採用成功ガイドRECRUIT GUIDE


目次


    法務職は、求職者側にとって「狭き門」という認識があります。 しかし、それは相対的に見て転職を希望する経験者が少ないことから、そのようにイメージされているに過ぎません。 実際のところ、どの会社でも優秀な法務職を欲していることは変わらず、採用担当者も自社のニーズに合致した人材を採用すべく、活動を続けています。 この記事では、そのような人事・採用担当者に向けて、法務職の採用を成功させるためのポイントをいくつかご紹介していきます。

    1.法務の採用市場ってどうなの?


    「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とは孫子の言葉ですが、法務の採用市場にはどのような特徴があり、どういった求職者が採用市場に存在しているのか、市場の傾向を確認することが大切です。 全体の傾向として、法務職の採用市場としては、「売り手市場」の傾向が挙げられます。

    そもそも法務職に転職を検討する人材は、豊富なキャリアを持っている求職者自体が少数派です。 法務部門強化のため、採用に力を入れる企業は増えているものの、なかなか良い人材を集めることに苦労しているのが現状です。 司法試験受験者数も年々減少しており、法律家ならびに法曹界への興味を抱く人材そのものが少なくなっているものと推察され、法務職として将来有望な人材の確保も難しくなってきています。 こういった状況の中で優秀な法務職を確保することは、人事担当者にとって難易度の高い案件と言えるでしょう。

    2.法務の経験者採用のポイント


    2-1.法務の採用時期は6月~9月を狙おう

    経験者採用の場合、人材を集めるタイミングにつき、法務職の一般的な繁忙期を外して考えることが大切です。 法務の仕事は多岐にわたりイレギュラーケースも多いため、通年募集のイメージがあるかもしれませんが、ルーティーンに近いワークも少なくありません。

    特に、日本で多い3月決算の会社で想定すると、株主総会・登記手続き・登記事項チェックといった業務が4~6月にからんでくるため、当然その準備期間として1~3月も忙しくなります。 この繁忙期に求人情報を掲載しても、なかなか思い通りに人材を集めることが難しいため、できるだけ7~12月を採用期間として戦略を立てるのが賢明です。 もちろん、採用担当者も新卒採用があるため、6月まで手が空かないのはお互い様というところですから、6月頃から少しずつ準備を始め、遅くとも9月までには面接が完了しているイメージを持っておくと、10月以降の採用活動がスムーズになるでしょう。

    2-2.弁護士の採用も視野に入れよう

    ちなみに、法律事務所等に在籍する弁護士をスカウト・募集するのであれば、募集時期を一つに絞る必要はありません。 各弁護士のクライアント・事務所の事情によって、求職活動を行う時期はまちまちですから、かえって時期が一定だと優秀な人材をみすみす手放してしまう可能性があります。 企業法務を希望する弁護士も増加傾向にあることから、求人は定期的に行い、良い人材がやって来るのを待ちましょう。

    【関連記事】
    【法務の転職市場】2019年度上半期の総括と下半期の予想

    3.法務の未経験者採用のポイント


    3-1.法科大学院(ロースクール)修了生の採用も増えている

    法務経験のある求職者を見つけるのが難しいことから、企業側は「先物買い」を行うようになりました。 具体的には、司法試験に合格したかどうかを問わず、法科大学院修了生(ロースクール修了生)を受け入れることを想定して、アクションをかける傾向が強まっています。

    法科大学院修了生は、仮に司法試験に不合格となった場合でも、法律事務に堪えうる素養を備えているものと考えられます。 少なくとも、法律に関する事務を全く経験したことのない人間と比較すると、理解力や応用力の違いは明らかです。 優秀な人材を転職者の中から選べないなら、新卒レベルの人材を自社のニーズに合わせて教育し、法務のプロフェッショナルになってもらおうと考えるのは、ある意味自然なことなのかもしれません。

    3-2.法科大学院(ロースクール)修了生の採用は9月~11月が狙い目

    法科大学院修了生を採用する場合、司法試験のスケジュールに合わせて採用の流れが決まります。 5月に司法試験が行われた後、結果が出るのは9月上旬になるため、それから受験生たちは合否を確認し、今後の身の振り方を決めていきます。

    成績が優秀な人材には、すでに法律事務所などがアプローチをかけているケースもあるため、一般企業は不合格者へのアプローチも見越して採用計画を考えることになるでしょう。 いずれにせよ、結果が出てから受験生各々が就職・浪人などの方向性を考え始めるため、9~11月の時期を狙って採用活動を始めると効率的です。 採用の方向性としては、いきなり法務に所属させる人材を選ぶだけでなく、他部署への適性も探るような形で考えておくとよいでしょう。

    4.法務の採用面接のポイント


    法務職の採用面接を行う場合、スキルの面が秀でているからといって、必ずしも実務で役に立つとは限らない点に注意が必要です。 争いを未然に防ぐこと、争いが万一起こった場合に対応すること、利害関係を明らかにして自社の利益を最大化することなど、対人間の総合的な見識が求められるため、面接時にそれらを見極めるポイントを押さえておくことが大切です。

    4-1.資格について

    書類選考の段階で、法務に直接関わる資格・法務の仕事を補助する資格など、自社にとってニーズのある資格を保有しているかどうかをチェックするはずです。 その際、弁護士資格・司法試験短答式合格などの分かりやすいキャリアだけでなく、ビジネス実務法務検定・TOEICなど、法務職に求められる最低限の教養や英語力などの有無も確認しておきましょう。

    4-2.経験について

    法務職を求める企業の事業規模は、必要とする理由によって異なります。 大企業で求める法務職なら、会社の歯車として働けるモラル・安定した遂行力が求められますが、ベンチャー企業なら他の仕事にも足を突っ込める柔軟性が必要とされます。 前職の規模・ステージ・法務以外の経験について、自社の事業規模を想定しながら採用ペルソナを構築しましょう。

    4-3.スキル

    一口に法務と言っても、契約法務・商事法務・知的財産・戦略法務・国際法務など、様々な分野があります。 また、各社員・幹部のマネジメントが柔軟にできるかどうかも、法務職には求められますから、過去のプロジェクト規模や結果などから、自社で採用する場合のポジションを確認しましょう。 複数にまたがっている、あるいは特に輝くスキルがあるなら、法務にかかわらずそれを活かせる部署を探すことを忘れないようにしたいところです。

    4-4.人柄、コミュニケーション力

    法務職は、四角四面な部署ではなく、人の心という機敏なものを法律で紐解く・あるいは定義する仕事です。 トラブルが発生した時の選択肢も、一概に訴訟と決めつけずに和解という選択肢も想定するなど、法的な視点で複数の可能性を把握しておくことが求められます。

    最終的に、互いが納得する結果を導き出せるかどうかは、担当者の人柄・コミュニケーション能力にかかっています。 スキルや実績だけでなく、対面で話した雰囲気も含めて、採用すべきかどうかを判断しましょう。

    5.法務の年収決定のポイント


    法務職として採用することを決めた場合、年収を決定するポイントは「相場」を知ることです。 圧倒的なスキルの違いがある場合を除いて、大抵の場合は就業規則などの給与体系に基づいて給与が決まりますが、年齢を考慮して金額を決定した方がよいでしょう。

    MS-Japanに登録されている求職者データ・求人情報から、法務職の年代別平均年収を調査したところ、以下のような結果が出ています。

    • 30歳以下の求職者の平均年収:489万円
    • 36~40 歳の平均年収:646万円
    • 46歳以上の平均年収:871万円
    • 男性求職者の平均年収:733万円
    • 女性求職者の平均年収:566万円
    年代に応じて平均年収は上昇傾向にあるため、40代後半で年収が500万円以下となってしまうと、やはり求職者も離れてしまうリスクがありますから、出し惜しみはしないようにしたいものです。

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    6.まとめ


    法務職を採用する際には、基本的に売り手市場の状態であることを自覚した上で、求職者が狭き門だと感じている誤解を解きつつ、魅力的な条件を適切な時期にアピールすることが必要です。 法務経験者を採用するのであれば、法務職の多くが閑散期を迎える7~12月を、法科大学院修了生を採用する場合は、司法試験のめどがつく9~11月をターゲットにして、採用活動を行いましょう。

    また、法務に直接関係する資格や経験だけでなく、会社全体のことを考えて、役に立つスキルを持った人材を活用することを意識します。 法務職が関わる人は、その会社の顧客も含めると多岐にわたるため、柔軟性のある人材かどうかを雰囲気や質問内容から察しておくことも重要です。 採用が決まった場合は、各年代の年収の相場を把握して、決して採用者を失望させない給与体系を整えることを忘れないようにしましょう。

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