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    なぜ中途採用にかかる人材エージェントの費用は割高なの?

    多様化する採用手法の中でも、理想像に近い人材の採用に成功しやすいとして、転職エージェントを介した採用は一般的なものとなっています。しかし、転職エージェントを利用した場合にかかる費用は他の採用手法よりも割高との意見も多く、利用をためらう会社も少なくありません。 この記事では、転職エージェントにかかる費用について着目し、人材エージェントを利用すべきタイミングや上手な使い方についてご紹介していきます。 最適な採用手法を選択いただき、無駄な費用と工数、時間をかけずに、採用を成功いただくためにご活用ください。

    人材エージェントの費用が高い理由

    人材エージェントの費用が他の採用手法に対して、割高な理由の2つあります。 一つは、採用成功に至る過程に発生する工数・人件費が多いことが影響しています。 もう一般的に人材エージェントの多くが成果報酬制を取っているため、仮に多くの工数を割いたとしても、採用に至らなければ実入りが無いことが影響しています。 その他にも、もちろん求職者を集客するコストが、高騰していることなども影響しています。

    少し詳しく解説をします。人材エージェントは、紹介した人材を採用に結び付けなければ報酬を得られないため、ひとりひとりの求職者に対し多くの時間を費やし、スキルや適性を把握したり、紹介先とのマッチングを上手く進められるようフォローしたり、応募に必要な資料作りを支援したりしています。それらの業務にあたる従業員の人件費をはじめ、多額のコストをひとりの人材にかけているため、それらが価格へと転嫁されています。
    また、企業に対しても採用ターゲットの選定から求人票の作成支援を行った上で、マッチングする求職者を自社データベースや外部のデータベースから探し出し、応募意志を獲得するためにメールや架電、対面でコミュニケーションを重ねます。その後、選考に進んだ場合は、求職者と企業の双方がミスマッチなく、採用に至るようにコミュニケーションを仲介します。しかし、多くの場合、求職者も企業も複数の選択肢を比較検討しながら、最適な相手を選択します。そのため、人材エージェントが割く工数の多くは、売上に転換しないものとなります。その分のコストを採用成功時の手数料に乗せています。 加えて、求職者はすべて無料で利用できるサービスが大半なので、転職エージェントがビジネスを回していくためのコストはすべて顧客となる求人企業からの手数料収入で賄われている点も、費用が高額になっている理由の一つです。

    人材エージェントの費用相場

    人材エージェントを利用した場合にかかる費用の相場は、紹介者の年収の35%前後が目安とされています。500万円の場合には、175万円前後、700万円の場合には245万円前後の手数料が発生します。転職エージェントに支払う費用は、他の採用手法に比べて高くなるため、一度に多くの人数を採用する場合には、人数あたりの費用を交渉するなどの検討も必要です。求職者が溢れる買い手市場となるなど景気動向によって手数料率を引き下げたり、その時々で相場はいくらか変動することや、独占案件として依頼することで手数料の交渉が出来るケースもあります。 転職エージェントの費用を考えることばかりに終始するのではなく、如何にコストを抑えつつ、良好な関係を構築して良い人材を採用するかを検討していただくことをお勧めします。

    また、人材エージェントの利用を検討する際に、仮に利用しない場合の自社の社内工数を算出すると良いでしょう。自社で採用活動を行う場合の求人広告費、求人サイトの利用料金、応募者の初期段階の選考にかかる人件費、面接会場を設けるためのコストなどと比較して、人材エージェントに依頼した方が割安となるケースもあります。

    料金体系や返金規定について


    上述の通り、人材エージェントの利用料は紹介者の年収の35%が目安となりますが、このときに用いられる年収は理論年収によって計算されるので注意が必要です。理論年収を算出するには、毎月の給与12か月分に加え、賞与や交通費以外の諸手当(時間外労働手当・役職手当・家族手当・住宅手当・資格手当・その他、企業が独自に実施する手当など)を加える必要があるので、毎月の給与を25万円としても賞与3ヶ月分、諸手当毎月10万円と設定すれば、理論年収は495万円となるため、理論年収について正確に理解していなければ、予想外の利用料金を請求されることになります。

    高額の利用料金を支払って紹介された人材を採用したにもかかわらず、すぐに退職されてしまった場合に備えて、転職エージェントの多くは返金規定を設けています。返金額は採用決定者が在籍していた期間によって変わるのが主流となっており、入社後1ヶ月以内に退職した場合には利用料金の80%を返還、入社後1ヶ月超3ヶ月以内に退職したときには利用料金の50%を返金するといった具合に定められています。

    人材エージェントを使うタイミングやポイント

    他の採用手法と手数料だけを比較すると転職エージェントは高いと感じると思います。但し、利用するタイミングやポイントによっては、そうとも言い切れません。では、どのような採用シーンで、人材エージェントを採用すべきなのかをご紹介します。

    外せないポジションで欠員が出た際など短期間での採用をしたいとき

    転職エージェントを利用することで、スピーディーな採用を実現しやすくなりますので、欠員が出た場合、短期間での採用を成功させたいときには十分、利用する価値があります。なかなか採用できないまま時間だけが経ってしまうと、事業計画に悪影響がでてきます。また、必要な人員の不足で、他の従業員の負担が増し、更なる離職の原因へとつながってしまう可能性あります。このようなとき、豊富に紹介できる人材を抱えている人材エージェントを利用すれば、理想像に近い人材を短期間で採用でき、組織を本来あるべき状態へと戻すための近道となります。

    即戦力を採用したいとき

    自社で直接採用をする場合、求人サイトの利用が一般的です。ただ、その場合、多くの求職者の目に触れることができる反面、募集要件を満たさない人材からの応募が発生する可能性があります。運よく募集要件を満たす人材と出会える可能性もありますが、特に引く手あまたな即戦力人材を募集する際は、理想の求職者に出会えないケースもしばしば発生します。そうなると、求人広告費や求人サイト利用料が積み重なり、転職エージェントを利用したほうが安上がりだったという結果にもなりかねません。また、最近では即戦力人材を直接スカウトできるダイレクトリクルーティングが人気ですが、社内で採用にたけた人材がいるか否かが重要になります。
    そのため、即戦力人材を採用する場合、人材エージェントの有効性が出てきます。

    専門職を採用しなければならないとき

    専門職を担うことのできる人材の絶対数が少ないため、やみくもに募集をかけるばかりでは即戦力の人材以上に採用が難しくなりがちです。どの媒体に求人広告を掲載すべきか、どのようなメッセージで自社に興味を引き付けるのか、提示する待遇は市場とくらべて適切であるかどうか、など採用活動の精度を高めたうえで時間とコストをかけながら応募者を待つ必要があります。これらにかかるコストを考えると、外部コスト・内部コストともに決して安くはありませんし、採用に成功するかどうかも不透明なままです。このようなときに人材エージェントを利用すれば、抱えている課題はいずれもクリアとなります。

    採用にかける工数がないとき

    採用を成功させるまでには、募集から応募者の選考を経て内定を出すなどのステップがあり、それぞれにいくつもの工数が要求されますが、それらの工数をこなすには自社の採用担当者の時間と労力を割かねばならず、常にコストが発生している状況です。そのため、企業によっては採用に工数をかけていられない場合も少なくありません。このようなときに人材エージェントを利用すると、まるで採用活動そのものをアウトソースしたかのような状況を作り出せます。しかも、採用を決定するまではコストが発生しないため、より好ましい採用活動を実現できます。

    まとめ


    人材エージェントを利用した際にかかる費用は他の採用手法に比べて高いですが、募集対象や募集背景によっては非常に有効な採用手段です。早期に採用しなければならないとき、即戦力として活躍できる人材や専門的な人材を採用したいときなど、採用の難易度が高いほど人材エージェントの利用は割安となってきますので、採用のシーンに合わせて活用してください。

    人材エージェントを利用する最大のメリットは、費用が発生したときには必ず採用に成功しているという点に他なりません。採用という本来の目的を叶えるために、人材エージェントに支払う費用が適正な範囲であるかどうか、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

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