人事労務の仕事とは？仕事内容と求められる人材について解説します

人事と労務の仕事は「人事労務」として一つにまとめられることも多いですが、担当する範囲はそれぞれ異なります。
活かせるスキルも職域によって同じではないため、人事と労務、どちらのスキルを磨いていくかで、キャリアパスのゆくえが見えてきます。
本記事では、仕事内容や求められる人材像を含めて、人事と労務の違いについて解説します。

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労務の仕事内容
労務に求められる人材とは
人事の仕事内容
人事に求められる人材とは
人事と労務、2つのキャリアを活かしたキャリアパスを目指そう
まとめ

労務の仕事内容

労務の仕事は、従業員が働きやすい環境づくりです。
給与や福利厚生、各種保険、労務トラブル、就業規則、健康診断など、幅広い管理業務を通して授業員をサポートします。
労務の仕事内容を一つひとつ見ていきましょう。

給与計算

基本給、時間外手当、通勤手当、ボーナスなど、従業員の生活に欠かせない給与を取り扱います。
天引きする税金や保険料の手取り計算も含めて、正確さが要求される業務です。

福利厚生・各種保険の手続き

従業員のワークライフバランスや、労働意欲のモチベーションにつながる福利厚生を整備します。
厚生年金、雇用保険、健康保険、労働災害保険など、各種保険の手続きも労務が行う仕事です。

入社・退職の手続き

入社時は、雇用契約書の作成や、厚生年金・雇用保険・健康保険の資格取得、給与振込の口座登録、雇入時健康診断などを取りまとめます。
併せて、法定三帳簿（労働者名簿・賃金台帳・出勤簿）の作成・管理も入社時の必須業務です。
退職時は、各種保険の資格喪失や退職金に関する手続きなどを行います。

労務トラブルの対応

過剰労働、勤務態度、人間関係、ハラスメントといった労務トラブルの対応に当たります。
従業員に対するアンケートの実施や相談窓口を設けるなど、労務トラブルを未然に防ぐための体制も整えます。

就業規則・社内規程の作成

法律で義務付けられている就業規則や、会社が独自に定める社内規程を作成します。
従業員が遵守するルールや禁止事項を制定することで、社内の秩序を維持し、業務の効率化に役立てます。

従業員の健康管理

定期健康診断やメンタルヘルス対策のストレスチェックを実施し、従業員が心身ともに健康的に働けるようにサポートします。
事業規模によっては、産業医面談による健康指導を手配することもあります。

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労務に求められる人材とは

労務の仕事は、細やかなルーチンワークがほとんどです。
期限が決まっている給与計算は、手際よく正確に行う必要があり、入社・退職時の事務手続きも抜かりなく処理しなければいけません。
同じ作業を地道にコツコツと手がける内容が多いため、集中力や持続力を持ち合わせた人材が求められます。

また、法律や税金に関する知識も必要です。
法改正を常に意識しながら、変化に合わせて知識を更新する柔軟性も、労務に向いている人の特徴と言えます。
労務トラブルの対応では、問題を未然に防ぐために従業員と定期的にコンタクトをとるコミュニケーション力や、問題が起きた場合に速やかに対処する機動力が必要です。

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人事の仕事内容

人事の仕事は、経営資源である「人」を活用して、企業の安定と成長につなげることです。
人材の採用、育成、評価、配属を通じて、組織の基盤づくりと従業員の活躍をサポートします。
人事の主な仕事内容を取り上げてみましょう。

人材の採用

会社に必要な人材を取り込むために、採用計画の策定や会社説明会、面接などの採用活動を行います。
新卒採用は1年単位で準備し、中途採用は経営状況に応じて募集のタイミングを見計います。

人材の育成

企業が成長していくためには、人材の育成は避けて通れません。人事職はその役割を担う重要なポジションです。
意思統一やスキルアップを図るための社内研修も、企画から運営まで取り仕切ります。

人事評価

従業員を公平に評価するための評価基準（業績、能力、目標達成度など）を作成します。
給与や昇進などの処遇が反映される「人事考課」では、従業員のモチベーション維持・向上に努めます。

人材の管理

企業が取り決めた経営戦略をもとに、経営資源である「人」を適切に管理・活用する業務です。
個人のスキルや実績、戦略の実行、組織全体のバランスなどを考慮して、適材適所に人材を配置します。

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人事に求められる人材とは

「人」と深く関わる人事は、従業員の働き方や生活に少なからず影響を及ぼす仕事です。
そのため、一人ひとりを公正に評価する誠実さや、親身になってサポートするコミュニケーション力が求められます。

仕事として、個人情報や機密情報を取り扱うため、秘密を厳守する規律性と、情報漏えいに対する強い危機意識も必要です。

採用活動の現場では、会社の「顔」として応募者と向き合う責任があります。
自分のふるまいや印象が、そのまま会社のイメージにつながってしまうことも少なくないでしょう。
知識やスキルだけでなく、人柄や品性を整えることも大事です。
「人」を見定める目は、自分自身を見定める目でもあることを自覚できる人物が、人事には向いています。

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人事と労務、2つのキャリアを活かしたキャリアパスを目指そう

人事と労務、2つのキャリアを活かしたキャリアパスを目指そう人事労務系のキャリアパスを目指そうとする場合、キャリアは人事でいくのか労務でいくのか、迷う方もいるのではないでしょうか。
活かせるキャリアを、以下2つの方向性から整理してみます。

人事の経験を積み、人事部を統括する頂へキャリアアップ

人事は専門知識を必要とする職業なので、経験を積めば積むほど、人事のスペシャリストとしての頂が望めます。
企業規模によっては、採用担当、研修担当、人事評価担当というように、人事の業務を担当ごとに細かくタスク分けしているケースが見られます。
つまり、容易的な業務から段階を踏んで難易度の高い業務を経験していくことで、キャリアパスの道が開けていくのです。

人事部全体の業務経験を通じて、専門的な知識とスキルを身につけることができれば、人事部を統括・管理する人事部長などの役職へキャリアアップすることも不可能ではありません。

労務の幅広い領域を担当し、バックオフィスのゼネラリストに

労務の仕事は、人事・経理・総務・法務といった業種と通じるところがあります。
管理部門のスタッフが少ない中小企業では、人事や労務が複数の業務を兼任することもまれではありません。
労務として幅広い領域に携わりつつ、知識や経験を重ねていくことで、バックオフィス系のゼネラリストとしてキャリアパスが描けます。

広範囲をカバーできる、多様なスキルを身につけたオールラウンダーな人材は、要職として重宝されるでしょう。

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