2024年03月26日

Big4税理士法人の年収は本当に高い?その後のキャリアなど

管理部門・士業の転職

Big4税理士法人へ転職し、キャリアアップを図りたいと憧れている人も多いでしょう。
Big4税理士法人では、大手企業や金融機関をクライアントとした高度な業務を行っています。

また、外資系企業向けのサービスも多く提供しているため国際税務などについての専門スキルを身に付けたいと思う場合は転職すべきといえますが、全ての人にBig4で働くことがおすすめと言えるのでしょうか。

ここでは、Big4税理士法人についての概要や年収相場を解説しながら、Big4税理士法人で働くべき人その後独立を目指すメリット・デメリット、Big4税理士法人からの転職先に関しても詳しくご紹介します。

Big4税理士法人とは?

まずは、Big4税理士法人の概要や年収相場について押さえておきましょう。

Big4税理士法人の概要

Big4税理士法人とは、世界最大規模で展開している国際会計事務所グループの系列に属する税理士法人で、次の4つがあげられます。

・KPMG税理士法人
・EY税理士法人
・デロイト トーマツ税理士法人
・PwC税理士法人

クライアントは、グローバルに展開する大手の総合商社や製造業、金融機関などの一部上場企業、および外資系企業が中心です。
提供するサービスは、具体的に次のようなものとなります。

・税務コンプライアンス …税務申告書の作成や税務代理、税務相談など
・税務コンサルティング …M&A・組織再編の税務、企業再生税務、事業承継税務など
・国際税務 …関税・間接税、移転価格、タックスヘイブン税制など

原則として個人の税務サービスは行っていないものの、海外に出向している人や日本に滞在する外国人に向けての税務サービスを行っていることはあります。
一般の会計事務所では、クライアント1社に担当者1人つくことが多いのに対し、Big4税理士法人は主にチーム制でサービスを提供することが特徴です。

Big4税理士法人の年収は高い?

Big4税理士法人の大まかな年収を把握するために、ここでは厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」における「公認会計士・税理士」の平均値を企業規模別にチェックしてみましょう。

企業規模 年収相場
10~99人 約735万円
100~999人 約730万円
1,000人以上 約810万円

Big4税理士法人の企業規模は1,000人以上であることから、平均年収は約810万円です。また、企業規模の大きさと収入の多さは比例する傾向がみられる点から、Big4税理士法人は中小規模の事業所よりも年収が高いことが推察されます。

年齢による違い

Big4税理士法人のような企業規模1,000人以上の企業にの年収は、年齢によっても以下の通りに相場が異なります。

年齢層 年収相場
20~24歳 約404万円
25~29歳 約607万円
30~34歳 約654万円
35~39歳 約775万円
40~44歳 約940万円
45~49歳 約880万円
50~55歳 約940万円
56~59歳 約775万円

Big4税理士法人のような企業規模1,000人以上の企業においては、年齢別では「40~44歳」と「50~55歳」の層が最も高い年収相場となっています。実績やポジションによっては年収1,000万円を超えるケースも少なくありません。

性別・経験年数別の違い

同じく厚生労働省によって発表された「令和4年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに、性別・経験年数別におけるBig4税理士法人の年収にも注目してみましょう。

男性の経験年数別年収相場

経験年数 年収相場
1年未満 約530万円
1~4年 約680万円
5~9年 約770万円
10~14年 約960万円
15年以上 約960万円

女性の経験年数別年収相場

経験年数 年収相場
1年未満 約230万円
1~4年 約530万円
5~9年 約570万円
10~14年 約760万円
15年以上 約850万円

Big4税理士法人のような企業規模1,000人以上の法人においては、男女ともに経験年数が上がるごとに年収もアップする傾向がみられます。また、全体的に男性のほうが女性よりも給与水準は高めです。

役職・役割別の違い

Big4税理士法人の年収は、役職・役割によっても大きく異なります。ここでは公開されている採用情報等をもとに、一般的な役職である「スタッフ」「シニアスタッフ」「マネージャー・シニアマネージャー」「ディレクター・パートナー」の年収相場をご紹介します。

役職・役割 年収相場
スタッフ 450~650万円程度
シニアスタッフ 550~800万円程度
マネージャー・シニアマネージャー 800~1,000万円以上
ディレクター・パートナー 1,500万円以上

マネージャーやディレクタークラスになると年収1,000万円以上に手が届きやすくなり、最高ランクのパートナーにおいては年収2,000万円に到達するケースもみられます。

初任給について

ここではBig4税理士法人の採用情報等をもとに、初任給(初年度の年収)を比較してみました。

企業名 初年度年収の相場
KPMG税理士法人 480~600万円程度
EY税理士法人 450~600万円程度
デロイト トーマツ税理士法人 500~600万円程度
PwC税理士法人 500~600万円程度

Big4税理士法人の初任給は、他の税理士法人よりも高い水準です。また、他業種を含めてもかなりの高給であることから、入社難易度は非常に高い傾向があります。


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Big4税理士法人で働くべき人

Big4税理士法人では、どのような人が働くべきなのかを見てみましょう。

1つ目は、Big4税理士法人で扱う国際税務などの高度な業務、および大規模な案件を経験したい人だといえるでしょう。
これらの業務や案件は、一般の会計事務所ではなかなか経験することができません。
Big4税理士法人で働くことにより、高度な専門スキルを身に付けることが可能となります。

2つ目は、やはり高い年収です。Big4税理士法人は、他の税理士法人と比較して高水準となります。
できるだけ高い年収を稼ぎたいという人は、Big4税理士法人で働くべきといえるでしょう。
Big4税理士法人に転職する場合、採用されやすいのは、やはり科目合格者です。税理士試験2,3科目以上取得していると、採用される可能性が高まります。

日系グローバル企業や外資系企業をクライアントとして担当する場合、英語を使うことが多くなります。
Big4税理士法人に転職する場合には基礎的な英語力を身に付けていることが望ましく、TOEIC700点以上取得していると、国際業務に関与できる可能性も高まるでしょう。

Big4税理士法人では、業務内容も高度で、チームを組んで大規模クライアントの対応をすることが多いため、繁忙期を含め忙しくなりやすい傾向があります。
そのため、試験勉強の時間を取ることが難しかったり、プライベートの時間を削られてしまう可能性もあるため、ご自身の価値観と得られるメリットを検討し、慎重に見極める必要もあると言えるでしょう。


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Big4から独立開業を目指すメリット・デメリット

Big4から 独立開業を目指す メリット・デメリットなかには「Big4税理士法人で経験を積んでから独立したい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
ここでは、Big4から独立開業を目指すメリット・デメリットについて詳しく解説します。

Big4から独立開業を目指すメリット

まずメリットとしては、以下の2点が挙げられます。

1.クライアントからの信頼を得やすい

Big4税理士法人は狭き門であることから、勤務経験があると「優秀な人材」といった印象を与えられます。そのため、”Big4税理士法人出身”といった肩書きのもとで独立開業することで、クライアントからの信頼を得やすくなるでしょう。

2.優秀な同僚との人脈ができる

Big4税理士法人は採用のハードルが非常に高く、内定者の多くが東大や京大出身のエリートです。
Big4在籍中にそういった優秀な人材との人脈を築いておけば、独立開業して市場開拓を行ううえで大いに役立ちます。

Big4から独立開業を目指すデメリット

上記のようなメリットがある一方で、Big4での勤務を経て独立開業する場合は下記のようなデメリットもある点に注意が必要です。

1. Big4と会計事務所ではそもそも業務内容が異なる

Big4税理士法人が対象とするクライアントや取り扱う業務は、一般の会計事務所とは大きく異なります。
Big4税理士法人のクライアントは大手・外資系企業や金融機関が中心です。
それに対して一般の会計事務所は、中小企業が主なクライアントとなります。
また、Big4税理士法人が主に取り扱う国際税務などの高度な業務は、一般の会計事務所ではあまり取り扱われません。
逆に、一般の会計事務所で取り扱われることが多い中小企業や個人をクライアントとするような業務はBig4税理士法人ではほとんど取り扱われていないため、独立後の業務内容とのギャップが大きいと言えます。

2. Big4では組織が細分化されており、独立開業に必要な業務を経験できないことが多い

Big4税理士法人では、専門性を維持するために部門が細分化されています。
そのため、Big4税理士法人で働いても、独立した場合に必要となる所得税や年末調整、償却資産税などの業務について、ほとんど関わることができないこともあるでしょう。


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Big4税理士法人で働く人のキャリアプラン

最後に、Big4税理士法人で働く人に人気のキャリアプランをご紹介します。

Big4税理士法人内でキャリアアップを目指す

Big4税理士法人へ転職した後のキャリアパスとしては、Big4税理士法人内でキャリアアップを目指すケースが多くみられます。
以下のような種類の職位が設けられており、実務経験を積むことによって上のランクへと昇進し、年収アップも見込めます。

・アソシエイト
・シニアアソシエイト
・マネージャー
・ディレクター
・パートナー

まずはマネージャーの職位を目標としてアソシエイトの業務に尽力し、マネージャーとしての実績を積み上げながらディレクターを目指しましょう。
最高ランクのパートナーへ就任を遂げる人材はほんの一握りですが、パートナーになれれば年収2,000万円以上も夢ではありません。

Big4以外の会計事務所へ転職する

「業務の幅を広げたい」といった理由から、Big4以外の会計事務所へ転職するケースも決して珍しくはありません。
Big4では業務が細分化されていることが多く、特定のスキルを伸ばすことはできても幅広いジャンルの業務に携わることは難しいためです。

中小規模の会計事務所を選べば、担当するクライアントの規模も小さいことから多彩な業務を任される可能性が高いでしょう。
業務の幅が広がることで、独立開業時に必要な知識やスキルも自然と身につきます。

事業会社へ転職する

事業会社の税務部門への転職も、Big4税理士法人出身者に人気のキャリアパスです。
特に大企業においてはBig4税理士法人での業務経験が重宝されやすく、即戦力として有利な条件で採用してもらえる可能性があります。

事業会社に転職すれば、しっかりと定められた労働スタイルや福利厚生のもとで勤務できるため、ワークライフバランスを実現しやすい点が大きな魅力です。

コンサルティングファームへ転職する

Big4税理士法人での勤務経験を経て、コンサルティングファームへ転職するのもひとつの方法です。
コンサルティングファームとは企業が抱える課題に対して解決策を提案し、遂行のサポートを行う事業者のことで、会計・税務の知識や経験を活かしつつ新たな領域の業務へチャレンジできます。

Big4税理士法人への転職成功事例

Big4税理士法人に転職。絶対に年収水準をUPさせたい!

Sさん(20代男性)
転職前:外資系特化型会計事務所 (年収:560万円)
転職後:Big4税理士法人 (年収:650万円)

外資系特化型会計事務所に勤務していたSさん。「資格を取得しても年収が上がらない」「担当クライアントが外資系企業メイン」という点に不安を感じ、Big4税理士法人であれば転職成功と年収UPが両方実現できるのではないかと考え転職活動を開始しました。

Sさんは転職活動自体が初めてだったため、当社では選考通過するために事前に準備が必要なことをリスト化し、面接対策を行うことでサポートしました。一つ一つの準備をしっかり行った結果、無事に内定を獲得されました。

個人事務所の経験しかないがBig4税理士法人にチャレンジしたい!

Iさん(20代男性)
転職前:個人会計事務所 (年収:470万円)
転職後:Big4税理士法人 (年収:650万円)

未経験から入社した個人会計事務所で、中小企業の税務顧問を担当していたIさんは、税理士試験4科目合格を果たしたことがきっかけで、キャリアアップを見据え転職をすることにしました。

Iさんは「大規模法人の税務に触れたい」 「レベル・専門性の高い仕事に挑戦したい」という意向があり、Big4税理士法人を中心に応募しました。Big4税理士法人からは、法人税に合格している点とTOEIC750点を超えていた点が高く評価され、内定を獲得できました。
現在、Big4税理士法人では積極的に採用活動を行っています。特に税理士試験3科目以上でTOEIC700点以上の若手に関してはオファーが出やすい状況です。キャリアアップを目指す転職であれば、今がチャンスかもしれません。


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まとめ

Big4税理士法人は、大手企業を相手に高度な業務を経験したい方、高年収の職場への転職を希望する方などにおすすめの転職先です。
求人倍率は高いですが、年齢や税理士資格、英語力などについて一定の条件を満たしていて、他の候補者との差別化を図れるアピールポイントがあれば、転職できるでしょう。

ぜひしっかりと準備して、憧れのBig4税理士法人への転職を成功させましょう。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

椿 大樹

大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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