2024年11月29日

【税理士試験合格発表速報】令和6年度(第74回)試験の合格者数・合格率は?過去の試験結果や合格者数推移についても解説!

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2024年11月29日、令和6年度(第74回)税理士試験の合格発表がありました。合格された方々、本当におめでとうございます。
本年度の試験は、受験者数34,757人、合計合格者数5,762人、合格率16.6%でした。
この記事では、令和6年度税理士試験結果の詳細や税理士試験後の就職・転職活動情報、採用情報を解説いたします。

※本記事の税理士試験結果は国税庁より引用しております。(2024年11月29日に利用)
国税庁『令和6年度(第74回)税理士試験合格者等について』

税理士試験の受験者及び合格者数推移

令和6年度の税理士試験合計合格者数5,762人、合格率16.6%でした。
令和6年度の税理士試験受験者数、合格者数、合格率は下記の通りです。

サマリー

•受験者数:34,757人
•合格者数:5,762人(官報合格者数:578人、一部科目合格者数:5,184人)
•合格率:16.6%


昨年の令和5年度試験は受験資格の緩和後初めての税理士試験であったため、32,893人と前年(令和4年度)よりも4,040人増加しました。今年度の受験者数は昨年よりもさらに1,864人増加し、34,757人となりました。税理士試験の受験資格緩和によって受験者を増やすという施策は現状、成功しているとみることができるでしょう。

過去5年間の受験者と合格者の推移

以下は過去5年間の受験者と合格者数の推移をまとめた表です。

年度 第70回
令和2年 (2020)
第71回
令和3年 (2021)
第72回
令和4年 (2022)
第73回
令和5年 (2023)
第74回
令和6年 (2024)
受験者数 26,673 27,299 28,853 32,893 34,757
一部科目
合格者数
4,754 4,554 5,006 6,525 5,184
官報合格者数 648 585 620 600 578
合格者合計 5,402 5,139 5,626 7,125 5,762
合格率 (%) 20.3 18.8 19.5 21.7 16.6

上記の表・グラフを見てわかる通り、受験者数は昨年よりも1,864人増加し、34,757人となり、近年は増加傾向を示しています。
一部科目合格者数は1,341人減少しましたが、直近5年で2番目に多い年度となりました。5科目到達者数は578人であり、直近5年で最も少ない年度となりましたが、おおむね600人前後で推移する傾向は続いています。
合格率は16.6%とこちらも直近5年で最も低い合格率となりました。

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年齢別の合格者数と合格率

以下の表は、年齢別の受験者数、合格者数の比較です。

受験者数 令和4年 (2022) 令和5年 (2023) 令和6年 (2024)
25歳以下 4,929 7,023 7,781
26〜30歳 4,131 4,916 5,775
31〜35歳 4,581 4,973 4,990
36〜40歳 4,407 4,619 4,668
41歳以上 10,805 11,362 11,543
合格者数 令和4年 (2022) 令和5年 (2023) 令和6年 (2024)
25歳以下 1,524 2,175 2,103
26〜30歳 993 1,332 1,131
31〜35歳 1,015 1,168 887
36〜40歳 855 962 669
41歳以上 1,239 1,488 972

昨年対比で、年齢別の受験者数の増加を確認してみましょう。

  • ・25歳以下:+758人(+10.79%)
  • ・26~30歳:+859人(+17.47%)
  • ・31~35歳:+17人(+0.34%)
  • ・36~40歳:+49人(+1.06%)
  • ・41歳以上:+181人(+1.59%)

上記の通り、全年代で受験者数が増加する結果となりました。特に25歳以下と26~30歳の若手層が大きく増加しており、これは簿記論と財務諸表論の受験資格撤廃によって若手が税理士試験を受験しやすくなった結果とみることができます。高齢化が進む税理士業界としては若手が試験に興味を持ち、業界に参入してくれることは喜ばしいことであるといえるでしょう。

次に、昨年対比で合格者数の増加を確認してみましょう。

  • ・25歳以下:-72人(-3.31%)
  • ・26~30歳:-201人(-15.09%)
  • ・31~35歳:-281人(-24.06%)
  • ・36~40歳:-293人(-30.46%)
  • ・41歳以上:-516人(-34.68%)

上記の通り、全年代で合格者数が減少する結果となりました。合格者数減少の要因をより詳細にみるため、次は科目別の受験者数、合格者数合格率を見ていきましょう。

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科目別の受験者数・合計合格者数・合格率

以下は科目別に受験者数・合計合格者数・合格率をまとめた表です。

科目 6年度
受験者数
6年度
合格者数
6年度
合格率
参考
5年度
合格率
合格率変動
簿記論 17,711 人 3,076 人 17.4% 17.4% 0.0%
財務諸表論 13,665 人 1,099 人 8.0% 28.1% -20.1%
所得税法 1,195 人 150 人 12.6% 13.8% -1.2%
法人税法 3,593 人 588 人 16.4% 14.0% 2.4%
相続税法 2,515 人 471 人 18.7% 11.6% 7.1%
消費税法 7,206 人 740 人 10.3% 11.9% -1.6%
酒税法 528 人 64 人 12.1% 12.7% -0.6%
国税徴収法 1,670 人 217 人 13.0% 13.9% -0.9%
住民税 461 人 84 人 18.2% 14.7% 3.5%
事業税 249 人 34 人 13.7% 16.4% -2.7%
固定資産税 893 人 161 人 18.0% 17.3% 0.7%
合計 49,676 人 6,684 人 13.5% 18.8% -5.3%

簿記論の合格率は昨年度試験と全く同じ結果となりました。
最も大きく合格率が変動した科目は財務諸表論であり、今年度の合格率は8%と昨年度の28.1%から20.1%も合格率が減少しております。財務諸表論はおおむね10数%~20%台の合格率であることが多い科目のため、今年度の財務諸表論はかなり難しい試験内容だったといえるでしょう。
税法科目の中では相続税法の合格率が大きく上昇しており、昨年度の合格率から7.1ポイント増の18.7%となりました。18.7%は令和に入ってから最も高い合格率であり、試験の難易度が非常に高い相続税法の合格者が多く出た年度となりました。また、同様に試験難易度の高い法人税法も昨年度対比で2.4ポイント増の16.4%と、こちらも令和に入って最も高い合格率となっています。
税法科目においては相続税法を除いておおむね3%前後の合格率増減となっているため、合格者数・合格率の減少は財務諸表論の試験難度が非常に高かったことが大きな要因といえるでしょう。

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税理士試験の受験資格緩和について

令和4年税理士法改正により、令和4年度の税理士試験から受験資格要件が大幅に緩和され、受験資格の学識の要件が広くなりました。以下の表をご参照ください。

簿記論・財務諸表論

【従来】
高校生や大学1・2年生が受験するには
簿記1級合格等の受験資格要件を満たす必要あり

矢印 矢印

【令和5年度から】
受験資格要件が撤廃
(誰でも受験可能)


税法科目

【従来】
「法律学又は経済学」に属する科目を少なくとも
1科目は履修

矢印 矢印

【令和5年度から】
「社会科学」に属する科目を少なくとも
1科目は履修


簿記論と財務諸表論については、これまでは日商簿記1級等の資格がない場合、大学や専門学校等で特定の学識要件を満たす必要がありましたが、今回の試験から受験資格は撤廃となったため、どなたでも受験が可能になりました

税法科目については、「社会科学」に属する科目を少なくとも1科目履修していれば受験が可能になったため、文学部や理工学部の大学生・卒業生の方にも受験の可能性が広がっています。

※「社会学科」に属する科目とは、「法律学又は経済学に属する科目」に該当していた科目のほか、社会学、政治学、行政学、政策学、ビジネス学、コミュニケーション学、教育学、福祉学、心理学、統計学等の科目が該当します。

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税理士試験合格発表後の就職活動について

税理士試験の合格発表後は、多くの候補者が就職活動されることを見越して、 会計事務所の採用活動が活発化するため、税理士試験実施後(8月~9月)に続いて、求人数が多い時期です

この時期に転職活動をするライバルも多く、人気の事務所にはすぐに候補者が集まるため、就職活動は早く始めるに越したことはありません。合格発表後に転職を考えている方は、できるだけ早く履歴書・職務経歴書のブラッシュアップや応募先の選定を進めておき、 発表後はすぐに転職活動を開始できる準備をしておきましょう。

ほとんどの会計事務所は年末年始~確定申告終了(3月中旬)まで繁忙期のため、 入社が決まってからすぐに来てほしいと内定先の事務所からお願いされたり、逆に3月までは受け入れが難しいから待ってほしいと言われるケースもあります。ご自身の入社が可能な時期を考慮しながら、転職・就職活動を進め、せっかく内定になったのに入社時期が折り合わずに内定辞退となってしまわないように注意しましょう。

また、今回残念ながら合格に至らなかった方も、一度転職を検討してみてもいいでしょう。税理士科目を持っていなくても勉強中の方なら歓迎!という事務所も多くありますし、必ずしも複数科目に合格していないと大手事務所の選考に合格できないといったことはありませんので、情報収集だけでもできるうちに初めておくことが、転職成功のポイントです。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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