3分でわかる最新人事コラム

第73回2011/02/14

「外国人採用」

みなさんもお気づきの通り、現在、少子高齢化の影響を受け、日本の労働力人口(15歳以上の就業者と求職者)の減少が大きな問題となっております。
厚生労働省発表のデータによると、2004年の労働力人口6,642万人を基準にして、2002年にまとめた将来人口推計の通りに人口が減り続けたとして計算したところ、現在の勢いのまま人口減少が進んだ場合の労働力人口は2030年以降急速に落ち込み、2050年には2004年の水準より2,171万人少ない4,471万人に減少するとの結果がでたようです。
このことからもわかる通り、日本の雇用情勢は大きな課題をはらんでいるのが現状となっております。
近い将来の、労働力不足による需要過多という予想を考慮し、これまでの働き盛りの男性正社員を中心とした人員構成のみではなく、非正規社員・高齢者・女性などの様々な人材の活用性については取り組んでいる会社は増えてきました。その方法以外にも解決策の方法の一つとして取り上げられるのが外国人の雇用です。

 

今回のコラムでは、近い将来日本の雇用に大きな影響を与えるであろう日本国内における外国人採用について考えてみたいと思います。

 

日本における外国人採用の現状
経済産業省の調べによると、平成19年の外国人労働者を直接雇用しているとして報告を行った事業所は27,323所(前年25,106所)であり、外国人労働者数は222,929人に及ぶそうです。平成14年の統計は19,197所の141,285人と比べると、81,644人の増加をしていることが分かります。
また、興味深いのは、増え続けている外国人労働者を事業所の規模・職種別に見てみると、事業所規模が大きくなるほど、「生産工程作業員」の割合が低下し、「専門・技術・管理職」の割合が増加する傾向がみられます。100人以下の事業所規模の「専門・技術・管理職」の人数が20%強に対し、1,000人以上の事業所規模の「専門・技術・管理職」の割合は50%弱という結果になっています。
この結果を見てみると、大手企業を中心にグローバル化が進み、ホワイトカラーの採用が積極的に行われているのではないか、ということが推測できます。
これまでの例を新卒採用で見てみると、ある大手電機メーカーの場合、2011年度に入社する正社員1,390人のうち、外国人は1,100人に上り、アパレルメーカー大手企業でも、11年度の新卒採用600人の半数が外国人という、これまでにはない大胆な採用が行われています。国際ビジネスで長年の実績を持つ、ある大手総合商社でも2007年から海外拠点で採用した現地社員を日本国内で2年間研修させる制度を始めるなど、外国人社員の活用に本腰を入れ始めています。上記のように、積極的に動いている企業も多いというのが現状です。

 

外国人採用の必要性
現在、世界的な金融危機による景気悪化不安に怯え、派遣・契約などの非正規社員ばかりか、来春の正社員採用さえ見合わせようとする日本企業が続出している中、どうして外国人の採用は増加の一途をたどっているのでしょうか。
上記で一部述べたように、大手企業を中心に人文知識・国際業務、技術ビザなどで来日しているホワイトカラーの人材の急激な増加傾向がみられている中で、その要因の多くを占めているのが日本企業のグローバル化です。
経済の成熟化と少子化に伴う、日本が人口減少局面へ移行したことによって、今後、国内市場において過去に見られたような大幅な経済成長を望むことは難しく、日本企業はこれまでその競争力の源泉であった国内市場の縮小という大きな環境変化の局面を迎えています。一方、米国の金融危機に端を発するいわゆる世界同時不況の影響を受けながらも、発展途上国・新興国市場は依然として急速な拡大を続けています。特に、発展途上国・新興国市場における2009 年から2014 年にかけての市場拡大規模は目覚ましいものがあり、今後の成長フロンティアとして世界からの注目を浴びています。特に中国やASEAN、インドといった新興国では、自動車や家電製品、高付加価値型サービスの購入層となり得る「中間所得層」市場の拡大が予測されており、国内市場の衰退が予想される中で、今後の日本企業の成長の鍵を握るのは新興国市場をはじめとした海外市場であり、海外進出先でのパフォーマンスの向上が日本企業の鍵となってくるのは確かです。そうした海外進出を成功させるためには、それぞれの国の文化に精通し、高い語学力を有する優秀な外国人の活用が必要であるため、外国人採用の必要性が高まってくるわけです。

 

外国人採用のメリットと留意点
上記で述べたように、日本企業が生き残るためには優秀な外国人の採用が不可欠となってきます。外国人を採用することにより、どのようなメリット・デメリットが発生するのか考えてみたいと思います。
メリットとしてあげられる点をまとめると主に下記の3つになるかと思います。

 

■相手国のリアル情報入手
その土地に精通している人材を採用することによって、その国の文化や慣習といったリアルな情報を得ることができます。 また、このような情報を得ることにより、さまざまな事前対策や分析をすることが可能となります。

 

■新たなビジネスチャンス
高い語学力があることで、海外とのコミュニケーションを円滑に行うことが可能となり、外資系企業との取引の機会を得やすくなります。
また、国によっては、自国民以外はあまり信用しないという場合もあり、外国人社員の人脈やネットワークがあることにより、ビジネスの方向性が大きく変わることもあります。

 

■社内活性化
教育から文化まで日本人とは異なる人材を導入することにより、固定概念にとらわれない、また日本人にはない発想を期待できます。そして、日本人とは異なる仕事への姿勢は、時として既存の従業員に良い刺激を与えることがあります。それにより社員1人1人のモチベーションアップや職場の雰囲気を明るくすることにもつながります。

 

一方で、生活習慣や風土文化の違いは人間関係形成に問題を発生させる可能性も含んでいる為、採用時には注意が必要です。他にも、外国人社員は日本人と違って入国管理局の発行する滞在・労働ビザが求められる点や、宿舎や生活設備を会社側で提供する場合は、新たな環境設備が必要になるのでコストがかかる点など、考慮する必要があります。「文化・慣習の違い」や「雇用する際の手続き」という点に注意しないと思うようなメリットが得られない可能性があることも覚えておかなくてはなりません。

 

上記のように、外国人を採用するにあたっての課題や注意点が存在するのは確かです。しかし、逆を返せば、上記のような点にさえ注意すれば、様々なメリットを会社にもたらしてくれる可能性があると言い換えることが出来ます。それでは、実際の外国人採用の成功例を見てみたいと思います。

 

【成功例1】
フロンの破壊処理や再生処理などを手がけるA社は、将来東南アジアを中心に海外市場開拓を進める計画で優秀な海外人材を求めていました。そこで、社会人経験未経験、某大学でバイオテクノロジーを学び、当時博士号を取得したばかりのミャンマー国籍の人材を採用しました。その方の強みは、理系出身の専門知識と、日本語・英語・ミャンマー語が話せる語学力でした。新たに設立したミャンマーの現地法人に1年間派遣後、本社で分析、処理技術を学び、現在では現地法人の責任者候補として、視察に訪れた外国人への説明係など多角的にご活躍されているそうです。採用のポイントは、語学力が堪能であり、現地の文化に詳しい人材を採用することによって、新たな現地法人がスムーズに現地環境に対応できたことが、会社に利益をもたらしたといえるのではないでしょうか。

 

【成功例2】
某IT系のB社は、最近の社内の営業マンのモチベーション低下に悩んでいました。要因の一つとして、社内での競争意識が薄れてきており、ライバル視している社員が非常に少なかった点です。そこで、「社内の雰囲気を変えたい」との気持ちから、日本語が堪能で、勤勉な人柄の海外留学生を数名採用しました。成長意欲が高く勉強熱心な彼らは、未経験にも関わらず急成長を遂げ、その中の一人は2年後に全社でトップの営業成績をあげたそうです。その働く姿勢や、成長意欲の高さに数多くの社員が刺激を受け、「外から来たメンバーには負けられない」という奮起を促し、次の年の営業利益は前年の30%アップを果たしたそうです。採用した人事のコメントによると、「仕事に対する貪欲さや成長意欲は、日本人に比べて格段高い人材が多い。今回の採用で社内に活気が戻った。」と振り返っています。

 

以上の二つの例は、日本企業で働きたいという人材の就職が実現し、会社への利益ももたらしたという本来の採用の意味が実現した例だと思います。
今後、上記のような事例が増えていき、日本企業の活性化につながる日はそう遠くないかもしれません。

 

まとめ
冒頭で述べたように、少子高齢化の影響を受け、約40年後のそう遠くない将来、約2,000万人以上の労働者が減少するという統計があり、日本における雇用情勢は大きな課題を抱えております。また、新興国の急激な成長により、日本国内での需要が減少する中で、海外進出というキーワードは今後の日本企業の成長のために間違いなく不可欠になってきます。そのための重要な解決策の一つが外国人採用です。
現時点において、海外進出を見据えた外国人採用を積極的に行っている企業は多くはないですが、今後の情勢を先読みし、将来を見据えて「今から動き出す」ということが大事ではないかと考えます。
上記でも述べたように、外国人を雇用することはメリットだけではありません。採用するにあたって様々なコストや手続きも発生します。今のうちから、外国人採用についての関心を持ち、自社における採用ノウハウを増やしていくことで、将来を見据えた組織で作りができるのではないかと思います。

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