2023年08月22日

簿記試験の初心者は何級から受験するべき?3級・2級・1級の違いは?

管理部門・士業の転職

経理としてキャリアを積み重ねていくための資格取得を考えたとき、真っ先に思い浮かべやすいのが簿記です。
簿記は3級・2級・1級のレベルに分かれており、初心者の方はどのレベルから受験するべきか悩むことも多いでしょう。

この記事では簿記3級・2級・1級それぞれの違いについて解説するとともに、転職のためには何級をクリアすべきか、何級から受験するべきなのか、などの疑問にもお応えしていきますので、是非参考にしてください。

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簿記とは?分かりやすくおさらい!

簿記とは、日々の事業活動において発生する様々な取引を記録し、その結果を財務諸表としてまとめるための技能のひとつです。
簿記によって作成される情報は経営者が経営判断を行うための重要な要素となるほか、金融機関や投資家などに対して信用性を高める材料となるとともに、資金調達や投資判断の基準にもなります。

簿記検定には日商簿記・全経簿記・全商簿記の3種類があります。
日商簿記(正式名称:日商簿記検定試験)は商工会議所が主催する試験であり、簿記検定の中では最もよく知られた存在です。
1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級の5種類があり、就職・転職にも有利に働くことから、社会人も多く受けています。
全経簿記(正式名称:簿記能力検定)は全国経理教育協会が主催する簿記能力試験であり、上級・1~3級・基礎簿記会計の5種類があります。
経理専門学校の学生が受験する傾向が強く、上級に合格すれば税理士試験の受験資格を得られます。
全商簿記(正式名称:簿記実務検定試験)は、全国商業高等学校協会が主催する簿記能力試験であり、主に商業高校の学生を対象とした試験です。
1級、2級、3級に分かれており、基礎的な内容が多く問われます。


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日商簿記の3級・2級・1級って何が違うの?

簿記を何級から受験するべきなのか考える前に、各級の試験難易度を見てみましょう。
日商簿記の3級・2級・1級、それぞれについての概要をまとめます。

日商簿記3級の概要

・能力/レベル:小規模企業での経理処理に必要な知識・技術
・受験資格:年齢・経験等を問わず誰でも受験可能
・試験範囲:商業簿記
・試験方式:統一試験(ペーパー形式)・ネット試験
・開催頻度:年3回(2月・6月・11月)
・勉強時間:約100時間
・合格率:40~50%
・難易度:低

日商簿記2級の概要

・能力/レベル:財務諸表の数字を読み解き、経営状況を分析できる能力
・受験資格:年齢・経験等を問わず誰でも受験可能
・試験範囲:商業簿記・工業簿記
・試験方式:統一試験(ペーパー形式)・ネット試験
・開催頻度:年3回(2月・6月・11月)
・勉強時間:約250~350時間
・合格率:20%程度
・難易度:中

日商簿記1級の概要

・能力/レベル:極めて高度な会計知識を有し、経営管理や分析を行う能力を持ち合わせた会計に関するスペシャリスト

・受験資格:年齢・経験等を問わず誰でも受験可能
・試験範囲:商業簿記・工業簿記・会計学・原価計算
・試験方式:統一試験(ペーパー形式)
・開催頻度:年2回(6月・11月)
・勉強時間:約1,000~2,000時間
・合格率:10%程度
・難易度:高

日商簿記の3級・2級・1級以外に、初学者向けの原価計算初級・簿記初級があります。
原価計算初級は原価計算の基本的な考え方や知識について問われる検定であり、簿記初級は簿記の基本用語や複式簿記の仕組みについて問われる検定です。


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日商簿記を取得するメリットは?

簿記を何級から受けるべきかは、何のために簿記を取得するかによっても異なります。
以下に日商簿記を取得する主なメリットを4つ紹介します。

ビジネスで知識を活かせる

日商簿記の知識を習得することで企業の財務状況を理解しやすくなるため、予算の計画立案や財務分析などに役立てられるほか、資金管理やコスト削減のための戦略立案にも活かすことができます。

日常生活で知識を活かせる

家計簿をつける際の収支管理や税金の計算など、個人の財務管理に簿記知識は役立ちます。また、ローンやクレジット、保険などの金融商品を選択する際にも、簿記知識を活用することでより適切な選択が可能となります。

他の資格と関連性があるものが多い

簿記の知識は、税理士や公認会計士などの専門的な資格を取得するための基礎となります。 FP・中小企業診断士・販売士検定など、他の資格でも、簿記の知識は必須となることが多いので、日商簿記を取得することで上位資格取得への道も開けていきます。

時代にとらわれない知識である

簿記の基本的な原理や理論は、時間が経過しても基本的に変わることがありません。
したがって、日商簿記の知識は一生涯のスキルとなります。


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転職に有利なのは何級から?

簿記の知識とスキルは、様々なビジネスシーンで必要とされるため、資格を取得しておくことで転職に有利に働くことが期待されます。
しかし、その有利さの度合いは取得した簿記の級によって異なります。

まず、簿記3級は簿記の基本的な知識とスキルを証明する資格です。
選考の際に明確なアドバンテージにはならないかもしれませんが、会計学の入門編としてよく取り扱われる試験内容のため、勉強することで企業の財務状況や売上状況の理解に繋がり、より良い企業選びに活用することができます。

簿記2級はより高度な簿記の知識とスキルを持つことを証明する資格であり、経理・会計事務所、税理士事務所、営業、販売、製造、管理部門、金融業界などで選考の際に有利に働くと考えられます。
簿記2級から工業簿記も勉強範囲になり、より経理の実務内容に近づいた試験内容となります。
このため、転職を有利にするために取得すべき簿記の資格としても2級が一般的な目安とされています。

簿記1級はさらに高度な簿記の知識とスキルを持つことを証明する資格であり、会計事務所や一般企業の経理部門で有利に働くと考えられます。
ただし、中小企業の経理においては簿記2級でも十分な場合もあり、オーバースキルだと判断される可能性もあります。

大まかな目安は上記のとおりですが、どのレベルの簿記資格を持っていても、それだけで内定となるわけではありません。
簿記資格はあくまで一部のスキル証明であり、業界研究や面接対策などもしっかりと行う必要があります。


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初心者でも3級を受けずに2級から受けても大丈夫?

初心者でも3級を受けずに2級から受けても大丈夫?

簿記は年齢・経験等を問わず誰でも受験可能なので、いきなり2級を受験することも可能ですが、3級の知識を習得していない状態では2級の内容を理解しにくいため、まずは3級の受験がおススメです。
3級の受験を必ずしなければならないわけではありませんが、内容を理解することで2級取得に必要な知識を習得しやすくなります。

とにかく2級にこだわるのであれば、せめて3級とのダブル受験としておくと、知識をより確実なものにできるほか、3級は着実に取得できるなどのメリットを期待できます。
すでに簿記3級を取得している人や、経理の実務経験がある人は、簿記2級から挑戦することも十分に可能です。


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日商簿記資格を活かせる求人例

MS-Japanで実際に取り扱っている求人のうち、日商簿記の資格を活かせる求人例を3つご紹介します。
以下の求人以外にもMS-Japanでは多数の求人を取り扱っていますので、気になる方は利用登録を済ませてみてはいかがでしょうか。
就職や転職を希望される方はMS-Japanを無料で利用できます。

金融 経理スタッフ

【想定年収】
330万円 ~ 450万円
【業務内容】
・青色申告の記帳代行
・所得税の申告書作成等
・グループの経理業務補佐

大手一部上場企業グループ 金融 会計・税務

【想定年収】
540万円 ~ 630万円
【業務内容】
・会計
・税務
・法定開示および法定届出書類の作成
・その他所属チームの業務サポート

東証スタンダード上場企業 IT・通信全般 東証スタンダード上場企業

【想定年収】
500万円 ~ 750万円
【業務内容】
・月次決算業務(販売管理、固定資産管理、経費精算など)
・年次決算
・連結決算(海外4社、国内3社)
・子会社管理(国内外子会社の1~2社を担当)
・開示資料作成業務(決算短信、四半期報告書、有価証券報告書、招集通知)
・監査対応
・税務申告書作成 など

まとめ

簿記は汎用性のある知識とスキルを身に付けられるため、取得しておいて損はない資格です。
特に2級を取得していれば転職時にも高く評価される傾向があります。

簿記を受けるための受験資格は存在しないので、初心者でも簿記2級からチャレンジすることも可能ですが、2級に合格するための知識を習得する目的も兼ねて、基本的な知識を身に付けられる簿記3級からの勉強をおススメします。
3級、2級ともに独学でも十分に合格を狙えますので、皆さまもこの機会に簿記に挑戦してみてはいかがでしょうか。

これからのキャリアの様々な場面で簿記の知識を活かすことができるのも魅力であり、仕事だけでなく日常生活にも活かせる知識を身に付けるいい機会にもなります。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

長谷川 栞

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として店舗販売業務に従事。
その後キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社し、
主に経理財務や会計事務所などの会計転職希望の方を中心に担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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