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ジンザイには4つの表記があり、それぞれに意味があることをご存知でしょうか。特に人材の本来の意味を知らないと間違った使い方をしてしまうことがあるので注意が必要です。そこで今回は、4つのジンザイの意味と違いと合わせて、採用で「人財」という表記を活用する際のメリットと注意点をご紹介します。企業にとってヒトは大切な存在です。企業で人事を担当する方や、従業員の方、求人に応募したい方などは参考にしてみてください。
1.人材・人財それぞれの意味と違い
1-1.「人材」の意味
国語辞典には人材の意味が下記のように書かれています。
「才能があり、役に立つ人。有能な人物。人才。」
人材とは、そもそも会社にとって必要な存在であることがわかります。また、「材」には「才能」という意味もあり、人材の意味にも反映されています。実務を適切に処理できる実力がある人を表しているのです。英語では「Human resource」と表記されます。
1-2.「人財」の意味
人財とは、人は会社の経営資源である財産であるという意味を持つ言葉です。会社にとって利益を生み出す存在であること、また、会社がその人に投資した場合に発生する利益まで含めていると考えられています。英語に訳すと「Human capital」という言葉であり、お金の意味合いが強いです。現在では、人は会社にとって宝(財宝)であるという意味を込めて人財という書き方をあえて使う経営者もいます。
1-3.それぞれの違い
両者の意味をみればわかる通り、どちらも会社にとって大切な人であることを表しています。しかし、時には間違った使われ方をしていることがあるのです。人材という表記は、材が「材料」という意味を持つことから、人は会社に取って材料のように使い捨ての存在という間違った意味合いで使われる場合があります。その為、人材よりも人財という書き方に価値があると考えている人がいますが、人材の本来の意味に使い捨てのような意味合いはありません。間違った使い方をしないように注意しましょう。
2.ジンザイのその他の漢字
ジンザイには他にも漢字があります。それぞれの意味を見ていきましょう。
2-1.人罪の意味
罪という漢字が使われていることからもわかる通り、企業にとってお荷物となる人を表しています。実績がなく、成長も見込めない人のことです。人は雇っているだけでコストがかかりますので、コスト以上の成果がないなら、企業にとってはマイナスの人と言えます。
2-2.人在の意味
こちらは、会社にただ居るだけの人という意味です。過去の実績はあってもそれ以上の成長が期待できず、仕事も回してもらえないような人です。近年では社内ニートという呼ばれ方もしています。
2-3.新入社員は人材の卵
新入社員の場合は、人材の卵という位置づけになります。やる気を示し仕事を覚え実績を積み上げれば、人材や人財に成長します。しかし、何年経っても成長せず、実績もあげられなければ人罪や人在になってしまうので気をつけましょう。
人材、もしくは人財として認められるためには、日頃からしっかり仕事をし、成果をあげることが必要です。努力過程だけで評価されるのは学生までです。社会人は成果をあげなければ、極端に言うと無価値となります。組織には都度新しい人が採用され、真摯に仕事に取り組む人は実績を積み上げて出世していきます。自分がどのジンザイなのか定期的にチェックし、目指す人材や人財になれるように仕事をしていくことが大切です。企業レベルで考えれば、人が成長できるようにサポートし、人材育成を行うことが必要と言えます。
3.採用で「人財」を使用するメリット
採用においてあえて「人財」と表記することのメリットは大きく分けると2つあります。
3-1.人を大切にする会社だと社内・社外にアピールできる
経営者の中には、人を財宝のように大切に扱う会社であるという意味を込めて「人財」と表記することを好む人がいます。「人財」と書くことで、人を大切にしている会社だと社内外にアピールすることができる場合もあるのです。実際に社員を大切にしている社風があり、労働環境などが恵まれていれば、言葉通りであると評判を高めることにもつながります。ただし、実情が違うと胡散臭いと思われてしまうので注意しましょう。
3-2.特に新卒採用では好印象に繋がるかも?
新卒採用の場合、あえて「人財」と書くことで好印象に繋がる可能性もあります。言葉に込められた想いを正しく説明すれば、人を大切にする会社で働きたい人からの評価が上がるかもしれません。しかし、ジンザイに4つの書き方があることを知らなかったり、人材や人財の本来の意味を知っている場合は、人財という表記に違和感を持つことがあるので使うかどうかは慎重に検討しましょう。
メリットはありますが、デメリットもあるので、人財という表記を選ぶかどうかはよく検討してから実施することをおすすめします。求人などで使うと、過去のデータがインターネットなどに残り、途中から人材という表記に変えると印象が悪くなることもあるので慎重に対応すると良いでしょう。
4.採用で「人財」を使用する注意点
注意点は大きく3つあります。
4-1.「人材」という言葉は本来否定的な言葉ではない
本来、人材という言葉に否定的な意味合いはありません。むしろ有能な人に使う言葉です。一部の間違った認識で人材という言葉が悪い事のように使われてしまうこともありますが、本当の意味をわかっていれば、むしろ悪い意味の言葉として使うことに違和感を覚えるはずです。人材マネジメントも一般的になった昨今、従業員を大切にしない会社は淘汰されていく傾向があります。SNSなどで誰もが気軽に発言できるようになったことから、ブラック企業などもあぶり出ししやすいです。人材という言葉を使うことは決して悪いことではないので、特別な理由がなければ、あえて人財と書く必要はないと言えます。
4-2.「人財」と書くことに一部否定的な意見もある
人財という表記は、好印象を与えることもありますが、一部では否定的な意見があることも確かです。そもそも本当に人を大切にしているなら、人財とわざと表記しなくても自然と人が集まります。人財という言葉を選んで、社内や社外にアピールする必要がないのです。中には良い意味で人財という言葉を使っているところもありますが、従業員を大切にしない実態をごまかして少しでも印象を良くするために人財という表記を使っている企業もあるので注意しましょう。
4-3.実態が伴っていないと不信感につながる
表記の仕方よりも大事なことは実態です。従業員を大切にするといいながらも実態が伴っていなければ不信感に繋がります。胡散臭い企業というイメージを持たれるようになると、会社の業績などにも悪影響を及ぼすので注意が必要です。
人財という言葉を選ぶことで、従業員のモチベーションをあげたり、経営者が人を大切にするという目的を忘れないようになるなど、良い効果を期待することもできるかもしれません。しかし一番大切なのは実情です。人材という表記の仕方でも全く問題はないのですので、本当に従業員を大事にしていることを、待遇などで示すようにしましょう。
ヒトを大切にするということは短期的な経営資源として活かすのではなく、長期的な経営資源と考えて教育し活躍の機会を提供することを指します。人が最大限輝くことができる企業は、組織力も高いです。
6.まとめ
言葉の工夫も、採用の成功に不可欠です。ただし本来、人材も悪い意味ではないです。人財と表記することで社内外に人を大切にする企業であることをアピールすることも効果的な手法でもありますが、実態が伴っていなければ不信感を生み出してしまうリスクがあります。大事なのは実態です。ヒトを長期的な経営資源と考え、大切に育成し、活かしていくように心がけましょう。
従業員なら、人材という言葉が意味するように役に立つ人として組織の中で活躍できるように日頃から真摯に取り組むことが肝心です。人罪や人在のように会社にとってマイナスの人となってしまうと、働き続けられるとは限りません。もし実績が積み上がっていないと感じるなら、必要な努力をして成果を上げることに注力するか、転職をしてより自分に合っている企業を探すことを推奨します。
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