会計コンサルタントの年収は高い?求められるスキルやキャリアプランについて解説
会計コンサルタントは、財務・会計分野において非常に高い専門性が求められる職種です。
それだけに年収の水準も高いというイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
この記事では、会計コンサルタントの年収事情に着目し、会計コンサルタントになるメリット・デメリット、その後のキャリアも含めて解説していきます。
会計コンサルタントを目指して転職を検討されている方は、ぜひご参考ください。
会計コンサルタントとは
会計コンサルタントは、会計や財務に関する専門的な助言と支援を行う専門家です。
その役割は、顧客企業の健全な財務状況を維持し、持続可能な事業運営をサポートすることにあります。
会計コンサルタントの仕事は多岐にわたります。
主な業務は、会計業務フローの最適化、資金調達、M&A支援、法規制の対応などです。
業務フローの見直しでは、企業の資産状況や事業価値を分析・評価し、必要な改善策を提案します。
例えば製造業では、複雑な取引や在庫管理に対応できるシステムの導入を促し、効率性の向上につなげます。
スタートアップ企業であれば、事業の成長に必要な資金調達のために、財務の健全性を示す資料を整え、投資家や金融機関との交渉を支援します。
さらに、中小企業向けの税務申告や法規制に適合するための戦略・手順を策定し、透明性を確保することも重要な役割です。
このように、企業規模や業界事情に合わせて提案内容を柔軟にカスタマイズすることが、会計コンサルタントには求められます。
近年では、新規IPOやIFRS(国際会計基準)適用企業の増加に伴い、会計コンサルタントへの需要が高まりつつあります。
幅広い会計知識と経験を活かせる専門家は、財務面の安定とともに成長していく企業にとって不可欠な存在とも言えるでしょう。
会計コンサルタントの年収事情
企業活動に多大な貢献をもたらす会計コンサルタントは、相応の年収に期待できるものなのでしょうか。
以下に、会計コンサルタントの年収事情について見ていきましょう。
まず、会計コンサルタントの平均年収は、一般的に700〜1,000万円が相場とされています。
給与所得者全体の平均年収が450~500万円なので、これと比較しても高い水準にあることは明白です。
ただし、年収相場はコンサルタントの種類や経験、所属する企業の規模、業種、地域などによって異なります。
代表例として、会計コンサルティングを専門とするFASの年収相場を見ていきましょう。
FASとは、企業の財務や会計に関する課題解決に特化したコンサルティングサービスです。
会計コンサルタントが多く所属するFASでは、M&A支援や事業再生など大きな案件を扱うため、年収も高めの傾向にあります。
特に、大手監査法人系のFAS(Big4系FAS)では、30歳前後の年収相場が700~900万円という高水準です。
ポジション別に整理すると、以下のようなイメージになります。
ポジション | 給与ベース | 賞与 |
---|---|---|
アソシエイト(アナリスト) | 600〜700万円 | 100〜200万円 |
シニアアソシエイト(シニアアナリスト) | 800〜900万円 | 200〜500万円 |
マネージャー(ヴァイスプレジデント) | 1,000〜1,200万円 | 300〜600万円 |
ディレクター(シニアヴァイスプレジデント) | 1,200〜1,500万円 | 400〜700万円 |
パートナー | 2,000万円以上 |
20代の若手アソシエイトでも、年収600〜700万円という水準の高さは魅力的です。
ここから経験を積み重ね、特定のスキルや専門知識が発揮できれば、年収は800万円以上になります。
さらにマネージャーやディレクターなどの上級ポジションになると、1,000万円以上の年収に期待できます。
近年、DX関連の業務が増加し、事業規模を拡大していることも年収事情に反映されているようです。
ただし、Big4系FASの年収は、高い業務負荷やプレッシャーに見合ったものとされており、厳しい労働環境を伴うことも考慮すべきです。
また、賞与についても業績や経済状況によって大きく変動することがあります。
会計コンサルタントになるメリット・デメリット
ここでは、会計コンサルタントとしてのメリットとデメリットについて触れてみます。
メリット
やりがいを実感しやすい
会計コンサルタントは、クライアント企業の財務や会計に深く関わり、問題を解決に導く役割を担います。
自らの提案やアドバイスによって経営状況を改善させ、利益向上につながった際は、大きな達成感をもたらすでしょう。
コンサルティング業務はクライアントから感謝されることも多く、やりがいを直接的に実感しやすい職種です。
高年収を得やすい
前述の通り、この職種は需要が高く、経験やスキルによっては高い報酬を得ることが可能です。
受注したプロジェクトの報酬は所属する組織の業績に直結するため、個人の成果として年収に反映されやすくなります。
専門職としての市場価値が収入面で評価されることは大きなメリットです。
デメリット
仕事量が多くなりやすい
経済活動に伴うコンサルティング業務では、複数のクライアントやプロジェクトを同時に担当するケースが通例です。
決算期などクライアントからの要求が集中する多忙な時期には、残業や長時間労働も珍しくありません。
そのため、仕事量が多くなりやすく、疲労やストレスがたまりやすい一面があります。
スケジュールが立てにくい
一般的に、会計コンサルタントはプロジェクトごとに契約を結ぶため、そのタイミングで急に忙しくなりがちです。
コンサルティング業務はクライアント中心なので、急なクライアントの要求でも迅速に対応する必要があります。
その結果、年間の業務スケジュールを事前に確定することが難しく、私生活の予定も立てにくくなります。
自身のライフスタイルやキャリア目標に合わせて、メリットとデメリットのバランスを取ることが重要です。
会計コンサルタントのその後のキャリア
会計コンサルタントを経験した後には、どのようなキャリアがあるのでしょうか。
以下に、会計コンサルティングの専門知識とスキルが活かせる転職先を紹介します。
戦略コンサル
会計コンサルタントから戦略コンサルタントへの移行は、財務データや企業の財務健全性を評価するスキルを活かす絶好の機会です。
身につけた財務分析力とリスク評価能力は、戦略立案において重要な役割を果たします。
数値分析だけでなく、戦略的視点に基づいた意思決定を支援できることも、財務・会計のコンサルティング経験が役立つでしょう。
キャリアチェンジのポイントとしては、戦略系コンサルティングファームへの転職がスムーズです。
転職後も、戦略コンサルタントとして、さまざまな業界や企業に関わりながら幅広い視点を身につけることができます。
ただし、財務系コンサルとは異なる実務経験が必要となるため、新たな専門性を深めておくことが重要です。
経営企画、ベンチャーCFO
会計コンサルタントの知見を活かし、経営企画やベンチャー企業のCFOへのキャリア移行も魅力的な選択肢です。
経営陣に近い責任者としての立場で、経営戦略に深く関わり、企業の成長に直接貢献できることは大きなやりがいにつながります。
特に予算策定やM&A支援を経験している場合、経営企画のポジションは非常に有用です。
ベンチャー企業は組織自体が新しく勢いがあるため、若手人材の起用に積極的です。
自身が若手の会計コンサルであったとしても、新興ビジネスに不可欠な資金調達や財務戦略を担うCFOとして迎え入れられるチャンスは十分にあるでしょう。
革新的な技術や製品、サービスなど、イノベーションを生み出す過程を目の当たりにできる機会も、ベンチャーならではの醍醐味です。
投資銀行、PEファンド
会計コンサルタントの経験は、投資銀行やPEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)でのキャリアにも適しています。
ここでは、企業の評価やM&Aの実行、投資先のデューデリジェンスなどが主な業務です。
会計コンサルタントとしての財務分析スキルが、資産評価や投資先の分析において大いに役立ちます。
投資銀行やPEファンドへ転職するメリットは、大規模な取引や投資に関与できることです。
財務に関する専門知識を活かしながら投資判断を行うことは、刺激に満ちた仕事と言えるでしょう。
一方で、M&Aや投資に関する実務経験が求められるため、それらの分野で経験を積んでおくことが重要な転職ポイントです。
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まとめ
会計コンサルタントの年収は、給与所得者全体の平均年収と比べると、水準が高いことは明らかです。
特にBig4系FASでは、どのポジションにおいても一般企業より高い年収に期待できるでしょう。
ただし、高年収=高いスキル+貢献度という方程式は、会計コンサルタントにおいても例外ではありません。
転職にあたっては、財務・会計に関する知識を深め、有利な資格を取得するなど、自分磨きを怠らないことが肝心です。
努力の先には、達成感ややりがいといった年収以外のメリットも享受できる魅力的なキャリアが待っています。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、ウェディングプランナー、業界大手で求人広告の企画提案営業を経て、MS-Japanへ入社。
企業担当のリクルーティングアドバイザーを経験した後、現在は転職を考えられている方のキャリアアドバイザーとして、若手ポテンシャル層~シニアベテラン層まで多くの方の転職活動のサポートをしています。
人材業界での経験も長くなり、いつまでも誰かの記憶に残る仕事をしていたいと思っています。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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