2024年06月25日

経営コンサルもできる税理士になるには?税理士はコンサルファームに転職可能?

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経営コンサルティング業務を行う税理士が増えています。財務と会計のエキスパートである税理士がコンサルティングファームで働くことで、企業の経営課題に効果的な解決策を提供できる可能性があります。

この記事では、税理士が持つ専門知識を経営コンサルティングに活かせる場面のほか、税理士が活躍しやすいコンサルティングファームの種類や、転職する際に必要とされるスキルについて解説します。
コンサルティングファームでキャリアを築くことに関心をお持ちの税理士の方は、ぜひ参考になさってください。

そもそも経営コンサルティングとは?

経営コンサルティングとは、企業が直面するさまざまな経営上の課題に対して助言や支援を提供する仕事です。企業の成長や競争力を高めるために、経営戦略や行動計画、財務計画を策定することをサポートします。

経営コンサルティング業務では、まずクライアント企業の経営課題を洗い出すことが必要です。そのために、データ分析や調査を実施し、クライアントの業績や競合他社との比較、業界や市場の動向やトレンドの把握などを行います。また、経営者や従業員へのヒアリングも実施して、課題をさらに深掘りします。

次に、クライアントのニーズや課題に対し、施策を提案します。プレゼンテーションでクライアントに課題点を示したうえで、解決のための提案を伝えて実施を促します。

施策を実施した後は、効果を検証したうえで、適切な調整や改善を行います。クライアントとは定期的な会議や打ち合わせを通じて、進捗状況を報告し、課題やニーズを確認し、クライアントからのフィードバックや要望を受け取ります。これに基づいて、プロジェクトの進行状況を管理し、目標の達成に向けてタスクやスケジュールを調整します。

こういった一連の業務を通じて、経営コンサルタントはクライアントのニーズに応じた戦略的な支援を提供し、組織の成長と競争力強化に貢献します。

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税理士と経営コンサルティングは相性がいい

税理士に『経営コンサルタントの道へ進出すべきである』との言及は、すでに昭和の時代から書籍などで行われてきました。よって、特に新しい選択肢とはいえません。
しかし、近年になって経営コンサルタントの職域に進出する税理士が増えてきています。

企業は経営面で多くの悩みを抱えていますが、専門の経営コンサルタントに依頼すると高額な報酬がかかるため、依頼をためらいます。
また、税理士は企業の規模に関わらず、様々な企業の経理・財務に深く関わっています。もし、企業と関わりのある顧問税理士が経営コンサルティングを行えるのであれば、依頼したいと考える企業は多いでしょう。また、税理士有資格者がコンサルティングファームに就職し、クライアントに税務面のアドバイスを行うことも可能です。

AI(人工知能)の台頭によって、税理士の行う経理や確定申告代行は早晩、人間が行うものではなくなるとの予測も出ています。その予測が的中するかどうかはわかりませんが、職域を広げて、コンサルティングを欲する企業経営者への需要に応えるのは、いずれにせよ税理士有資格者の強みになります。

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税理士事務所が経営コンサルティングを行う難しさ

そもそも、組織化されている税理士事務所が少ないため、税理士事務所による経営コンサルティングサービスの提供が困難であることが現状です。税理士事務所は全国に約3万件ありますが、そのうち、個人事業主として1人で経営していたり、そうでなくても、税理士資格者と事務スタッフが数人ずつという構成のところが、かなりの割合を占めています。

一方で、税理士が少なくとも2人は所属しており、支店化も可能な税理士法人は、全国で約3千件にとどまります。
もし、税理士法人が経営コンサルティングを行うならば、助言内容に説得力が伴いますが、組織化されていない税理士事務所が経営的な助言をするのは、机上の空論になってしまうおそれがあります。人を雇用し、マネジメント経験もない税理士が行う経営コンサルティングには、どうしても説得力に欠けてしまいます。

もっとも、経営コンサルティング企業がほとんど存在しない地方であれば、小規模な税理士事務所が行う経営的な助言も、地元の社長たちに渇望され、重宝されるかもしれません。税理士事務所を立ち上げた開業初期に、しらみつぶしに企業を訪問したり、セミナーを開いたりして、懸命に営業をかけた当時の成功や失敗の経験を、素朴に話す姿勢が好まれるケースもあります。そうした交流自体にも一定の社会的価値があります。

ただ、もし税理士有資格者がコンサルティング業務自体に関心があり、本格的に取り組みたいのなら、資格の強みを活かしてコンサルティングファームに就職することもおすすめです。

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税理士と相性がいいコンサルティングファーム

コンサルティングファームには様々な種類が存在します。その中から特に税理士が活躍しやすいコンサルティングファームを紹介します。

財務アドバイザリー系コンサルティングファーム

企業に対して財務戦略や財務管理に関するアドバイスや支援を提供します。これには、企業の財務戦略の策定や資金調達、資本構造の最適化、投資戦略の立案などが含まれます。さらに、M&Aの戦略立案や実行支援、企業価値の評価、リスク管理、財務プロセスの改善・効率化、企業再生や不正会計調査など、幅広い業務を担当します。

税理士は企業の会計や財務報告に関する専門知識を持っており、その知識はプロジェクトにおいて財務データの解釈や分析をする際に有用です。また、M&Aや事業再編などの場面では、税務の知識や法的リスク管理の観点からのアドバイスが成功に繋がります。

M&Aやバリュエーションの業務を通して、税理士業務のみでは触れることのなかった業務内容にも触れられるため、より幅広いクライアントニーズに対応するスキルを身に付けられます。

総合系コンサルティングファーム

多岐にわたる業務分野をカバーし、幅広いサービスを提供するコンサルティングファームです。一般的に、以下のような分野を網羅しています。

  • ・事業戦略やM&A戦略を通じて、企業の成長を目指す。
  • ・組織変革と人材戦略を支援して組織の効率化と人材育成に貢献する。
  • ・財務戦略と会計処理の最適化や資金調達、資本構造の改善も図る。
  • ・システムを導入しデジタルトランスフォーメーションを実施、ITアウトソーシングの活用などにより、業務プロセスを効率化する。
  • ・マーケティング戦略やブランディング戦略を立案し、顧客体験の向上や市場での競争力強化を目指す。

税務や財務・会計周りの数字に強い税理士にとって、総合系コンサルティングファームは財務戦略や会計処理に関するアドバイスをする際に専門性を発揮しやすい職場です。さらに、他の分野においても税務の観点から様々な提言をすることで、プロジェクトの遂行をより強固なものへとすることに貢献できます。

総合系コンサルティングファームは扱う分野の幅が広いこともあり、働く人材の数が多く、プロジェクト規模も大きいことが特徴です。そのようなプロジェクトを通じて経営やオペレーションに関する知見を深めることで、個人として経営コンサルティングを行える税理士へと成長できます。

企業再生・事業再生系コンサルティングファーム

経営危機に陥った企業や事業を再建し、持続可能な成長へと導くためのサービスを提供するコンサルティングファームです。
経営の安定化や収益性の向上を目指し、財務状況の改善や経営戦略の見直し、組織の再編成などを行い、経営危機を乗り越えて企業を再生させることを目指します。
また、事業再編も業務のひとつであり、事業ポートフォリオの最適化や事業売却・統合、資産の見直しを通じて、企業の資金調達を支援します。さらに、組織変革や人材マネジメントなどの支援や法的手続き、法的リスクの管理を行い、再生への道筋を築きます。

財務に明るい税理士にとって、企業や事業の財務・会計面に関する専門性が求められる企業再生・事業再生は、相性がいい業務です。経営危機に陥った企業では、とりわけ減税対策が必要になるため、これまで培ってきた税理士の知見を最大限に活かすことが可能です。
また、企業再生・事業再生系コンサルティングファームのクライアントは中小~中堅企業が多く、これは税理士が普段扱うクライアントの規模と合致します。そのため、税理士が力を発揮しやすい案件が多いのも特徴です。

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経営コンサルティングファームに転職する際のポイント

経営コンサルティングファームに転職する際のポイント

経営コンサルティングに携わるにあたり、特定の資格が求められる訳ではありません。ただし、以下に記載する知識や能力を身につけているなら、経営コンサルティングファームへの転職に有利に働き、転職した後にも活躍できる可能性が高まります。

経営・業界に関する知識

経営コンサルティングでは、企業や経営課題を十分理解した上で、適切なアドバイスを提供する必要があります。そのためには、経営や様々な業界に関する幅広い知識を持ち、その理解を深める努力が重要です。
これには、経済学や経営学に関する知識や、市場の動向や業界のトレンドを把握することも含まれます。また、一般的な企業のケースや他のコンサルティングの動向も絶えず気にかけるなど、クライアントの要望に応えられるように準備する姿勢が必要です。

特定の業界に特化した知識や経験も役立ちます。そのため、たとえば医療業界の経営コンサルタントとして活躍したいのであれば、医療分野についての基礎知識を学び、最新情勢に日頃からアンテナを張り続けることが求められます。

ヒアリング能力

ヒアリング能力とは、適切な質問を行って相手の意図や要望を引き出し、聞き手の言葉や反応を正確に読み取るスキルです。コンサルティングでは、コミュニケーションを通じてクライアントのニーズや課題を正確に把握するために求められます。

なかには、クライアント自身が課題を把握しきれていなかったり、あるいは課題の言語化が苦手だったりするケースがあります。そうした場合に適切な質問を行い、重要なポイントや要件を見逃さないようにするためには、高度なヒアリング能力が求められます。また、多くの関係者から詳細な情報を収集して、必要なデータや背景情報を的確に把握し、問題の全体像を理解することも重要です。

ヒアリング能力はクライアントとの信頼関係を構築するためにも欠かせません。クライアントは、自分の意図を正確に理解してもらえると感じると、課題や懸念点について安心して話せるようになります。このように、様々なタイプのクライアントとのコミュニケーションを円滑に進めるためには、ヒアリング能力を高めることが大切です。

プレゼン能力

プレゼン能力には、分かりやすい資料やスライドを作るスキルや、論理的で明確に説明するスキルが含まれます。経営コンサルタントは、こうしたプレゼン能力を多くの場面で求められます。
いかに優れた問題の解決方法を発見したり、丁寧に情報を収集したりしたとしても、クライアントに伝わらなければ意味がありません。クライアントには提案や調査結果を分かりやすく説明し、納得してもらうことが重要です。

また、経営コンサルティングでは基本的にチームで問題解決にあたります。チーム内での意見交換や情報共有、チームメンバーとのコミュニケーションを円滑に進めるためにもプレゼン能力は必須です。

さらに、新規顧客獲得のためにもプレゼンが行われることがあります。自社のサービスやアプローチを魅力的に伝え、新規顧客を獲得するためにも、優れたプレゼン能力が求められます。

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税理士以外の資格は必要?

税理士がコンサルティングファームに転職する際、税理士以外の資格も取得しておく方が有利になるという話を聞くことがあります。
確かに、税理士以外の資格を取得している方がプラス評価になる場合もありますが、基本的には税理士以外の資格は必ずしも求められません。
例えば、今後監査業務に従事するつもりがない税理士が会計士資格の取得を目指しても、資格取得にかかる時間・お金を考えると、見返りはそう多くないと思われます。コンサルティングを行う際には資格は特段必要ないため、新たに資格を取得する必要性は高くありません。

ただし、資格取得そのものを目的とするのではなく、スキルの獲得を目的とする場合であれば、有効です。
例えば、中小企業診断士であれば、資格を取得する過程で受験科目の学習を通して財務会計以外の広範な知識を身に着けることができ、実務補修において実際のコンサルティング業務を経験することも可能です。また、資格ではありませんが、MBAは学位取得の過程で幅広い経営知識を身に着け、それをコンサルティングファームで発揮する機会は十分にあります。

このように、資格取得を目的とするのではなく、その過程で身につくスキルや知識を重視することが、税理士がコンサルティングファームに転職する際の重要なポイントです。

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まとめ

企業の成長をサポートする経営コンサルティングにおいて、税理士が税務や財務に関する専門性や経験を生かせる場面は多くあります。財務アドバイザリー系コンサルティングファームはもちろん、企業再生・事業再生系や総合系など他のコンサルティングファームでも活躍が見込めます。

税理士が経営コンサルティングファームに転職する際には、経営や業界に関する幅広い知識やヒアリング能力、プレゼン能力などが必要です。資格については、税理士以外の資格を取得している方がプラス評価になる場合もありますが、基本的には税理士以外の資格は必要ありません。ただし、スキルの獲得を目的として資格を取得するのは有効です。
経営コンサルティングファームでは、常に優秀な人材を求めています。転職エージェントを活用して、ぜひ新しい挑戦にチャレンジしてみてください。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

椿 大樹

大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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