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スクリーニングは採用プロセスにおける最初のステップであり、この段階でいかに精度の高い選抜を行えるかどうかが、本当に欲しい人材を獲得できるか否かを左右します。しかし、どうしてもスクリーニングは担当者の主観も入ってしまうため、理想像だったはずの応募者を見逃してしまうこともあります。こういったケースを避けるためにAIによるスクリーニングを導入する企業が増えてきています。この記事ではスクリーニングについて再確認するとともに、AIによるスクリーニングの変化について取り上げていきます。
スクリーニングとは?
スクリーニングとは、ふるい分け・選別を意味する言葉であり、各方面で用いられている言葉です。 採用におけるスクリーニングとは、選考の初期段階で行う応募書類のチェックや筆記テストによって応募者を選抜するステップを指します。形式に沿った選考となるので得られる情報は限定的となりますが、後々の面接をより効率的なものとするためにスクリーニングは重要な役割を担います。できるだけ多くの応募者の母集団を形成し、そのなかから自社の求める人材を絞り込んでいくスクリーニングを行う際には一定の通過基準を設けますが、あまり厳しすぎる基準とすれば理想像に近い人物まで見逃してしまう可能性もあるため、いかに適度な基準設定をできるかどうかがポイントとなります。
よく混同されがちなのがマッチングですが、マッチングは自社にピッタリの人材を母集団から探し出す行為を指します。このため応募者それぞれからできるだけ多くの情報を得なくてはならず、自ずと面接の回数も増加しますので、スクリーニングを行うよりも採用担当者の負担が大きくなりがちです。 スクリーニングとマッチングの決定的な違いは、前者が選考外とする人物を探すことを目的とするのに対し、後者が選考対象とする人物を探すのを目的としている点です。このため、マッチングの前段階としてスクリーニングを行い、その通過者のみを対象としてマッチングを測るための面接を行う流れとしている企業が多くあります。
スクリーニングの方法
スクリーニングの方法として最も多くの企業が取り入れているのが応募書類のチェックであり、ほとんどの企業が応募者に履歴書や職務経歴書の提出を求めています。履歴書では学歴や年齢など応募資格を満たしているかどうかに加え、丁寧に書かれているかどうか、志望動機が自社へ向けられたものであるか、など入社への本気度もチェックします。職務経歴書では、自社が求めている人物像とのマッチングを測ります。自社で活かせる職務経験の有無、実績や評価の信憑性、読み手のことを考えながら構成されたものであるかどうか、などをチェックします。応募書類の記載事項は必ずしも真実とは限らず、すべてを記載していない可能性もありますが、それらについては面接で信憑性を確認していきます。
筆記試験もスクリーニングの方法として一般的です。筆記試験は応募者の基礎的な能力を測るためのものであり、国語・計算・時事問題を問う一般常識試験や、適性を見るために行われるSPIやクレペリン検査などの能力適性試験がよく行われています。専門的な職種の場合には、業務に関連した知識を有しているかどうか判断するため、専門的知識に関して問う問題や論文を書かせる場合もあります。筆記試験の結果をどれほど選考に反映させるかは各企業によります。専門性を重視する場合には筆記試験の結果によって不合格とすることもありますが、マッチングを重視するのであれば応募書類のチェックとともに総合的に判断します。
採用する人材が確かな人物であることを知るために、調査機関に依頼してスクリーニングを行う方法もあります。応募書類に記載された内容や、面接でのやり取りがスムーズであったとしても、それらが応募者の実際の姿であると証明できるわけではなく、詐称である場合も考えられます。こういった事態を避けるために外部の調査機関に依頼し、経歴、性格素行、健康面、勤怠、能力、退職理由、生活状況などのエビデンスを得ることで、万が一のリスクを排除します。このスクリーニング方法は採用プロセスの初期段階に行うとコストが高くなってしまいますので、何度かの面接を終えて最終的な採否判断を行う前のタイミングに行うのがおススメです。