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インターネットで比較される現在、税理士の顧問料は業務内容で決定する【コラム】

2018/02/07

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税理士の顧問料は一律の時代から顧客ごとに違う時代に

20年くらい前まで、税理士の顧問料はほぼ一律でした。月額3万円、プラス決算料6ヵ月分というように。しかし、現在では法人向けでもそのような顧問料の決め方をしている税理士事務所はほとんどないと思われます。

もちろん、以前も顧客の売上によって、月額3万円、5万円、7万円、10万円などと顧問料の分類はありましたが、いまのように顧客との契約によって変わるようなものではありませんでした。つまり、以前は税理士事務所側の論理(顧客の売上高や従業員数などの規模)で顧問料が必然的に決定していたものが、近年は顧客側との個別契約によって決定するように変わりました。つまり、顧客側の意向が反映されるようになってきたのです。

顧問料が変化した理由はソフト化とインターネット化

顧問料の決定方法が変化した理由は何でしょうか?大きな理由は2つあります。

1つは昔のように顧客が帳簿関係を税理士に丸投げしなくなったこと。
これはコンピューターソフトの普及により、たとえば日々の売上は顧客が自分でソフトに入力する、あるいはレジとソフトが連動していて自動的に算出されるようになったことで、税理士事務所の業務量(入力作業など)が減少し、顧問料を見直さざるをえなくなりました。

もう1つはインターネットの普及です。
顧問料についていうと、こちらのほうが大きいかもしれません。2002年の税理士法改正により税理士事務所の広告が解禁となりましたが、テレビ・新聞など、媒体を活用した広告には依然として高いハードルがあります。そのなかで、ハードルが低いのが税理士事務所自体のウェブサイト(ホームページ)化です。15年ほど前、ある調査で税理士事務所のウェブサイト数を調べたところ、1400件程でした。しかし、いまではほとんどの税理士事務所がウェブサイトを持っています。

以前は税理士事務所の業務内容(顧客側から見ればサービス内容)を比較することが難しく、いわばブラックボックスのような状況でしたが、ウェブサイト化することで、顧客側が税理士事務所を比較検討することが容易になりました。そのことで顧問料の決定権は、税理士事務所側から顧客側に移行したのです。

高額の顧問料を得るには顧客が納得する業務内容とサービスが必要になる

それでは、現在の税理士事務所の顧問料はどうやって決定されるのでしょうか?

基本的には顧客となる法人の売上高があります。
売上高が増えれば仕入れや支出の細目(仕分け)が増加するため、顧問料のベースになります。

もう1つの柱になるのが、付加価値となるサービス内容(業務内容)です。
たとえば、税理士事務所の税理士(もしくは職員)が毎月顧客を訪問する必要性の有無です。以前は税理士事務所側でこの業務はセットとされていましたが、いまは顧客側に月次決算のデータ(分析含む)を知りたいという要望があるかないかで決まります。

一般的に、規模拡大を目標にしている法人は、月次の売上や利益の増減の理由を知りたいと思いますが、現状維持で問題がない法人(自営業など)は、毎月の訪問を必要としない場合もあります。そうした法人向けであれば、サービス内容を充実させるより顧問料を減額したほうがよいでしょう。

税理士事務所が毎月訪問することを顧客側が必要としないのであれば、付加価値のあるサービスとはいえません。以前は入力をするだけ、税理士事務所で作成した指標を渡すだけの訪問が多く、とても顧客が満足するようなサービスではありませんでした。顧客が税理士の訪問を事業の発展に必要不可欠と感じるようになってはじめて付加価値のあるサービスといえるのです。

税理士事務所側が高額の顧問料を維持していくには、顧客が満足する業務内容(サービス)を提示し、実績を残す必要があります。顧問料における付加価値となる業務内容を充実させることにこそ、事務所側のスキルが求められます。

安定型でも高収益型の事務所でも経営コンサルのスキルは必要不可欠になる

顧客が求める以上のサービスを提供し続けることができれば、高額の顧問料を得ることができます。
税理士事務所にとって最大のサービスは、経営相談、もう一歩踏み込めば経営指南です。いわば経営コンサルこそ、顧客側が税理士事務所に求める最大のサービスです。

しかし、税理士は申告書の税務処理(申告代行)が元来の業務であり、経営的なサポートまでは求められていません。その為、最大のサービスである経営相談の対応に多くの税理士が悩んでいるのも実情です。

今後独立開業をめざす税理士(あるいは税理士試験受験者)であるなら、経営コンサルのスキルを上げることにも努力するべきです。
しかし、経営コンサルのスキルとは具体的にはどんなことでしょうか?
1つは経営指標を読み解く分析力です。どの指標が顧客にとって大事な指標になり、その変化がどうなれば売上や利益の向上につながるのか、逆にどうなれば経営が危なくなるのか?まずは指標を分析するスキルを上げることが経営コンサルには求められます。

もう1つはコミュニケーション能力です。相手の要望を聞き、それに応えていくには、コミュニケーション能力は必要不可欠なものです。極端ないい方をすれば、多少分析能力が足りなくてもコミュニケーション能力が高ければ相手の満足を得ることは可能です。そして、税理士にとって分析能力より難しいとされるのが、コミュニケーション能力だといわれています。

この2つのスキルをいかにして身につけ向上させるか。それが大事なのです。

もちろん、安い顧問料でも問題ない、多くの顧客を抱えることで安定した事務所経営はできると考えるのも間違っていません。しかし、経営ソフトも年々進化し、今後はAI化も進んでいくでしょう。

高額な顧問料を得て、高収益型の税理士事務所をめざすのであればもちろんのこと、確実に生き残ることを考えるのであれば、最低限の経営コンサルのスキルは保有すべきであり、そのスキルは早いうちに磨く必要があります。

このように、時代の趨勢に合わせて顧問料の金額や内容も変わるものと考えましょう。顧問料を何の対価として得るのか、いま求められるスキルが何であるかを知ることは、ご自身の提案力やサービスの価値を再確認することにつながります。こうした振り返りの機会を持つことも大切にしてください。

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