公認会計士がメーカーに転職するには?
従来は、会計事務所や監査法人などで働くキャリアが一般的だった公認会計ですが、近ごろでは一般事業会社への転職を希望する公認会計士が増えています。中には、大企業が多いメーカーへの転職を志す方もいます。
そこで今回は、公認会計士がメーカーへの転職を希望する理由や、実際にメーカーで働くにあたって気を付けておきたい事項についてご紹介します。
なぜ、公認会計士の中でメーカーへの転職が人気なのか?
大企業への転職は、組織の中でチームワークを保ちながら仕事を進めることに適性がある取り組みも進んでいます。また、有給休暇や介護・育児休暇も取得しやすい企業が多いです。
他にも、急激に債務超過に陥ったり、倒産したりするリスクが小さい点も、大企業へ転職する魅力に挙げられるでしょう。
大企業の中でも、メーカーという業界は「物作り」という目的に特化したシンプルな事業形態であるため、巨大な組織の中でも自分の仕事がどのように役立っているのかイメージしやすいです。また、家電やコンピュータ製品、乗用車、食品など、人々の日常生活に即した製品を作っており、仕事を通じて世の中に貢献していることを実感しやすいメリットがあります。また、B to C(消費者向け)のメーカーであれば、世間的な知名度も高く、家族や友人に説明しやすい強みもあるのです。
そのような背景もあり、メーカーは新卒就活生からの人気が高く、求人数に対する応募者数の倍率が非常に高いです。つまり、就職の難易度も高いといえます。転職の場合も同じく、高度な資格やスキル、職務経験を求められることがありますし、求人数に対して多くの応募者が殺到しやすいです。
メーカーが公認会計士に求めていること
日本では、過去に公認会計士有資格者を増やす動きがありました。もっとも、公認会計士の人口増加政策は、業界の外に飛び出して一般企業での就職・転職を志す「企業内会計士」を増やすことが前提にあったといえます。高度化する会計制度に対応できる人材を、各企業が内製的に抱える方向性を加速させることを目指していたわけです。
また、会計事務所や監査法人は、あくまでも依頼を受けて第三者的な立ち位置で業務を行います。公認会計士の中には、「傍観者やアドバイザーでなく、ビジネスの当事者として仕事をしたい」と願う人もいるのです。そうなると、企業に転職することが最もシンプルな手段です。
企業の立場としても、外部の会計事務所に依頼するより、内部で会計の専門家を抱えたほうが、コスト削減に期待できます。即戦力として公認会計士に対する需要は確実にあるのです。
中でもメーカー企業は、製品を作るための組織ですので、会計も製品を作る目的に即して考えていかなければなりません。
問われるのは専門性よりも「組織適応力」
もちろん、公認会計士の資格を持つ人材に期待されるのは、財務や税務に関する知識や経験、ないしは事務処理能力であることは間違いありません。ただし、メーカーに勤務する以上、お金の計算や分析だけをしていれば良いというわけではないのです。
社会に向けて製品を確実に消費者や取引先に提供するという最大の目的を達成するため、たとえ会計の専門家であろうと、営業、開発など、会計面から関わり、アドバイスをしたりする可能性もありえます。
公認会計士といえども企業の一社員となるので、このようなフットワークの軽さや柔軟性などが求められることを認識しておきましょう。
ただ、そのようにメーカーに勤める公認会計士として様々な部署に貢献していくうちに、希望のポストに就ける将来も期待できます。公認会計士がメーカー企業に勤務する場合、経営企画や事業計画の策定など、企業経営のコアな部分に関わることも可能になります。
メーカーに勤めるうえで、公認会計士が注意すべきこと
メーカーをはじめとする事業会社では、公認会計士ならではの能力や技術を常に発揮すべき場面が用意されているとは限りません。すでに述べた通り、専門性よりも組織適応力も求められるからです。
そもそも、公認会計士の担当業務に対する理解が乏しい管理職もいます。会計事務所などで働く人とは違い、税理士やファイナンシャルプランナーなどとあまり区別が付いていない人も少なくありません。しかし、それに腹を立てたり失望しすぎたりしないように注意しましょう。
また、監査法人でバリバリ働いているときと同じような給与水準を期待することも避けなければなりません。つまり、公認会計士の専門性やスキルが、すぐに待遇に反映すると考えないようにしましょう。あくまでも組織の一員として溶け込んだ上で、独自の専門性や特技で組織に貢献するというスタンスでいることを心がけましょう。
まとめ
公認会計士のスキルは、メーカーのような一般企業でも確実に求められています。ただし、公認会計士有資格者という立場におごらず、組織に溶け込み、組織の利益を代弁する会計責任者という立場を忘れないようにしましょう。スキルだけでなく、企業にフィットすることも強く意識することが大切です。
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