採用成功ガイドRECRUIT GUIDE


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    少子高齢化が進む日本では、人口の減少に伴う後継者不足に悩む企業が増えています。 せっかく事業が黒字であっても、後継者が見つからないことで工場の閉鎖・廃業を決断するのは、日本経済にとって大きな痛手となります。この傾向は一般企業だけでなく、会計事務所のような「士業」においても同様の問題が浮上しています。そこでこの記事では、後継者不足に悩む企業・組織の経営者に向けて、後継者不足の解決策について複数の視点から考察します。

    1.後継者不足の原因


    全ての企業において後継者のめどが立たないわけではなく、企業として魅力がないわけでもありません。しかし、どの企業においても経営者は非常に難しい経営判断を都度迫られるため、親の七光りで簡単に務まる仕事でもありません。それを踏まえた上で、以下に日本における主な後継者不足の原因をご紹介します。

    1-1.少子化

    核家族化が進んだ日本では、次第に一人っ子世帯が増加傾向にあり、国立社会保障・人口問題研究所が行った2015年の夫婦の出生に関する調査結果では、全体のおよそ2割が一人っ子世帯となっています。日本でも過去に2度のベビーブームを経験していますが、未だ3度目はなく、慢性的な少子化が続いています。 よって、優秀な人材を国内で探そうにも、事業承継を考えられる逸材が圧倒的に少ないという現実が、廃業に少なからず影響しているものと考えられます。

    1-2.売り手市場により人材不足

    かつて、企業は優秀な人材を選ぶ側でしたが、少子化の影響による慢性的な人手不足により、日本では就職・転職共に「売り手市場」だという認識が広まっています。せっかく良い人材が見つかっても、自社よりも有望な会社・高待遇の会社に人材が流れていくことから、事業の将来性を見越して廃業を決断する経営者は多いようです。

    1-3.子供や親族が後継者とならない

    日本の中小企業において、過去の事業承継は経営者一族に任されることが一般的でした。しかし、現代では価値観の多様化に伴い、家族それぞれの意思が尊重されるようになり、子供・親族が経営の道を進まないことも珍しくなくなりました。そのため、経営者が信頼できる人間を選べず、店をたたむ決断を余儀なくされるのです。

    2.後継者不足の業界


    後継者が育たず、断腸の思いで廃業を決断するケースとしては、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。以下に、後継者不足に悩む主な業界をご紹介します。

    2-1.サービス業

    業種としては非常に幅広い経営形態を持っていますが、感情労働という側面もあり、働き手の流動も激しい業種の一つです。特に目立つのが旅館・銭湯などで、古くから営業している老舗旅館で経営者が病に倒れ、経営を任せられる跡継ぎが見つからないことを理由に廃業したケースなどが見られます。リピーターが多い宿・施設であっても、その人気が経営者側のキャラクターに支えられていた部分は否めず、同じホスピタリティを持つ人材が見つけられないのも一因となっています。

    2-2.建設業

    建設業は、後継者不足である以前に、そもそも会社が人手不足に陥っているケースが多く見られます。現場の職人・マネージャーである技術者の双方が足りておらず、若手がなかなか定着しないという問題もあります。社会保険の導入など、福利厚生の面で取り組みが遅れている業種の一つであり、その点も人手不足の一因となっている傾向にあります。在職者の年齢も高く、将来を見据えて廃業する経営者は後を絶たない状況です。

    2-3.不動産業

    建設業の状況を反映してか、不動産業も廃業を検討する業者が増えてきています。業界の規模縮小に加え、大手と比較して業務効率化が図りにくいケースもあり、地方を中心に後継者不足に悩んでいる会社が多いようです。不動産業は、資本金規模が1千万円未満の法人が多くを占めています。よって、その分だけ事業規模も小さく、従業員の中から後継者を選ぶことが難しいという側面もあります。

    3.会計事務所業界の後継者不足の現状


    続いては、専門知識・技術に基づくサービス業の一種であり、人材不足が目立つ会計事務所業界の現状についてご紹介します。こちらも後継者不足に悩む業種の一つであり、理由としては以下のようなものが挙げられます。

    3-1.税理士の平均年齢はどんどん上がっている

    日本税理士会連合会が行った「第6回税理士実態調査」の結果によると、税理士の世界でも高齢化が進んでおり、50代以上の税理士は全体のおよそ7割という結果が出ています。 頭脳労働としての側面が強い税理士業は、生涯を通して働けるというメリットがあり、身体が元気な限り働きたいと考える税理士が多い傾向にあると分かります。よって、後継者を見つけようという気持ちが育ちにくく、なかなか事業承継という選択肢につながらないものと推察されます。

    3-2.税理士資格受験者、合格者の減少

    税理士試験の受験者数は年々減少傾向にあり、平成27年度の受験申込者数が53,663人だったのに対し、令和元年度の受験申込者数は36,701人となっており、大きく人数が減少しています。また、合格者の数も減少しており、平成27年度は8,132/53,663人という合格率で、およそ15%となっています。合格者の数は、年度によっては13%を切ることもあり、依然として試験は難化傾向にあります。

    3-3.転職者の増加により後継者が育たない

    会計事務所業界は、転職が比較的盛んな業界でもあります。特に労働条件が良くない場合や、スタッフが比較的薄給な事務所は転職者が多く、また独立を見越して複数の事務所でスキルアップをしたいと考える人材もいるため、長く人材が定着しにくい土壌となっています。そのため、有望な人材を採用しても一人前になるころには転職をしてしまい、なかなか後継者候補を育てられないという現状もあるようです。

    3-4.子供が継がないケースも増えている

    会計事務所を承継する場合、その職務内容を考えると、古くからの信頼関係がモノをいう側面があります。 お金の話を相談するなら、やはり自分たちの事業をよく理解している・コミュニケーションの蓄積がある会計事務所を頼りたいと考えるからです。その反面、税理士試験に合格した若い世代は向上心旺盛なため、もっと自分の可能性を広げてくれる環境で働きたいと考えます。事業規模の小さい親の事務所にとどまるメリットはないと考えるのも、無理のない話なのかもしれません。

    4.後継者不足の解決策


    後継者不足に悩んでいるだけでは、今後を見据えた対策を講じることはできません。 続いては、後継者不足に伴う解決策について、いくつかの方法をご紹介します。

    4-1.外部から後継者を採用する

    親族・身内の中に後継者候補がいない企業の中には、外部から後継者を採用することに積極的な企業も少なくありません。もちろん、承継に至るにはそれ相応の能力があるかどうかを見極められることになりますが、相性が合えばスピーディーに後継者を採用することも可能です。

    4-2.M&A、事業承継する

    自社の周辺には後継者にふさわしい人材がいないため、他の会社とのM&Aを検討するケースもあります。 廃業を避け、従業員を守る目的で事業承継を選ぶケースは、建設業など多くの後継者不足に悩む業種で活発化するものと予想されます。

    4-3.後継者を育てる

    会社の理念・社風に共感し、長年勤めてきた優秀な経営幹部がいるなら、経営を任せ後継者を育てるのも一つの方法です。ただし、選定・育成には時間がかかることも事実で、中小企業基盤整備機構の「事業承継実態調査報告」によると、2~10年というスパンで事業承継を考える経営者が多いことから、後継者の育成は長丁場になるものと考えなければなりません。

    4-4.事業引継ぎ支援センター

    事業承継支援の一環として、後継者募集中の企業を広く紹介しているサイトや、事業引継ぎ支援センターのような公的支援機関などがあります。認知度は低いものの、公的機関という信頼性の高さから、今後利用者は増えるものと思われます。

    4-5.廃業

    各方面に声をかけ手は尽くしたものの、残念ながら後継者が見つからない場合、早めに廃業を決める方法もあります。身内にリスクを負わせる心配もなく、貯蓄があれば自分の人生を悠々自適に過ごすこともできるでしょう。

    5.まとめ


    後継者を見つける問題は、経営者のみならず会社に関わる全ての人にとっての問題ですから、一筋縄ではいかないのが現状です。失敗できないというプレッシャーから時期を急ぎ、経営に適性がない人材を後継者に選んでしまうと、その後が大変です。そのような経営者のニーズに応えるべく、後継者候補となるエグゼクティブを擁する人材紹介会社は増えてきています。

    経営に関わった経験のある人材を一般的な求人で見つけることは難しく、かといって社内外にいる数多くの人材の中から逸材を見つけるのは、放っておくと仕事の忙しさから後回しになってしまう可能性が高いでしょう。だからこそ、人事のプロの目線から見た人材を引き込み、高いレベルのマッチングを実現することが大切です。

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    【参照】
    国税庁「令和元年度(第69回)税理士試験 受験申込者数(科目別・試験地別)」
    国税庁「平成27年度(第65回)税理士試験結果」
    独立行政法人中小企業基盤整備機構「事業承継実態調査報告書」

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