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「行政の見える化」が実現へ!新地方公会計制度と会計担当者の注意点とは【コラム】

2017/11/14

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平成26(2014)年5月、総務大臣より「今後の地方公会計の整備促進」が通知されました。通知によれば、固定資産台帳と財務書類の作成に関する統一的な基準を示すとともに、すべての地方公共団体において、平成29(2017)年度までの3年間で新地方公会計制度を導入するよう要請しています。
新地方公会計制度には、自治体の状況に応じて整備できるよう1. 基準モデル、2. 総務省方式改訂モデル(自治体の事務負担を考慮し、段階的整備が可能)の2つが用意されていますが、「東京都モデル」のように、自治体独自で考案したモデルもあります。
新地方公会計制度を導入することにより、公共サービスを受ける市民が、知りたいときに容易に必要とする情報を得ることができる、「行政の見える化」が大きく期待されています。一方で、地方公共団体の会計担当者にとって、大きな負担も予測されますが、どのような点に注意すべきなのでしょうか。

最も注意すべき点は「現金主義」と「発生主義」に対する効果

これまでの地方公会計は、現金主義・単式簿記、いわゆる「現金出納帳」的な記帳方法を採用していました。現金主義だと、現金の流れは分かりやすい半面、減価償却費といった、現金の支出を伴わないコストの把握が難しくなります。
そこで、新地方公会計制度はこれまでの記帳方法に加え、企業会計が採用する「発生主義・複式簿記」に基づいた新しい財務書類4表(貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書)を作成し、これまでの帳票を補完していきます。
この他にも、地方公共団体の財産のなかで大きな割合を占める固定資産を網羅的に管理することで、財政状態を正しく把握することにつながるという点から、固定資産台帳の整備も必須とされています。
これらの諸表を作成・活用することで、短期的な視点においては、たとえば整備した道路や建物などの資産や、それに関連する負債の状況、公共サービスに要したコストを把握することができるようになり、資産・債務の適切な管理が可能となります。また中・長期的な視点においては、より効率的な地方自治体の行政運営に生かされていくことが期待されています。

その他の注意点は

新地方公会計制度が、企業会計が採用する「発生主義・複式簿記」を導入するというものの、企業会計を新地方公会計にそのまま当てはめることではない点を理解する必要があります。というのも、利益追求を目的とする企業の経済活動を報告・説明する企業会計と、行政目的どおりの予算が執行されたかを監視・評価する地方公会計における財務報告の目的がまったく異なるからです。
たとえば、企業会計の損益計算書は、対応する収益とコストを差し引き、期間損益を計算します。期間損益が偶然的な要因の含まれない企業の正常な収益力を示すのに対し、地方公共団体の「行政コスト計算書」における、経常行政コストと経常収益からの差し引きから求められる「純経常行政コスト」は、損益の概念とは異なり、地方税や地方交付税などの一般財源などで賄うべきコストを表します。
長らく現金主義の地方公会計に携わった会計担当者の方々にとっては、このような違いをすぐに理解し、新地方公会計制度導入を進めていくのは、そう簡単ではない場合があります。すでに一部の地方公共団体では、発生主義的な観点から行財政改革を推進するため、公認会計士を募集しています。会計担当者の教育はもちろんですが、スムーズで漏れなどのない地方公会計制度導入のためにも、専門的な知見を有する実務者である、公認会計士のようなプロに頼ることは必須といえるでしょう。

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(記事提供/株式会社エスタイル)

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