元会計事務所勤務者が転職エージェントで働いて感じた事
MS-Japanのキャリアアドバイザー兼リクルーティングアドバイザーである私は、前職の会計事務所で約6年間働き、業界の内側で日々の業務に励んできました。
その後、MS-Japanで士業特化型エージェントに転身し、会計事務所への転職支援を行っています。
本記事では、私が経験したこれらの転機から得た洞察をもとに、会計事務所と転職業界の間に広がるギャップや可能性について記載します。
未経験・無資格でも会計事務所で働けます
会計事務所の世界は一般的に敷居が高いとされています。多くの人々が、そのイメージに圧倒され、資格や経験がないと会計事務所で働くことは難しいと思われています。
しかしながら、私の経験から言えることは、実際には未経験や無資格でも会計事務所で働くことができます。20名の従業員が在籍している会計事務所で税理士有資格者は数名程度というところが多いです。
約6年間、私は会計事務所で働き、その間に多くの未経験者が採用され、成長していく様子を目にしました。経験や資格よりも、適性や意欲を重視する会計事務所も少なくありません。
その会計事務所の業務内容にもよりますが、一般の中小企業の税務顧問を中心に対応している場合には、経営者との的確なコミュニケーションや年間を通してスムーズに業務を行うスケジュール管理、経理のシステム導入の指導、資金繰りやその他経営に関するコンサルティング等の税務会計とは異なるスキルを要する業務も多いため、多種多様なスキルが評価されるようになってきています。
現在の会計事務所転職市場では競争が激化しており、労働集約型の特性が強い業界でもあるため、人材確保が事務所の成長に大きく影響を与えます。
昨今では、少子高齢化や職業選択の幅が広がっていることにより、業界全体で採用に苦戦しています。業界の成長と競争力を維持するためには、未経験やシニア層など、従来の採用枠を超えた人材の採用が求められています。多様な人材を受け入れることで、新たなアイデアや視点を取り入れ、事務所の成長につなげることができるでしょう。
これからの章では、未経験や無資格からの会計事務所でのキャリアパスについてさらに掘り下げていきます。
会計事務所での経験は転職市場で強い武器になる
現在の売り手市場では、会計事務所での経験が非常に価値の高いものとなっています。かつては、3年の経験がボーダーラインとされていましたが、現在では1~2年の経験でも幅広い選択肢が広がっています。特に、会計事務所での経験はその価値が大きく、転職活動において強力な武器となります。
私自身も転職エージェントに転職しましたが、毎回のように求人の打ち合わせをした会計事務所様から「うちに来ないかと」お声がけいただけることから、会計事務所での経験の市場価値の高さを実感しています。
会計事務所での経験の魅力の一つは、決算経験を積むことができる点です。
中小企業の経理部門では、日常的な経理業務に携わることが多く、決算業務に触れる機会が限られています。大手企業では、決算業務を経験する機会はあるかもしれませんが、ジョブローテーションや部署の移動が頻繁に行われることもあり、十分な経験を積むことが難しい場合もあります。
一方、会計事務所では決算業務がメインの業務であり、早期に多くの決算経験を積むことができます。そのため、会計事務所での経験は安定性と専門性の両方を兼ね備えています。
会計事務所での経験は、転職市場での競争力を高めるだけでなく、キャリアの発展にも大きく寄与します。
次の章では、会計事務所での経験者の価値やポテンシャルについてさらに詳しく探っていきます。
転職先の数と待遇面
現在の転職市場は売り手市場であり、会計事務所や経理部門への転職には非常に多くの選択肢があります。私が会計事務所で勤務していた時には知り得なかった優良事務所が数多く存在しています。
無資格でも特定のスキルがあれば1,000万円を支払っている事務所や、未経験でも経験者並みの給与水準の事務所、フルリモートを実現している事務所があるなど、転職エージェントとして働くようになって初めて知る優良事務所が多く存在しています。
そのような中でも採用に苦戦している昨今では、複数年の経験を積んだ場合、年収のアップや働き方の改善、スキルアップなどの目的で転職を考えることも可能です。
特に東京都内では、会計事務所であれば3桁程度の候補先があり、希望に近い職場を選びやすくなります。ただし、中小企業の選択肢は豊富であるものの、上場企業などの場合は年齢や経験などによって異なるため一概には言えません。会計事務所での決算経験は評価される傾向で、実際に会計事務所から上場企業へ転職した方もいるため、積極的にアピールすると良いでしょう。
現在の市況感では、年収だけでなく柔軟な働き方についても許容いただけるケースが増えています。例えば、副業や時短勤務などの個別対応がある企業なども増えている印象です。
転職先の選択肢が多い今の時代、自身のキャリア目標や生活スタイルに合った最適な転職先を見つけるためには、慎重な検討と情報収集が欠かせません。
次の章では、会計事務所の選び方について重要なポイントや注意点について掘り下げていきます。
会計事務所の選び方
会計事務所を選ぶ際には、大手会計事務所だけでなく、中小の会計事務所にも魅力があります。大手会計事務所が必ずしも良いとは限りません。中小の会計事務所には、独自の魅力や特性があります。
大手会計事務所では、出世や昇給の機会が比較的明確であり、従来のキャリアパスに沿って昇進や昇給が行われます。しかし、中小の会計事務所では、昇給や評価基準が一概には定まっておらず、担当業務や個々の貢献度によって昇給が決定されることがあります。そのため、能力や成果次第で大手会計事務所よりも高い評価や報酬を得ることも可能です。
また、働き方については会計事務所ごとに特徴があります。一部の会計事務所では、実労働時間が7時間や7時間半といった制度を採用しています。また、かつては確定申告時期等の繁忙期には遅くまで残業をすることが一般的でしたが、最近では働き方改革の影響もあり、過度な残業を避けるために法人・個人ともに受注案件を調整する会計事務所も増えています。
こうした環境では、勉強や家庭との両立がしやすく、自己研鑽のための時間を確保しやすいといった利点があります。
さらに、会計事務所には様々な特徴があります。例えば、ベンチャー支援に特化した事務所や、相続案件に強い事務所、業種特化の事務所などがあります。
それぞれの事務所は異なる業務内容や進め方を持っているため、自身の志向に合った事務所を選ぶことが重要です。自己のキャリア目標やライフスタイルに合った最適な選択をするためには、慎重な検討が必要です。
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まとめ
現在の転職市場は売り手市場であり、会計事務所や経理部門への転職は多くの選択肢が存在します。
会計事務所での経験は転職エージェントから見てもその市場価値が高く、転職活動において強力な武器となります。特に決算経験は重要であり、会計事務所での経験は安定性と専門性の両方を兼ね備えています。
大手会計事務所と中小の会計事務所にはそれぞれ魅力があります。大手では明確なキャリアパスや昇進の機会がありますが、中小では能力や成果に応じた評価が行われることがあります。
また、働き方も会計事務所によって異なり、最近では働き方改革の影響もあり、柔軟な勤務体制を取り入れる事務所も増えています。
転職活動においては、自身のキャリア目標やライフスタイルに合った最適な選択をするために、慎重な検討が欠かせません。
自分のキャリアやライフスタイルに合った最適な選択をするために、転職エージェントのサポートを活用しましょう。
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