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企業にとって、人材を確保することは大切な仕事です。売り手市場と言われる昨今、人手不足に悩む企業は少なくありません。しかし、せっかく求人を出したり、採用したりしても、ミスマッチが発生して人材の確保ができなかったり、入社後の早期離職に頭を抱えている人事の方も多いのではないでしょうか。 今回は、採用のミスマッチが起きる場面や原因、防ぐ方法を解説しています。ミスマッチをなくすために企業が行なっている実例も紹介していますので参考にしてみてください。
1.採用ミスマッチとは
「採用ミスマッチ」とは、企業と求職者のニーズが適合していないことを指します。採用ミスマッチが起こる場面は、大きく「求人募集時」「入社後」の2つに分かれます。下記に、採用ミスマッチが起こる具体的な場面について説明します。
1-1求人募集時のミスマッチ
1つ目は、求人募集の際に求めている候補者からの応募が来ないケースです。そもそも応募者を集めることができなければ、マッチする良い人材を選ぶことはもちろん、募集要件を緩和してとにかくマンパワーを確保するという選択も取れません。人材を採用するためにはコストがかかります。求めている候補者像から応募が来るように企業側が工夫することが必要です。
1-2入社後のミスマッチ
2つ目は、入社後にミスマッチが発覚し早期離職となってしまうケースです。せっかく採用しても定着しなければ戦力として役立ちません。また、採用にかかったコストも回収できなくなります。採用のミスマッチは、企業にとって損失です。対策を講じて防ぐ必要があります。
2.採用ミスマッチが起こる原因は4つのギャップ
採用のミスマッチが起こる原因は、主に4つのギャップにあると考えられます。
2-1募集ターゲットと転職市場に存在する人材のギャップ
求めている人材が得られないことの背景として最も多く見かけるのは、転職市場にいない人材を募集ターゲットにしてしまっている事例です。そもそも転職市場にほいない人材や少ない人材をターゲットにしても、応募を集めることは非常に難しくなります。
2-2仕事内容のギャップ
求職者が考えていた仕事内容と実際の業務とのギャップがある場合、早期離職につながりやすいです。採用業務は採用をするだけではなく、入社後にその人材が成果を上げるようになってこそ成功と言えます。仕事内容のギャップがないように、選考段階で十分な説明をし、積極的に質問を受けるなど対策することが必要です。
2-3労働条件のギャップ
応募時に知らされていた条件と、実際の労働状態にギャップがあると、人材のやる気を削ぐことになります。不誠実さに不信感を抱いた人材は、モチベーションが低下して本来の働きぶりをしてくれない可能性もあります。また、自分自身が本来求めていた条件の会社を探して離職してしまうケースがあるので注意しましょう。現代では転職は珍しくないことや、求人数が多いことから早期離職を選ぶ人も少なくありません。
2-4職場環境のギャップ
人間関係やオフィス環境などが原因で会社や配属部署になじめないなど、職場環境のギャップもミスマッチの原因としてよく挙げられます。実際に働いてみないとわからないということもありますが、なるべくギャップが生じないように、企業側が配慮することも必要です。実際の職場環境を入社前に見てもらうなど、対策を講じることが必要と言えます。
3.採用ミスマッチを防ぐ方法
採用のミスマッチを防ぐ方法として、次の6つのポイントが挙げられます。
3-1求める人材(ターゲット)を見直す
現在募集しているターゲットが転職市場の動向と合っているかどうか、見直しましょう。転職市場にいない人材をターゲットに設定しても、なかなか応募は貰えません。人材紹介会社に相談するなどして、転職市場を知ったうえでターゲットを再設定しましょう。
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3-2求人票の内容は正確に書く
仕事内容などの労働条件のギャップをなくすためにも、求人票の内容は正確に書きましょう。求人票の内容が正しくないと、せっかく人材を採用しても早期離職につながり定着しない事態を招きやすいです。現場の実情を踏まえ、正確な情報を発信することが大切です。
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3-3採用選考のフローを見直す
選考段階は、応募者の適性を見極めることと合わせて、自社について知ってもらい入社意思を高めるアピールの場でもあります。ミスマッチが多発しているなら、選考フローを見直し、企業側にとっても応募者側にとってもWIN-WINの関係になるような適切なフローを構築しましょう。面接段階での確認事項は何か、懇親会や社員との面談の機会を設けるか、選考期間は長過ぎないかなど、1つ1つチェックすることでミスマッチを防ぐことができるようになります。
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3-4採用面接の内容を見直す
選考の中で、面接は企業にとっても重要です。応募者の適性を見極めるだけではなく、自社の情報を提供し相互理解を深める場でもあります。求人票に書かれている以外の情報を積極的に提供することが効果的です。面接でどのように自社の情報を公開するのかなど、内容を見直してミスマッチを防ぎましょう。なお、質疑応答などの時間がしっかり確保されていると、応募者の疑問や不安を解消することにつながります。
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3-5入社後のフォローをする
実際に入社をすると、多かれ少なかれ入社前のイメージと違う点があるものです。些細なギャップであっても、それを放置してしまうと、いつの間にか大きな不満になっていることもあります。そのため、入社後には積極的にコミュニケーションを取り、職場になじめるようフォローをすることが大切です。また、職場になじむためには、周囲のフォローも必要です。フォローを行ない、活躍する人材に育てることは企業にとって大きなメリットとなります。
4.採用ミスマッチを防ぐための具体的な取り組み例
採用のミスマッチを防ぐために、各企業が行なっている対策の事例をご紹介します。
4-1面接時に会社のデメリットも伝える
信頼を深めるためには、デメリットの情報も包み隠さず開示することが大切と言えます。面接は求人票に書いていない生の情報を伝えられる貴重な場です。メリットだけではなくデメリットも開示することで、応募者の疑問や不安が解消し、ミスマッチが起きにくくなります。情報を積極的に公開するなど良くしてもらったことで、返報性の法則という心理作用が働き、その親切に応えたいと応募者が考えるようになるケースも存在するのです。
4-2面接時にオフィス見学を実施
実際に働く現場を見せることもミスマッチを防ぐ上で効果的です。そのために企業が実践しているのが面接時のオフィス見学。自分の目で働く現場を見ることによって、応募者は入社してから働くイメージが湧きやすくなります。また、労働環境のギャップを解消する上でも有効です。可能であればオフィス見学の際に先輩社員と少し話をする機会を設けるとさらに効果的と言えます。
4-3面接回数を増やす
1回の面接だけで応募者の顕在的な面を判断することは難しいです。面接回数を増やすことは、お互いの情報提供の場を増やし相互理解を深める上でも役立ちます。また、面接官を変えることで、面接官による評価のばらつきを防ぎ、ふさわしくない人物を採用してしまうリスクを避けられます。
4-4入社前に懇親会をする
入社前に懇親会を開くことで同期や先輩社員との交流の場を設ける方法を、実践している企業もあります。人と交流をすることで、入社後に上手く人間関係を構築できないなどのトラブルを回避することも可能です。単純接触効果が働き、接する機会を増やすことで企業に対して好感を抱きやすくもなります。
4-5メンター制度を導入
採用人数が多いほど、一人ひとりを細かくフォローすることは難しくなります。打開策として、採用者一人ひとりにメンターをつけ、フォローをする企業も多いものです。メンターは社内に限らず、育成事業が得意な社外のメンターをつけることもあります。メンターが寄り添うことで、次第に会社に慣れ定着する可能性が高くなるのです。仕事を早く覚えるという意味でもメンターは役に立ちます。
5.まとめ
採用のミスマッチはギャップが生じた場合に起こります。現代は転職することが珍しいことではないので、採用されてもギャップを感じて早期離職する人も多いです。企業側はメリット・デメリット含め積極的な情報公開をし、ギャップをなくすように務めることが大切と言えます。また、応募者に寄り添い、親身になることも、ミスマッチを防ぐ上で有効です。
採用のミスマッチはできる限り避けたいもの。企業側が工夫をすることで、防げる場合もあります。今回ご紹介した方法などを使って、可能な限りミスマッチを減らしましょう。また、人材紹介会社を利用することで、採用市場を知ることや、求職者との密なコミュニケーションを取ることができます。ミスマッチを減少させたい場合は、人材紹介会社も併せてご利用いただくことをお勧めします。
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