転職トピックス

税理士 会計事務所・税務スタッフ

確定申告の忙しさは、事務所の働き方改革を進めるチャンス!【コラム】

20180315topics.jpg

確定申告期を「忙しい」だけでは終わらせない

一般的に確定申告は2月15日から3月15日までですが、税理士事務所にとっては顧客企業の年末調整が始まる12月からすでに確定申告の繁忙期が始まっていると考える事務所も少なくありません。

なぜなら、中小企業にとって、年末調整は意外と面倒で難しいものです。さらに、年末調整に伴い法定調書や給与支払報告書など税務署や地方自治体へ提出する書類もあり、それなら前段階である年末調整から税理士事務所に頼んでしまおうと考える企業もあるからです。これらの業務が終了するやいなや確定申告が始まるわけなので、税理士事務所の繁忙期は年末調整に始まり確定申告に終わると考える税理士が多いのです。

この時期になると、夜中までと電気がともる税理士事務所も多いでしょう。もちろん、すべてが手書きで行われていた頃に比べれば、作業効率は数段良くなったとはいえ、多い事務所では数千件、中堅事務所でも500~600件の確定申告をする事務所はざらにあります。2018年の通常国会では働き方改革が大きなテーマになっていますが、この時期の税理士事務所の残業時間が100時間オーバーになることは珍しくないと思います。

税理士事務所にとって、確定申告期はまさに猫の手も借りたいほど忙しい繁忙期ですが、仕事量が多い時期だからこそできることがあるのです。それは税理士事務所の働き方改革にもつながり、将来的には事務所改革にもつなげることが可能なことなのです。

役割分担と作業の前倒しで作業効率のアップを図る

もちろん、さまざまな会計ソフトが普及し、いまは基本的にパソコンを扱える人が増えているわけで、簡単な申告であれば自分で行ってしまう人も少なくないでしょう。そういう意味ではなんでもかんでも税理士事務所に持ち込むということはなくなっていると思われます。

しかし、信じられない話ではありますが、いまでも3月10日過ぎになると、紙袋とかレジ袋などにグチャグチャになった領収証を入れて確定申告をお願いにくる人もいるそうです。また、そこまではひどくないにしても、何の下処理もしていない生データ(預金通帳や領収証)を持ってくる人は意外といるそうです。どんなに会計ソフトが進歩しても、事業は人がやることですから、ズボラな人が一定数いるというのも事実のようです。

そして、こういう顧客の会計処理(確定申告含む)こそが、税理士事務所にとっては面倒でもあるし、間違いも起きやすくなるわけです。逆にいえば、こうした顧客の会計処理をいかに手際よく、無駄なくできるかが税理士事務所の働き方改革につながるのです。

まず大事なのは役割分担です。税理士事務所によっては確定申告を1件処理するごとに〇〇円という報酬体系(臨時収入として)をしていた事務所があるようですが、こうした手法だと1件の書類の不備があるとすべての作業が滞ってしまう可能性があります。そこで役割を分担するのです。

簡単にいえば、1. 書類(帳簿)の整理⇒連絡  2. 入力  3.確認(監査)という流れを作り、複数の職員(税理士含む)で1チームを作って作業します。まず、届けられた書類の整理を行う。不備があった場合は連絡する。書類が全部そろった案件から入力を行う。そして確認を行う。これらの流れをエクセルか何かで表にしておけば、きわめて時間ロスの少ない、間違いが起きにくい業務が可能になります。実際、こうした手法でいつもギリギリまでかかっていた確定申告を数日前に終了させることができるようになった税理士事務所があるそうです。

働き方改革から事務所改革へつなげる

前述した手法はあくまで一例ですが、要は作業の無駄を省き、いかに少ないロスで業務を行えるようにできるか。こうした知恵を出すことで初めて事務所改革にもなるのだと思われます。

税理士事務所は典型的な労働集約型の組織です。一般的に労働分配率は50%前後とされ、50%を大きく超える業種は労働集約型の業種とされます。税理士事務所は、一説には60%前後ともいわれ、そういう意味では典型的な労働集約型の業種といえます。

別に労働分配率を下げるべきというわけではありません。そうすると職員の給与を下げれば良いということになり、それでまかり間違えれば、ブラック企業になってしまいます。ここで問題とされるのは、労働集約型の企業だからこそ、職員の働き方が企業としての税理士事務所の運営に直結するということです。つまり、税理士事務所を改革(改善)したいのであれば、一番効果的なのが職員の働き方、作業能率の向上を目指すべきだということです。

東京のある税理士事務所では、開業当初は多くの事務所と同じような作業をしていたそうですが、ある年の確定申告から作業手順を見直して、効率アップを図ったところ、確定申告の作業はもちろんですが、その後の業務改善につながり、高収益を図れるようになったそうです。

そのことで職員一人あたりのこなせる件数(確定申告だけでなく日常の会計処理)が増加し、結果的に職員の給与も高くでき、規模を拡大することにつなげられたそうです。

確定申告のデータベース化の充実で、サービスの向上と顧客拡大へ

前述しましたが、確定申告はその人の性格がかなり色濃く反映されるようです。また、税金に対する意識もかなり強く反映されます。もちろん、無駄な税金を払いたくないというのは共通だとは思いますが、かなり無理難題を持ちかけられることも少なくありません。そういう人に応じる必要はありませんが、こうした経営者の思想や考え方をデータ化できるのも確定申告の一つのメリットです。

確定申告で経営者に聞いた話からヒントを得て、その後のサービス拡充につなげたという話もあります。確定申告業務を「忙しい」で終わらせるのはあまりにもったいないことです。確定申告は、顧客が次の顧問先につながるというだけでなく、スタッフの働き方改革、事務所改善、そしてサービス向上につなげることも可能な「仕事」なのです。以前、「確定申告は宝の山」といった税理士を知っていますが、本当に忙しい確定申告業務だからこそ、税理士事務所のさまざまな課題を解決する道しるべにすることも可能なのです。

【おすすめ記事】
税理士の繁忙期はいつ?残業時間はどれくらい?

【この記事を読んだ方におすすめのサービス】
◆≪会計業界の転職にも特化!≫MS-Japanの無料転職サポートサービスとは?
◆≪転職で譲れないポイントを相談&発見!≫無料転職相談会・無料転職セミナー
◆≪期間限定プレゼント有≫転職や会計業界のお役立ちトピックスをキャリアアドバイザーが毎週ご紹介!メルマガ登録はこちら

次の記事 > 公認会計士の求人流動化?企業内会計士採用増加にみる、それぞれの対応は【コラム】

前の記事 > 将来1000万円以上稼げる税理士になるには?




ほかのトピックスもチェック!転職トピックス一覧

3分でわかる最新人事コラム3分でわかる最新人事コラム一覧

  

転職セミナー・個別相談会 開催中セミナー・個別相談会

転職セミナー・個別相談会一覧

To Top