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年々人材が流動的になる一方で、中途採用者の定着率に悩まれる企業も多いです。中途採用者の定着率を上げるためにも有効なのが研修です。今回は、中途採用研修の目的や研修の種類、研修期間や研修にかける費用などについて解説します。中途採用研修を検討している方は参考にしてみてください。
中途採用研修の目的
まずは中途採用研修を行う目的を明確化しましょう。主な目的は3つあります。
経営理念を理解する
多くの企業が経営理念を掲げています。しかし、自社についてよく調べて入社した中途採用者でも、経営理念まで熟知している人は少ないです。経営理念を知ることは、自社の企業経営の方向性を理解することにつながります。
部署単位の業務内容の理解
例え同じ職種であっても、企業によって業務内容が異なる場合があります。だからこそ、中途採用者に業務内容を理解してもらうことは重要です。業務内容を理解することで、中途採用者の能力を最大限発揮することを促すことができます。業務内容とは、個人の仕事単体ではなく、その部署の仕事を指した言葉です。部署単位での仕事内容を理解することで、個人が受け持つ職務内容の理解も深まり、より効率よく仕事ができるでしょう。
オンボードする
オン・ボーディング(on-boarding)とは、on-boardから派生した言葉です。on-boardには“船や飛行機に乗っている”という意味があります。日本の人事においては、新しく採用した人材を配置後、組織の一員として十分にパフォーマンスを発揮できるように配慮し定着させるまでの、一連のプロセスを指します。中途採用者に限らず、新規採用者にも関係する言葉です。離職率が問題になる昨今において、ますます重要性が増しています。
中途採用者研修のメリット
中途採用者研修を行うことで、会社への帰属意識を育み、定着を促すことができます。仕事を始める前、あるいは仕事を進める初期の段階で、自社の体制について説明を受けていれば、仕事の進め方に悩むことが減り、スムーズに能力を発揮することが可能です。必然的に、自社で十分に活躍する人材を育成することにつながります。
また、研修を行うことで中途採用者が会社に早く馴染むことができるので、離職率の低下につながりやすいです。同じ年度で入社した人と一緒に研修をうければ、同期として認識できる仲間を見つけることにもつながります。社内で悩みを相談できる人も見つけられるため、何かあった際にフォローがしやすいです。
中途採用の研修の種類
座学研修
座学研修では、経営理念や業務知識、知っておいた方が良い業界情報などの説明を行います。自社の社内ルールなどについても説明を行っておくと、早く馴染みやすいです。また、仕事をよりスムーズにこなせるようになります。今後一緒に仕事をしていく社員を紹介する場としても役に立ちます。中途採用者にとって、社員の名前を覚えることは、最初の課題の一つです。まとめて紹介することで、社員の名前等を覚えやすくなります。一方通行な講義ではなく、発言の機会を設けることも有効です。
OJT研修
OJTは、“On-The-Job Training”の略です。OJT研修とは、上司や先輩社員が、実務を行う上で必要なノウハウなどを学ぶ研修を指します。実務を通しての研修なので、研修終了後に即戦力として働くことが可能です。また、部署単位での研修となり、教える側のスキルアップにもつながります。また、研修を通じて部署の人間関係構築に役立ちます。
eラーンニング
インターネットを利用して行う研修です。インターネット環境さえあれば、時間や場所を選ばずに実施することができます。また、巻き戻して繰り返し学習することも可能。知識の定着をはかることができます。企業側からすれば、低コストで高品質な研修を実現できるのでメリットは大きいです。また、常に最新の情報にアップデートもしやすいという利点があります。受講者同士で交流する仕組みを作れば、一方通行なコミュニケーションになるリスクを避けられます。
フォローアップ研修
フォローアップ研修は、その名の通りフォローアップするための研修です。中途採用者がさらに活躍できるように、スキルや知識の見直し、課題の洗い出しなどを行います。フォローアップ研修は、定期的に行うとより効果が期待できる研修です。業務を進めていく段階で、フォローアップが必要な場面もでてきます。中途採用者に対してどのタイミングでフォローアップ研修を行うことが効果的なのか、人事は調査を実施することがオススメです。なお、フォローアップ研修は、中途採用者だけではなく、新入社員や、管理職などにも必要な研修と言えます。
中途採用の研修期間
中途採用者の研修期間に明確な決まりがあるわけではありません。企業によって異なります。短いものであれば、入社から2〜3日。長期的なものは定期的に行われることが特徴です。
大きく分けると、入社直後の研修と、入社後の研修に分けられます。入社直後であれば、研修期間は目安として1週間程度とされています。新入社員と異なり、基本的なビジネスマナーを研修する必要はありませんので、企業理念や業務に関する必要な知識を、短期間で教えることになります。eラーンニングのように、時間や場所を問わないスタイルであれば、研修期間は個々によって変わってくると言えるでしょう。座学研修やOJT研修の場合は、先輩社員などの時間も使いますので、キッチリと期間を定めておく必要があります。
入社後の研修は、主にフォローアップ研修です。期間の定めはありませんが、定期的に行うことが望ましいと言えます。悩みを聞くなどのフォローは、中途採用者が十分にパフォーマンスを発揮するために効果的です。
企業によって必要な研修期間や内容は変わってきます。自社にはどの程度の期間のどんな内容の研修が望ましいのか、人事が把握しておくことが肝心です。離職率の低下につながるフォローアップ研修はどのタイミングで実施すれば良いのかなど、過去のデータを蓄積して分析するとわかりやすいでしょう。ただし、近年は変化が激しい時代ですので、過去のやり方に固執していると時代にそぐわない可能性があります。柔軟に対応することがポイントです。
企業が研修にかける費用
産労総合研究所のデータによると、従業員一人当たりの教育研修費用は、2018年度は、予算額40,297円・実績額34,607円。2019年度は、予算額が39,841円となっています。こちらは新入社員研修などを含む金額ですが、目安として有効と言えるでしょう。中小企業は増加傾向ながら、大企業は減少傾向にあるとされています。
一般的な研修会社に研修を委託した場合は費用がかさみますが、OJT研修など自社で賄う場合はコストを抑えることが可能です。また、eラーンニングは比較的低コストで導入できますので、組み合わせるとコストをおさえることができます。自社の状況に合わせて、予算との兼ね合いをみながら、どんな研修を実施するのか決定することが大切です。
まとめ
転職が当たり前になった昨今においては、中途採用者は珍しい存在ではありません。企業が中途採用を実施する目的には、即戦力となる人材の確保が挙げられます。必要な研修を導入することで、中途採用者がより早く自社になじみ、十分に能力を発揮して実務をスムーズにこなせるようになる可能性が高くなるのです。入社直後に行う研修と入社後に行う研修を、両方バランスよく実施することがより望ましいと言えます。研修を実施することで帰属意識を育み、離職率の低下にもつながります。研修は、円滑なコミュニケーションの促進にも役立ちますので、定期的に実施することがオススメです。自社の状況に合わせて、積極的に中途採用者の研修を実施してみてはいかがでしょうか
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