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売り手市場の昨今、採用の現場でクロージングの重要性が増しています。内定者に自社を選んでもらうためにも、クロージング能力を磨くことが必要です。今回は、中途採用におけるクロージングについて情報をまとめました。クロージングの目的や方法、内定承諾につながる大切なことについても解説しています。採用担当の方、クロージングについて学びたい方などは参考にしてみてください。
1.中途採用におけるクロージングとは
中途採用におけるクロージングとは、内定後に企業側が面談などを行ない、内定者に確実に入社意思を決定してもらうためのフォローを指します。 厚生労働省が発表した平成30年の平均の有効求人倍率は1.61倍。求職者1人に対して1.61社分の求人募集が出ている計算です。競合他社が増え内定辞退が増えている昨今、他社ではなく自社を選んでもらうためには、クロージングの工夫が欠かせません。
2.クロージングの重要性
2-1待ちの姿勢では応募者に選ばれない
特に中途採用の場合は、クロージングの重要性が高いと言えます。中途採用では即戦力となれる人材の採用を目指すことが多いものです。内定につながる人は即戦力となれる確率が高い人と言い換えることができ、多くの企業から求められることに。即戦力と評価される人材は企業を選ぶことが可能であり、最も気にいった1社へ入社することを決めますので、クロージングを通じて自社の魅力をアピールし、内定辞退を回避することが肝心です。
2-2現職(前職)も強力なライバルになっている
中途採用の場合、応募者は他の会社での就業経験があります。そのため、無意識のうちに以前勤めていた会社との比較を行なっているのです。この点が新卒のクロージングとの大きな違いとなります。中途採用の場合、他に内定をもらっている企業がなかったとしても、前職から転職をする意義が感じられなかった場合は、「現職に残る」という選択肢もあり、内定辞退に繋がる場合も少なくありません。
以前の会社と違うことをアピールするには、応募者が以前の会社を辞めた理由を聞き出せるかどうかがポイントです。辞めた理由は人によって人間関係であったり、就業内容であったり多種多様。入社すれば前の会社を辞めた理由を解決できることをアピールできれば有利です。応募者が本音でしっかり話してくれるような状況を作れるかどうかが、クロージングが成功するかどうかの大きな分かれ目になります。
3.クロージングの目的
3-1内定者の不安を払拭する
クロージングの目的は、内定者の不安を払拭することにあります。中途採用者は少なくとも一度、会社を辞めたことがある人、または辞めようと考えている人です。一度も就業経験がない新卒と異なり会社員生活を経験しています。中途採用者には以前の会社をやめた理由がありますので、人間関係や労働環境など、何かしら不安要素を持っていることが多いです。クロージングを通じて内定者としっかり向き合うことで、不安を軽減し、入社意思を固めることができます。
3-2自社への志望度を上げてもらう
また、自社への志望度を上げてもらうことも目的の一つです。応募者の自社への志望度は選考プロセスで上げることが可能です。自社の説明をしっかり行なったり、人事担当者の印象が良かったりすると、自社への志望度が高まります。企業にとって人材の確保は重要な仕事です。 従来、日本の企業は新卒採用に力をいれてきました。しかし、時代の急速な変化に伴い、中途採用に注力する企業は増加傾向にあります。近年では、それまで新卒一括採用しかなかった大企業でさえ、中途採用を実施することは珍しくありません。他社ではなく自社を選んでもらうためには、クロージング力の向上が必要です。
3-3自社への入社を決意してもらう
そしてなんと言っても大切なことは、自社への入社を決意してもらうこと。内定辞退を回避し、内定承諾率の達成にもつながります。なお、内定承諾率は一般的に60〜65%に設定すると良いと言われています。高すぎる数値を設定すると、「内定を断らなそうな人物を採用しよう」と、思考が偏るリスクが生じるので注意しましょう。
4.クロージングの方法
実際に行われている有効なクロージング方法をご紹介します。 以下のようなものがあるので、貴社に合う方法を実践してみてください。
4-1オファー面談
オファー面談とは、内定提示後に内定者に自社への入社を決断してもらうための面談のことです。クロージング面談、条件面談などとも呼ばれます。選考の一部ではなく、内定者に向けて雇用条件などのすり合わせを行なう面談にあたります。オファー面談では内定通知書と、労働条件通知書もしくは雇用条件通知書を内定者に提示します。年収や労働条件に関して内定者の疑問や不安を払拭し、自社に確実に入社してもらうことを促すのです。ただし、自社の話ばかりしないように注意しましょう。内定者と本音で話し、親身に寄り添うことが大切です。
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4-2電話やメールでのフォロー
メールや電話で内定者に個別に連絡を取り、フォローする方法もあります。一対一なので話しやすく、内定者の不安を取り除く効果を期待できます。顔を合わせていると言いづらい本音を聞けるチャンスでもあります。ただし、顔を合わせないデメリットもあります。メールなら文面、電話なら言い方には十分配慮することが大事です。
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4-3懇親会の実施
懇親会のメリットは、内定者同士や先輩社員と交流する場が作れることです。内定者の中には、交流が不足しているために入社に対する不安を感じている人もいます。懇親会を通じて親睦を深めることで、内定の意思を固めてくれる可能性が高くなります。注意点として先輩社員であれば誰でも良いというわけではありません。内定者に確実に入社意思を固めてもらうための大事なイベントですので、呼ぶ先輩社員は慎重に選びましょう。
5.内定承諾につながるクロージングにおいて大切なこと
内定承諾につながるクロージングにおいて、大切なことは主に4つあります。
5-1内定通知はスピーディーに出す
優秀な人材ほど複数の企業の選考が進んでいます。選考を迅速に行ない、内定通知をスピーディーに出さないと他の会社への入社が決まり事態されてしまう場合があるので注意しましょう。早い企業であれば、最終面接後1日以内に内定通知を行います。ですので人材確保に向けた競争が激化している昨今、スピードは重要な要素です。
5-2内定者の志望度や価値観に合わせたアプローチをする
内定者に合わせたアプローチを行なうことも大切です。そのために、内定者フォローは選考段階から始まっています。選考を通じて内定者をじっくり理解し、相手の志望度や価値観に合わせたアプローチを心がけましょう。内定者に「この会社に就職した場合の未来」を描いてもらうことができると、入社する意味を作ることができ、内定承諾につながりやすいです。
5-3内定者と本音で話す
応募者は、選考段階では内定がほしいために本音で話していないことがあります。クロージングの段階で内定者の本音を引き出し、本音で話し合うことで内定承諾につながる可能性が高くなります。選考段階で得た情報などを把握し、相手の志向や求めていることを理解した上で、本音で語り合いましょう。ただし、本音といっても自社の価値を下げることを話すわけではありません。自社への入社意思を高める前向きな話し合いが効果的です。
5-4人材紹介会社と密に情報共有する
人材紹介会社経由での採用の場合は、人材紹介会社と蜜に情報共有することで、内定承諾を得やすくなります。情報は出し惜しみせず、お互いに協力できる体制を築きましょう。人材紹介会社は転職者に関するたくさんの情報を持っています。選考段階だけではわからない転職者の情報を提供してもらえれば、クロージングがより成功しやすいです。日頃から協力関係を築いておくことが大切です。
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6.まとめ
クロージングが成功するかどうかによって、内定承諾率は変化します。クロージングを成功させるためには、選考段階から対応しておくことが肝心です。面接者やクロージングを行なう人の人選にも気を配りましょう。求職者の本音を引き出すことができれば、入社につながる可能性は高くなります。
人材獲得競争が激化している現代においてクロージングは重要なものです。内定者の不安や疑問を真摯に解決し、親身に寄り添うことで内定承諾を得やすくなります。内定者にも個性がありますので、選考段階から情報を集め、内定者に合わせたアプローチを取ることが大切です。人材紹介会社と情報共有をすることも大事なポイントとなります。人材紹介会社と協力してクロージングを成功させましょう。
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