遣社員」、「アルバイト・パート」などを挙げることができ、その特徴には違いがあります。それぞれの特徴の違いを正しく理解せずに目先のニーズに流されて採用すると、後々重大な問題に発展するリスクが伴います。逆に、特徴やメリットを正しく理解することで人的資源を有効に活用することができ、企業の成長に大きく寄与することが可能となります。そこで今回は派遣と直接雇用に焦点を当ててみたいと思います。 

 

まず、派遣と直接雇用の意味をおさらいしてみましょう。

 

人材派遣とは
派遣元で雇用している労働者を、求めに応じて他社(派遣先)に派遣し、他社の指揮命令のもとで働く雇用体系を指します。派遣スタッフは派遣元の企業に雇用されているのであって、指揮命令を下す派遣先との雇用関係はありません。

 

直接雇用とは
就業先の企業と直接雇用契約を結ぶ雇用体系を指します。従って、正社員、契約社員、アルバイト・パートなどが直接雇用に該当します。本稿では、直接雇用は正社員をメインに考えていきたいと思います。

 

それでは次に、具体的な派遣と直接雇用のメリットについて述べたいと思います。

 

 派遣のメリット
(1) 「有期の雇用が可能(短期的な業務への対応等が可能)」
定型業務を一定期間のみ行う場合は、派遣スタッフを雇用する方が効率的です。定型的な業務を派遣スタッフに任せることで正社員の業務負担が軽減でき、コア業務に集中できるようになります。特に決算や年末調整などの繁忙期や、プロジェクトが発生した場合に、業務の波に合わせて期間限定で人材を確保できるという派遣のメリットを活かしやすいでしょう。
例えば、決算期の前後は経理部門の繁忙期であり、正社員の経理人員だけでは人手不足になりがちです。すると確認がおろそかになったり残業時間が増えたりして、ミスが発生しやすくなる可能性があります。そこで、繁忙期に限定して仕訳作業やデータ入力などの定型業務を派遣社員に任せることで、正社員の負荷が軽減されコア業務に集中することができるようになり、ミスも少なくなり、期間内に決算を締めることが可能になります。

 

(2) 「コストの削減」
派遣の場合、人件費の軽減も大きなメリットになります。正社員の人件費が「固定費」であるのに対して、派遣スタッフの費用は「流動費」となります。人件費といっても単に賃金だけではありません。正社員を雇用した場合、社会保険料や通勤交通費、賞与、福利厚生費、教育研修費などが必要となります。一方、派遣スタッフの場合、月例給与は社員より割高ではあるものの、基本的にはそれ以外にコストはかかりません。雇用保険や社会保険などの保険関連の負担は派遣会社が負担するので、正社員を雇用した時にかかるコストより安く済み、総額の人件費をダウンさせることが可能です。
しかし一方で、最長3年までしか契約できない派遣スタッフは、実質数ヶ月で人が入れ替わるケースが多く、派遣スタッフを迎え入れる企業は入れ替わるたびにスタッフに業務説明や関連部署などの説明をし、取引企業の説明を行わなければならないということも忘れてはいけません。

 

直接雇用のメリット
(1) 「会社へのロイヤリティ(帰属意識)が高い」
直接雇用は、期間限定の有期雇用である派遣と違い長期間の雇用が前提となるため、会社に対する安心感が生まれやすいという特徴があります。そのため、一般的に派遣に比べて従業員の会社へのロイヤリティが高いというメリットがあります。直接雇用の中でも特に正社員雇用では会社や仕事への帰属意識、忠誠心が育つメリットが大きいでしょう。また、派遣は雇用主が派遣元の企業になりますが直接雇用は自社が雇用しているためにマネジメントや教育をしやすかったり、自社の社風や文化に馴染みやすかったりする点も大きなメリットです。

 

(2) 「定着率が高い」
正社員は、「短期雇用ではない」「一定の収入の継続を見込める」などの特徴から比較的定着性が高く、技術やノウハウが蓄積しやすくなるメリットがあります。就労を継続することによって、仕事の仕方などの技術やノウハウといった無形の資産が蓄積されるので、企業の業績の継続性や成長性に良い影響を与えるといえます。ノウハウがいらない定型業務の場合を除き、短期間でスタッフが入れ替わるのは非常に効率が悪く、様々なコストがかかってしまう要因になりますが、正社員であればそういったリスクを軽減させることが可能です。
また定着率が高いと、企業独自の理念などを理解した上で業務を遂行できる人材を育成しやすくなり、企業経営の継続性・成長性における重要なポイントとなる、経営幹部や次代の経営者候補の育成にもつながります。直接雇用のメリットは短期的には目に見えづらいのですが、コスト面や突発的・短期的なニーズへ対応する場合と違い、中長期的視点での効果が大きく企業成長への貢献が期待できます。

 

(3)「優秀な人材が採用しやすい」
スキルやポテンシャルの面で優秀な人材を必要とする場合、派遣よりも正社員のポジションのほうが採用しやすい特徴があります。
ある調査では、派遣で働く人を対象にアンケートを取ったところ、実に半数以上もの人が正社員での雇用を希望しているという結果が出ています。つまり、自ら望んで派遣での就業をしている人の割合は半分にも満たないことがわかります。従って、派遣で就業しながら正社員雇用への転職を希望している方も多くいらっしゃると考えられます。
働く側の多くは、派遣よりも将来の安定感や安心感がある直接雇用を望む割合が多いために、正社員の方が応募を集めやすく、派遣に比べてニーズに合致する経験やスキルを持つ人材を採用しやすいでしょう。そのため、派遣では採用しづらいハイスペックで優秀な人材を採用しやすいというメリットも挙げられます。


まとめ
めまぐるしく変化するマーケットに対応するために、環境の変化に応じた対応力やスピード経営が求められている中、社外のリソースと社内のリソースを有機的に組み合わせて戦略を練ることが不可欠となっています。
派遣も直接雇用も、人材という経営資源に変わりありません。しかし、派遣も直接雇用も長所と短所があり、決してどちらが良いというひとつの正解があるわけではありません。それぞれのメリットや特徴が異なるため、雇用する目的は何かを明確に考える必要があります。企業の経営状態、成長ステージ、時期的な業務量の増減、景気動向、また企業の文化など、その時々の状況次第で柔軟に考えることが重要です。また、目先の課題のみにとらわれ過ぎることなく、中長期的な計画を立て、先々にどういう影響が及ぼされるのかを想定し、派遣・直接雇用のそれぞれが持つメリットや特徴を活かした採用活動を行うことも重要でしょう。
幅広い選択肢の中から自社に適した採用を行い、より良い経営推進を行って頂ければと思います。

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