採用成功ガイドRECRUIT GUIDE


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    中途採用 離職率

    中途採用者の高い離職率に悩む企業は多いです。そこでこの記事では、中途採用者が離職する原因や対策について解説します。離職率を下げるためには、まず原因を探り、採用フローを見直していかなければなりません。人事担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

    中途採用者の平均離職率とは

    中小企業庁によると、中小企業・小規模事業者の離職率の場合、中途採用の採用後3年目の離職率は約3割とされています。もちろん職種や会社の規模などによっても違いますが、せっかく採用しても約3割の人が、3年以内に辞めているのです。中途採用者における離職率の高さは、多くの企業で早急に解決したい課題の一つとなっています。

    企業にとって採用や教育にはコストがかかりますので、離職率は下げたいところです。離職率を下げるためには、原因を見出して、対策を講じる必要があります。ネガティブな理由による離職が減れば、企業ブランディングにとっても良い効果が期待できるのです。

    中途採用の離職率が高い原因

    中途採用の離職率が高い主な原因として以下の3つが挙げられます。

    ①入社後ギャップ

    一番多く挙げられるのが入社後のギャップです。中途採用の場合、少なからずギャップは生じますが、入社したことを後悔するレベルのギャップが生じると離職につながる可能性が高くなります。中途採用者が「こんなはずではなかった」と感じてしまうと、早期離職を招く場合があるので注意しましょう。ギャップが生まれる原因には様々なことが考えられますが、中でも現場の社員が採用活動に参加していないことによる齟齬が挙げられます。現場の意見を取り入れないと、結果的に配属先でトラブルになるリスクがあるので、人事側の配慮が必要です。

    ②上司との関係性

    中途採用者にとって、上司との関係性は重要な事項です。即戦力になることを期待されて入社しているため、高いプレッシャーがありますが、中途採用であるため周囲からのサポートが受けにくい状態にあります。そのため、自分を理解してサポートをしてくれる上司の存在を求めている傾向があるのです。上司との関係が良好でなかった場合、離職を選ぶ可能性が高くなります。

    ③業務量

    業務量が適切かどうかも重要なポイントになります。中途採用者は多かれ少なかれ逆境に立たされており、同僚から「お手並み拝見」となりやすいです。不慣れな環境では、すぐに十分な力を発揮できるとは限りません。入社後にいきなり大量の業務を任されると、能力がうまく発揮できずに、会社に馴染めず離職を選んでしまう場合があります。

    離職率を下げる中途採用のポイント

    離職率を下げるためには、以下の4つのポイントがあります。

    ①採用ターゲットを見直す

    入社後のギャップを小さくするためにも、採用ターゲットを見直しましょう。その際に、現場担当者にも話を聞き、実際に現場が求めているターゲット像を把握しておくことが大切です。離職率が高い場合、設定している採用ターゲットと、実際に求められているターゲットが違う場合が考えられます。状況も変化してきますので、適度に採用ターゲットを見直し、現場に合った人材を採用することがポイントです。

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    ②採用方法を見直す

    近年、採用方法は多様化しています。自社が求めている採用ターゲットをとりたい時に、実施している採用方法が本当に合っているのか、随時見直していくことは大切なポイントです。採用方法が合っていないと、自社に合わない人材を採用してしまうリスクが高くなります。採用ターゲットが集まりやすい採用方法を導入することは、離職率の低下につながりやすいです。

    ③面接内容を見直す

    面接内容を見直すことも効果的です。入社後のミスマッチを防ぐために、自社の社風など、会社の良いところも悪いところも隠さずに伝えることが有効と言えます。また、面接などを通じて応募者の性格を把握し、自社に合っているかどうか判断しましょう。質問を工夫することで、応募者の性格を把握できるように努めると、離職率の低下につなげることができます。望んでいる仕事や、得意分野など、具体的に聞くことが効果的です。

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    ④採用フローを見直す

    離職率を低下させるためには、採用フロー全体を見直すことも大切です。全体的に適切な情報提供ができているかどうかチェックしましょう。入社後のミスマッチを防ぐために1日職場体験してもらう方法なども有効です。採用フローの見直しは定期的に行うことをオススメします。改善を加えた後、効果があったのかどうかを検証し、効果があった手法を取り入れるなどすることで、より自社に合った人材を採用できる可能性が高くなるのです。また、採用活動段階から現場の社員を巻き込み意見を反映することで、中途採用者の定着率向上につなげることができます。中途採用者の育成に対する責任感を育むためにも、現場を巻き込むと良いでしょう。

    離職率を下げる入社後のフォロー

    離職率を下げるためには、入社した後のフォローも大切です。代表的な方法をご紹介します。

    メンター制度を導入する

    中途採用者の定着率を上げるために、メンター制度を取り入れている会社は増えています。中途採用者の場合、何か不安があってもまだ社内での人間関係が構築できておらず誰にも相談できない状態になりやすいです。メンターがいれば「何かあったらこの人(メンター)に相談しよう」と思えるので、安心感が生まれ定着率の向上につながります。特に誰に相談していいのかわからない仕事などについてもメンターに聞くことができる安心感は重要なポイントです。頼れる人が社内に1人いるだけでも、中途採用者の会社に対する印象は変わってきます。

    上司との面談回数を増やす

    上司との関係性を向上させるために、面談回数を増やすことも効果的です。定期的な面談の実施は、中途採用者の定着率向上につながることが明らかになっており、パフォーマンス向上も期待できます。特に上司との面談は離職意向度の低下につながりやすいです。

    人事との面談

    人事との面談を定期的に行うことも効果的です。その際、評価とは無関係な面談であることが伝わるように配慮しましょう。フォローアップ面談を実施することで、定着率の向上につながります。中途採用者が環境に馴染むための歓迎会を企画するなども効果的です。

    社員のキャリア開発に取り組む

    キャリア開発とは、社員が自社内でキャリアを構築できるように企業側が支援を行うことです。キャリア開発を促進することは、定着率の向上につながります。中途採用者は、キャリアの構築に関して不安を抱くことが多く、支援があることでモチベーションが高まり企業に対してより信頼を寄せやすくなるのです。ただし、キャリア開発に取り組んだからといって、出世が約束されているわけではないことには留意しておきましょう。

    多様な働き方を用意する

    変化の激しい現代において、働き方の多様化が求められています。例えばフレックスタイム制やテレワークの導入など、従業員が働きやすい環境を用意することは、離職率の低下、つまり定着率の向上に効果的です。日本では、COVID-19の影響でテレワークが促進されたという調査結果も出ています。新しい生活様式へ変化している今、多様な働き方を用意することは、企業側に求められていると言って良いでしょう。

    まとめ

    企業において、中途採用者の離職率は大きな課題の一つです。しかし、解決できない課題ではありません。採用活動の見直しや入社後のフォロー体制の構築など、できることに取り組むことは、離職率の低下につながります。採用活動時から十分な情報を与えるなど工夫をしましょう。また中途採用者の場合、不慣れな環境が大きなストレスになっている場合がありますので、なるべくフォローをすることが大切です。

    中途採用者の定着率向上には現場の理解も必要ですので、採用活動時から現場の意見を取り入れ、会社全体で中途採用者を受け入れる体制を構築することが効果的と言えます。人事という第三者の立場をうまく活用して、企業側と中途採用側の思いのすり合わせを行うと良いでしょう。

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