2024年03月04日

監査法人のパートナーの待遇や退職金は?パートナーになれない場合はどうしたらいいの?

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監査法人は、公認会計士にとっての独占業務である「会計監査」を専門的に行う組織です。大企業などがクライアントとなるため、監査法人に勤める会計士は高額の報酬が得られる魅力がありますが、パートナーに出世するとさらに破格の報酬が保証され、法人全体へ影響力を及ぼすことができます。では、公認会計士はどのようにすればパートナーの座を射止めることができるのでしょうか

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監査法人のパートナーになるための道のり

スタッフ

監査法人に勤務することになった会計士は、最初「スタッフ(ジュニアスタッフ)」と呼ばれる立場となります。
月収はおおよそ30万円ほどで、賞与や諸手当を含めて、年収は500万円前後で、残業代を含めると600万円前後になるでしょう。会計士資格を取得するまでに要した先行投資や時間などを考慮すれば、やや心もとない待遇かもしれません。ただ、どの会計士もスタッフの職位からスタートです。

上司や先輩の指示を仰ぎながら、会計監査の最前線の現場で働くことになります。クライアント企業の生産現場などを視察したり、関係者から話を聞き取ったりするために、全国各地に出張することもあるでしょう。監査法人のオフィスにはほとんど戻らず、クライアントの事務所で作業をすることも少なくありません。また、各企業の決算直後の時期にあたる4月~5月は、監査法人にとっての繁忙期に該当します。そのため、膨大なチェック作業を完了させるまでには、深夜にまで及ぶ残業も発生するでしょう。
体調を崩さないよう、くれぐれも気をつけながら繁忙期を乗り越えなければなりません。ただ、このときの働きぶりがその後の出世に繋がるのも確かです。他人の手柄を奪ったりするのはアンフェアですが、自分の手柄や成果、業務の合理化などを嫌らしくなく上司にアピールすることも、出世に結びつけるためのスキルといえます。

シニアスタッフ

法人内で働きぶりを認められたスタッフは、3~4年ぐらいのキャリアを積んだ後、「シニアスタッフ」に昇格します
シニアスタッフはインチャージを任されることも増えるでしょう。インチャージとは、監査の現場を俯瞰して観察し、各スタッフに的確な指示を出す「現場監督(主任)」のような役割を果たします。
年間スケジュールを策定し、日々の業務がスケジュール通りに進んでいるか、その進捗管理もシニアスタッフの日常業務です。
複数の会計士スタッフをチームとして取りまとめるリーダーシップが求められますし、的確な指示を出すための前提として、上司やクライアント企業と密接なコミュニケーションを採る必要があります。月収は40万円台、年収は650万円前後で、残業が多い人は800万円近くまでのぼることもあるでしょう。

マネージャー

シニアスタッフとして成果を出した会計士は、マネージャーに抜擢されます。監査法人に入所してから、早ければ10年前後でマネージャーまで昇格できます。
マネージャーはシニアスタッフの動向を監督し、報告を受けたり許可を出したりするマネージメント業務を行います。管理職として時間外手当(残業代)が付かないので、シニアスタッフよりも勤務時間あたりの対価が減るおそれもありますが、年収は900~1,200万円ほどになります。マネージャーとしてさらに実績を積むと、シニアマネージャーへと昇格することができ、シニアマネージャーは年収1,200~1,500万円が年収目安です。

パートナー

マネージャーとして優秀な働きをした会計士のみが「パートナー」に抜擢されます。
パートナーとは、言うまでもなく監査法人の共同経営者を意味します。監査法人における役員であり、出資者であり、責任者です。「従業員として雇用される側」から「使用者として雇用する立場」となる、重要な転換点なのです。
パートナーは、会計監査の最終責任者です。スタッフやマネージャーに不手際があり、監査に誤りがあったときには、対外的な責任を負います。上場企業の有価証券報告書のひとつである「監査報告書」に、署名捺印をしますので、「この企業の財務諸表類は、正当な内容です」「粉飾などの事実は見当たりません」といったお墨付きを与えることで、株主に安心感を与えて、投資家に対してさらなる出資を誘引します。


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パートナーの年収・待遇

パートナーにもなると、年収2,000万円を超える方が多いです。法人・個人の状況によって更に高い水準となり、代表になれば年収数千万円にもなる場合があります。出資者なので、こうした待遇の点は監査法人の業績次第で大きく変動しますが、シニアマネージャーだと年収2,000万円を突破することはなかなか難しく、年収に天井が見えてしまいますが、パートナーに成れば2,000万円の壁を越えた後も、数百、数千万円単位で年収を伸ばしていくことができます。福利厚生面は、一般企業より見劣りすることもありますが、報酬で凌駕します。
早い人では十数年ほどでパートナーの座を獲得する場合もあります。その一方で、監査法人は年功序列ではないので、在籍年数にかかわらず、パートナーに迎え入れられる見込みがない会計士もいます
会計士としてのスキルや頭脳明晰性だけでなく、社交性やリーダーシップ、精神的なタフネスなど、組織のトップにふさわしいとみられる人材がパートナーに登用されやすいでしょう。


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退職後のキャリア・退職金

退職後のキャリア

パートナーの退職後は、さまざまな組織の顧問やアドバイザー、大学教員などに転身する場合があります。
例えば、社歴の長い上場企業の社外監査役のポストは元監査法人のパートナーが務めるケースが多いです。伝統ある企業の社外役員ともなると、かなりの実績を積んだ人しか務めることができないため、監査法人のパートナー退職者に白羽の矢が立つのです。

退職金

パートナーに就任する際には職員から出資者側になるために一度監査法人を退職し、パートナーに就任します。この一度退職するタイミングで、それまで勤続した年数分の退職金を一度受け取ることができるため、パートナーは実質的に2度退職金を受け取れるのです。
監査法人の退職金は比較的少額と言われることが多いですが、それはパートナー以外の職員の話であり、パートナーになると退職金は千万円単位、人によっては1億円近くにのぼるケースもあります。
これだけの退職金とこれまで積み上げてきた実績があれば、退職後に個人で事務所を開設して会計士として活躍し続けることも、仕事からは引退して残りの人生を悠々自適に過ごすことも思いのままです。


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監査法人のパートナーになれない場合は、、

上述のように、監査法人のパートナーは非常に魅力的な待遇ですが、それだけにパートナーに上り詰めるハードルは非常に高いです。監査法人で勤務している会計士の方の中には、自分はパートナーに成れないのではないかと不安を抱えている方もいるでしょう。
監査法人においては、職員かパートナーかで待遇が全く違うため、もしそのような不安があるのであれば、別のキャリアを模索することも方法の一つです
昨今では会計士の活躍のフィールドが広がっているため、一度監査法人から飛び出して、他の環境に身を置くことで、新たな発見があるかもしれません。例えば、以下のような選択肢があります。

一般企業に転職する

近年では一般企業で勤務する会計士(インハウス会計士)の数は増加傾向にあり、日本公認会計士協会によれば、組織内会計士ネットワーク会員数は2014年時点では1,292名だったのに対し、9年後の2023年には2927名にまで数を増やしています。
高度な専門性を持つ会計士は非常にニーズが高いため、退職金を多く得たいのであれば大手企業に転職するという手もありますし、大金を稼ぎたいのであれば、スタートアップ企業に転職し、IPOを達成した際にSOを得るという手もあります。

【参考】
日本公認会計士協会「組織内会計士ネットワークについて」

会計事務所・税理士法人に転職する

ゆくゆくは独立して自分の事務所を持ってみたいという気持ちがある方は、会計事務所に転職することも有効でしょう。会計事務所で会計士が勤務するメリットとしては、①税務の実務経験を積める②監査法人とは違ったクライアント層にサービスを提供できる、という2点が挙げられます。
税務の実務経験を積むことによって、独立した際には税務顧問先をいくつか獲得することさえできれば、月額で顧問料を得ることができるので、精神的に安定した事務所経営ができます。また、会計事務所のクライアントは個人~中小企業がメインとなり、監査法人にいたときとはまた違ったクライアントとの距離感で仕事ができるため、新しい発見があるかもしれません。税務顧問という仕事は、クライアントに代わって税務申告の手続きをしたり、クライアントの経営相談に乗ることが多いため、クライアントと近い距離で、感謝される仕事をすることもメリットの一つでしょう。


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まとめ

監査法人にも、かつては年功序列で勤続年数に応じてパートナーに迎え入れられる時代がありました。しかし、現在は実力主義が幅を利かせており、パートナーに出世できる会計士は一握りです。ただ、出世がすべてではありません。一般企業の経理部や会計事務所など、監査法人以外にも会計士の転身先は、いくつもあります。

MS-Japanでは、監査法人を卒業し、次の転職先を探す会計士の支援を長年行ってきました管理部門・士業の転職に特化しているため、事業会社に転職したい方も、会計事務所に転職したい方も、はたまた転職先をまだ決めていない方でも、キャリアアドバイザーが今後のキャリアプランを一緒に考えさせていただきます。
少しでも今後のキャリアに不安がある方は、お気軽にご相談ください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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