令和3年司法試験短答式試験の合格発表と就活状況について
2021年6月3日、令和3年の司法試験短答式試験の合格発表がありました。短答式の結果は受験者数3,424人、合格者2,672人、合格率78.0%でした。次の論文式試験の合格発表は2021年9月7日(火)の予定です。
この記事では、短答式試験の結果と、合格・不合格後の進路や就活について解説していきます。
1.令和3年司法試験短答式試験結果
2020年 | 2021年 | 差異 | |
出願者数 | 4,226人 | 3,754人 | -472 |
受験者数 | 3,703人 | 3,424人 | -279 |
合格者数 | 2,793人 | 2,672人 | -121 |
合格率 | 75.4% | 78.0% | - |
合格点 | 93点 | 99点 | - |
法科大学院生の受験者数 | 3,280人 | 3,024人 | -256人 |
2021年の司法試験短答式試験結果ですが、受験者数は3,424人(昨年3,703人)、合格者数は2,672人(昨年2,793人)、合格率は78.0%(昨年75.4%)。受験者数は昨年と比べて7.5%減少となり、受験者の減少傾向は続いています。コロナの影響で司法試験の受験をやめ、就職に切り替えた方も少なからずいるようです。
合格者の平均年齢は30.7歳(最高年齢81歳・最低年齢18歳)。男性1,907人(71.37%)、女性765人(28.63%)でした。
1-1.法科大学院の合格者数TOP10
合格者のうち、最も多かったのが予備試験合格者で419人、法科大学院の中で最も多かったのは、慶應義塾大法科大学院の209人でした。
法科大学院名 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
1位 | 予備試験合格者 | 400 | 100% |
2位 | 早稲田大法科大学院 | 195 | 84.4% |
3位 | 中央大法科大学院 | 194 | 74.3% |
4位 | 慶應義塾大法科大学院 | 192 | 84.6% |
5位 | 東京大法科大学院 | 165 | 82.9% |
6位 | 京都大法科大学院 | 163 | 88.1% |
7位 | 大阪大法科大学院 | 94 | 81.7% |
8位 | 一橋大法科大学院 | 90 | 81.8% |
9位 | 神戸大法科大学院 | 89 | 78.8% |
10位 | 同志社大法科大学院 | 82 | 74.5% |
1-2.過去5年間の司法試験短答式試験結果
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
2017年 | 5,967人 | 3,937人 | 66.0% |
2018年 | 5,238人 | 3,669人 | 70.0% |
2019年 | 4,466人 | 3,287人 | 73.6% |
2020年 | 3,703人 | 2,793人 | 75.4% |
2021年 | 3,424人 | 2,672人 | 78.0% |
2.短答式試験合格者の進路
短答式試験に見事合格された皆様、本当におめでとうございます。昨年の司法試験は、コロナの影響で全体的にスケジュールが3ヶ月後ろ倒しになり、それに伴い、司法修習の開始時期も2021年3月31日に遅れてしまいましたが、今年は例年通りのスケジュールで進行しています。
また、東京三弁護士会就職合同説明会について、今年は10月に5日間開催されることが発表されています。合格発表までの期間に各弁護士会のHP等をチェックし、修習予定生を対象とする会合やセミナーが行われていないかを確認しておくと良いでしょう。
MS-Japanが運営している、ロースクルール生向けのTwitterアカウントからも新着情報など随時発信していますので、是非フォローお願いします。
3.短答式試験不合格者の進路・就活について
残念ながら不合格だった方は、来年の司法試験に再チャレンジするか、就職活動に切り替えるかのどちらかだと思います。
来年の就職を目指す方は、気持ちを切り替えてできるだけ早く就職活動を開始しましょう。司法試験受験者の就職先として一般的なのは事業会社の法務職ですが、地頭やプレゼンテーション力といったポテンシャルを期待して、法務以外の職種でも採用されるケースがあります。あまり選択肢を狭めず、幅広い業界・職種を視野に入れて、どんどん面接を受けていきましょう。
MS-Japanでは、司法試験受験者に向けたWEBセミナーを開催しています。
・事業会社での就業について
・法律事務所でのキャリアについて
・弁護士のマーケットや労働環境の分析、採用企業の傾向について
の3つのテーマで説明しておりますので、興味のある方は下記よりお申込みください。
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4.コロナ禍の就職状況について
現在の転職市場は、コロナの影響もあり、全体的に経験者(即戦力)採用を求める企業が多いです。
昨年同様、実務経験がない法科大学院生の求人は例年よりも少ないものの、昨年と比較して求人数が2倍近く増えているため、回復傾向にあります。
しかし1つの求人に応募が殺到することが予想されますので、採用ハードルは高くなる可能性があります。
今年度の就職活動に関しては、例年以上に就職活動の準備・対策(就職活動をする上でのポイントの理解、応募書類のブラッシュアップや面接対策)が重要になってきます。
早めの行動を心がけると良いでしょう。
5.まとめ
今年の司法試験は、スケジュールこそ例年通りの開催でしたが、今後の動向については、コロナの影響でどうなるかは分かりません。
司法試験受験者の就職活動にも影響が出て、例年以上に競争が激しくなる可能性もあるでしょう。ただし、司法試験受験者の法律知識や論理的思考力に期待している企業の担当者は多いです。自己分析や面接対策、こまめに求人情報を確認するなど、しっかりと準備・対策をすれば間違いなく成功への道は拓けます。積極的な姿勢で自身のキャリアを切り開いていきましょう!
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