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インターネットに関するインフラが整うにつれて、日本でもオンライン面接(Web面接)を導入する企業が増えてきました。
世界各地にいる人と話ができるSkypeなどのツールが広まり、会社員・フリーランス問わず遠方の人と端末を介してコミュニケーションを取れるようになったことが、オンライン面接の機会が増えた一因と考えられます。
事実、優秀な人材を採用しようと考えた場合、全国各地の人材にアプローチできるオンライン面接は、非常に役に立つツールです。
この記事では、採用手法の一つとしてオンライン面接にスポットを当て、概要や基本知識・実際に利用する場合の利点と注意点についてご紹介します。
1.採用に成功している企業は、オンライン面接を活用している!
1-1.オンライン面接とは
オンライン面接について概要をまとめると、インターネットにおける音声電話・テレビ電話機能などを通じて、求職者あるいはスカウトしたい人材に対し、採用に向けたアプローチを取る面接の手法です。
会社で人材を採用しようと試みる場合、求職者に来社してもらい、会議室・応接室などで面接を行うことが一般的ですが、オンライン面接では求職者に来訪を要求することなく、求職者の家や落ち着いた環境で面接を受けることができます。
オンライン面接を活用する場合、求職者・採用担当者のいずれにも都合の良いタイミングを選べるのが利点です。
会社から遠いところで暮らす求職者にとっては、遠方まで足を運ぶ時間・金銭面での負担が減ります。
これに対して採用担当者側は、採用にかかる準備や面接の時間を短縮でき、内容を録画・録音すれば比較検討の材料として各部署と検討することもできます。
オンライン面接は、求職者・採用担当者の両方にとって、時間や手間を省けて質の高い面接が行える手法の一つと言えるでしょう。
2.初めてのオンライン面接。人事が押さえておくべき最低限の知識
オンライン面接を会社・人事として初めて導入するなら、いくつか最低限押さえておきたい知識があります。 以下に、主なものをご紹介します。
2-1.ツールの種類(無料ツール・有料ツール)
オンライン面接に用いるツール選びには、大きく分けて2つの選択肢があります。
無料ツールを使うか、それともオンライン面接に特化した有料ツールを使うかです。
無料ツールで聞きなじみがあるのは、媒体の種類を問わず使え、複数人での面接が可能なSkypeなどが有名です。
同じような機能を備えたものとしては、Googleハングアウトも活用しやすいでしょう。
チャット機能も使えるため、必要に応じて文字でのやり取りも行えます。
採用に特化したオンライン面接ツールとしては、録画選考機能やリマインダーなどが備わっている「BioGraph」・ステータス管理や採用分析ができる多機能システムの「インタビュメーカー」などが有名です。
プランに応じて料金が変わるため、事業規模や採用する人数に応じてプランを決めることになるでしょう。
おそらく、最初のうちは無料で使えるツールを選ぶ企業が多いと思います。
その場合に注意したいのは、セキュリティの脆弱性対策・通信障害対策を行うことです。
面接の内容を漏洩しないためにも、やり取りを暗号化していることが公式サイトで明記されたツールを選びましょう。
2-2.オンライン面接のメリット・デメリット
オンライン面接には、遠距離・面接の準備時間といった物理的な点に関するメリット以外にも、様々なメリットがあります。
オフィスでの対面は面接の機会が限られ、書類選考で優秀な人材を落としてしまうリスクもありますが、オンライン面接を使えば複数人の面接を1日で終えることも不可能ではなく、書類からは分からないイレギュラーな魅力を発掘できるかもしれません。
また、都会から地方に就職したいと考える人材には助成金が出る場合もあるため、地方企業での面接に関するハードルがオンライン面接で大きく下がると、そこに魅力を感じる優秀な人材が面接に参加する可能性も高まります。
しかし、対面に比べてオンライン面接はタイムラグが起こりやすく、気が付いたらお互いのタイミングに気を遣いながら話していて、十分に聞きたいことが聞けなかった、というリスクがあります。
面接時間に余裕を持たせ、フリートーク形式は控えて一問一答式で回答を促すなど、面接の進行に工夫が必要です。
2-3.オンライン面接の準備
オンライン面接を始めるには、使おうとしているツールのアカウントにつき、会社・求職者の両方が各自で事前に取得しておく必要があります。
また、通話に際してPC・スマホなどの端末がなければ、画面上で顔を合わせて面接を行うことはできません。
可能であれば、通話をスムーズに行うため、ヘッドセット(マイクとイヤホンが一緒になったもの)を端末につなげることを、求職者にお願いしておきましょう。
オンラインでは通話環境が急に悪くなってしまうことも十分想定され、できるだけお互いがクリアな音声でやり取りできるよう、面接する側・受ける側の双方に工夫が求められます。
2-4.オンライン面接での面接の流れ
オンライン面接を行う場合、まずは会社側と求職者側とで「いつ面接するか」を打ち合わせます。
この時点で双方が何らかのツールのアカウントを保有しているなら、チャットを使って日程をお知らせし、お互いに同意する流れが速いでしょう。
履歴書など、紙ベースでの資料から面接する人を選別しているなら、書かれた電話番号・メールアドレスを介してアプローチします。
通達した時間になったら、企業側から求職者に対してチャットを送り、準備ができているかどうかを確認します。
あるいは、求職者側から連絡をもらえるようお願いしてもよいでしょう。
お互いの同意があったら、企業側から通話を開始し、求職者側が着信を受けたら面接開始となります。
一連の流れをあらかじめ決めておき、求職者に通達することで、面接をスムーズに進められるはずです。
3.オンライン面接のコスパってどうなの?
オンライン面接は、少なくとも「面接にかかる距離や時間を短縮する」ことにかけては、非常にコスパの高い選択肢と言えるでしょう。
人と会う時間や会場設営など、事前準備を行う手間が少なくなり、より多くの求職者に物理的な距離を気にせずコンタクトを取れるからです。
求職者にとっても、自分が働きたいと思う環境をあきらめる要因が一つ取り除かれるわけですから、会社と求職者、お互いにとってメリットのある選択肢と言えます。
その反面、本格的なオンライン面接システムを導入し、採用方法の中心に据えるようなスタンスで考えていると、かえってコストが高くついてしまう可能性もあります。
採用の全てをオンライン面接でまかなう方向性で考えず、複数ある採用方法の一つとしてとらえ、使いどころは柔軟に考える心構えが大切です。
4.オンライン面接を成功させるために、人事が気を付けること
オンライン面接によって優秀な人材を採用しようと考えた場合、人事の側で特に気を付けるべきことがいくつかあります。 以下に、主なものをご紹介します。
4-1.オンラインだからと言って気を抜かない
オンライン面接を導入して間もない場合、面接から採用に至る一連の流れを把握しておかないと、ありきたりな質問で面接が終わってしまうかもしれません。 インターネットという環境を介して面接するとしても、画面の先にいるのは将来自社の社員になるかもしれない人物です。 決してバーチャルな世界で終わる関係ではなく、仕事に一緒に取り組む仲間を探していることを意識し、より綿密に採用プランを練って臨みましょう。
4-2.通信トラブルなどのリスクヘッジ
無線・優先問わず、インターネットに接続している以上、回線が一時的に途絶えることを想定して面接を進めなければなりません。 事前に自社社員同士でリハーサルを行い、少なくとも自社の環境に問題がないことを確認してから、オンライン面接に臨みましょう。 万一、回線が途絶えた場合に備え、別の端末を用意しておくことも忘れずに。
4-3.オンライン面接が上手くいかなかったときの求職者フォロー
オンライン面接で十分なやり取りができずに面接が終わってしまった場合、その後のフォローを忘れないようにしましょう。
遠方であれば、後日自社で交通費を負担して面接を行う・再度オンライン面接の約束を取り付けるなど、どうしても手放したくない人材ならば、それ相応の対応を心がけることが大切です。
逆に、回線に問題があって面接こそ終わったものの、その後連絡を取る必要はないと判断した場合もあるかもしれません。
その場合は、自社の責任から採用を辞退する名目で文面を作成するなど、細かい点に気配りをしておくと、相手方に悪い印象を与えません。
トラブルを「会社の好感度を上げる材料」にするためにも、心のこもった対応を心がけたいものです。
5.まとめ
オンライン面接で結果を出すためには、一般的な面接との環境の違いを理解した上で、トラブルを想定した段取りが求められます。
回線に問題が生じたり、相手のPCの都合で連絡が途絶えたりと、話している最中に何かあることも珍しくないからです。
それを踏まえて面接を行う限り、オンライン面接は「遠い距離を超えて意思疎通ができる」非常に優れた採用方法です。
時間を節約しつつ、相手のことを深く知ることができるため、やがて面接方法としては主流の一つになる時代がやって来ることでしょう。
面接方法として当たり前になれば、会社の採用戦略にも大きな影響を及ぼします。
採用で目立った成果が出ていないと感じているなら、近い将来の変化に乗り遅れないためにも、試験的にでもオンライン面接を導入し、採用の成功率を高めましょう。
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