2026年03月18日

監査法人に残る?出る?迷ったときに考えるべき5つの視点

監査法人で実務経験を積み、修了考査合格やシニアスタッフへの昇格打診、あるいはマネージャー昇格を控える時期は、公認会計士にとってキャリアにおける重要な分岐点となります。

周囲の転職事例に触れる機会が増える中で、「このまま監査法人で働き続けることが本当に自身の将来にとって有益なのか」とキャリアに対する不安から転職を検討される方も少なくありません。

本記事では、管理部門・士業に特化した転職支援を行うMS-Japanのアドバイザーが、現場で得た実例に基づき、監査法人に残るべきか出るべきかを検討するための「5つの視点」を解説します。

なぜ多くの会計士が“残るか/出るか”で迷うのか

キャリアの検討を始める背景には、年次や役職の変化に伴い「プロフェッショナルとしての役割」が質的に変化しやすいという構造的な要因があります。

例えば入社3年前後の若手層では、「監査実務を通じて業務の全体像が見えてきたことにより関西以外の他フィールドへの関心が高まる」方が一定数おられ「このまま監査スキルに特化することへの漠然とした不安」を抱く傾向があります。

一方でマネージャー昇格を控える層からは、「業務負荷増大に対する報酬の妥当性や年齢的な側面からのキャリアチェンジできるラストチャンス」といった観点からのキャリアの見直しに関するご相談が多く寄せられます。

役職が上がれば、公認会計士としての実務能力だけでなく、複数案件の統括やメンバーの管理・品質管理といった「マネジメント能力」が求められるようになります。

こうした組織から求められる役割の変化と、自身がイメージするキャリア形成の方向性との乖離が発生したときこそが、転職を検討する一つの契機となります。

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監査法人に残るメリット・デメリット

監査法人に留まる選択は、会計専門職としての高い専門性を追求できる道ですが、一方で「事業会社への適応コスト」を考慮する必要性も生じます。

メリット

利点として挙げられるのは、年収水準の安定性専門性の継続的なアップデートです。
監査法人の年収レンジは、一般事業会社の同年代と比較しても高い水準にある傾向があります。

また、常に最新の会計基準や法改正の最前線に身を置き、大規模クライアントの経営層と対峙し続ける環境は、プロフェッショナルとしての知見を強固なものにします。

デメリット

監査法人でのキャリアが長期にわたるほど、事業会社やコンサル含む他士業へ転職する際に要求される「経験内容」の差異が大きくなる傾向があります。

特にマネージャー以上の職位での転職では、前述したとおり監査実務以外のマネジメント業務が大きな業務割合を占めることになり在籍年数分の実務経験としてカウントしづらい傾向があります。

また、監査という第三者視点の業務が中心となるため、自ら意思決定を下し事業を推進する経験を得る機会が相対的に少なくなる点は、留意が必要です。

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監査法人を出るメリット・デメリット

事業会社やコンサルティングファーム含む他士業への転身は、経営に近い立場でのキャリア形成の可能性を広げますが、正解のない環境下での「判断力」が厳しく問われる側面もあります。

メリット

事業会社へのキャリアチェンジの場合は監査法人とは異なり第三者視点の業務ではなく、経営への直接的な関与や、さらにはCFO職を見据えた広範なキャリア形成の機会が得られる可能性があります。

特に若手層であれば、ポテンシャルを評価されやすく、未経験の領域(経営企画やFAS等)へ挑戦しやすいという側面もあります。

デメリット

監査のような「明確な判断基準」や「正解とされる解」みたいなものが必ずしも存在しない中で、限られた情報やリソースをもとに現実的な判断を下す能力が求められます。

特にIPOやベンチャー企業など管理部門が少人数で組成されている場合などは、監査法人時代のような分業体制や手厚いレビュー体制がない中で、広範な実務を頭の中で組み立てていくイメージ力や周囲を巻き込みながら完遂させるコミュニケーション力を求められることもしばしばあります。

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「出る」を判断する“5つの視点”

納得感のある決断を下すためには、以下の5つの軸で自身の現状を客観的に分析することが一つの指標となります。

市場価値とタイミング

転職市場において「入社3年(スタッフ層)」「シニア昇進時」や「マネージャー昇進時」は、一定の評価を得やすいタイミングです。
現在のスキルや経験内容が他業界でどう評価されるか、キャリアチェンジに適したタイミングかを検討します。

キャリアパスの方向性

公認会計士として経験してきた監査経験をベースに、今後どのようなキャリア形成(会計士としてのバリューアップ)をしていきたいのか、その先に何を求めるのかを考えます。

働き方の持続可能性

年間を通じた業務計画が決まっている監査法人、時期問わずPJにより繁閑の差が生まれやすいが個人の裁量で業務量調整し易い環境のいずれが自身にあっているかを検討します。

年収&ライフプラン

現職の報酬水準を維持することを優先するか、一時的な変動の可能性を受け入れてでも、将来的なキャリアの広がりやリターンを優先するかを考えます。

検討の動機が建設的か

「現状からの回避」のみが目的となっていないか。インチャージ経験や連結会計実務など、現在の環境で得られる経験が、将来の転職先で「武器」になる場合も多いため、今動くべき根拠を整理すべきです。

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まとめ|大事なのは“どちらが合うか”を見極めること

キャリアの選択において、監査法人に残ることと出ることのどちらが優れているかという普遍的な正解はありません。

重要なのは、自身の価値観やライフステージに照らして「どちらの環境がより自分に適しているか(=自身の目指すゴールに近づくか)」を判断することです。

公認会計士という資格は、多様なキャリアを可能にする強力な基盤です。

ただ、その価値をどのように活かせるかは、市場のニーズにあった志向性とバリューを最大化できる決して広くはないタイミングに委ねられていると言って過言ではありません。

入社3年目の方も、マネージャーを控えた方も、自分の“軸”を整理することで、迷いは軽減され、次のステップに向けた一歩を踏み出しやすくなるはずです。

もし自身の市場価値や、具体的な転職事例についてより客観的な情報を必要とされる場合は、専門のエージェントを活用することも有効な手段です。

多くの事例を知るプロの視点を取り入れることが、自身にとって望ましい選択を導く助けになるでしょう。

監査法人からの転職時期や、最新の採用動向について詳細を確認したい方は、MS-Japanにご相談ください。会計士専門のキャリアアドバイザーが、一人ひとりに合わせたキャリア形成をサポートいたします。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

齊藤 仁美

大学卒業後、幸せに働く人を増やしたいという想いから新卒でMS-Japanに入社。
上場企業を中心とした求人開拓から管理部門全般のマッチングを行い、2021年1月より専門性の高いJ事業部に異動。
主に会計事務所、監査法人、社労士事務所の担当を持ちながら士業領域での転職を検討している方のカウンセリングから案件紹介を両面で行う。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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MS-Japanは、公認会計士やUSCPAなどの有資格者や企業の管理部門に特化した転職エージェントです。
大手上場企業や監査法人、会計事務所(税理士法人)など、公認会計士の幅広いキャリアフィールドをカバーする求人をもとに、公認会計士専門のキャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートします。
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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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