40代税理士は転職できる?実務経験者・未経験者別で解説!

更新日:2023/10/25
資格
税理士
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40代税理士は転職できる?実務経験者・未経験者別で解説!

管理部門・士業の転職

税理士試験には、一度合格点をクリアした科目について、その翌年以降、受験を免除される「科目別合格制度」があるため、働きながらでも受験勉強を続けやすく、社会人になってから資格取得を目指す人も多い資格です。

しかし、その分合格年齢が上がり、年配の新人税理士も増えています。
国税庁が発表している「令和4年度(第72回)税理士試験結果」によると、税理士試験受験者28,853名のうち、41歳以上の人数は10,805名と、実に全体の約37%を占めています。

今回は、40代の税理士の転職市場や勤務先、転職のポイントなどを税理士としての実務経験者と未経験者別で解説しています。
弊社サービスを活用して転職を成功させた方の事例も紹介しているため、税理士の転職をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

・参考: 国税庁「令和4年度(第72回)税理士試験結果」

40代の税理士は実務経験者・未経験者どちらも転職できる!

転職活動は30歳を超えると次第に難しくなると一般的にいわれます。それでは、税理士の場合はどうでしょうか。

40代税理士:実務経験者の場合

現在、税理士人口は増加傾向にありますが、これは日本の健康寿命が延びていることと相関しており、税理士の平均年齢はなんと60歳を超えています。
このことからもわかるように、働き盛りの壮年層~中年層が増加しているわけではないため、税理士の転職市況は売り手市場が続いています。
特に、 実務経験のある40代税理士のニーズは非常に高いため、転職先を複数の候補から選ぶことができるでしょう。

40代税理士:実務未経験者の場合

もし、会計や税務の実務経験がなく、他の分野で働きながら税理士試験に合格した方ならどうでしょうか。結論から言うと、転職は可能です。

実務未経験の場合は、大手事務所などを目指そうとすると難しい場合がありますが、中小事務所であれば十分に可能性はあります。
税理士はその資格制度の特徴から、社会人になって、他業種を経験してから税理士を目指す人も多く、事務所を経営している所長税理士にも、そういったバックグラウンドの方は多いです。
ですので、キャリアチェンジに対して他業界よりも理解が得やすい傾向があります。
また、営業出身者などで、クライアントとの折衝力に優れている方であれば、むしろそういった経験を評価していただけるケースも多いです。

また、特殊な例としては、資産税を強みとする事務所で、クライアントがご高齢の富裕層の場合、実務経験のある無資格者よりも、実務未経験の税理士有資格者を優先的に採用することがあります。
これは、名刺に「税理士」という文言が入っていることが、クライアントに信頼感を与えることができるという理由からです。

このように、専門のエージェントに相談することで、自分では見つけられない求人を提案してもらえる可能性がありますので、実務未経験の方も積極的に転職エージェントを利用することをお勧めします。


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税理士の勤務先は?

税理士法人・会計事務所

税理士が最も一般的に働く場所は「税理士法人」や「会計事務所」です。
税理士法人は、2人以上の税理士が共同で設立・運営する形態を指し、全国に支店を持つことが可能です。
大手の税理士法人は、大企業をクライアントとして持つことが多く、専門的な知識を深めることができます。

一方、会計事務所は個人で運営されることが多く、小規模での運営が一般的です。
税理士法人と比べて、スピード感を持って仕事を進めることができるのが特徴です。

一般企業

税理士の資格を持つ者は、一般の事業会社での経理や財務の部門での仕事も選択肢として考えられます。
税金に関する知識を持つ税理士は、企業内での税関連の業務を担当することが多く、その専門知識は高く評価されます。
また、税理士の資格を持つことで、年収が高くなる傾向にあります。

コンサルティングファーム

税理士は、財務や会計、経営に関するコンサルティングファームでの仕事も選べます。
特に、株式公開支援や事業承継支援、企業再生支援などの税務面でのアドバイスが求められることが多いです。
また、国際的な業務に携わることも可能で、グローバルな経験を積むことができます。

金融機関

金融機関でも、税理士の資格は高く評価されます。特に、事業継承や中小企業の再生コンサルタント、資産管理などの業務でその知識が活かされます。
税理士が金融機関で働く場合、社内の業務を担当する「バックオフィス」や、顧客対応を主とする「フロントオフィス」のいずれかを選ぶことができます。


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40代の税理士が転職する際に抑えるべきポイント

情報収集を怠らない

40代の税理士資格者は採用需要が高いため、内定獲得はしやすいです。
しかし、不必要な転職や失敗するケースも多いため、情報収集は欠かせません。
情報収集を積極的に行うことによって、自身が市場からどれほど必要とされるか、またどのようなスキルを身につけるべきかを知ることができます。
転職エージェントをはじめ、専門のサービスを利用して広範な情報を収集しましょう。

転職理由や転職後に取り組みたい業務を明確に

転職を考える際、自分のキャリアや将来のビジョンを明確にすることは非常に重要です。
特に40代の税理士は、将来的には独立を視野に入れる方も多いため、具体的な目標や取り組みたい業務を明確にしておくことで、適切な転職先を見つけやすくなります。

業務経験は数字を用いて具体的に伝える

40代の税理士は、多くの業務経験を持っています。税理士として実務経験が未経験の場合も、経理業務やマネジメントなど関連する経験を具体的に伝えることで、応募先の企業や事務所に自分の価値を理解してもらいやすくなります。
経験者の場合、特定の領域に特化したスキルを持つ税理士は、高い採用需要があります。

40代だからこそ、面接対策はしっかりと

40代は社会人経験が豊富であると想定されることが多く、20代~30代前半の若手よりも的確な受け答えをすることを求められます。
税理士の経験が優れていても、コミュニケーション能力がネックで内定を獲得できないケースもあり得ます。
そのため、面接時には自分の強みや経験をしっかりとアピールすることが非常に重要です。

少しでも面接対策に不安があるようでしたら、転職エージェントなどの専門家に相談し、客観的な意見を取り入れることをおすすめします。

【実務経験者・未経験者別】税理士の求人例

プライム上場金融事業会社で税理士の方の募集です!

仕事内容
・グループ会社の会計・税務処理レビュー(各種承認業務含む)
・税務ガバナンス・戦略の立案
・社員への税務教育
必要な経験・能力
・税理士資格をお持ちの方
・税理士法人・会計事務所での税理士としての税務業務経験(3年以上)
想定年収
500万円 ~ 1,200万円

柔軟な働き方が可能な会計事務所/将来的な幹部候補

仕事内容
・月次訪問
・入力チェック
・会計税務相談対応
・上場支援や資金調達
・事業再生、承継
・ビジネスマッチング(M&A)等
必要な経験・能力
・税理士試験科目合格(3科目)以上
・会計事務所での就業経験(目安5年程度)
想定年収
550万円 ~ 800万円

40年以上の歴史を誇り顧客増加中の会計事務所でコンサルタントの募集

仕事内容
・税務会計/記帳代行/経理代行
・会社設立支援、創業融資支援
・金融機関の融資支援
・経営コンサルティグ/財務/MAS業務
必要な経験・能力
※下記いずれか必須
・税理士科目または簿記2級をお持ちで、税理士を目指している方
・経理経験者で税理士を目指している方
・会計事務所での実務経験がある方
想定年収
400万円 ~ 600万円


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【実務経験者・未経験者別】40代税理士の転職成功事例

3週間で内定2社!40代税理士に学ぶ。短期決戦で転職を成功に導く秘訣。

Tさん:40代女性
資格:税理士(簿記論 財務諸表論 所得税 固定資産税 酒税)

<転職前>
個人会計事務所 年収700万円
<転職後>
個人会計事務所 年収700万円

Tさんは地域密着型の個人事務所で6年間働いていましたが、所長が変わり環境が大きく変わったため転職を考えました。
希望としてはワークライフバランスを維持しつつ、資産税や事業承継などの新しい分野に挑戦できる環境を最優先で転職活動を実施しました。
その中で2つの事務所から内定を獲得しましたが、それぞれの詳細情報を見た上で最終的には少人数ではあるものの優良クライアントが多い事務所を選びました。

現在、会計業界では人材不足が問題になっており、内定も獲得しやすい状況です。だからこそ、転職先を選ぶ際は実態をしっかり確認し、冷静に判断するべきです。
Tさんは自身のキャリアプランや希望を照らし合わせた上で情報収集を行っていたため、より短期間で希望通りの転職が叶いました。

一般事業会社から会計事務所にキャリアチェンジ!会計事務所未経験の税理士が転職できた理由

Aさん:40歳男性
資格:税理士(簿記論 財務諸表論 法人税 相続税 消費税)

<転職前>
一般事業会社 年収600万円
<転職後>
個人会計事務所 年収550万円

Aさんは大手メーカーで経理・財務業務に従事しながら税理士試験の勉強をしていました。
税理士試験に合格後、企業の経営支援を目指して会計事務所への転職を考え、当社に相談しました。

Aさんは税理士事務所での業務は未経験だったため、規模を絞らず幅広く応募することにしました。
その結果、事業会社での経理・財務経験と働きながら税理士試験に合格した点が評価され、複数の事務所から内定を得ました。
最終的には、中小企業の経営相談や事業承継問題に対応する地域密着型の会計事務所を選びました。

未経験での転職をする際は、Aさんのように自身の市場価値を客観的に見た上で、積極的に活動することで良い転職に繋がります。


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【実務経験者・未経験者別】税理士への転職でよくある質問

実務経験者向け:よくある質問

<質問1>マネジメント経験がなくても転職は可能ですか?

<回答>
一般的には、40代であればマネジメント経験など、部下を持って働いたことがあるか否かという点を求められるケースが多いですが、税理士の場合は専門職のため、必ずしもマネジメント経験が必要というわけではありません。
しっかりと税務に関する知識を持っており、税務申告書作成等の基本的な業務対応ができる方であれば、現在の転職市況であれば高く評価いただけます。

<質問2>現在の所属事務所よりも大手に転職することは可能ですか?

<回答>
可能です。ただし、40代税理士の場合は、基本的には即戦力であることを期待して採用されますので、これまでの経験業務と、任せたい業務内容との親和性は、面接時に深く確認されます。
これまで行ってきた業務内容やご自身の得意分野を面接時にしっかりと伝えられるように準備しておきましょう。

<質問3>転職で年収を上げることは可能ですか?

<回答>
可能です。会計事務所業界は、いまだに旧態依然とした経営をしている事務所もあり、こういったお悩みで転職を考えられる方は多いです。
弊社では、事務所担当者がしっかりと事務所の給与形態等をヒアリングしておりますので、入社時に年収アップが期待できるか、入社した後にどのように給料が上がっていくのかといった点もお伝え出来ます。
また、希望年収等をお伝えいただければ、担当エージェントが代わりに年収交渉をさせていただきます。

未経験者向け:よくある質問

<質問1>税理士資格は何歳までに取得すると転職に有利ですか?

<回答>
専門資格は若くして合格したほうが希少価値も高まります。
現在の転職市場では40歳位までに税理士試験に合格をされていると、比較的転職活動もスムーズに進まれている方が多いですが、40代~50代で税理士資格を取得し未経験で会計事務所業界へ転職される方も見受けられます。
なお、税理士試験の場合、全科目合格(=資格者)でなくとも、科目合格していれば業務未経験でも転職市場で評価されます。

<質問2>転職に有利な科目はありますか?

<回答>
国税三法(法人税、相続税、所得税)の資格合格があれば、総体的に転職に優位になります。しかし、あなたがどのような分野に転職したいかで、取るべき税理士試験の科目は異なります。
例えば、大規模法人の税務会計を志向される場合は、法人税法は必須になります。
また、資産税分野に興味をお持ちであれば、相続税法の知識は大変有効です。
上記のことから、まずはご自身のキャリアパスや目標を設定してみてはいかがでしょうか。


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まとめ

40代を超えると自分のキャリアの進展に限界を感じ、それ以上の発展を諦める社会人が多いため、40代以上で新たな職場で働き始めるチャレンジは大切にしていただきたいです。

業務未経験の場合でも、今まで社会人として培ってきた業務経験をどのようにして税理士として活かすかをアピールできれば、転職活動において年齢は決して不利になりません。

この記事を監修した人

大学卒業後、不動産会社にて個人向けの営業を経験。その後MS-Japanへ入社。会計事務所・コンサルティングファーム・監査法人・法律事務所・社会保険労務士事務所等の法人側担当として採用支援に従事。現在はキャリアアドバイザーも兼務し一気通貫で担当しております。
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