採用成功ガイドRECRUIT GUIDE


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    コストと時間、手間をかけて中途採用に成功しても、すぐに辞められてしまうケースも少なくありません。前職のクセが抜けなかった、スキルが実務にフィットしなかった、社風に馴染めなかった、など理由は様々ですが、人材不足が解消されないばかりか、採用コストを重ねていかなければならないので、企業側としては中途採用者の早期離職は避けたい事態です。この記事では、中途採用者が早期離職する主な理由に加え、それを防ぐために企業側が講じられる対策についてご紹介していきます。

    中途採用の離職率は30%

    野村総研が中小企業庁より委託を受けて行った「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」では、中途採用されてから3年目以内に離職した人の割合は30%ほどとなっています。常時使用する従業員数が20人以下(商業・サービス業の場合には5人以下)の小規模事業者も、同従業員数が300人以下(卸売・サービス業の場合には100人以下、小売業の場合には50人以下)の中小企業も離職率30%前後という数字は変わりません。
    厚生労働省が行っている「雇用動向調査」によると、全国的な離職率の平均値は14.6%と発表されているため、これと比べると中途採用者の早期離職率がいかに高いのかわかりやすくなります。中小企業・小規模事業者にとって、いかにこの数値を抑えられるかは重要な経営課題といえます。

    中途採用がすぐ辞めてしまう理由


    せっかく中途採用したのに、すぐ辞めてしまう原因は決して特別なものではありません。配属先の上司や同僚との人間関係をうまく構築できなかった、経営者がワンマンだったという、理由でも多くの中途採用者が離職しています。「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」では、早期離職者のうち27.7%もの人が上司や経営者との人間関係の不満を、5.4%の人が同僚との人間関係の不満を理由として離職したとされています。

    給与や労働時間など待遇面への不満も早期離職の理由となっています。「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」でも、給与への不満を理由に早期離職した人の割合は9.6%、労働時間への不満を理由に早期離職した人の割合は8.6%となっています。企業側からすると、これらについては入社前に同意していたはずと主張したくなるところですが、実際に業務に従事してみたところ、労働環境が想像以上に良くなかった、聞いていた話と違っていた、など主観的な理由が複雑に絡み合い、早期離職へとつながってしまいます。

    その他、社風が合わなかった、仕事のレベルについていけなかった、なども早期離職の理由になっていますが、いずれも中途採用者特有のものではなく、入社前に把握していなかった状況に陥ったために生じた理由ばかりです。このため、中途採用者の早期離職を防止するには、入社前後でのギャップができるだけ生じないよう配慮していく必要があるといえます。

    選考段階でできる対策

    入社前後でのギャップを生じさせないようにするためには、入社した中途採用者に“こんなの聞いていない・・”、“事前の話と全然違う!”と思わせないよう、選考段階から対策しておかなくてはなりません。まずは従事する業務内容について詳しく伝えるよう留意します。就業すれば1日の大半の時間を職場で過ごすのですから、事前にイメージしていなかったような過ごし方を強いられると、その環境から抜け出したくなるのは誰でも同じです。加えて、それぞれが中長期的なキャリアプランを持っている以上、業務内容に大きなズレが生じれば離職が選択肢のひとつとなるのは当然といえます。

    給料や労働時間などの労働条件をできる限り正確に伝えるようにするのも大切です。これらは労働契約における大切な事項であり、差異があれば労働トラブルになりやすいため、正確に伝えなければなりません。生活の基盤となる収入に直結する金銭面はもちろん、ワークライフバランスや働き方改革といった用語も浸透している今日、労働時間についても大勢の人々が着目しています。いずれも重要な事項だからこそ、企業と従業員のあいだの信頼関係が失われないよう、適切な対応を心がける必要があります。

    選考時に自社のネガティブな情報も伝えるようにすると、入社前後でのギャップの発生の予防につながります。人手不足が深刻な状況下、応募してきた求職者を採用したいと考えたとき、どうしても自社で働くことの魅力ばかりを伝えてしまいがちですが、セールスポイントをアピールするばかりでは、自社の実像からどうしても離れてしまいやすくなります。採用したいと思う求職者に向けて自社のネガティブな点について伝えるのは勇気のいる行為かもしれませんが、採用後のミスマッチを避けられるのは企業側・求職者側のいずれにとってもメリットとなりますので、自社のネガティブな情報を伝えるのは決して悪いことではありません。

    配属予定先が決まっている場合には、同僚となるメンバーと顔合わせの機会を設けておけば、求職者は入社後をイメージしやすくなります。どのような人たちと職場を共にするのか知ることができるだけでも、入社後に抱くギャップをできるだけ小さなものにできます。

    入社後にできる対策


    中途採用の場合にはすぐに配属先で活躍できる即戦力を求めるケースが多くなりますが、採用要件を満たす人材を中途採用できたからといって、入社後は期待通りのパフォーマンスを発揮してもらうのを期待するだけでは、せっかくの中途採用者の早期離職リスクを高めてしまいますので、しっかりとフォローしていかなくてはなりません。

    特に入社してからの時期は誰でもナーバスになってしまいがちなので、それまでの選考プロセスを共有してきた人事が中心となって中途採用者に向けた意識的なフォローを行うことが大切です。その一環として、社員同士の交流会を設けるのもひとつの手段です。就業時間中だけのコミュニケーションでは量も質も不足してしまうため、人間関係を築くきっかけを得るにも時間がかかってしまいます。そこで社員同士の交流会を設け、所属先だけでなく他部署の従業員、直属の上司だけでなく経営陣も参加するようにすると、中途採用者にとってより心強さを得られる貴重な機会となります。

    社内でのスムーズなキャリア形成ができるようサポートを行うのも必要です。上司とのコミュニケーションを通じてキャリアアップイメージを共有できれば、業務へのモチベーションの向上が期待できます。同じくモチベーションの向上を図るのであれば、表彰など、頑張りが認められる場を設けるのもひとつの方法です。即戦力として期待されがちな中途採用者だからこそ、自分の働きがどのように評価されているのか不安になることもあります。しかし、新しい会社で自分の働きが表彰されるなどすれば、自分が新たなキャリアを歩めていることを実感できるため、そういった不安を打ち消す材料となり得ます。

    就業後には、入社前にイメージしていなかった状況が生じることもあります。実務とスキルがうまくフィットしなかった場合には、適切な配置換えによってパフォーマンスの改善を図らなくてはなりません。従業員同士で比較したとき、基本給や能力給のバランスが悪いなど、中途採用者にとって給与面で納得いかない部分が生じることもあります。こういった場合には、後々のモチベーションダウンを回避するためにも、給与レンジが適切であるかどうか見直す必要が出てきます。

    まとめ

    経験十分な中途採用者だからといって、必ずしも新しい組織に難なく馴染めるわけではありません。フォローが不十分であれば、早期離職につながってしまい、また新規に中途採用を行わなくてはならなくなる可能性も出てきます。即戦力を求めることの多い中途採用では、設定した採用要件を満たす求職者はそう簡単に現れません。慢性的な人手不足に陥っている今日であれば、尚更そうといえます。

    だからこそ、せっかく採用できた中途採用者がしっかりフィットできるよう、選考段階でも、入社後でも丁寧にフォローしていく姿勢を忘れないようにしなければなりません。中途採用者をしっかり定着させることができれば、生産性の向上や採用コストの軽減などより効率的な経営へとつながっていきます。

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