2024年01月17日

会計事務所の仕事内容をわかりやすく解説!ポジションや年間スケジュールなど

管理部門・士業の転職

会計事務所は、公認会計士や税理士資格を有する人が運営する事務所です。
しかし、これら資格を有していなくても、事務所に勤務することはできます。会計事務所と一口に言ってもポジションによって仕事内容は多岐にわたり、さらに特別に忙しいときや比較的手が空くときなど、時期によって繁忙度に違いが生じるのも会計事務所の大きな特徴です。

そこで今回は、会計事務所の仕事内容事務所内のポジション年間スケジュールなどについて詳しくご紹介しましょう。

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会計事務所とは

会計事務所とは、クライアントに対して会計や税務に関するサービスを提供する事務所です。クライアントは法人もしくは個人であり、税務署との仲介役として、煩雑な業務・手続きを代行します。

なお、「会計事務所」という名称はいわゆる「俗称・通称」であり、制度上(税理士法第40条第2項)における正式名称は「税理士事務所」と規定されています。ではなぜわざわざ「会計事務所」と呼ぶかというと、「税務以外のサービスも提供できること」をそれとなくアピールするためです。

会計事務所では、税務以外にも、中小企業や個人事業主を対象とした会計処理や決算書の作成などを請け負います。ある程度の規模の企業であれば、自社内に会計部門・経理部門を設けて日々の会計処理を行います。しかし中小企業・個人事業主では、部門を設置するほどの資金・人的な余裕がないため、会計事務所に日常の経理業務や決算書作成を代行してもらうことが多いです。こうした税務以外の業務も請け負えることを表明するには、「税理士事務所」よりも「会計事務所」の方がふさわしいと判断されることが多いのです。

しかし実際には、「○○税理士事務所」という名称をつけた上で、税務以外の幅広いサービスを提供している事務所も多数あります。つまり、会計事務所と税理士事務所は同じ意味であり、両者に特別な区別を加える必要はないと考えてよいでしょう。そのため、本記事においても「会計事務所=税理士事務所」と想定して頂いて問題ありません。


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会計事務所内ポジションごとの仕事内容

会計事務所には、大きくわけて以下の3つのポジションがあり、それぞれ仕事内容が異なります。

税理士

税理士は会計事務所における中心的な職種です。所長・オーナーであれば税理士への登録が必要ですが、勤務する場合も税理士登録者が事務所内でメインの役割を担います。なお、税理士への登録は、税理士資格保持者だけでなく公認会計士の有資格者も可能です。

税理士には法律上、「税務の代理」「税務書類の作成」「税務相談」という3つの独占業務が定められています。これら業務を行うのが、税理士の主な仕事内容です。

税務の代理 税理士がクライアントに代わって行える代理業務は、税金の申告、税金の納付、税務署の調査や処分に対する主張・陳述などです。
税務書類の作成 税理士は、税務署・税務官公署に提出する申告書や申請書などを作成できます。
具体的には、決算書、確定申告書、中間決算書・申告書、予定申告書、源泉徴収票、償却資産税申告書、法定調書などです。これら書類の作成は税に関する専門知識がないと難しく、法律により税理士が作成するものと規定されています
税務相談 税理士には税務に関して、所得税や相続税の計算、最終納税額の計算、節税対策、控除できる税額、税務調査の立ち合い、などの相談業務を行えます。
こうした税に関する相談は、有償無償に関係なく、税理士以外が対応すると法律違反とされます。

税理士補助

税理士補助とは、税理士が行う独占業務のサポートを行う職員のことです。税理士試験の勉強中の職員、税理士試験の科目合格者の職員、日商簿記2級以上の資格を持つ職員などが担当するのが通例と言えます。

具体的な仕事内容としては、税務署に提出する書類の作成支援、税務申告書作成補助などです。日々のこまごまとした記帳代行業務を担当することが多く、簿記に関する専門的な知識・能力が求められます。

また、税務相談以外の経営上の相談については、税理士の独占業務外となるため、経験豊富な税理士補助が対応することもあります。クライアントからの窓口業務を担当することも多いです。

事務スタッフ

総務など、税務・会計の案件とは直接関わることはなく、事業所内の労務・総務関連の事務作業のみ行う職種です。仕事内容は一般企業の事務作業とほぼ同じです。

会計事務所の仕事内容とは

会計事務所の仕事内容とは

会計事務所の具体的な仕事内容としては、以下のものが挙げられます。

記帳代行業務

クライアントが行うべき帳簿作成を代行する業務です。クライアントから日々発生する領収書や請求書などを受け取り、その都度、取引の内容に合わせた勘定科目、金額を会計ソフトによって入力し、帳簿を作っていきます。そして月1回、作成した帳簿をもとにして試算表を作成します。

この記帳代行業務は、会計事務所における中心的な業務の1つです。税理士補助として入所した場合、最初に任されるのが記帳代行業務であることが多く、そこから少しずつ専門性の高い業務を任されていくというプロセスとなります。

決算代行業務

1会計期間(1年度)の最後に行うのが決算業務です。会計帳簿をもとに、決算書である貸借対照表、損益計算書などを作成します。ただ、作業自体はそれほど難しくなく、現在では会計ソフトが日々作成されている帳簿をもとに、自動で決算書を作ってくれます。

しかし、イレギュラーな取引や入力ミスなどがあると、帳簿上の金額と決算書の金額が合わなくなるなど、問題が生じます。その場合、目視にて問題個所を発見する必要もあり、作業が大変になることもあります。
年度末が近づくとクライアントの決算時期が重なるため会計事務所の繁忙期となり、残業続きになることも多いです。

税務申告書作成業務

作成した決算書に基づき、クライアントの確定申告書を作成する業務です。帳簿・決算書をもとに納税額を確定させる作業であり、会計事務所において最も重要で責任感のある業務と言えます。

もし税務申告書の記載においてミスが生じると、クライアントが負担する税金額の計算ミスに直結することになり、クライアントに損失を与えることにもなります。ミスが続くとクライアントの方から「次年度からは別の事務所で」と言われてしまうことになるため、税理士が責任をもって誤りなくやり遂げる必要があります。

税務調査立ち合い・税務署対応業務

税務署による税務調査が行われる時期は非公開であり、問題なく税務をこなしている場合でも、数年に1度の割合で急に調査が行われるケースもあり得ます。税務調査が行われると、過去の帳簿や通帳などを閲覧させるように求められ、税理士が知らなかった過去の問題点が発覚したり、「指摘されるかもしれない」と危ぶんでいたことを改めて言及されたりします。

税理士は、税務署とクライアントの間に立って必要な説明を行い、クライアントに大きな損失を与えないような形で落としどころを見つけることが必要です。

巡回監査業務

定期的にクライアント企業を訪問して、会計処理に関する確認やアドバイスを行う業務です。たとえば、クライアントが自社内で会計ソフトを使って会計処理を行っていた場合、その作業内容・プロセスに問題がないかをチェックしたりするのが主な仕事内容です。

巡回監査は月1回の頻度で行われることが多く、最近ではZoomなどを使用してオンラインで行われるケースも増えています。

給与計算・年末調整業務

記帳代行業務に付随する業務として、給与計算や年末調整の代行も行うことが多いです。具体的には、給与明細と源泉徴収票の作成業務を指します。

コンサルティング業務

多くの会計事務所では、税務や会計に関連したコンサルティング業務が行われています。経理業務の適正化や、必要に応じて経営トップ層に対する経営上の助言も行うことも多いです。

会計事務所ごとに企業再生支援やIT・DX化関連、M&Aなど、得意分野をもつケースも多く、その場合は分野に特化したコンサルティングも行われます。


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会計事務所の年間スケジュール

会計事務所の年間スケジュールは、ほとんどの事務所で毎年ほぼ同様です。繁忙期となるのは、年末調整を行う12月と3月決算の企業の決算業務・確定申告の業務が集中する4~5月です。なお、12月決算の企業がクライアントにいる場合は、1月に決算業務、2月に確定申告業務が発生します。それ以外の月は、日次、月次のルーティン作業がメインとなり、基本的に繁忙期から外れます。

毎年決まったスケジュールで動くため、自身の年間計画が立てやすく、有休も取りやすい面があります。ただし、コンサルティング業務に力を入れている事務所だと不定期で忙しくなることも多く、休みが取りにくい場合もあるので注意が必要です。事務所によっては、繁忙期が落ち着いた時期に、休みを取りやすいように配慮してくれるところもあります。


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まとめ

会計事務所には、会計士や税理士の他にも税理士補助や事務スタッフなどが在籍しており、クライアントの税務・会計業務のサポートを行っています。会計士や税理士にしかできない独占業務以外にも、補助業務や事務業務など様々な仕事があるため、資格を持っていないと働けないというわけではありません。

また、これから会計士や税理士を目指す方にとっては、働きながら実務経験を積むことができるため、最適な職場と言えます。資格取得に理解のある事務所では、時間・資金面で支援してくれる制度がある事務所もありますので、資格取得を前提に会計事務所への転職を考えている方にはおすすめです。会計事務所の詳しい情報や転職方法が気になる方は、会計事務所に特化している転職エージェントMS-Japanにご相談ください。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

林 良樹

大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。

会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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