2024年06月21日

公認会計士と税理士の違いは?独占業務や試験の難易度まで

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公認会計士と税理士は、それぞれ会計や税務に関する業務を行うため、同じようなイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、それぞれの資格で異なる独占業務があり、仕事内容は大きく異なります。

この記事では、公認会計士と税理士の独占業務を含めた仕事内容や試験の難易度の違いについて解説します。

公認会計士と税理士の違いは?

公認会計士は、公認会計士法1条において「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする」として、公認会計士一般の社会的使命を定めています。

一方、税理士は、税理士法1条において「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする」と、税理士の社会的使命を定めています。

公認会計士は「監査及び会計」の専門家であるのに対し、税理士は「税務」に関する専門家であり、明確な違いがあります。


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公認会計士と税理士の「独占業務」の違い

公認会計士と税理士の独占業務について解説します。

公認会計士の独占業務

公認会計士の独占業務は、企業の「監査」です。
企業が作成した財務諸表について正確性と適切性を確認し、公正かつ客観的な意見を提供する業務です。具体的には、財務諸表の項目や金額の妥当性、会計処理の適切性、内部統制の有効性などを調査・検証します。
また、企業の業績や将来の見通しについても評価し、監査結果と公正かつ客観的な意見をまとめた監査報告書を作成します。

「監査法人」は会計監査業務を専門に行う組織で、少なくとも5人以上の公認会計士が所属し、チームを組んで大企業の監査に取り組んでいます。

税理士の独占業務

税理士の独占業務は、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つです。
「税務代理」は、クライアント(納税義務者)からの依頼を受けて税務申告書の作成や提出の代行などを行います。「税務書類の作成」とは、法に基づいて決算書などの書類を作成する業務です。納税者が税金に関する疑問や問題を相談する「税理相談」も税理士だけに許された業務です。
税理士が所属している事務所は、「税理士事務所」「会計事務所」と名乗ることが一般的です。


公認会計士は税理士登録することもできますが、逆に税理士が公認会計士として登録することはできません。
時に、公認会計士は税理士の「上位資格」と思われることもありますが、公認会計士は、公認会計士試験において租税法の学習をする際と、実務補修で税務に関する研修と考査を受ける際に税法を学習する以外は、税法に関しては自分で学習する必要があります。
そのため、公認会計士が税理士登録をして、税理士試験合格者と互角以上に渡り合って税務業務を行うには、積極的に自己研鑽を行い、税務の専門知識を身につける必要があります。


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公認会計士と税理士の「仕事内容」の違い

公認会計士の仕事内容

監査法人に所属する公認会計士の主な仕事は監査です。企業が持つデータの分析やリスク抽出、ヒアリングなどを行います。企業だけでなく、公益法人や医療法人、学校法人などの組織も監査対象です。

また、経営コンサルティングファームに所属する公認会計士は、中長期的な経営戦略立案や新規事業の立案、M&Aなどのコンサルティングを行います。

他にも、税理士登録をしている公認会計士は、帳簿作成代行やコンサルティングなど、税理士(会計事務所)に近い業務を行う公認会計士もいます。
公認会計士はキャリアの幅が広く、勤務先によって仕事内容が異なります。

税理士の仕事内容

税理士は、独占業務である税務代理や税務相談などが、主な仕事です。税務署職員による税務調査に立ち合い、サポートする税理士もいます。

このほか、納税者が税務署や国税庁に不服を申し立て、税務訴訟を起こす際に、補佐人として主張や立証をサポートすることも税理士の仕事です。
さらに業態を広げて、クライアント企業の顧問税理士として、経営や納税に関するコンサルティングを行う税理士もいます。顧問税理士は、企業の経営者や経営チームに対して税務戦略の立案や節税策の提案を行い、経営の健全性や持続可能性を支援します。

公認会計士試験と税理士試験の「概要・日程」の違い

税理士と公認会計士のそれぞれについて、資格の取得方法を詳しく見てみましょう。

公認会計士試験

公認会計士の資格を取得するためには、公認会計士試験に合格することが唯一の方法となります。公認会計士試験について以下で詳しく見てみましょう。

【公認会計士試験の受験資格】

公認会計士試験に受験資格はありません。年齢にも制限はなく、誰でも試験を受けることができます。

【公認会計士試験の内容】

公認会計士試験は、「短答式試験」と、短答式試験を合格した人が受験できる「論文式試験」の2つの試験で構成されています。

短答式試験
マークシート方式の短答式試験は、専門知識の基本的な理解度を問われます。
試験科目は、会社法、管理会計論、監査論、財務会計論の4科目です。合格基準は、総点数の70%とされていますが、40%に満たない科目が場合には、不合格となります。
論文式試験
記述式の論文式試験は、応用力を問われます。
次の、必須科目5つと選択科目の中から1つを合格する必要があります。
・必須科目 …財務会計論(簿記・財務諸表論)、管理会計論、監査論、企業法、租税法
・選択科目 …経営学・経済学・民法・統計学のうちから1科目を選択
合格基準点は52%です。科目合格制で、合格した科目については2年間の免除が受けられます。

【試験日程】

短答式試験は、5月と12月の年に2回行われます。
次回の短答式試験(令和7年試験)は、第Ⅰ回が2024年12月8日、第Ⅱ回が2025年5月25日に行われます。
1度合格すれば、2年間は短答式試験を受けずに論文式試験を受験できます。
論文式試験は、毎年8月下旬に年1回実施されます。
令和6年試験の論文式試験は、2024年8月16日~8月18日、令和7年試験の論文式試験は2025年8月22日~8月24日です。

税理士試験

税理士の資格を取得するためには、税理士試験を合格するか、税理士登録ができる弁護士や公認会計士の資格を取得する方法があります。
以下では、税理士試験について詳しく見ていきましょう。

【税理士試験の受験資格】

2022年の税理士法改正で、2023年4月1日以降の税理士試験から受験資格の要件が緩和されました。
会計科目である簿記論と財務諸表論の受験資格要件が撤廃され、誰でも受験できるようになりました。
さらに税法科目においても、学識に関する受験資格が緩和されました。
税法科目を受験するためには、下記いずれかの条件を満たす必要があります。

▼学識による受験資格
・大学または短大、高等専門学校を卒業し、社会科学に属する科目を1科目以上履修した人
・大学3年以上で、社会科学に属する科目を1科目以上含む62単位以上を取得した人
・一定の専修学校の専門課程を修了し、社会科学に属する科目を1科目以上履修した人
・司法試験合格者
・公認会計士試験短答式試験合格者
▼資格による受験資格
・日商簿記検定1級合格者
・全経簿記検定上級合格者
▼職歴による受験資格
・法人または事業を行う個人の会計業務に2年以上従事した人
・銀行や信託銀行・保険会社などにおいて資金の貸付・運用の業務に2年以上従事した人
・税理士・弁護士・公認会計士などの補助業務に2年以上従事した人

【税理士試験の内容】

税理士試験では、必修の会計科目2科目と選択式の税法3科目の計5科目に合格する必要があります。
会計科目は、簿記論と財務諸表論で、税法3科目は、所得税法と法人税法のいずれか1科目と、相続税法、消費税法または酒税法、国税徴収法、住民税または事業税、固定資産税から2科目を選択します。 税理士試験の合格基準は、各科目で60点以上となります。

【税理士試験の日程】

税理士試験は、年1回で8月上旬に行われます。
次回の税理士試験は2024年8月6日~8月8日です。


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公認会計士試験と税理士試験の「難易度」の違い

公認会計士試験の難易度

公認会計士試験の難易度
公認会計士試験は難易度が非常に高く、合格率は10%前後です。合格するまでの学習時間目安は3,500時間程度と言われています。
過去5年間の合格率を含めた受験データは以下のとおりです。

年度 出願者数 合格者数 合格率
2022年 18,789人 1,456人 7.7%
2021年 14,192人 1,360人 9.6%
2020年 13,231人 1,335人 10.1%
2019年 12,532人 1,337人 10.7%
2018年 11,742人 1,305人 11.1%

試験合格後は、公認会計士や監査法人の補助をする業務補助と、事業会社で財務の監査・分析などに従事する実務従事のいずれかで3年間の実務経験を経た後に、実務補修を修了することで、公認会計士名簿に登録されます。

税理士試験の難易度

税理士試験における各科目の合格率は10~20%です。

科目 受験者数 合格者数 合格率 2022度合格率
簿記論 11,166人 1,841人 16.5% 22.6%
財務諸表論 9,198人 2,196人 23.9% 19.0%
所得税法 1,350人 170人 12.6% 12.0%
法人税法 3,532人 453人 12.8% 16.1%
相続税法 2,548人 325人 12.8% 10.6%
消費税法 6,086人 726人 11.9% 12.5%
酒税法 470人 59人 12.6% 13.9%
国税徴収法 1,702人 234人 13.7% 12.2%
住民税 378人 48人 12.7% 18.1%
事業税 302人 38人 12.6% 13.1%
固定資産税 941人 130人 13.8% 13.5%
合計(延人員) 37,673人 6,220人 16.5% 17.3%

5科目を1度に合格する必要がなく、合格科目の免除は生涯有効のため、多くの人が毎年1科目ずつを受験します。
5科目に合格したら、合格前も含む実務経験2年間を経て、地域の税理士会に登録されます。


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まとめ

公認会計士は、大企業相手に安定して収入を得たい方が向いているのに対し、税理士は、中小企業と緊密に働いていきたい方や独立志向がある方が目指す傾向があります。
それぞれの業務の違いを考慮しながら、自分に合った資格取得やスキルの磨き方を考えていきましょう。
転職だけでなく、長期的なキャリアプランを考えるためにも、転職エージェントを活用するのもおすすめです。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

椿 大樹

大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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