税理士と公認会計士の違いは?独占業務や資格取得の違いまで

税理士
公認会計士
2019/09/11

税理士と公認会計士の違いは?独占業務や資格取得の違いまで

税理士と公認会計士の違いは?独占業務や資格取得の違いまで

税理士と公認会計士は、それぞれ税務や会計に関する業務を行うため、同じような業務を行うイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、それぞれに独占業務があり、その仕事内容は大きく異なります。
この記事では、税理士と会計士の仕事内容や資格取得の違いについてまとめています。

税理士と公認会計士の違いは?

税理士と公認会計士は、それぞれに該当の資格を取得していないと行うことができない独占業務があります。

税理士の独占業務は、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つです。
税務に関する相談を受けたり、クライアント(納税義務者)からの依頼を受けて税務申告書の作成や提出の代行などが主な業務となります。
税理士が所属している事務所は、「税理士事務所」「会計事務所」と名乗ることが多いです。

公認会計士の独占業務は、企業の「監査」です。
企業が作成した財務諸表に重大な誤りがないかどうか、公認会計士が第三者の立場から検査し、評価します。
会計監査業務を専門に行う組織を「監査法人」と呼びます。
少なくとも5人以上の公認会計士が所属し、チームを組んで大企業の監査に取り組んでいます。

公認会計士は税理士登録することもできますが、税理士が公認会計士として登録することはできません。
公認会計士は税理士の「上位資格」と思われる方もいらっしゃいますが、公認会計士試験は「租税法」の科目として数問が問われるのみです。
そのため、公認会計士が税理士登録をして、税理士試験合格者と互角以上に渡り合って税務業務を行うには、さらに勉強して専門知識を身につける必要があります。

税理士の仕事とは?

税理士法1条は「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする」として、税理士一般の社会的使命を定めています。

上述の通り、独占業務である「税務代理」や「税務相談」などが、主な仕事となります。
また、税務署職員による税務調査に立ち合い、サポートする税理士もいます。
このほか、課税について税務署や国税庁と揉めたり、異議があったりする納税者は、税務訴訟を起こしますが、その納税者の補佐人として税理士が専門家として、主張や立証をサポートすることもあります。

さらに業態を広げて、クライアント企業の顧問税理士として、経営や納税に関するコンサルティングを行ったりする税理士もいます。

公認会計士の仕事とは?

公認会計士法1条は「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする」として、公認会計士一般の社会的使命を定めています。

公認会計士の独占業務は「監査」であり、企業だけでなく、公益法人や医療法人などの各種組織に対する監査も行います。
また、外資系企業の日本法人や、日本企業の海外拠点の会計監査を行うこともあり、案件によっては英語など語学力が問われることもあります。

税理士登録をしている公認会計士は、帳簿作成代行やコンサルティングなど、税理士(会計事務所)に近い業務を行う公認会計士もいます。

税理士と公認会計士 資格取得の違い

税理士と公認会計士のそれぞれについて、資格の取得方法を詳しく見てみましょう。

税理士

税理士の資格を取得する方法は、次の4通りがあります。

1.税理士試験に合格する
2.税理士試験を免除される
3.弁護士になる
4.公認会計士になる

以下では、税理士試験について詳しく見ていきましょう。

【税理士試験の日程】
税理士試験は、8月上旬に毎年1回行われます。

【税理士試験の受験資格】
税理士試験の受験資格は、以下のようなものとなります。

・学識による受験資格
①大学または短大を卒業し、法律学または経済学を1科目以上履修した人
②大学3年以上で、法律学または経済学1科目をふくむ62単位以上を取得した人
③一定の専修学校の専門課程を修了し、法律学または経済学を1科目以上履修した人
④司法試験合格者
⑤公認会計士試験短答式試験合格者

・資格による受験資格
①日商簿記検定1級合格者
②全経簿記検定上級合格者

・職歴による受験資格
①法人または事業を行う個人の会計業務に2年以上従事した人
②銀行や信託銀行・保険会社などにおいて資金の貸付・運用の業務に2年以上従事した人
③税理士・弁護士・公認会計士などの補助業務に2年以上従事した人

【税理士試験の科目】
税理士試験に合格するためには、会計学2科目(必修)と税法3科目(選択)の計5科目に合格しなくてはなりません。
会計学は、簿記論と財務諸表論です。
また、税法は、所得税法、法人税法、相続税法、消費税法または酒税法、国税徴収法、住民税または事業税、固定資産税で、このうち所得税法または法人税法のどちらかを必ず選択しなくてはなりません。

【税理士試験の合格基準】
税理士試験の合格基準は、各科目で60点以上となります。各科目とも、受験者の10~20%が合格しています。
税理士試験の特徴は、5科目を1度に合格する必要がないことです。
各科目の合格は生涯有効となりますので、多くの人は、毎年1科目ずつを受験します。
5科目に合格したら、実務経験2年(合格の前でも良い)を経て、地域の税理士会に登録されることとなります。

公認会計士

公認会計士の資格を取得するための方法は、資格を取得する方法が複数ある税理士とは異なり、公認会計士試験に合格することが唯一の方法となります。
公認会計士試験について以下で詳しく見てみましょう。

【公認会計士試験の受験資格】
公認会計士試験に受験資格はありません。年齢にも制限はなく、誰でも試験を受けることができます。

【公認会計士試験の内容】
公認会計士試験は、まず「短答式試験」、および短答式試験を合格した人が受験できる「論文式試験」があります。

・短答式試験
マークシート方式である短答式試験は、専門知識の基本的な理解を確認するためのものです。
試験科目は、会社法、管理会計論、監査論、財務会計論の4科目となります。
合格基準は、総点数の70%とされています。
ただし、40%に満たない科目が1つでもある場合には、不合格となることもあります。
短答式試験は、5月と12月の年に2回行われます。
1度合格すれば、2年間は短答式試験を受けずに論文式試験を受験できます。

・論文式試験
記述式の解答を求められる論文式試験は、応用力を確認するためのものです。
次の、必須5科目と選択1科目に合格しなくてはなりません。

・必須科目 …財務会計論(簿記・財務諸表論)、管理会計論、監査論、企業法、租税法
・選択科目 …経営学・経済学・民法・統計学のうちから1科目を選択

基準点は52%とされています。科目合格制が導入され、合格した科目については2年間の免除が受けられます。
論文式試験は、毎年8月下旬に年1回実施されます。

【公認会計士試験の合格者数】
平成30年度の実績では、公認会計士試験の受験者数と合格者数は次の通りです。

・願書提出者数 …11,742人
・短答式試験合格者数 …2,065人
・論文式試験受験者数 …3,678人(前年・前々年の短答式試験合格者をふくむ)
・最終合格者数 …1,305人
・合格率 …11.1%(最終合格者数/願書提出者数)

公認会計士試験に合格すると、2年以上の実務経験(合格の前でも良い)を経て、実務補修を修了すると、公認会計士名簿に登録されます。

まとめ

税理士と公認会計士の違いは?独占業務や資格取得の違いまで

税理士は、中小企業と緊密に働いていきたい方や独立志向がある方が目指す傾向があり、公認会計士は、大企業相手に安定して収入を得たい方が向いているでしょう。
それぞれの業務の違いを加味し、自分に合った資格取得やスキルの磨き方を考えていきましょう。
転職だけでなく、長期的なキャリアプランを考えるためにも、転職エージェントを活用するのもおすすめです。

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<参考>
日本税理士連合会『税理士の資格取得』
日本公認会計士協会『公認会計士試験について』
金融庁『平成 30 年公認会計士試験の合格発表の概要について』

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