2023年08月08日

簿記資格の将来性、生成AI台頭でどう変わる?経理の仕事に必要なくなるのか

管理部門・士業の転職

以前からAIは、高い処理能力と無限の可能性を持っていることから、多くの職業間で「仕事を奪われるのでは」という話を耳にすることはありましたが、実際に危機感を感じるほどAIの実用化は緩やかに進んでいました。

しかし、2023年にChatGTPをはじめとした生成AIが一般でも利用できるようになったことで、AIの活用は急激に身近なものになりました。
中でも、正しいルールに則って正確な仕事をすることが重要な経理職は、AIとの相性が良い一方で仕事を奪われるという不安を強くしている人もいるのではないでしょうか。
また、経理の基礎となる簿記の資格についても、価値がなくなるという心配をしている人もいるようです。

そこでこの記事では、生成AIの活用が進んでも、経理の仕事はもちろん、経理の仕事の礎となる簿記資格が、生成AIの台頭でどのようになっていくのかについて解説します。
また、簿記資格の取得が転職に有利になった転職事例なども紹介します。


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簿記は生成AIの活用で不要になる?

昨今の生成AIの活用によって「簿記資格の知見が不要になるかもしれない」という話がありますが、結論からいうと、生成AIの影響で簿記資格の価値が損なわれることはありません。 むしろ正確な簿記の知見がより重要になります。

簿記資格の知見を活用することが多い経理業務において、生成AIは複雑な計算やデータ入力を正確かつ瞬時にできるだけではありません。膨大なデータを分析した上で財務諸表などの書類作成や、過去のデータと予測モデルを使用した予算計画を作成することも可能です。

ただし、生成AIの目的はあくまで「仕事をサポートすること」であり、それをうまく使いこなすのは人間です。
特に情報の正確さ、情報から何を読み取り判断するのかという点では、簿記をはじめとした会計の正確な知見が必要です。

生成AIが出した成果物を必要な検証や精査を行わずに鵜呑みにして、間違った経営判断をしてしまうと、会社全体に大きな悪影響を及ぼします。

以下に具体的に簿記の知見がないと生成AIが活用できない例を挙げます。

■生成AIを活用した業務フローを構築する時
そもそも何を生成AIに任せるのか、どういう流れ・判断で進めるのかを具体的に決める際に、簿記の知見が必要となります。

■生成AIが処理できない例外のパターンが発生した時
定期的に発生する業務に関しては、生成AIに任せることが可能ですが、イレギュラーな処理が発生する可能性が0ではありません。そもそも勘定科目が登録されていない場合は、簿記の知見がないと対応が難しいでしょう。

■書類作成の内容を判断する時
生成AIで指定した内容の書類を作成した後、その内容に情報の不足や誤りがないかチェックする際には、簿記の知見がないと判断ができません。

■より具体的な分析をしたい時
例えば、生成AIでは「先月より売り上げが減っている」「昨年より人件費が増えている」などの分析はできます。
ただし、地域別・製品別・部署別など、次のアクションを決められるレベルの細かい分析は現状では追加の指示をしなければいけません。その際の指示内容や次のアクションを決める判断は簿記の知見が必要不可欠です。


生成AIの進化は少なからず影響がありますが、必ずしもネガティブな意味での変化はありません。
むしろ、簿記の知見が不要な業務は生成AIを活用するなど上手く共存していくことで、業務効率が改善され簿記の知見を活かした専門性の高い業務に集中できます。


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簿記は転職で役に立つ?

転職の際に簿記スキルをアピールしたいのであれば、簿記2級以上の取得がおすすめです。
なぜかというと、簿記2級は難関であり、実務経験がなくても資格を持っているだけで経理の知識があるという証になります。

また、難関であることから、「資格取得のために努力できる人」であるという信頼に繋がります。
経理の現場では、人手不足により新たな人材を探しているところも多いため、簿記2級資格を持っていれば未経験でも前向きに採用を検討する企業が多いようです。

簿記2級の資格があれば、経理だけでなく企業の経営に関わる知識も備わっているため、経理からキャリアアップを期待され、将来はマネージャー・役職に抜擢される可能性もあります。
企業によっては、キャリアアップの際に簿記2級取得を推奨しているところもあります。


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簿記を活かせる転職先とは

簿記を活かせる 転職先とは

簿記2級の資格があれば、こんな以下のような仕事で活かすことができます。

税理士事務所/会計事務所

税理士事務所や会計事務所では、簿記の知識が必須です。
簿記の資格があると、帳簿記帳、税金の申告、有価証券報告書を読み取るスキルなどが備わっているという証になります。
税理士資格がなくても、簿記2級があれば、税理士事務所や会計事務所に有利に転職できます。

コンサルティング会社

経営コンサル会社では、簿記の資格取得が求められる場合があります。
企業の経営状況や問題点を把握するには、書面の数字を理解する力が必要なため、簿記で学んだ貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などを読み込むスキルが求められます。

金融関連企業

金融業界で働く上で、有利になる資格はいくつか存在しますが、簿記2級もその中の一つです。
お金と簿記の関連性が深いため、仕事で必要な知識が身に付くことはもちろん、職場では有力候補として評価してもらえたり、転職の際にも役立ったりします。


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簿記を活かした転職成功事例

以下では、弊社でサポートした未経験者のキャリアチェンジ成功例3選を紹介します。

販売から経理に興味を持ちキャリアチェンジした例

Iさん・20代男性
年収350万円 → 350万円
ポジション:販売 → 経理

販売員として勤務していた中で、販売計画・会計業務に触れたことで、自身のキャリアを考え直すようになり、経理職への転職を決意されました。

しかし、転職市場では即戦力が求められるため、未経験での転職に不安を感じ、新しくキャリアをスタートさせるには、どのような準備が必要なのか悩んでいたところで弊社アドバイザーにご相談いただきました。

面接対策として、発言に一貫性を持たせ、前向きな思考アピールしつつ、経理からいずれは経営企画などに携わりたいという意志を伝えていきました。
前向きな思考が好印象で、成長戦略を掲げている企業とご縁をいただきました。

「簿記2級取得」新聞記者から会計事務所へキャリアチェンジ

Nさん・20代男性
年収680万円 → 420万円
ポジション:大手新聞記者 → 税務スタッフ

新聞記者として活躍されていましたが、あまりの激務に将来性に不安を感じて転職を決意されました。

学生時代に経営・会計の勉強をしていた経験から、お金の流れや経営に興味があり、前職在職中に「日商簿記2級」を取得されています。
将来像は「会計事務所への転職」「税理士試験の勉強」の両立であったため、未経験求人の中から、残業時間が少ない・税理士試験の勉強中の方がいること・試験前に休みが取れること、を条件に応募しました。

応募先の社内事情については、弊社が把握している情報を提供しました。
最終的には希望条件が叶う3しゃから内定をいただきました。

30代女性・会計事務所に転職

Rさん・30代女性
年収350万円 → 350万円
ポジション:経理補助 → 会計事務所

中小企業で経理補助を担当しておられました。
現職に特別な不満はなかったものの、簿記の勉強をきっかけに「スキルアップしたい」という思いから、会計事務所への転職を決意されました。

膨大な数の求人に圧倒され企業選びにお悩みだったため、社風や代表者の人柄をお伝えし件数を絞って


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まとめ

転職で有利に立ち回るなら、簿記2級を取得するのがおすすめです。
転職やキャリアアップに有利なことはもちろん、難関試験として知られる簿記1級取得のきっかけになるかもしれません。

経理職は、企業規模や業界に関係なく、企業を経営するにあたり欠かせない業務を担っているため、経理で経験を積めば将来のキャリアプランも立てやすくなります。

「経理の生成AIの活用・自動化で仕事がなくなるのでは」という不安の声もありますが、高い経理スキルだけでなく、会計や経営に活かせる分析スキル・コンサルティングスキルが備わっていれば、AIと比較されることもなく今後も活躍の場が広がります。
経理職にとって、要点をまとめ相手に伝えるコミニュケーションスキルも必要になるため、AIには真似できない付加価値が提供できれば、企業にとって重宝される人材になれるでしょう。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

楢本 裕也

大学卒業後、リクルート広告代理店に新卒入社し、中小企業、飲食・小売店などに向け、求人広告営業に従事。
その中で、実際に転職をされていく方などの生の声や気持ちの変化・実情などを知りたいと考え、MS-Japanに入社。
その後はキャリアアドバイザーとして、主に20代~30代の経理財務・会計事務所スタッフを中心に担当する。

経理・財務 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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