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    人材不足に悩んでいる企業は多いです。どんなに良いサービスや製品を生み出していても、人材が不足すると労働環境が悪化するリスクがあります。そこで今回は、人材不足は本当なのか、厚生労働省のデータなどをもとに考察しました。また人材不足の主な原因や解決策について解説しています。今後、人材不足が続くのかについても考察しました。人材不足について知りたい方、人材の不足に悩んでいる方、人事担当者などは参考にしてみてください。

    1.人手不足は本当なのか?


    1-1.採用の売り手市場は続いている

    厚生労働省によると平成30年の平均有効求人倍率は1.61倍。また令和元年8月の有効求人倍率は1.59倍、新規有効求人倍率は2.45倍です。求職者よりも求人数が多いことがデータで示されているので、採用の売り手市場は続いていると判断できます。ただし、職種や会社によって人材不足度は異なることが事実です。

    1-2.人材不足が深刻な職種

    近年、人材不足が深刻化している職種としてIT業界があります。需要が伸びていることに対して、人材の供給が追いついていません。経済産業省のIT人材需給に関する調査によれば、2030年にはIT人材が45万人不足すると言われています。もちろんこの数字は一定の条件下で算出した仮のものですが、今後IT業界の人材不足がより深刻化する可能性は高いです。目まぐるしく成長する業界であるだけに、単純に人材を供給するだけではなく最新技術に対応できる人材を育成する課題もあります。

    建設業界も人材が不足している業界です。一時は需要が落ちこんでいましたが、東日本大震災があった2011年頃から徐々に需要が拡大しています。特に東京オリンピックがある2020年までは拡大が続くという見方が有力です。人材業界の場合、賃金が低く長時間労働であることなどから、若者離れが生じており、人材の不足が発生しています。

    有効求人倍率が1以上であっても、業界によって深刻な人材不足が発生していることは本当です。統計上は人材が足りているように見えても、使える人材が不足している場合もあります。

    2.人手不足の原因


    人材不足の原因については、主に会社側の原因と求職者側の原因の2つが考えられます。それぞれの場合の主な原因をご紹介します。

    2-1.会社側の原因

    ・景気の良さ 景気が良くなれば人材は不足し、景気が悪くなれば人材が余る傾向があります。景気の良さは重要な指標の一つです。会社の視点から考えれば、売上や利益が増加すること、またサービスが大ヒットなどすると景気が良くなります。

    ・業務量の増加
    業務量が増加すれば、人手不足が発生します。社員の負担が増え、教育などの時間が十分に確保できないことも長期的な視点で考えると問題です。

    ・離職率が高い
    離職率が高いと、採用コストや育成コストの損失が発生し、採用が困難になりやすいです。その為、慢性的な人手不足が発生しやすくなります。他にも社員の士気が下がり、組織力が低下するなど悪循環が発生する可能性があり注意が必要です。

    ・社員の高齢化
    主力となって働いていた社員が高齢化した場合、いずれ定年などで退職をします。その後に若手を雇おうとしても、主戦力がいないので難しくなるのです。先々を考えて新入社員の確保や若手の育成行う必要があります。

    ・求職者に人気がない
    人気のない職種の場合、募集をかけても人が集まらず人手不足が発生します。

    2-2.求職者側の原因

    ・少子化
    少子高齢化が進んでおり、労働人口の減少が生じています。少子化も人材不足が発生する原因です。

    ・都心集中
    特に地方において深刻なのが、若手労働者が都心に集中している現状です。地域活性に取り組み、東京に出た人材が再び地方で活躍する仕組みづくりなどが課題として挙げられます。

    ・大手安定志向
    現代は不安定な時代であることから、大手安定志向があり、人気のあるなしによって人材不足が発生してしまうことがあります。

    3.人手不足の解決策


    人材不足を解決する方法として、主に以下の事柄が挙げられます。

    3-1.自社の労働環境を見直す

    労働環境を見直し、労働者から働きたいと思われる会社を目指すことは有効な対策です。給与をしっかり払うことはもちろんのこと、給与アップの基準を明確化する、残業の削減、休日の確保、コミュニケーションを深める機会を作るなど、できることは数多くあります。まずは、自社の労働環境を適切に把握し、どの部分に見直しをはかることができるか検証した上で、できることから改善していくことが大切です。

    3-2.採用ターゲットを広げる

    採用ターゲットの幅を広げることで、優秀な人材を確保できる可能性が高くなります。若者だけではなくシニアの活用も視野に入れる方法もおすすめです。シニアは、経験が豊かである分、様々な能力を身に着けている場合もあります。採用ターゲットを狭めすぎずに、柔軟に対応することが肝心です。なお、求めている人材像は明確化することをおすすめします。採用予定の人材に求めている点が明確化されていると、人事担当も動きやすいですし、応募者側とのミスマッチを防ぐことが可能です。早期離職の防止にもつながります。

    3-3.採用方法を見直す

    人手不足を解消するためには、採用が不可欠です。しかし、現状に即していない採用方法を続けていると、優秀な人材を確保することが難しくなります。採用方法は定期的に見直しをかけましょう。例えば、内定辞退した人などに理由を聞くことも効果的です。改善点が明確化されれば、対処しやすくなります。現代は、変化のスピードが早いですので、市場に合った採用方法を選びましょう。転職エージェントなどプロの意見を聞くことも有効です。

    3-4.採用選考を工夫する

    効果的に採用業務を行うことができれば、社員は生産性を高める本来の業務により集中しやすくなります。採用選考の過程も工夫をすることが大切です。選考過程は、人員を選ぶ場であると同時に、自社の魅力をアピールできる場でもあります。人事以外の社員にも協力を頼み、社員と内定者とが交流できる場を作るなど、優秀な人材を確保できるように対策を講じることがおすすめです。選考の過程も定期的に見直しをかけましょう。

    4.今後も人手不足は続く?


    人材不足は一時的なものなのか長期的なものなのか気になる人は多いです。今後の予測として、景気が良い限り人材不足は続く傾向があると考えられます。雇用情勢の改善は進んでおり、人材不足も後押しとなって給与面の持ち直しも進んでいます。人材不足は続く可能性が高いですが、労働環境など状況は労働者にとって良い方に進んでいると言っても差し支えないでしょう。

    ただし、人材不足が全ての企業で続くとはいい難いです。会社によって、二極化する可能性があると言えます。例えば建設業は2020年の東京オリンピックを一つの転機として状況が変わってくることが考えられます。労働環境の見直しに前向きに取り組んだ企業は、人材不足解消の道がひらけてくる可能性が高くなります。できることから実施することが効果的です。

    AIが人材不足を解消するという見方もありますが、まだ実用面で浸透してきていない実情があります。今後、AIがより社会に進出し、雇用の在り方などが変わる可能性は高いですが、実現する時期に関しては定かではありません。AIを活用することを視野に入れつつ、現在の労働環境などの見直しをはかり、優秀な人材を確保していくことが肝心です。

    従業員の高齢化を見越し、人材の育成にも力を入れていくことをおすすめします。属人化した仕事を減らし、高齢化した人材が退職した後も、仕事を回せる体制を整えておきましょう。人材から選ばれる会社になるように、自社の魅力を高めていく工夫も効果的です。

    5.まとめ


    まずは今できる対策から行うことが大切です。現在人材不足を実感している企業は多くあります。こちらで紹介した対策なども、すぐに全てできる企業は少ないでしょう。だからこそ、できる範囲で対策を進め、少しずつでも改善していくことが大切です。有効求人倍率は1を超えており、業種によっては人気があって人が集中しているところもあります。人材不足を解消したいなら、具体的に効果的な策を講じることが肝心です。

    少子高齢化やAIの進出など、社会的な動きも企業の人材確保に影響を与えます。内部環境の見直しをはかっている企業は、存続できる可能性が高いです。現代は変化のスピードが早いですので、社会の変化に柔軟に対応できるように人材の育成や、生産性の高い労働環境の構築などを目指すことをおすすめします。

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    【参照】
    厚生労働省「一般職業紹介状況(平成30年12月分及び平成30年分)について」
    経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)」