2023年10月03日

証券アナリスト資格の難易度・勉強時間は?転職で役に立つの?

管理部門・士業の転職

証券アナリスト資格の難易度・勉強時間は?転職で役に立つの?

証券アナリストとは、株式や債券などの分析をしたり、または資産運用をしたりする際のプロフェッショナルと認定される資格です。
あまり知られていませんが、事業会社の経理でも、証券アナリストの資格を取得するメリットがあります。 この記事では、証券アナリストの概要や難易度と、経理が取得するメリットをご紹介します。


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証券アナリストとは

証券アナリストとは、企業単体や業界全体としての経済状況を調査・分析をする業種のことを指します。証券会社や運用会社などの金融機関に所属しています。
また、日本証券アナリスト協会では、

「証券アナリストとは、証券投資の分野において、高度の専門知識と分析技術を応用し、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナルです」

と定義されています。

出典:日本証券アナリスト協会『証券アナリストとは』

証券アナリストの仕事内容

証券アナリストと呼ばれるのは具体的には、以下のような人たちです。

・証券会社や資産運用会社で株式や債券などの分析や評価を行う「リサーチ・アナリスト」
・資産運用会社や銀行・保険会社などで実際に資産運用を行う「ポートフォリオ・マネージャー(ファンド・マネージャー)」
・「投資ストラテジスト」「投資アドバイザー」「マーケット・アナリスト」

など、投資の意思決定に関わるプロフェッショナル

企業や業界に関する様々な情報をもとに、投資する価値があるかどうかを分析・評価・レポート作成を行い、顧客に情報提供を行います。証券アナリストとは「金融・投資のプロ」だといえるでしょう。

必要な資格・スキル

所定の講座と試験、および実務経験を経ることにより、「日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)」の称号を取得できます。 この資格は、証券アナリストとして働くために必須な資格ではないですが、金融業界で高く評価されている資格であり、金融・投資に関する高いレベルの知識を持っている証明にもなります。


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証券アナリスト試験とは

試験概要

証券アナリスト試験は、第1次レベル試験と第2次レベル試験の2つで構成されています。
第1次レベル試験は、科目Ⅰ(①証券分析とポートフォリオ・マネジメント)、科目Ⅱ(②財務分析③コーポレート・ファイナンス)、科目Ⅲ(④市場と経済の分析⑤数量分析と確率・統計⑥職業論理・行為基準)の3科目で、一部の科目のみ受験することも可能です。
第2次レベル試験は総合試験で、全学習分野の応用力、分析力、判断力が問われる論述問題が出題されます。

2023年の試験日程

1次レベル試験は春(4月)と秋(9~10月)に2回実施され、2次レベル試験は6月上旬の1回実施されます。

2023年の試験日程は下記の通りです。

実施日 申込期間 合格発表
1次 春試験 4月23日(日) 2月6日~3月6日 6月頃
秋試験 9月24日(日) 7月14日~8月14日 11月頃
2次 6月4日(日) 3月13日~4月13日 8月頃

受験資格

証券アナリスト試験を受けるためには、まず日本証券アナリスト協会が実施する講座を受講することが受験資格となります。第1次レベル試験・第2次レベル試験ともに、それぞれの講座に参加する必要があります。

2つの試験に合格した上で、「証券分析業務の実務経験を3年以上(合格前も含めた通算の期間)有する者 ・証券分析に関する学識経験者で証券分析能力を充分に備えた者」という条件を満たすことで証券アナリスト資格を取得できます。


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証券アリストの合格率・難易度・勉強時間

合格率

第1次レベル試験および第2次レベル試験の合格率は、以下の通りです。

【第1次レベル試験の合格率】

2022年 48.6% 47.0%
2021年 51.8% 53.8%
2020年 中止 55.0%
2019年 47.3% 52.6%
2018年 51.3% 51.2%

出典:日本証券アナリスト協会『受検データ(第1次レベル試験)』

【第2次レベル試験の合格率】

合格率
2022年 54.8%
2021年 52.1%
2020年 53.4%
2019年 45.0%
2018年 49.2%

出典:日本証券アナリスト協会『受検データ(第2次レベル試験)』

第1次レベル試験、第2次レベル試験とも、合格率は50%近いです。 ただし、第2次レベル試験は第1次レベル試験に合格した人のみ受験資格が与えられるため、証券アナリストの第1次・第2次を合わせた合格率は25%程度であるといえます。

難易度

前述の合格率を、証券アナリスト試験の難易度を見極めるため、他の資格の直近の合格率と比較してみましょう。

資格 合格率 試験日
簿記1級 10.4% 2022年11月
簿記2級 20.9% 2022年11月
税理士試験 19.5% 令和4年度
公認会計士試験 7.7% 令和4年度

※税理士試験は5科目合格者数の比率

これらの合格率と比較すると、証券アナリストの合格率は公認会計士試験よりはるかに高く、簿記2級や税理士より少し高い程度となっています。簿記2級は試験回によって難易度に開きがあることと、税理士の需要増による合格率上昇なども踏まえると、証券アナリスト試験は「簿記2級より少し難しい程度」とする声もあります。

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勉強時間

証券アナリスト資格取得のための平均勉強時間は200時間と言われています。
働きながら資格取得する場合、1日約2時間勉強するとしても3~5カ月程度はかかるでしょう。


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証券アナリスト受験にかかる費用とは

証券アナリスト資格の取得までにかかる費用について解説します。

・第1次レベル講座受講料  会員:54,000円、一般:60,000円
・第1次レベル試験受験料  15,000円
・第2次レベル講座受講料  57,000円
・第2次レベル試験受験料  15,000円

その他、テキスト費用や模試受験費用、予備校費用なども発生します。

証券アナリストを取得するメリット

証券アナリストの資格保有者のうち約1/4は、金融業界以外の一般事業会社あるいは士業の人です。証券アナリストを取得することには、以下のようなメリットがあります。

証券、財務などの知識を得られる

証券アナリスト資格取得に向けて勉強することで、計量分析や統計学、ファンダメンタル分析などの証券分析や、損益計算書や貸借対照表などの財務諸表から企業の活動状況を読み取る財務分析などの知識を得ることができます。

証券・財務以外にも、ミクロ経済学やマクロ経済学、国際経済、投資理論など、ビジネスに応用の利く幅広い知識を身に着けることができます。

転職時にアピールできる

証券アナリスト資格を取得したということは、「金融・投資のプロ」レベルの知識を持っていることの証明になります。そのため、証券アナリスト資格が応募歓迎要件とされている求人情報も多く見受けられます。
次の章では、転職活動で実際にどのような業種・業界へアピールができるのか詳しく解説します。


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証券アナリスト資格を生かせる転職先

事業会社の財務・経理・経営戦略・IR

証券アナリスト資格は、事業会社の財務・経営戦略・IRなどの部門でアピールすることができます。投資や管理会計の知識を生かして他の応募者と差別化することができるでしょう。

実際の業務では、資金調達時に金融機関と自社財務状況について説明したり、M&A検討時に買収先企業の事業評価をしたりなど、様々な場面で証券アナリストの知識を生かすことができます。

投資銀行

投資銀行で行っている法人を相手とした証券引受業務やM&Aの仲介などの事業で、証券アナリストの資格を活かすことができます。

株式の調査・分析を行う株式調査部門は、証券分野のキャリアステップへの足掛かりにもなるでしょう。

証券会社

もちろん証券会社でも、証券アナリストの資格をアピールすることができます。一般的な証券会社では、社内研修や人材育成のひとつとして、証券アナリストの資格を推奨しており、資格手当が付与される場合もあります。


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「金融・投資のプロ」の証明である証券アナリスト資格

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証券アナリストは、金融・投資のプロである証明になります。取得すれば、投資銀行や証券会社などの金融業界だけでなく、事業会社の財務・経理・経営企画・IR部門への転職で役に立ちます。
難易度はそれほど高くないうえ、他の転職希望者と差がつけられる資格といえるので、興味のある方は勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

楢本 裕也

大学卒業後、リクルート広告代理店に新卒入社し、中小企業、飲食・小売店などに向け、求人広告営業に従事。
その中で、実際に転職をされていく方などの生の声や気持ちの変化・実情などを知りたいと考え、MS-Japanに入社。
その後はキャリアアドバイザーとして、主に20代~30代の経理財務・会計事務所スタッフを中心に担当する。

経理・財務 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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