採用成功ガイドRECRUIT GUIDE
2019年度もはやくも終わりが見え、2020年度の片足が見えてきましたね。こちらの記事では、2019年度の振り返りとして、士業系の5つの資格試験結果をサマリーでお伝えします。全体的な資格試験の傾向を掴むとともに、各職種の採用トレンドも併せてお伝えしますので、有資格者や資格受験者の採用を行う際の参考としていただければ幸いです。
1.公認会計士試験
公認会計士試験 | 2019年度 | 前年度比較 |
---|---|---|
願書出願者数 | 12532名 | 790名増加 |
短答式試験受験者数 | 10563名 | 410名増加 |
短答式合格者数 | 1806名 | 259名減少 |
論文式受験者数 | 3792名 | 114名減少 |
最終合格者数 | 1337名 | 32名増加 |
合格率 | 10.7% | 0.4pt下降 |
2019年度公認会計士試験のポイント
- 公認会計士合格者数は1337名と、昨年より32名の増加。
- 受験者数・合格者数ともに前年度より増加した。
- 過去5年の推移を見ても、受験者数・合格者数は増加傾向にある。
公認会計士の2019年採用トレンド
- 公認会計士の約6割が監査法人から一般事業会社への転職を希望しており、特に大手企業の経理・経営企画求人が人気となっている。
- Big4監査法人に所属する公認会計士は、他のBig4監査法人へ転職することで、待遇を落とさず転職するという動きも増えている。
- IPO準備中企業では、監査法人に加えてコンサル・金融・経営企画等の経験も持つ公認会計士への採用意欲が強まっている。
- コンサルティングファームや税理士法人においても、引き続き公認会計士を積極的に採用する動きが続いている。
【参考記事】
2019年公認会計士試験論文式試験の合格発表!今後のキャリアはどうする?
2.税理士試験
税理士試験 | 2019年度 | 前年度比較 |
---|---|---|
受験者数 | 29779名 | 1071名減少 |
一部科目合格者数 | 4639名 | 595名増加 |
官報合格者数 | 749名 | 77名増加 |
合格者合計 | 5388名 | 672名増加 |
合格率 | 18.1% | 2.8pt上昇 |
2019年度税理士試験のポイント
- 税理士合格者数は5388名と、昨年より672名の増加。
- 税理士試験の受験者数は年々減少しており、2019年度においても1000名以上の減少。
- 一方で、25歳以下の若手の受験者数が微増した。
税理士の2019年採用トレンド
- 若手の税理士や科目合格者の採用ハードルが上がっており、簿記2級合格者や金融出身者など、若手ポテンシャル人材をターゲットとした採用が増えている。
- 税理士の採用においては、50代の採用事例も増加している。
- 税理士の半数以上が60代以上になってきたことから、40代位までの税理士の転職市場価値は今後も高まっていくと考えられる。
- 会計事務所の中には、より会社的な組織づくりにシフトしているところも増えており、4大卒の新卒採用も行うようになってきた。
【参考記事】
令和元年度(2019年度)第69回税理士試験合格発表がありました!
3.社会保険労務士試験
社会保険労務士試験 | 2019年度 | 前年度比較 |
---|---|---|
受験申込者数 | 49570名 | 12名減少 |
受験者数 | 38428名 | 1名増加 |
合格者数 | 2525名 | 112名増加 |
合格率 | 6.6% | 0.3pt上昇 |
2019年度社会保険労務士試験のポイント
- 社労士合格者数は2525名と、昨年より112名の増加。
- 受験者数は2015年と比較すると2000名以上減少しているが、昨年比ではほぼ変化なし。
- 合格率は2年前に急上昇し、近年は6.5%前後で安定して推移している。
社会保険労務士の2019年採用トレンド
- 2019年は労務コンプライアンス意識の高まりにより、大手~中堅税理士法人グループでの社労士法人の立ち上げ、人材採用が加速した。
- 一般企業において、社会保険労務士の有資格者を採用する例も増えている。
【参考記事】
2019年社会保険労務士試験の合格発表(合格率6.6%) 合格後の手続きやキャリア
4.司法試験
司法試験 | 2019年度 | 前年度比較 |
---|---|---|
受験者数 | 4466名 | 772名減少 |
短答式合格者数 | 3287名 | 382名減少 |
合格者数 | 1502名 | 23名減少 |
合格率 | 33.6% | 4.52pt上昇 |
法科大学院生の合格者 | 1187名 | 2名減少 |
2019年度司法試験のポイント
- 司法試験の合格者数は1502名と、昨年より23名の減少。
- 司法試験受験者は2015年と比較すると44%と大幅に低下しており、合格者数も年々減少が続いている。
- 一方で合格率は上昇が続いており、遂に30%を超えた。
弁護士の2019年採用トレンド
- 一般企業において弁護士を採用する動きは引き続き増えており、特に3年以上の経験者に人気が集まっている。
- 法律事務所の中でも、特に企業法務を扱う事務所の弁護士採用意欲が強かった。
- 法律事務所では、リーガルテック分野に注力する法律事務所が増え、求職者にも注目が集まっている。
【参考記事】
2019年司法試験論文式試験の合格発表!これから考えるキャリアについて
5.弁理士試験
弁理士試験 | 2019年度 | 前年度比較 |
---|---|---|
志願者数 | 3862名 | 115名減少 |
短答式合格者数 | 531名 | 89名減少 |
論文式合格者数 | 279名 | 18名増加 |
口述合格者数 | 284名 | 24名増加 |
最終合格率 | 8.1% | 0.9pt上昇 |
2019年度弁理士試験のポイント
- 弁理士合格者数は284名と、昨年より24名の増加。
- 志願者数も昨年比で115名の減少、連続的に減少が続いている。
- 一方で合格率は上昇し、遂に8%を超えた。
弁理士の2019年採用トレンド
- 若手弁理士を中心に、インハウスへの転職は引き続き人気が高い。
- 一般企業においては、調査・出願よりも、知財戦略や権利活用に強みを持つ人材の採用ニーズが高まっている。
- 特許事務所の採用は、若手の採用が難しくなっていることもあり、40代以上の弁理士を積極的に採用する傾向がある。
- 特許事務所においては、企業に対して知財コンサル的なサービスも提供していく傾向にシフトし始めており、そのような志向性をもった弁理士を雇いたいといったニーズも増えてきている。
【参考記事】
【速報】2019年度弁理士試験最終合格発表と、弁理士合格後にすべきこと
6. 2019年度の資格試験スケジュールまとめ
試験名 | 試験日程 | 合格発表 |
---|---|---|
公認会計士試験 | 第Ⅰ回短答式:2018/12/9 第Ⅱ回短答式:2019/5/26 論文式:2019/8/23~8/25 |
第Ⅰ回短答式:2019/1/18 第Ⅱ回短答式:2019/6/21 論文式:2019/11/15 |
税理士試験 | 2019/8/6~8/8 | 2019/12/13 |
社会保険労務士試験 | 2019/8/25 | 2019/11/8 |
司法試験 | 論文式:2019/5/15、5/16、5/18 短答式:2019/5/19 |
短答式:2019/6/6 論文式:2019/9/10 |
弁理士試験 | 短答式:2019/5/19 論文式(必須科目):2019/6/30 論文式(選択科目):2019/7/21 口述:2019/10/12~10/14 |
短答式:2019/6/10 論文式:2019/9/18 最終:2019/10/31 |
日商簿記検定試験 | 1回目:2019/6/9(3級・2級・1級) 2回目:2019/11/17(3級・2級・1級) 3回目:2020/2/23(3級・2級) |
※WEB合格発表 1回目:2019/6/28(3級・2級) 1回目:2019/7/29(1級) 2回目:2019/12/6(3級・2級) 2回目:2020/1/6(1級) 3回目:2020/3/13(3級・2級) |
ビジネス実務法務検定試験 | 1回目:2019/6/30(3級・2級) 2回目:2019/12/8(3級・2級・1級 |
※WEB合格発表 1回目:2019/7/19(3級・2級) 2回目:2020/1/6(3級・2級) 2回目:2020/3/4(1級) |
7. 2020年度の資格試験スケジュール予定
試験名 | 試験日程 | 合格発表 |
---|---|---|
公認会計士試験 | 第Ⅰ回短答式:2019/12/8 第Ⅱ回短答式:2020/5/24 論文式:2020/8/21~8/23 |
第Ⅰ回短答式:2020/1/17 第Ⅱ回短答式:2020/6/19 論文式:2020/11/13 |
税理士試験 | 2020/8/18~8/20 | 2020/12/18 |
社会保険労務士試験 | 非公表 | 非公表 |
司法試験 | 論文式:2020/5/13、5/14、5/16 短答式:2020/5/17 |
短答式:2020/6/4 論文式:2020/9/8 |
弁理士試験 | 非公表 | 非公表 |
日商簿記検定試験 | 1回目:2019/6/14(3級・2級・1級) 2回目:2019/11/15(3級・2級・1級) 3回目:2020/2/28(3級・2級) |
非公表 |
ビジネス実務法務検定試験 | 1回目:2020/6/21(3級・2級) 2回目:2020/12/6(3級・2級・1級) |
非公表 |
8. 2019年度資格試験のまとめと考察
2019年度の士業・管理部門系の資格試験についてまとめると、下記のような傾向が見られました。
- 士業においては、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士と司法試験以外で合格者数の増加が見られた。
- 受検者数が増加傾向で、現在人気高まっている資格は公認会計士。
- 弁護士、弁理士、税理士は資格を目指す人自体が年々減少しているため、採用難易度もより上がってきている。
一方で士業事務所は、働き方や労働環境などの面で一般事業会社に劣らない工夫をし、離職率を下げること、また、これから士業を目指したいという方が増えるような、魅力的な組織を作っていくことが大切なのではないでしょうか。
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