「モチベーション」

第4回2005/01/13

「モチベーション」


「モチベーション」

「モチベーション」-ビジネス的な側面では、
特に人事・管理などの場面において最近良く耳にする言葉です。
直訳すると「動機付け」となりますが、簡単に言えば「やる気」という意味です。
近年、人材を財産と考え、人事部を「人財部」という名称にする企業が増えてきています。
企業を成長させる上で、優良な人材を育成・定着させることが課題で、
その中で従業員のモチベーションをいかに上手く高めていくことができるかが
大きなポイントになっています。
以下、企業にとって「財産」である従業員のモチベーションにフォーカスして解説します。


1.モチベーションとは?

人は何かを欲求した時、それを獲得するために前向きな行動を取ります。
モチベーションとは、この特性に基づいて、その人の目標を認識し、
方向付けて積極的に行動させる(やる気を起こさせる)ことです。
会社内に置き換えれば、従業員への仕事に対する動機付け、やる気、意欲がこれにあたります。
従業員の欲求を満足させるような刺激・動機付けを、
会社・経営陣・マネージメント層から適切に加えることによって、
勤労意欲を高めることが出来るのです。
そのためには、まず従業員の欲求、要望を客観的に理解する必要があります。


2.何故、今モチベーションなのか?

前述の通り、モチベーションという言葉が、近年クローズアップされ始めています。
従来、日本企業では社員のモチベーションが非常にシンプルであったため、
特段意識する必要はありませんでした。
その大きな理由として、「終身雇用」、「年功序列型人事制度」という
日本型人事システムの存在が挙げられます。
これまでは、「終身雇用」前提の雇用関係であったため、従業員のキャリアについても
「社内でのキャリアアップが図れればよし」とする風土にあり、
専門性を磨くというよりも、個々の企業で通用するキャリアビジョン
(ゼネラリスト型、人間関係、根回し力)を促進する企業が大多数を占めていました。
従業員側も、多少の不満があったとしても「生涯養ってくれる」という安心感のため、
働く動機を維持することができました。
バブル崩壊まで、日本経済は常に右肩上がりの成長を遂げて来たこともあり、
従業員に待遇やポジションといった見返りにより、報いることが出来ていました。
また年功序列型人事制度において、ある一定の年数を経れば、
給与やボーナスをアップしたり、ポジションの昇進・昇格させるという方法により、
従業員のモチベーションを維持することが出来ました。
このため、企業は「雇用の安定」・「待遇、地位」を従業員に保証し、
従業員は「労働力の提供」・「ロイヤリティを誓う」ことで、
双方のモチベーションバランスが取れていたと言えます。


3.モチベーションの多様化

日本経済が右肩上がりに成長出来た高度経済成長期を経験して来た現在の若い世代は、
生活に困らない豊かな生活を送ってきたため、それまでの世代で通用してきた、
「生活のために働く」ということが必ずしも勤務意欲に結びつかなくなっています。
即ち、経済状況や生活環境の変化で社会的意義、働く意味、プライベートの充実、
やりがいなど個人の働く意識が多様化したのです。
これにより、従来のトップダウン型による決まりきった動機付けでは、
従業員の多様化したモチベーションに応えることが出来なくなってきています。
近年、不動産バブルの崩壊、日本を取り巻く国際競争の激化、規制緩和などにより、
「終身雇用」・「年功序列型人事制度」で、社員の動機付けをすることも難しくなっています。
山一證券のように、かつての優良企業、安定企業であっても倒産する例が出てきて、
「真面目に働いていれば企業が雇用を保証できる」という経済状況ではなくなってしまいました。
 

この雇用の不安定さを背景に、従業員は、企業内での地位的向上ではなく、
人材市場におけるキャリアアップに価値を見出すようになってきており、
これが人材流動化につながっています。
一方、昨今の景気不振により、かつての年功序列型賃金体系も完全に崩壊したと言えます。
現在では、何らかの形で成果主義【 詳細は当連載 第一回「成果主義」参照】を
導入している企業が大多数に昇り、所属年数を重ねれば給与の昇給・昇格を望めるという、
企業サイドからの「お金」・「ポスト」によるモチベーションアップは
約束できない環境になってきています。


4.モチベーションを上げる施策
前項で述べたとおり、仕事への動機付けが様変わりしている現代にあって、
従業員に対しモチベーションを高めるために、企業にはどのような手段があるのでしょうか。
考えられるものを、下記にいくつか簡単にまとめてみます。


1)社員のモチベーションを把握する
遅刻の多い社員であっても、
休日にゴルフに行くときは朝5時に起きるのが平気だったりすることがあります。
その社員にとっては、ゴルフが「やる気」・「楽しみ」の動機となっているため、
早起きが苦にならないためです。
これをビジネスの場面に置き換える場合には、
経営陣はまず第一に「何が社員のモチベーション要素になるのか」を理解することが必要です。
その方法として、以下のような方法が例として挙げられます。

・ 社内で定期的にアンケートをとり、仕事に取り組む上で、何に興味を持っているのか、
あるいは不満な点は何かを把握し、企業側と従業員側の「動機付け」のミスマッチを解消する。
・経営者と社員、あるいは現場のマネージメント層と社員との間で、
意見交換ができる場を飲みニュケーションだけではなく、
仕事の合間や部下が残業で残っている時などに、継続的にセッティングする。
スタンスとしては、下からの発言が一方的だったり、矛盾している等、
おかしいと思っても、まずは聞くことで安心感を与え、従業員のホンネを引き出す。


2) 問題意識を持てるような社内の基盤づくり
日々の仕事や環境に慣れてきてしまうと、どうしても従業員の意識もマンネリ化してしまい、
仕事がつまらなく感じてしまうものです。
人間は、「新しいこと」、「これからチャレンジすること」に、やりがいを感じます。
常に意見を発言できる環境にすることで、企業も活性化し、
同時に社員の勤労意欲を保つことにもつながります。


その際に、企業・経営陣サイドに求められることは、「聞く耳」をもつことです。
一方、部下からは、「アウトプットがない」という反論が出る可能性もありますが、
その場合には、逆に例えば会社、職場での意思決定の会議の場などで、
発言させることで、「考える」、「発言をする」習慣づけをすれば良いでしょう。


3) 経営方針の明確化
例えば営業会議の場面で、単に「今年5,000万円分、売って下さい」と言うよりも、
「来年株式公開を目指しています、公開基準に達成するためには、
全社で10億円を売らなくてはなりません。うちの部署全体で5億円、
君には5,000万円売り上げてもらえないと公開が難しい」というほうが、
部下のやる気を高めるためには効果的です。
「公開をする」という会社の目標と、そのための自分自身の役割、
責任がはっきりしているため、それに向けた日々の営業活動・戦略も見えてきます。
これにより、自分自身の責任・役割を理解するだけではなく、
会社の方向性も同時に把握できるため、単に個人の数字だけではなく、
部内、全社の数字を個人レベルから考えられるようになります。
個々の社員へのミッション・目標をしっかり明示することにより、
従業員のモチベーションを高める手法です。


「財産」となりうる優秀な人材を確保するためには、
まず、 いかに従業員の仕事への動機・意欲を維持し上げることができるかを意識し、
次に、個々の従業員、組織体のモチベーションのポイントを把握し、
そして従業員の欲求に答えられる環境を創ることが肝要です。

管理部門・士業業界最大級の求人数と職種・転職に精通したアドバイザーが転職をサポート。ご要望に応じた転職先をご提案いたします。

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