税理士試験に挫折…その後のキャリアは?
税理士試験に挫折…その後のキャリアは?
「長い間続けてきた税理士試験の勉強に挫折した。これから先はどうしよう……?」と考えている方もいるでしょう。
税理士試験は、5科目合格に至らなくても、科目合格しているだけで就職や転職時にアピールすることはできます。
この記事では、税理士試験の5科目合格を断念したあとのキャリアについて見ていきましょう。
税理士試験は何年で受かるのか?
税理士試験は何年で受かるものなのでしょうか?
合格までの年数についての公的な統計はありませんが、資格試験の予備校などでは、2~3年での合格をめざす受験プランを提示しているところもあります。
しかし、税理士試験の5科目合格を2~3年でできる人は、かなり稀だといえるでしょう。
5年でも合格は早い方といえ、10年以上かかるケースも決して珍しくありません。
実際、税理士試験は「超難関」といえる試験です。
国税庁が発表した統計によれば、平成30年度、税理士試験の受験者数は30,850人で、5科目合格者数はそのうち672人。合格率は、実に「2.2%」の狭き門です。
科目別の合格率も、「10~15%程度」で推移しており、やはり難関といえます。
税理士試験に取り組む人は、「毎年1科目ずつの合格」を目標とすることが多いでしょう。
しかし、科目別の合格率が10~15%では、この目標を達成するのも並大抵ではありません。
国税庁の統計によれば、平成30年度の5科目合格者の年齢構成は下の表のようになっています。
年齢 | 合格者数 | 全体比 |
41歳以上 | 247 | 37% |
36~40歳 | 142 | 21% |
31~35歳 | 133 | 20% |
26~30歳 | 99 | 15% |
25歳以下 | 51 | 8% |
合計 | 672 | 100% |
この表を見ると、「41歳以上」は合格者全体のうちの約4割、「36歳以上」は全体の約6割を占めることとなります。
合格者がいつから税理士試験を受け始めたかは、統計では知ることはできません。
しかし、仮に「25歳」から税理士を目指し始めたとみても、合格者の半数以上が合格までに10年以上かかっていることになります。
以上のように、税理士試験を5科目合格するためには、長い時間がかかるため、腰を据えて取り組まなければなりません。
税理士試験 挫折後のキャリアは? 科目合格でも転職できるのか?
それでは、税理士試験の5科目合格を断念した場合、その後のキャリアはどのようなものが考えられるのでしょうか? 科目合格でも、転職はできるのでしょうか?
ここでは、すでに複数科目に合格しているケースにおいて、転職に有利な科目、および科目合格後の具体的なキャリアについて見てみましょう。
転職に有利な科目
税理士試験に取り組んできた人は、会計実務の「簿記論」および「財務諸表論」については、すでに合格していることも多いでしょう。
簿記論と財務諸表論に科目合格していれば、経理職などへの転職では即戦力とみなされることも多くなります。
会計事務所へ転職を考える場合には、下記3つのいずれかに科目合格していると有利になります。
①法人税法
「法人税法」についての知識は、確定申告の代行業務を受注する会計事務所では必要となります。「法人税法」に科目合格している人材は、会計事務所で重宝されやすいといえるでしょう。
②相続税法
「相続税法」は、相続税や資産税を専門とする会計事務所で必要とされる知識です。相続税・資産税が専門の会計事務所は多くあるため、「相続税法」に科目合格していれば転職の選択肢が広がるでしょう。
③消費税法
「消費税法」の知識は、専門が法人相手の確定申告代行業務を行う会計事務所や、相続税・資産税が専門の会計事務所でも重宝されるため、「消費税法」に科目合格していると評価はさらに高まるでしょう。
科目合格後のキャリア
科目合格はしているものの税理士試験の5科目合格に挫折した後のキャリアは、次のようなものが選択肢としてあります。
・税理士法人/会計事務所
税理士法人/会計事務所には、科目合格であっても転職が可能です。ただし、税理士試験の挫折とともに会計士になる道を断念したのであれば、この選択肢は除外しなければならないかもしれません。
・コンサルティングファーム
コンサルティングファームは、科目合格者の転職先として有力な選択肢です。創業支援や経営計画策定、財務コンサルティング、株式公開支援、M&A支援、事業承継支援、海外進出支援などを担います。
・一般事業会社
一般事業会社の経理職も、科目合格者の転職先として有力です。大手企業から外資系企業、銀行などの金融機関、ベンチャー企業など、さまざまな選択肢があります。
科目合格者を求める企業も多い
一般事業会社の経理職として転職する場合、多くの企業は税理士資格までは求めていません。
科目合格そのものが、1つの資格として評価の対象となります。
その場合には、勤務先の企業によって、どの科目に合格しているかで評価が変わることもあります。
また、会計事務所に勤務した経験があれば、それも評価対象となります。
まとめ
税理士試験に挫折しても、その後のキャリアにはさまざまな選択肢があります。
科目合格や会計事務所での勤務経験は、決して無駄になることはありません。
すべて、転職にあたって有利な材料として働きます。ぜひ前向きに、一歩を踏み出していきましょう。
<参考>
・国税庁『平成30年度(第68回)税理士試験結果』
・廣升健生税理士事務所『税理士試験は資格取得に時間がかかりすぎる』
・税理士試験合格後 税理士になるには?あえて登録しないという選択肢も
・税理士試験科目免除制度とは?メリットとデメリットや廃止の可能性などを解説
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・税理士の忙しい時期は?年間スケジュールをチェック!
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