2024年10月21日

Big4税理士法人とは?仕事内容や転職のポイントを紹介!

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税理士がキャリアアップを目指す中で、Big4税理士法人への転職を検討している方も多いのではないでしょうか。Big4税理士法人での経験は転職市場で非常に高く評価されており、その後のキャリアにおいても選択の幅が広がります

しかし、Big4税理士法人への転職が「自分に合った選択なのか」「自分のキャリアにとってプラスになるのか」と不安に感じることもあるでしょう。
本記事では、Big4税理士法人の概要や業務内容、年収相場、さらには働き方の実態までを詳しく解説します。また、転職で求められるスキルや資格、そしてその後のキャリア展望についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

Big4税理士法人とは

Big4税理士法人の概要

日本国内の税理士法人・会計事務所の市場において、上場企業や外資系企業等の大手企業をクライアントに持つデロイトトーマツ税理士法人、KPMG税理士法人、PwC税理士法人、EY税理士法人の4社をまとめて「Big4」と呼びます。それぞれDeloitte Touche Tohmatsu、KPMG、PricewaterhouseCoopers、Ernst & Youngにより設立されました。

Big4税理士法人は、国内外の市場で圧倒的な規模と影響力を誇り、企業の税務やコンサルティング業務において世界的に高い評価を得ています。そのため、給与水準も一般的な税理士法人に比べて高いといわれています。

また、業務内容が高度かつ専門的で、国際的な経験やスキルが求められるため、採用のハードルは非常に高いです。入社後も国際色豊かで優秀な人材と切磋琢磨していく環境が求められます。

Big4税理士法人と呼ばれる4つの税理士法人

税理士法人名 設立年 従業員数 提供サービス
デロイト
トーマツ

税理士法人
2002年 約1,100人
(2023年5月末時点)
監査・保証業務、リスクアドバイザリー、ファイナンシャルアドバイザリー、コンサルティングなど
KPMG
税理士法人
2004年 約820人
(2024年8月末時点)
国際税務、国内税務、M&A関連、組織再編・企業再生、不動産など
PwC
税理士法人
1998年 約800人
(2024年6月末時点)
監査およびブロードーアシュアランスサービス(BAS)、コンサルティング、ディールアドバイザリーなど
EY
税理士法人
2002年 公開情報なし コンサルティング、トランザクション・アンド・コーポレート・ファイナンス、アシュアランスなど

従業員数はおおむね1,000人前後であり、いずれも幅広いサービスを提供しています。
従業員数はあくまで税理士法人のみの人数で、同一グループの監査法人やアドバイザリーに従事する方々を含めると、さらに大きな組織になります。例えば、デロイトグループ全体では、国内で約2万人、全世界では30万人以上が勤務しています。

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Big4税理士法人の業務内容

次に、Big4税理士法人の業務内容と、中小税理士法人との違いを詳しく解説します。

Big4税理士法人の主な業務内容

Big4税理士法人は、国内外の大手企業や上場企業、外資系企業をクライアントにもっています。そのため、業務内容は国際税務、M&A、財務戦略の策定など、高度な専門知識とグローバルな視点を必要とする内容が中心です。

法人向け税務では、大企業の法人税申告や税務リスクの管理に関するコンサルティング業務などを行います。また、クライアントのグローバル展開を支援するため、各国の税制に対応した税務戦略の策定や、国際的な税務リスク管理を行うことが多くあります。

さらに、デューデリジェンスをはじめとするM&A関連業務や、金融関連サービスもBig4税理士法人の重要な業務に含まれています。これらの業務は、グループ会社との連携を通じて提供されることが多いです。

中小税理士法人との比較

Big4税理士法人と中小税理士法人の違いは以下の通りです。

クライアント層

Big4税理士法人は、上場企業や外資系企業を中心とした大手法人が主なクライアントです。
一方、中小税理士法人は、中小企業や個人事業主、地域密着型の企業が多く、より地域に根ざした顧客層に対応しています。

業務内容

Big4税理士法人では、専門的で高度な税務、国際税務、M&A関連の業務を行う一方、中小税理士法人は決算業務や個人の所得税申告など、基礎的な税務業務が主流です。地域密着型のサービスとして事業承継などを提供している法人もあります。

就労環境

Big4税理士法人では、プロジェクトベースでの働き方が主流で、専門性を高めることが求められます。一般企業に似た雰囲気で、業務上の関わりがない社員とは面識がないこともあります。
中小税理士法人では、数名〜数十名の規模感が多く、全社員と関わりながら幅広い業務を担当します。福利厚生の面では、Big4税理士法人のほうが充実している傾向があります。

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Big4税理士法人の年収

Big4税理士法人は高収入のイメージがありますが、実際の年収相場はどれほどでしょうか。
令和5年賃金構造基本統計調査データを基に、Big4税理士法人の年収相場を解説し、中小税理士法人との比較も行います。

Big4税理士法人の年収相場

和5年賃金構造基本統計調査によると、従業員数1,000人以上の税理士法人に所属する税理士・公認会計士の平均年収は922.3万円です。
ただし、これはBig4以外の大規模法人や公認会計士の年収のデータも含んでいるため、実際のBig4税理士法人の年収と完全に一致するわけではない点に注意が必要です。

また、役職別の年収相場は、以下の表のようになります。

役職・役割 年収相場
スタッフ 450~650万円程度
シニアスタッフ 550~800万円程度
マネージャー・シニアマネージャー 800~1,000万円以上
ディレクター・パートナー 1,500万円以上

年収は役職の上昇に伴い増加し、シニアスタッフ以上ではプロジェクトリーダーとしての役割や高度な専門知識が求められます。
マネージャー・シニアマネージャークラスでは年収1,000万円が視野に入り、パートナーは法人の経営にも関わるため、その報酬も高くなります。パートナーに昇格すると年収が2,000万円を超えるケースも少なくありません。

中小税理士法人との比較

令和5年賃金構造基本統計調査によれば、中小税理士法人の年収は以下の通りです。

税理士法人規模 平均年収
Big4税理士法人(従業員数1,000人以上) 922.3万円
中小税理士法人(従業員数100~999人) 718.6万円
中小税理士法人(従業員数10~99人) 706.3万円

規模の大きい法人では、より高度な業務を行い、企業としての収益力も高いため、その分給与水準も上がる傾向があります。特にBig4税理士法人では、国際案件や大型プロジェクトの経験が積めるため、年収に反映されやすいです。

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Big4税理士法人は激務ってホント?

Big4税理士法人では、多くの場合、激務であると感じられることが多いです。

特に、1月から6月までの繁忙期は忙しくなりがちです。
1月から3月にかけては、12月決算の外資系企業の税務申告がピークを迎え、1月には本国へのレポートや監査、2月には法人税の確定申告、3月には最終チェックが行われます。
4月からは国内大手企業の3月決算に対応するタックスレビューが始まり、税制改正に伴う新しい税制の学習も必要です。5月から6月にかけては、消費税や法人税の確定申告業務が多忙を極めます。

繁忙期には、深夜まで残業が続くことが多く、終電やタクシーでの帰宅が日常的になることもあります。また、場合によってはオフィスや近隣ホテルに宿泊することもあります。休日出勤も珍しくなく、申告期限に間に合わせるためにさまざまな対応が求められます。

激務になる理由としては、業務内容が高度であることや、大型案件が多いためです。
例えば、M&Aや組織再編、海外税制といった専門的な案件が頻繁に発生し、各案件に対して個別の対応が求められます。一方で、7月から9月の閑散期には、日次業務が少なく、比較的休暇を取りやすい時期とされています。また、法人や部署によっても忙しさは異なり、全ての職場が常に激務であるわけではありません。

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Big4税理士法人への転職で求められるスキルと資格

Big4税理士法人への転職を目指す場合、必要なスキルや資格は応募者の背景によって異なります。税理士資格をすでに持っている方にとっては、専門知識や実務経験が大きな強みとなりますが、税理士資格がない場合でも税理士試験の科目合格がアドバンテージとなります。

税理士試験は、科目合格制で、すべての科目を一度に合格する必要はなく、1科目ずつ受験することが可能です。そのため、税理士資格をまだ取得していない方でも、1〜2科目の合格で書類選考の通過率が向上し、3科目以上の合格者は内定の確率がさらに高まる傾向があります。

また、税理士資格を持っている方も、特定分野での実績や専門性をアピールすることで、転職市場での評価が高まります。さらに、Big4税理士法人では国際案件や大型案件に携わる機会が多いため、TOEIC800点以上の英語力が求められることが一般的です。英語力を強くアピールすることで、他の転職希望者との差別化が図れます。学歴も、書類選考において有利になる場合があります。

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Big4税理士法人への転職を成功させるポイント

転職活動を成功させるには、「なぜ転職したいのか」「将来どのようなキャリアを築きたいか」を具体的に書き出し、志望動機を整理することが重要です。
これにより、適した税理士法人や働き方が見えてきます。Big4税理士法人の中でもどれが自分に合っているのか、志望動機を書き出して明確にしましょう。

自分が高めたい専門分野を選び、その分野での経験やスキルを具体的にアピールすることも重要です。
税理士法人が求める専門性は、「資産税」「国際税務」「M&A」「事業承継」の4つに分けられます。例えば、M&Aの案件に携わった経験があれば、その実績を強調することで採用担当者の目に留まりやすくなります

候補が洗い出せたら、転職先の就業環境や労働条件の確認も怠らないようにしましょう。職場環境が自分に合わないと長く働き続けることが難しく、再び転職活動をしなければならなくなることもあります。残業や休日出勤手当、昇給制度などの雇用条件についてチェックし、納得のいく労働環境を選ぶように心がけましょう。

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Big4税理士法人の経験はキャリアに有利!

Big4税理士法人からの転職先

Big4税理士法人での経験は評価されやすく、転職先として多くの選択肢があります。
Big4出身者が選ぶキャリアパスの1つとして挙げられるのは、「一般企業の経理・財務」です。とくに上場企業や外資系企業の経理・財務では、税務や財務に関する高度な専門知識が求められるため、「企業内税理士」としてBig4税理士法人での経験が高く評価されます。税務戦略の策定や国際税務の経験がある場合は、グローバル展開している企業への転職も可能です。

コンサルティングファームも、Big4税理士法人出身者が多く転職する先の1つです。とくにM&Aや企業再生、財務アドバイザリーなどの分野で、税務の専門知識を活かして活躍できます。
大手コンサルティングファームだけでなく、いわゆるブティック型の専門コンサルティングファームも候補に入るでしょう。Big4税理士法人での経験を活かすため、FASやM&Aアドバイザリー業務に転職するケースもよく見られます。

また、大手から中小規模の税理士法人への転職も有力な選択肢で、よりクライアントに近い距離で仕事ができ、幅広い業務経験を積むことが可能です。特に中小税理士法人では、業務の幅が広がり、クライアントとの密接な関係が築けるため、将来的に独立を目指す人には魅力的なキャリアです。Big4税理士法人の経験を活かしつつ、独立への道を歩むための貴重なステップとなります。

税理士のキャリア相談はMS Agentに

税理士として「自分の経歴をどうアピールすればよいか」「本当に転職が適切なのか」といった不安を抱えることもあるでしょう。また、転職後に「思っていた仕事と違った」と感じてしまう方も少なくありません。

Big4税理士法人は転職市場でも評価されやすく、さまざまな選択肢があることから、転職に関する悩みが多く生まれがちです。こうした不安を解消するためには、転職の専門家である転職エージェントに相談することをおすすめします。

弊社MS-Japanが提供する「MS Agent」は、管理部門や士業に特化した転職エージェントです。転職市場に精通したキャリアアドバイザーがカウンセリングを行い、あなたの適性を見極めながら、転職のアドバイスをします。

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まとめ

Big4税理士法人は、各法人がそれぞれの強みを持ち、業界をリードしています。そのため、中小規模の税理士法人と比較して、年収やキャリアの選択肢が豊富で、特に上場企業や外資系企業への転職で高く評価される点が大きなメリットです。

しかし、その分、Big4税理士法人への転職はハードルが高く、選考では自分自身の強みや専門性を的確にアピールし、Big4で求められるスキルに合致していることを示すことが重要です。
管理部門・士業に特化した転職エージェント「MS Agent」では、希望に合った求人の提案から面接対策、条件交渉まで、税理士専門のキャリアアドバイザーがしっかりとサポートします。Big4税理士法人からの転職を考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

林 良樹

大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。

会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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