2024年03月04日

公認会計士必見!「フォレンジック」の業務内容や求められるスキルなど徹底解説

管理部門・士業の転職

近年、公認会計士の転職先として「フォレンジック」業務に注目が集まっているのをご存じでしょうか。フォレンジックは比較的新しい業務分野ですが、現在スペシャリストへのニーズが高まっており、転職する際の選択肢として定着しつつあります。

そこで今回は、公認会計士の転職先・キャリアプランを構築する場としてのフォレンジック業務の将来性魅力求められるスキル取得しておくとよい資格について詳しく解説します。

フォレンジックとはどんな業務?

会計士の業務におけるフォレンジックとは?

公認会計士におけるフォレンジック(Forensic)とは、「不正調査」という意味を指し、企業の不正・不祥事の調査やその対応、早期発見や予防などを行います。

不正・不祥事の内容は多岐にわたりますが、公認会計士に求められるのは粉飾などの会計上の不正が主となります。監査業務で培ったスキルをそのまま活かすことができるため、フォレンジック業務において公認会計士の知識とスキルは高く評価されています。

フォレンジックの業務内容

企業の不正・不祥事に関するニュースで、第三者委員会が立ち上げられたと聞くことが多いかと思います。フォレンジック担当者は、この第三者委員会にチームメンバーとして参加し、企業の内部調査を行います。

具体的なフォレンジックの業務内容は、以下のようなものがあります。

不正調査

企業内で発生した会計に関する不正行為の調査を行います。不正の証拠を見つけ出し、その過程や規模、影響を明らかにすることが目的です。不正が疑われる取引の詳細分析や関連文書の精査を行い、不正の事実関係を解明します。
また、実際に不正が発覚した場合の調査のみではなく、不正の発見を目的とした調査を行うこともあります。

訴訟支援

裁判や仲裁手続きにおいて、財務データ取引記録に基づく証拠提供、専門的意見を提供します。損害賠償の算定、経済的損失の評価、財務報告の誤りに関する専門的分析などが含まれます。また、証人として法廷での証言や専門的見解の提出も行うことがあります。

内部統制における構築支援

不正行為を未然に防ぐための内部統制システムの構築支援や、リスク管理体制の評価・改善提案も行います。内部監査機能の強化や、不正リスクを特定し対策を講じるためのガイドライン作成をサポートします。


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フォレンジックへの転職に有利なスキル

会計士のスキル、経験は活かせる?

フォレンジックが行う不正調査では、会計士として培った会計監査や内部統制監査に関する知識、スキルを活かすことができます。 しかし、会計士が行った監査業務に疑義が生じ、そこから不正調査が始まるというケースも多いので、「監査業務の経験さえあればよい」というわけではありません。

監査業務以上に綿密・詳細な調査が求められるのがフォレンジックであり、調査の難易度・専門性はより高いといえます。
会計監査や内部統制監査に関する経験はフォレンジックで活かせる部分はあるものの、それさえあれば転職に有利になるとまではいえません。

デジタル業務のスキルは非常に有用

一方、コンピューターのログ・履歴を収集することはデジタル・フォレンジックの重要な業務となるので、コンピューターやソフトウェアに関する知識を持つことは、転職時の確実な強みになります。

実際のデジタル・フォレンジックの現場では、データを取り出す作業自体はITの専門家が対応します。
しかし、不正の有無、事実関係について判断する際には、会計士にも一定のITスキルやセキュリティに関する知識が求められます。
IT分野は会計士にとっていわば専門外の分野ですが、それゆえに会計士が高度なITスキルやセキュリティに関する知識を有していれば希少性が増し、転職時に有利に働くわけです。

法律関連の知識、スキルは強みに

さらに、フォレンジックは不正があるとの疑義を発見する業務であるため、法律に関する知識があると強みになります。
とくに、知的財産法著作権法労働法については、不正の有無をチェックできる水準の法務知識があると転職時に有利です。

フォレンジックの能力を証明する資格として、日本ではその1つにデジタル・フォレンジック研究会が実施している、「デジタル・フォレンジック・プロフェッショナル認定(CDFP: Certified Digital Forensic Professional)」があります。
この資格は、「基礎資格(Basics)」「実務者資格(Practitioner)」「管理者資格(Management)」の3区分から構成され、基礎資格が基本知識を問う内容で、実務者資格と管理者資格はその応用という位置づけです。 なお、「実務者資格」および「管理者資格」を取得するには、「基礎資格」の取得が必須条件とされています。そのため、これからCDFPの資格取得を考えるなら、まずは基礎資格の取得を目指しての勉強が必要です。
これら資格を取得しておくと、転職を有利に進めるうえでの一助となるでしょう。


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会計士からフォレンジックへ転職するメリット

フォレンジックは、業務自体が比較的新しい分野であり、転職時にライバルとなる人材が少なく、希望の形での転職がしやすいという利点があります。

とくに20代の若手の場合、フォレンジック未経験であっても大手の会計事務所、会計ファームに転職できる可能性が高いです。
若手は実務経験が少ない分、ポテンシャル人材としての成長への期待が評価に加算されます。
フォレンジックの実務経験がなくても、「IT・セキュリティに関する知識を勉強中」といった成長への意欲を示せば、転職成功のチャンスは十分にあります。
転職してフォレンジック分野である程度の実務経験を蓄積できれば、スペシャリストとしてより好条件の転職も望めるでしょう。

また、転職後のメリットとして、ライバルとなる人材が少ないので昇進しやすい点を挙げられます。
現在、フォレンジック部門の人材はどの会計事務所、会計ファームでも不足気味で、スペシャリストとして経験を積んでいけば自然とより大きな業務、責任を任されるようになります。

出世競争の相手が少ない分、昇進の機会は多くなるわけです。
昇進スピードが上がることは、収入アップのスピードもそれに合わせて上がることを意味します。


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フォレンジックを募集している企業は?

フォレンジックを募集している会社は、Big4系のアドバイザリーファームのほか、独立系のアドバイザリーファーム、あるいはデジタル・フォレンジックを主に扱うIT専門家中心の会社などがあります。
会計士の転職先としては、やはりなじみがあるBig4系のアドバイザリーファームが大きな選択肢となるでしょう。

フォレンジックの経験がない場合には、まずはやはり大手で経験を積むのが無難です。
大手のアドバイザリーファームなら、フォレンジックの最新スキルを身に付けることもできるでしょう。

フォレンジックを募集している求人例

有名コンサルティングファームにて、FASコンサルタント

仕事内容
・DD業務(財務DDが主)
・不正調査業務(フォレンジック等)
・バリュエーション業務
・FA業務
・M&Aにかかる会計/税務相談業務 など
必要な経験・能力
<必須>
公認会計士かつ、監査法人において会計監査業務経験3年以上
<歓迎>
・DD業務、FA業務などのFAS業務経験
・IFRSの知識を有する方
・PPAの知識を有する方
・不正調査経験(フォレンジック等)
想定年収
500万円~1,300万円

監査法人のグループ企業/フォレンジック&サイバー

仕事内容
・不正・不祥事、情報漏洩、サイバー攻撃等の事実解明調査
・防止対策構築の支援 など
必要な経験・能力
公認会計士、USCPA 、会計系コンサル経験をお持ちの方
想定年収
500万円~1,200万円


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まとめ

近年会計士の採用ニーズが高まっているフォレンジック。
会計士としての知識やスキルがそのまま活かせる分野であるため、転職が比較的容易であるうえに、新しい領域であるためライバルが少なく、第一人者として頭角を現すことも十分に可能です。
「会計士として高い専門性を身に付けたい」と考えている方は、チャレンジしてはいかがでしょうか。

より効率よく転職活動を進めたい方は、専門の転職エージェントに相談することをおすすめします。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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