30代で税理士になった人の就職状況とは

税理士
2018/10/18

30代で税理士になった人の就職状況とは

30代で税理士になった人の就職状況とは

税理士業界において、30代の資格保有者は貴重です。税理士事務所に就職すると、年齢的に若手人材とされるため、最初は指示された業務に専念させられるかもしれません。一方で、業界を飛び出して、一般企業やコンサルティングファームへの就職にチャレンジする30代税理士も少なくありません。

30代で税理士になる方は多いのか?

税理士業界全体の平均年齢は、60歳を超えており、高齢化傾向が進んでいます。これは、税務署の退職者が無試験で税理士に転身する動きが加速しているためとみられています。

一方で、税理士試験の合格者をみてみると、30代は一定のボリュームゾーンを占めています。税理士試験が、比較的若手の税理士資格者の供給源になっているといえるのです。

平成29(2017)年度の税理士試験において、30代の官報合格者(最終合格者)は、336名で、全合格者(795名)に占める割合は、42.3%となっています。これだけをみると、30代税理士がかなり多いようにも思えます。

もっとも、無試験で税理士に転身している年配層のほうが、はるかに多いので、業界全体を俯瞰して見ると、30代税理士は貴重かつ稀少な存在といえるのです。

30代で税理士になった方の就職先は?

30代で合格して、就職せずにいきなり独立開業をする税理士は少ないようです。税理士人口が増え続けている結果、クライアントの獲得が過当競争になりつつあります。そのため、生き残りを賭けて顧問税理士の口がベテラン層に偏っており、若手に回ってこない弊害もあるのです。税理士にとって顧問先を多く確保することが安定経営に繋がるため、顧問先を見込めないままの独立開業は経営リスクが高く、無謀だとして敬遠されがちです。

よって、30代の税理士は、まず税理士事務所(会計事務所)に就職するか、企業に就職して経理部に配属される道を選ぶことが大半です。事務所に就職できれば、クライアント獲得にそれほど労力を割く必要はありません。安定した給与を確保しながら、任された仕事を粛々とこなすことで、業務経験を積み上げていくことができます。

近年では、経営コンサルティングファームに就職し、企業経営者へのアドバイザーとしての役割を務める税理士資格者も現れています。

将来的には独立開業したいと野望を抱いている30代税理士もいますが、顧客獲得の道を切り拓くよほどの妙案を持っていない限り、30代で開業する税理士は少ないのです。

30代で税理士になった方でも高年収・高待遇は実現可能か?

30代で税理士になった方でも高年収・高待遇は実現可能か?

税理士業界が、限られた「パイ」を奪い合うかのような過当競争となっているため、分け前としての給与水準も低下傾向にあります。

ただし、それは税理士としての最低限のスキルしか身につけていない方の課題かもしれません。税理士資格者は世の中に溢れているのですから、ライバルに差を付けて抜きん出るためには、税務とは別個のスキルを身につけることが早道です。

そうしたオプションスキルとして有望なものが語学力です。ビジネス上の国際語である英語について、会話能力と読解・筆記能力を身につけておくと、稀少な税理士人材として重宝されることでしょう。それにより、高年収・高待遇の道もひらけてきます。

併せて、国際税務についても勉強しておきましょう。海外の税理士とも円滑にコミュニケーションを取れるようになりますし、国境を超えて活躍できる道も開けます。

企業勤務経験がある30代で税理士になった方の転職は、可能?評価はどうなのか?

税理士事務所・会計事務所にスタッフとして勤務しながら、着実に科目合格を重ね、30代で税理士となった人も多いです。その一方で、一般事業会社に勤めながら税理士試験に合格した30代税理士は、組織での適応能力が高いと見なされ、企業経理部への転職活動も有利に進められます。

企業としても、会計や税務の専門知識を身につけている人材は常にほしいと考えています。お金の流れの把握や納税・節税は、企業にとって切っても切り離せない営みだからです。

よって、税理士資格者は歓迎したいところですが、一般の従業員が近寄りがたい雰囲気を醸し出している人は、どうしても敬遠されてしまいます。

その点、企業勤務経験があり、しかも税理士の資格を保有している30代の若手転職者は、歓迎されることでしょう。

経営コンサルティングファームも、一般事業会社がクライアントとなりますから、勤務経験があって内部事情をある程度知っている30代税理士は転職に有利になると考えられますし、転職市場での評価も高いでしょう。

まとめ

高齢化が止まらない税理士業界で、30代の税理士は十分すぎるほど「若手」の部類に入ります。税理士事務所などにスタッフとして勤務しながら税理士資格を取得したなら、税理士業界を知り尽くしていて、業界内では高い評価が得られるでしょう。一方で、事業会社に勤務しながら税理士試験に合格した人材は貴重であり、経理部で高いポテンシャルを持つ専門職として歓迎されるに違いありません。


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<参考>
・ 国税庁 平成29年度(第67回)税理士試験結果

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