2024年02月28日

公認会計士でも就職できない時代が...現在の就職・転職状況を徹底解説!

管理部門・士業の転職

公認会計士資格を取得して就職活動を行うなかで、「公認会計士の就職状況はどうなのか」と気になっている方もいることでしょう。就職難によって「公認会計士資格を持っていても就職できない」といった噂が出回っていた時期もあり、不安を感じている方も多いかもしれません

そこで、今回は近年における公認会計士の就職・転職事情を詳しく解説するとともに、主な就業先や就活スケジュール、スムーズな就職を目指すための心構えについてもまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

実は公認会計士が就職できない時代があった

公認会計士の就職状況は近年売り手市場ですが、過去には就職が厳しい時期がありました
2006年、公認会計士の試験制度が改革されたことで、翌年から合格者数が増加します。
人材としての供給が増える一方で、リーマンショックによる経済悪化をきっかけに、監査報酬のダンピングや価格競争が起きます。
これにより公認会計士業界の市況が負に傾き、監査法人が採用を控える動きに転じたことで、公認会計士の就職難が相次いだのです。

しかし現在、経済活動の活発化に伴い会計基準を見直す企業が増え、M&Aやコンサルティング需要なども合わさって、公認会計士の必要性が高まっています
労働力の人手不足傾向は公認会計士でも例外ではなく、今後も売り手市場の状況が続くものと予想されます
とは言え、市場は常に変化していくため、公認会計士は知識やスキルの研鑽を怠ることなく、市場のニーズに向き合うことが大事です。


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Big4など大手には就職できないケースも

「公認会計士資格があっても就職できない」といった噂は、「Big4などの大手に就職しづらい」といった理由で表現されたこととも考えられます。

Big4とは「デロイト トーマツ コンサルティング」「KPMGコンサルティング」「EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング」「PwCコンサルティング合同会社」の4社のことで、知名度や規模、売上、成長性といったあらゆる点で群を抜いていることから、多くの公認会計士が「就職したい」と志望する監査法人です。そのため、公認会計士資格を持っているだけでは他の応募者との差別化を図れず、さらにBig4は他の監査法人に比べて圧倒的に志願者が多いことから、結果的に採用を見送られてしまう人が多くなる傾向があります。

もちろん、公認会計士資格以外の面で魅力的な要素があり、Big4のニーズにマッチしていれば採用してもらえる可能性は少なくありません。実際に転職エージェントを運営するMS-Japanでサポートを行った事例においても、Big4への転職を成功させたケースは数多く存在します

しかし、応募の母体が大きいことによって失敗に終わる事例も少ないくないため、「公認会計士資格があっても就職できない」といった表現で広まってしまったのではと考えられます。


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公認会計士の主な就職先

公認会計士が就職する業界は、主に以下の4業界が一般的です。

監査法人

多くの公認会計士試験の合格者が実務経験を積むためのファーストキャリアが監査法人です
主な業務はクライアント企業の財務監査ですが、上場企業の複雑な財務データを監査することもあり、財務に関する高度な専門知識が求められます
就職先として特に人気の高いのは、Big4と呼ばれる大手監査法人です。
Big4に就職できれば、グローバル展開しているような大手上場企業などの監査業務に携わりながら、国内外のビジネスに精通した知識やスキルを身につけられます

会計事務所

会計事務所は、税務以外に会計に対するアドバイスも重要な業務となり、公認会計士は会計やアドバイザリー業務を中心に携わっていきます
ただ、監査法人や上場企業などと異なり、実務要件を満たせない業務内容である事もしばしばあるので登録要件を満たす必要のある方はご留意下さい。 公認会計士が代表を務める会計事務所であれば、代表である公認会計士が監査業務に従事していることもありますので、その監査業務を手伝う事により実務要件を満たせることもあります。

コンサルティング会社

コンサルティング会社は、企業の経営や戦略的課題に対して、コンサルティングサービスを提供する会社です。
公認会計士は、財務戦略やM&A、IPO準備などのプロジェクトに必要な人材として迎え入れられます
特徴として、デューデリジェンスや評価業務など、財務面に関するコンサルティング業務に携わる機会が多いです。コンサルティング会社も会計事務所同様、実務要件を満たせない場合がありますので、留意が必要です。

一般企業(経理・財務・内部監査部門、IPO準備など)

公認会計士は、知識やスキルを活かし、一般企業の経理、財務、内部監査部門に就職することができます
社内の財務管理を担当する立場として、財務分析、報告書の作成、財務計画の策定、資金調達などを行います。
特に、IPOを計画する企業では、公認会計士が上場準備における重要なポジションです。

公認会計士の就活スケジュール

監査法人への就職活動

公認会計士の監査法人への就活スケジュールは非常に短く、短期決戦が特徴です。
公認会計士試験の合格発表から、約2週間後には内定が出ます
書類選考と面接が内定を左右するため、短期間で志望動機を固め、アピールポイントを整理するなど、面接対策をしっかりと行うことが重要です。

以下、就活スケジュールの概略です。

11月中旬:公認会計士試験の合格発表
11月中旬~下旬:説明会、エントリーシート提出、WEB適性テスト受験
11月下旬~12月上旬:1次・2次面接
12月上旬:内定通知

一般企業への就職活動

公認会計士が一般企業への就職活動を行う場合、新卒採用のスケジュールは大まかに以下の通りです。

1月〜2月:企業説明会・セミナー開催
(企業の情報収集、履歴書・職務経歴書の作成など)
3月〜4月:選考スタート
(エントリーシート提出、面接・試験などの選考開始)
5月〜6月:最終選考・内定

就活スケジュールは企業によって異なる場合があります
中途採用の場合も含めて、具体的には就職先の情報を収集することが重要です。


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一般企業への就職が増えている

公認会計士は試験合格後、実務経験を積むために監査法人で働くことが一般的です。
しかし、その後のキャリアは一般企業へ転職するケースが増えています
理由としては、WLB(ワーク・ライフ・バランス)の充実が大多数を占め、企業の経理・内部監査部門は、監査法人での経験やスキルを活かしやすいからです。

公認会計士が一般企業で担当できる業務は、経理財務、内部監査、経営企画、M&A関連やIPO準備など、多岐にわたります。
企業に就職することにより、その企業が属する特定の業界事情や顧客ニーズを深く知ることで、公認会計士として新たなやりがいを見出すことも可能です。
ゆとりある環境の中で企業内会計士として活躍できることは、今後のキャリアアップにつながる有力な選択肢として考えられるでしょう

公認会計士が一般企業に就職するメリット・デメリット

公認会計士が一般企業に就職するメリット・デメリット公認会計士が 一般企業に就職する メリット・デメリット公認会計士が一般企業に就職するメリットとして、以下の要素が考えられます。

メリット

ワークライフバランスを整えやすい

一般企業では、日々の業務を一定の時間で行う勤務形態が通例です。
公認会計士であっても、一般社員と同様に残業が多すぎることなく、仕事とプライベートの時間をバランスよく整えられます

福利厚生が充実している

働き方改革の流れを受け、福利厚生の充実に取り組んでいる企業は少なくありません。
公認会計士にも、企業に属する従業員として働きやすい環境が用意されるはずです。
企業によっては社員食堂や住宅手当、子ども・子育て拠出金など、福利厚生にそれぞれの特徴があるので、会社を選ぶ際の目安になります。

キャリアプランの幅が広がる

一般企業の業務では、さまざまな価値観を持つ人脈とつながる機会が増えます
これまでの自分になかった考え方を吸収し、視野を広げていくことで、今後のキャリアプランも幅広く見通せるようになります。

デメリット

一方で、一般企業に就職することには以下のようなデメリットもあります。

年収が低くなりやすい

年収が高い傾向にある監査法人から一般企業に転職する場合、重要ポストとして迎え入れられるケースを除いて、収入ダウンが想定されます
年齢に応じた給与体系の企業なら、他の従業員と同等の待遇になることが予測されるため、これまでの年収を維持することが難しくなるかもしれません

転勤の可能性がある

本社や支社、関連会社などを擁する企業では、ジョブローテーションの一環として、転勤・部署異動の可能性があります。
転勤を望まないのであれば、異動状況や人材の流動性を就活時にしっかりと確認しておきましょう


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公認会計士の就活心構えとは?

公認会計士は、会計分野における高度な専門知識を有し、さまざまな業界で活躍できる資格です。その中で「就職できる公認会計士」と「就職できない公認会計士」の分かれ道は、次のような就職活動の心構えがポイントになります。

・就職先を絞り込み過ぎない
・公認会計士資格以外のアピールポイントを提示する
・監査法人ごとの特徴を知っておく

具体的にどのようなことなのか、以下で詳しく見ていきましょう。

就職先を絞り込み過ぎない

特定の業界や企業を絞り込み過ぎてしまうと、必然的にヒットする求人数が限られてしまい、就職活動が難航する可能性があります。特に難関の大手監査法人にこだわりすぎる場合は、どこからも採用を得られずにいつまでも就職できない事態に陥る恐れもあるでしょう。

そこで、まずはさまざまな業界や企業の求人案件に目を向けてみることが大切です。また、競争率の高い案件だけでなく中小企業の案件にも注目し、幅広い視野で募集要項をチェックしてみるとよいでしょう。

そうすることで希望する条件に合った転職先が見つけやすくなるほか、意外に条件の良い隠れた案件にも出会いやすくなります

公認会計士資格以外のアピールポイントを提示する

公認会計士資格以外のアピールポイントを用意することも、就活の心構えとして重要なポイントです。先述のように、資格だけでは他者との差別化が難しく、多くの応募に埋もれてしまう恐れがあります

そこで、まずは志望する業界や企業の「求めている人材像」を把握し、そのイメージにマッチするアピールポイントを提示しましょう。たとえば海外案件を多く手掛けている監査法人であれば、英語力が効果的なアピールポイントになります。

また、全体的に見て、プログラミングスキルやコミュニケーション能力も採用担当者から注目されることが多い印象です。

監査法人ごとの特徴を知っておく

就活の際には、監査法人ごとの特徴をしっかりと把握したうえで活動を進めることも大切です。

たとえばBig4などの大手監査法人の場合はクライアントの数と種類が豊富で、海外にも多く拠点を設けていることから海外案件への対応も求められます。また、監査マニュアルや研修が整備されているため、業務を行いながらスキルアップも図れるでしょう。

一方、中小監査法人の場合は経験の少ない段階から多彩な業務を担当できることが大きな特徴です。若いうちから経営のノウハウについて学べる機会も多く、将来的に独立開業を目指している場合は中小監査法人での経験が大いに役立つでしょう。

このように大手監査法人と中小監査法人では仕事内容が大きく異なるほか、Big4の中でも業務内容やクライアント数、拠点の数・場所などさまざまな違いがみられます

そのため、「自分はどのような場所でどのような仕事がしたいのか」を明確にしたうえで、その目標を達成できる就業先を探すことを心がけましょう。自身の抱く目的と企業側のニーズがマッチすれば自己アピールもしやすくなり、スムーズな就職活動が期待できます。


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公認会計士向けの求人例

【経理課長】ワークライフバランス良好/成長企業/東証プライム上場

仕事内容
・日常経理業務のチェック ・月次・四半期・年次決算とりまとめ ・連結決算(子会社2社) ・開示資料作成 ・監査法人対応 ・税務対応
必要な経験・能力
・公認会計士資格(論文式試験合格者含む)
想定年収
700万円~1,200万円

大手監査法人にてIPOアドバイザリー(会計資格保有者向け)の募集

仕事内容
・IPO課題抽出調査(ショートレビュー) ・IPO準備における内部管理体制構築、決算早期化支援などのアドバイザリー業務(国内、インバウンド、アウトバウンド) ・IPO後の市場替えに向けた成長のための体制構築のアドバイザリー業務
必要な経験・能力
下記いずれか ・日本の公認会計士(日本の公認会計士試験合格者を含む) ・米国公認会計士(USCPA)資格保持者(USCPA試験合格者でも可)であって、日商簿記2級以上の知識・経験のある方
想定年収
500万円~1,500万円


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公認会計士の求人情報

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まとめ

公認会計士が就職できないという風評は過去の話です
公認会計士は、監査法人だけでなく一般企業など多様な業界でニーズがあり、今後も売り手市場に期待できます
就職活動では、就職先を限定せずに幅広くアプローチすることや、資格以外の付加価値を高めることが重要です。
資格取得がゴールではなく、自己の強みやキャリアビジョンを持った「就職できる公認会計士」を目指しましょう。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

濵田 翔平

大学卒業後、大手信用金庫に入庫。個人・法人営業及びビジネスマッチング等に従事。
MS-Japanに入社後は、横浜支社の立ち上げに加え、経理・人事・法務・経営企画・公認会計士・税理士等、幅広い職種のマッチングに従事。
2021年より東京本社へ異動後は、公認会計士・税理士・弁護士・社労士等の士業を専門とするJ事業部の管理職を務める傍らプレイヤーとしても従事。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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