2023年11月10日

難関国家資格なのに「公認会計士はやめとけ」と言われるのはなぜ?3つの理由を紹介!

管理部門・士業の転職

公認会計士の資格を取得しようと思った矢先に、「公認会計士はやめとけ」という風評を知り、取得を思いとどまっている方は少なくないかもしれません。
では、なぜそのような否定的な評価が下されているのでしょうか。
この記事では、公認会計士に対するネガティブな理由に着目しつつ公認会計士になるメリットや適性、他のおすすめの資格についても触れていきます。
公認会計士の道を選ぶかどうか迷われている方に、方向性の判断につながる一助となれば幸いです。

「公認会計士はやめとけ」と言われる理由

公認会計士は、経済活動を営む企業に欠かせない存在であり、社会的地位の高い職業でもあります。
にもかかわらず、「公認会計士になるのはやめとけ」と言われるには、それなりの理由があるようです。
主な理由として、以下の3点に着目してみましょう。

公認会計士試験の難易度が高い

公認会計士は、医師や弁護士と並ぶ三大国家資格の一つと称され、試験の難易度も「超難関」に位置します。
合格率は10%前後で推移し、近年は1桁台という狭き門です。
試験範囲は、財務会計論・管理会計論・監査論・企業法・租税法など幅広く、理解力や応用力も含めて高度な問題に対処できる知識が求められます。
試験に合格するには約4,000時間にも及ぶ学習が必要とされており、合格までの過程も過酷です。
この試験の高難易度は、多くの人にとって公認会計士の道に立ちはだかるハードルとなり、「やめとけ」という意見につながっているようです。

仕事が激務になりやすい

公認会計士の仕事は、繁忙期には多くの業務が集中し、残業や長時間労働、週末出勤など忙しいスケジュールが一般的です。
特に監査法人やコンサルティングファームでは、財務報告書の監査や税務コンサルティングに関わるため、決算と税務申告期は多忙を極めます。
人手不足の職種であることから、一人にのしかかる仕事量が増え、激務を通じてストレスにつながることも珍しくありません。
働き方改革が注目される昨今、個人差はあるものの心身ともに負担が大きい労働環境に対して、「がまんして続けるべきだ」とは言い難いのでしょう。

意外に単調な業務が多い

会計分野の専門家として知られる公認会計士ですが、実は単調な業務が少なくないことも事実です。
例えば、大量の帳簿や取引データの入力、文書作成、ファイリングなどのルーチンワークは日常業務の一環です。
監査業務は毎年同じような作業の繰り返しで、人によっては「やりがい」を見失うこともあるでしょう。
仕事としての専門知識が必要な一方で、モチベーションを保つのが難しい地道さもあり、それが「やめとけ」と感じる要因の一つとも考えられます。


以上が主な理由の3点ですが、難易度の高い資格、激務になりやすい仕事、単調な業務というのは、公認会計士という職業に限ったことではありません。
「やめとけ」というのは、公認会計士の実態に対する主観的意見が集約されたものとも言えます。
次に、公認会計士を目指す人にとって、見過ごすことのできない魅力やメリットについて見ていきましょう。


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公認会計士になる魅力やメリット

公認会計士は、「やめとけ」と言われることがある一方で、さまざまな魅力やメリットを見出せる職業でもあります。
その主な例は以下のとおりです。

年収が高く、安定している

会計分野の専門家である公認会計士は、水準の高い年収を伴うことが特徴です。
厚生労働省の統計によれば、公認会計士の平均年収は約1,000万円となっています。
大会社や上場企業で義務づけられている法定監査は、公認会計士の独占業務であるため、需要が安定していることも大きな魅力です。

社会的信用がある

公認会計士は企業の財務健全性や法令順守の監査に携わるため、社会的な信頼度が高い職種です。
幅広い企業や団体が公認会計士の助言を必要とし、その意見書や監査報告書は法的にも重要視されています。
社会的信用を得ていることで、車や住宅のローンが組みやすいなど、生活面に直結するメリットを享受できます。

高い専門性がやりがいにつながる

監査業務では高度な専門知識を活かし、さまざまな業種のクライアントを受け持ちます。
この専門性を磨き、クライアントの財務健全性を評価する能力を高めることで、自己成長や専門的なスキルの向上が期待できます。
企業の健全な事業運営や持続可能な成長に貢献することは、大きな達成感とやりがいにつながるでしょう。

一生使える資格で、キャリアの選択肢が豊富

公認会計士の資格は一生ものであり、キャリアプランの選択肢が豊富なことも利点です。
会計士としての経験を積みながら、経理コンサルタント、金融アドバイザー、一般企業の経営企画、独立開業など、さまざまな転身が可能です。
最新の知識とスキルを随時アップデートしていくことで、将来にわたって公認会計士資格の価値を保ち続けられます。


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公認会計士に向いている人・向いていない人の特徴

人から「公認会計士はやめとけ」と言われることに対して、まずは自ら公認会計士としての適性があるかどうかを知ることは、方向性を考える上で一つの判断基準になります。

公認会計士に向いている人の特徴

以下に、公認会計士に向いている人の特徴を見てみましょう。

責任感の強い人
公認会計士は、企業の財務情報を正確かつ法律に準拠して扱う重要な役割を担います。
特に公正な立場でかかわる監査業務では、信頼性や透明性に責任を持つことが求められます。
責任感が強い人ほど、この役割を遂行するのに適していると言えるでしょう。

会計や経営に興味のある人
公認会計士としての役割を果たすためには、会計と経営に関する幅広い知識を持つ必要があります。
会計や経営に興味を持っている人は、その分野にかかわることへのモチベーションが高く、専門知識を積極的に習得しようとする傾向も見られます。

勉強好きな人
難易度の高い公認会計士試験に合格するためには、膨大な勉強時間が必要です。
勉強が好きな人は、長期間にわたる継続的な学習に耐えられる可能性が高く、試験合格を目指す前向きな姿勢が備わっていると言えます。

忍耐力のある人
細かな確認作業や複雑な問題に向き合うことは、公認会計士の仕事内容から切り離せません。
粘り強さや忍耐力があれば、時間をかけて問題を解決し、正確な情報を提供することができるでしょう。


公認会計士に向いていない人の特徴

一方、公認会計士に向いていない人には以下の特徴があります。

数字が苦手な人
会計の仕事は、当然のことながら数値を扱うことが中心です。
数字に抵抗感がある場合、計算ミスや誤った情報提供が懸念されるだけでなく、複雑な財務データを解釈することが難しいかもしれません。

細かいことを気にしすぎる人
監査業務は詳細なデータを調査し、小さなエラーや不一致を見逃さないことが重要です。
しかし、細かいことに神経質になりすぎると、ストレスを感じやすく、逆に業務効率が低下する可能性があります。


公認会計士の適性を判断するための特徴は上記のとおりですが、向き・不向きにとらわれすぎることは好ましくありません。
自分に適性があると思っても、実際に働いてみるとうまく馴染めなかったり、逆に適性がなくても、自己啓発や学習によって克服できたりする場合もあります。
向き・不向きはあくまで参考として捉え、目標に対する信念や可能性を広げる行動を心がけましょう。


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公認会計士になるまでの流れ

公認会計士になるまでの流れ

「やめとけ」と言われても、興味を持ったからには公認会計士を目指すプロセスが気になるところです。
公認会計士になるためには、大きな流れとして「試験」「就職」「登録」という3つのステップをクリアする必要があります。
以下にそれぞれの要点を説明します。

試験

公認会計士になる最初のステップは、国家試験である公認会計士試験に合格することです。
受験資格については特に制限はなく、学歴や国籍などを問わず誰でも受験できます。
ただし、試験の難易度は高く、合格率が低いため、周到な準備が必要です。
試験は短答式(4科目、年2回)と論文式(5科目、年1回)から成り立っており、短答式に合格しないと論文式に進むことはできません。
短答式に合格すると、合格した年から2年間は短答式試験が免除され、論文式のみに集中できます。

就職

公認会計士試験に合格した後は、3年間以上の業務補助と実務補習(3年の期間内に受講)を経て、修了考査に合格することで公認会計士として登録が可能となります。
実務経験を積むために、試験合格者のほとんどは、まず監査法人に就職することが一般的です。
監査法人の内定は、公認会計士試験の合格発表から約2週間後となっているため、就職活動は迅速に進めなければなりません。
ファーストキャリアとなる監査業務では、財務諸表や内部統制の評価を行い、会計・財務・税務の知識を深め、スキルアップにつなげていきます。
上司や先輩からの指導を受けつつ、マネジメントやプレゼンテーションのスキルを磨く機会も提供されるでしょう。

登録

実務経験を積む要件がすべて満たされると、いよいよ公認会計士として登録するステップに進みます。
まずは、日本公認会計士協会に登録申請書類や添付書類を提出し、審査を受けるなど、必要な手続きに従います。
登録には一定の費用がかかり、会費なども発生しますが、就職先が一部を負担する場合もあります。
登録が承認されると、晴れて公認会計士として業務を開始することができます。


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公認会計士以外のおすすめの資格

公認会計士資格を目指すことについて「やめる・やめない」で迷っているのであれば、公認会計士と親和性のある資格を目指すという選択肢もあります。
おすすめとしては、以下の2つの資格です。

日商簿記(2級以上)

日商簿記検定は、広く知名度があり、会計や財務に関する知識を証明するための資格です。
3級では個人や小規模事業の会計知識を習得しますが、2級以上を取得すると、多様な企業会計に関する専門知識が評価されます。
特に1級を取得すれば、コンサルティングや経営分析にも活かせるスキルが身につきます。
2級以上の資格は転職時に有利に働き、公認会計士としてのキャリアを補完するのに適しています。

税理士

税理士試験は、科目合格制となっており、5つの科目を合格することで税理士資格を取得できます。
税理士試験は科目合格性であり、何年かかっても5科目に合格すれば税理士試験合格となるため、働きながら資格取得を目指せることが利点です。
税理士は税務に関する専門知識を持つプロフェッショナルであり、企業や個人の税務アドバイザーとしての役割を果たします。
税理士資格を取得後、公認会計士試験に挑戦することも可能で、両方の資格を持つことで幅広い専門知識を獲得し、キャリアの多様性を高めることができます。


日商簿記2級も税理士資格も、公認会計士のキャリアに役立つものであり、経理、財務、税務などの分野で専門知識を深めることが可能です。
公認会計士資格に代わる選択肢として、自己の成長と多様なキャリアを追求する上でも検討の価値があります。


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まとめ

「公認会計士はやめとけ」という風評は、3つの理由から判断して、妥当なものとは言えません。
そもそも公認会計士に限らず、どのような仕事でもネガティブな一面や、向き・不向きというのはあるものです。
公認会計士の仕事は数字にかかわる作業が中心で、一見地味に思えるかもしれませんが、実際には多くのメリットややりがいがあることも事実です。
公認会計士は、さまざまな業界やビジネスシーンで求められる資格であり、社会的地位も確立されています。
目指すべき価値のある資格に対して「やめとけ」という言葉に惑わされること自体、やめておきましょう。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

椿 大樹

大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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