3分でわかる最新人事コラム

第74回2011/03/14

「採用におけるwebコミュニケーションの活用」~ソーシャルリクルーティング~

リーマンショック以降、企業の採用活動に大きな変革期が訪れています。
景気の見通しが立たず、成長戦略を描けない中で、企業が安易に人材を採用することは大きなリスクを伴うものであり、以前より採用に対して慎重な姿勢をとらざるを得なくなりました。目標採用人数に達しない場合でも、ハードルを下げて採用人数を優先することはなくなり、質を重視する傾向が出てきていることは、皆さまも実感値としてあるかと思います。また、採用コストについても同様に、慎重に考える傾向が出てきております。
これまでの採用方法のメインであった、紙媒体やweb媒体での募集や、人材紹介会社等の有料職業紹介の利用といった採用手法がなくなることは考えづらいものの、採用に係わるコストや質を向上させるため、企業は様々な工夫を始めています。その中の一つとして、最近注目されているのが『webコミュニケーション』を活用した採用活動です。
今回のコラムでは、この「採用におけるwebコミュニケーション」について、その必要性や役割、メリット、導入企業の動向などを解説したいと思います。自社に合った採用戦略の一つとして、今回のコラムをご参考にしていただければ幸いです。


webコミュニケーションとは
漠然としたイメージはできるものの、『webコミュニケーション』という言葉の意味について具体的な説明ができる方は、意外と少ないようです。では、そもそもwebコミュニケーションとはどういうものなのでしょうか。
webコミュニケーションとは、インターネットを使用しコミュニケーションを図ること全般を指します。総務省の調べによると、2010年1月時点での日本国内のインターネット利用者数は9408万人と発表されており、人口普及率は約78%にまでなっているとのことです。これまでのインターネットのコミュニケーションツールは、BBS(掲示板)、Eメール、メッセンジャーなどのツールが挙げられ、このようなツールが普及した当初は、「離れている人とも気軽に連絡をとる機会が増えた」「費用を気にせずにコミュニケーションがとれるようになった」などといった声が多くあがり、それまでより格段にコミュニケーションを図る機会が多くなりました。しかし、これらのツールに代わり、昨今はFacebook、mixiなどのソーシャルネットワーキングサービス(以下SNS)やTwitterをコミュニケーションツールとして活用している方が非常に増えて来ています。同じく総務省の調べによると、2009年1月時点での日本国内のSNS会員数はのべ7134万人と発表されており、単純計算で日本の総人口数の約60%、インターネット利用者の約75%がいずれかのSNSを利用している計算になります。SNSを利用しているのは個人だけではなく企業が活用する例も多く、大手企業各社でも社内コミュニケーションの活性化や、拠点間の情報共有、内定者囲い込み、SOX法対策等に使われ始めています。また、採用活動での利用も増えてきており「ソーシャルリクルーティング」と言う言葉も使われるようになってきています。

 

ソーシャルリクルーティングとは
FacebookやTwitterといったソーシャルメディアの広まりとともに、2009年頃から「ソーシャルリクルーティング」という言葉が使われるようになりました。主に英語圏でこのワードが広まりつつありますが、その実態は未だ混沌としており、一体これが何を意味するのか、どのような効果があるのかは、特に定まったものがあるわけではないのが現状です。ソーシャルリクルーティングに関してはいろいろな定義があり、一つは企業やリクルーターがFacebookやTwitter、その他のソーシャルメディアを利用して候補者を見つけるという採用の手法としていること、一つはソーシャルメディアを採用のツールとして候補者とのコミュニティを形成し候補者を「大勢の中」からではなく「顔の見える人」として採用するプロセスのこと、などが挙げられます。
欧米と比較して、日本ではまだそれほどソーシャルリクルーティングというキーワードが浸透していないとはいえ、実際にソーシャルメディアを使用した採用を行っている企業もあります。


ソーシャルリクルーティングの活用
ある企業で、従来のナビ(マスメディア)とソーシャルメディア(Twitter、自社採用ページ、その他)の両方を利用して採用活動を行ったところ、従来のナビでは2000名のエントリーがあったうち、5名の内定を出したのに対し、ソーシャルメディアではエントリーが300名にも関わらず15名の方に内定を出した、という事例があります。この企業は、そのようなメディア別の採用比率に目標設定をしているわけでもなく、採用の選考ハードルを変えたわけでもないようで、結果として上記のようになったとのことでした。なぜ使用する採用ツールの違いで、このような内定者の数に大きな差が出るような結果になったのでしょうか。要因はいくつか挙げられるかと思いますが、その中の理由の一つとして考えられる点を述べさせていただきます。
この企業は、ソーシャルメディアを利用して絶えず候補者の方とコミュニケーションを取り続けており、またソーシャルメディアから来る候補者の質問に対して丁寧に答え、ときに候補者同士の会話に入るなど、積極的にコミュニケーションを図る工夫をしていました。所謂、双方向でコミュニケーションを図っていたというわけです。こうしたことを繰り返し行っていくことで、候補者は企業の文化や事業内容を深く理解し、その上で選考を受けることができます。
それに対し、従来のナビではどうしても候補者に対する情報発信は出来ても、コミュニケーションが一方向になりがちであり、たとえ企業側の採用面接をクリアーしてきたとしても、最後に何らかの理由によって採用に至らないことや、他社の内定を選ばれてしまうケースがあります。また、入社に至っても、事前のコミュニケーション不足から入社前と入社後に相違を感じ、結果的にミスマッチになって早期退職となってしまうこともあります。事前のコミュニケーションを、双方向でしっかりと取り続けることが結果としてより良い採用につながるというわけです。

 

最近では某大手IT企業がソーシャルメディアを使った採用活動を始めることを本格化しています。Facebookを利用した採用枠を設けるほか、インターネット上の仮想空間での会社説明会や面接の実施も始めているようです。SNSは、就職活動時の情報交換の場としても利用が増えているため、全国各地から有能な新卒や中途採用者を確保することを狙い、近く日本語版のFacebookに採用活動専用のサイトを開設することも、多くの企業が検討を始めています。
また別の企業では、mixiを活用して採用を試みている企業もあります。ある企業は、新聞に求人広告を出すのと同タイミングで「mixiハローワーク」というSNSにトピックを立てたところ、新聞を見た人よりも遙かに多い人から問い合わせのメッセージが届き、メッセージから応募者のプロフィール、日記、参加コミュニティなどをチェックして、年齢や居住地、興味のあることなど、面接に呼ぶ前にある程度の人物像を推し量ることができたそうです。こういったSNSでは、日記やコミュニティでフランクな文体で書き込みをしている人が多いので、事前にその人の人柄を垣間見ることができることもメリットとなっているようです。


ソーシャルリクルーティングに関する見解
上記のソーシャルリクルーティング事例は一つの成功例ではありますが、決して従来の採用手法が悪いというわけではなく、またソーシャルリクルーティングが良いというわけではありません。そもそも目的が違うのではないでしょうか。
従来のナビを使った採用手法というものは、そもそも紙媒体で行われていた採用手法をwebに置き換えたものであり、紙媒体の時代の採用手法とは大きくは変化していません。より多くの採用母体を集め、大量に採用していく必要がある時代の手法であり、現在でも多くの採用人数を確保するのであれば、従来のメディアは有効に機能させることも可能です。
一方でソーシャルリクルーティングは、リクルーティングの新しい次元だと考えます。そもそもリクルーティングとは「組織(企業)の人材採用活動」という意味ですが、「組織」はそれぞれ社会に対して果たすべき目的を持っており、その目的を成し遂げる為の集まりです。つまり、リクルーティングとはその「組織」の目的に共感した仲間を見つける活動と考えることができます。リクルーティングは同じ想いを持った仲間を探す活動であり、そうしたリクルーティングの背景が繋がって出来た一つの形がひとつの「ソーシャル」を形成するのだと考えることが出来ます。ソーシャルリクルーティングはある意味、従来の採用に対する考え方とは全く異なる、いわば別次元の採用活動と言えるのではないでしょうか。
単にソーシャルメディア使った採用がソーシャルリクルーティングということではなく、ソーシャルリクルーティングとは人と人との新たなつながりの中で仲間を見つけていく行為であり、そしてソーシャルメディアなくしては成り立たないシステムなのです。


総括
今回のコラムをご覧になった方々にも様々な意見があるとは思いますが、より質を重視した採用を行う企業が多い昨今、優秀な人材(自社に合った人材)を採用するため、webコミュニケーションの活用は無視できない手法であり、近い将来には採用手法のスタンダードになり得ます。社内の状況によっては敢えて使用しないという選択肢もあるとは思いますが、一度は自社に合ったwebコミュニケーションの活用の仕方を考える価値はあるのではないでしょうか。
今回のコラムをきっかけに、是非一度自社の採用におけるwebコミュニケーションの活用について情報収集してみてはいかがでしょうか。

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