2023年11月10日

【簿記2級の合格率と推移】2023年最新情報やネット試験との比較など

管理部門・士業の転職

簿記2級は、ビジネスの基本スキルが身につき、経理の仕事にも役立つことから、多くのビジネスパーソンが注目する資格です。
取得を目指す人にとっては、合格率や難易度が気になるところでしょう。

この記事では、簿記2級の合格率とその推移をはじめ、簿記3級やネット試験との比較などを交えた情報をお届けします。

【2023年最新】簿記2級の試験概要

日商簿記2級の試験日程

<統一試験>
2023年の簿記2級試験(統一試験)は1年に3回行われます。
・第163回:2023年2月26日(日)※終了
・第164回:2023年6月11日(日)※終了
・第165回:2023年11月19日(日)

また、第166回試験は2024年2月25日(日)に行われます。

簿記2級の試験概要

簿記2級の試験概要は下記となっております。

受験資格 どなたでも受験可能
試験科目 商業簿記/工業簿記(原価計算を含む)
5題以内
受験料 4,720円(税込み)
試験時間 90分
合格ライン 70%以上

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【過去10年間】簿記2級の合格率推移

では、日商簿記2級「統一試験」の合格率を、過去10年間でたどってみます。
(2級は6月・11月・2月の年3回実施)

試験年月日 実受験者数 合格者数 合格率
2023年6月11日 164 12,033名 2,983名 24.80%
2023年2月26日 163 8,454名 1,788名 21.1%
2022年11月20日 162 15,570名 3,257名 20.9%
2022年6月12日 161 13,118名 3,524名 26.9%
2022年2月27日 160 17,448名 3,057名 17.5%
2021年11月21日 159 22,626名 6,932名 30.6%
2021年6月13日 158 22,711名 5,440名 24.0%
2021年2月28日 157 35,898名 3,091名 8.6%
2020年11月15日 156 39,830名 7,255名 18.2%
2020年6月14日 155 中止
2020年2月23日 154 46,939名 13,409名 28.6%
2019年11月17日 153 48,744名 13,195名 27.1%
2019年6月9日 152 41,995名 10,666名 25.4%
2019年2月24日 151 49,766名 6,297名 12.7%
2018年11月18日 150 49,516名 7,276名 14.7%
2018年6月10日 149 38,352名 5,964名 15.6%
2018年2月25日 148 48,533名 14,384名 29.6%
2017年11月19日 147 47,917名 10,171名 21.2%
2017年6月11日 146 43,767名 20,790名 47.5%
2017年2月26日 145 60,238名 15,075名 25.0%
2016年11月20日 144 56,530名 7,588名 13.4%
2016年6月12日 143 44,364名 11,424名 25.8%
2016年2月28日 142 70,402名 10,421名 14.8%
2015年11月15日 141 59,801名 7,042名 11.8%
2015年6月14日 140 47,480名 16,395名 34.5%
2015年2月22日 139 55,225名 12,054名 21.8%
2014年11月16日 138 54,188名 14,318名 26.4%
2014年6月8日 137 40,330名 13,958名 34.6%
2014年2月23日 136 55,960名 23,254名 41.6%
2013年11月17日 135 60,377名 13,601名 22.5%
2013年6月9日 134 42,703名 5,920名 13.9%
2013年2月24日 133 57,898名 27,538名 13.9%

合格率は10%台〜40%台で振れ幅が大きいですが、157回のように10%を下まわる回もあることから、難易度が低いとは言えないでしょう。


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簿記2級の合格点は70点

日商簿記2級の試験科目は「商業簿記」と「工業簿記」の2科目です。
商業簿記は、購買や販売など企業の取引活動を記録・計算し、株主や取引先などのステークホルダーに対して、適切かつ正確な報告を行うための技能です。
工業簿記は、製品の製造・加工にかかわる材料費、燃費、人件費などの原価計算を含めて、製造業に必要な知識が求められます。

試験の配点は、商業簿記60点、工業簿記40点の100点満点で、2科目合計70点以上が合格ラインです。
たとえ商業簿記で60点満点を獲得しても、工業簿記で10点以上取れなければ合格できません。


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簿記2級のレベルとは?

簿記検定は、日本商工会議所が実施する「日商簿記」、全国商業高等学校協会が実施する「全商簿記」、全国経理教育協会が実施する「全経簿記」の3種類です。
その中でも、日本商工会議所が実施する「日商簿記2級」は、簿記資格としてのレベルに定評があります。
具体的にどのようなことが可能になるレベルなのでしょうか。


日本商工会議所による簿記2級のレベル

日本商工会議所では、簿記2級のレベルを「経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル」と定義しています。

実際に、日商簿記2級の試験では、財務諸表の作成や分析、税金の計算、原価計算など、会計全般に必要な知識が問われます。
これらの知識は、経営判断や財務管理に役立つため、企業が求める資格の中で「日商簿記2級」は信頼度が高く、知名度も群を抜いています。

簿記3級と比較したレベルは?

日商簿記2級は、同じ日本商工会議所が実施する日商簿記3級と比較すると、ランクとしては一つ上ですが、難易度ははるかに高まります。
3級は会計の基礎知識を問う入門編的な資格であり、試験範囲も「商業簿記」のみです。
しかし、2級では「工業簿記」が加わるため、製造業に携わったことのない人には理解が難しく、その分ハイレベルと言えます。
逆に言うと、2級を取得することで製造業にかかわる専門的な会計知識が身につくため、転職先の選択肢が広がるというメリットもあります。


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ネット試験(CBT方式)の簿記2級合格率

ネット試験とは

日商簿記2級の試験方式は、従来の統一試験(ペーパー方式)に加えて、2020年12月よりネット試験(CBT方式)が導入されています。
ネット試験はパソコンを使用して解答する試験方式で、ほぼ毎日受験できることや受験後すぐに合否がわかることが特徴です。
導入された背景には、新型コロナウイルスの影響や、進歩するIT・デジタル化社会に対応し、継続的・安定的に試験を実施できる体制整備などの理由があります。

ネット試験の合格率

以下、合格率を含めた日商簿記2級「ネット試験」の受験者データです。

試験期間 受験者数 合格者数 合格率
2023年4月~2023年9月 48,996名 18,124名 37.0%
2022年4月~2023年3月 105,289名 39,076名 37.1%
2021年4月~2022年3月  106,833名 40,713名 38.1%
2020年12月~2021年3月 29,043名 13,525名 46.6%

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簿記2級は統一試験よりもネット試験の合格率が高い

日本商工会議所によると、簿記2級のネット試験と統一試験では難易度に差はないとされていますが、近年の合格率はネット試験のほうが高くなっています。

以下の「合格率比較表」は、ネット試験の合格率と、同時期に実施された統一試験の合格率平均を比較したものです。
ネット試験合格率は、2022年4月~2023年3月で37.1%、2021年4月~2022年3月で38.1%となっており、それぞれ同じ期間内に3回ずつ行われている統一試験の合格率平均を上まわっていることがわかります。


【合格率比較表】

2級「ネット試験」

試験期間 受験者数 合格者数 合格率
2023年4月~2023年9月 48,996名 18,124名 37.0%
2022年4月~2023年3月 105,289名 39,076名 37.1%
2021年4月~2022年3月  106,833名 40,713名 38.1%

2級「統一試験」

試験年月日 実受験者数 合格者数 合格率
2023年6月11日 164 12,033名 2,983名 24.80%
2023年2月26日 163 8,454名 1,788名 21.1%
2022年11月20日 162 15,570名 3,257名 20.9%
2022年6月12日 161 13,118名 3,524名 26.9%
2022年2月27日 160 17,448名 3,057名 17.5%
2021年11月21日 159 22,626名 6,932名 30.6%
2021年6月13日 158 22,711名 5,440名 24.0%

ネット試験の合格率が高い要因としては、試験が随時行われていることと、合否がすぐにわかることが影響していると考えられます。
ネット試験は、不合格になった場合でも修正点をすぐに見直し、モチベーションを維持しながら再試験に臨める点が、合格率の高さにつながっているようです。


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簿記2級は転職市場でも価値が高い

簿記2級は転職市場でも価値が高い

簿記2級は、経理に関する知識や適性を証明する資格であることから、転職市場では高く評価されています。
企業活動に伴うお金の出し入れは、どのような企業であっても欠かせない業務です。
その役割を担う経理の求人において、求職者が簿記2級の知識やスキルを持っていることは、採用側にとって魅力的な人材に映るでしょう。
特に他職種から経理を目指している場合は、簿記2級を取得することで、未経験であっても経理に転職できるチャンスが広がります。

簿記2級の取得は、経理への意欲や熱意を示し、自己啓発の姿勢をアピールする手段としても有効です。
試験にチャレンジする積極性、合格を果たすまでの努力や向上心といった人物像を採用側は評価します。

さらに、簿記2級はビジネススキルの一環としても広く認知されています。
経理に限らず、営業やマネジメント層を目指す人にとっても、簿記2級は有用なスキルです。
ビジネスパーソンに求められる能力を身につけることは、転職市場での価値を高めることになるでしょう。

【関連記事】
簿記2級は経理の転職に有利なのか?


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簿記2級が必須条件の求人例

弊社MS-Japanは、経理をはじめとした管理部門と士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、「MS Agent」より、簿記2級を必須条件としている経理の求人をご紹介します。
簿記2級必須の求人数自体は少ないですが、未経験・無資格者歓迎求人よりも年収が高く、将来的に管理職への登用を想定している傾向も見られます。
簿記2級をお持ちの方は応募先の選択肢としてぜひご検討ください。


【名古屋】グローバルメーカー/経理求人/年収~650万

ポジション
経理【関連会社出向】※名古屋駅エリア/優良素材メーカー

仕事内容
■部門の業務内容(経理業務全般)
 ・月次採算管理/予算策定まとめ
 ・年次決算業務/税務申告
 ・経営資料作成

■求人者の職務内容(経理実務全般)
 ・月次損益管理、部門予算統制
 ・会計帳簿、残高管理
 ・会計仕訳、請求書対応
 ・決算整理、財務諸表作成
 ・税務申告書作成(法人税、消費税ほか)
 ・経営資料作成(経営執行会議、株主総会ほか)
 ・会計監査対応、税務調査対応
 ・固定資産管理(資産登録、台帳作成)
 ・不動産管理(賃貸収支管理、賃貸料計算)

必要な経験・能力
■必須条件
 ・日商簿記2級以上の会計資格
 ・経理実務経験もしくは会計事務所経験のある方 ※5年以上

■求める人物像
 ・前向きで積極的にチャレンジ精神をもって取り組める方

想定年収
400万円 ~ 650万円


経理財務スタッフ(未経験者歓迎/リモート有/IPO/事業拡大中)

ポジション
経理財務スタッフ(未経験者歓迎/リモート有/IPO/事業拡大中)

仕事内容
経理を軸に、管理会計や財務等、幅広い業務に従事いただきます。
 ■具体的には…
 ・日常経理業務
 ・決算の補助業務
 ・CFO補佐業務(財務や経営管理に必要な基礎資料やデータ収集・分析資料の作成等)

必要な経験・能力
下記いずれかのご経験  ・日商簿記2級以上の資格があり、今後経理にチャレンジしたい方(社会人経験必須)
 ・会計事務所や事業会社での経理経験をお持ちの方(経験年数不問)

想定年収
350万円 ~ 450万円

まとめ

簿記2級の合格率は、統一試験の平均では4人に1人の割合ですが、ネット試験のほうにやや高めの傾向が見られました。
同じ難易度なので、必ずしもネット試験が合格しやすいとは言い切れませんが、試験が随時行われ、すぐに合否が判明することから合格者の数が伸びていることは事実です。
これから簿記2級を目指す人は、本記事を参考に試験方式を選択されてはいかがでしょうか。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

長谷川 栞

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として店舗販売業務に従事。
その後キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社し、
主に経理財務や会計事務所などの会計転職希望の方を中心に担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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