3分でわかる最新人事コラム

第119回

働き方改革とは?~第一回:「非正規雇用の処遇改善」~

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「働き方改革」は、最近、新聞・雑誌の紙面やテレビニュースでよく取り上げられているワードですが、働き方改革とは何なのか、何をどう改革していくのか、皆様は理解されていますか?

『改革か…会社の制度を整えていかないといけないな…』
『そもそも、変えていかなければいけないのか?』
と、戸惑いを感じている人事・総務の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなお悩みをもつ人事・総務の皆様向けに、今回のコラムでは、この改革が企業に及ぼす影響、最低限とどめておかなければならないことなど、働き方改革の重要なポイントについて2回にわたってご紹介します。

そもそも働き方改革とは?

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働き方改革とは、安部内閣の目玉政策の一つであり、「一億総活躍社会」の実現の為の重要な政策です。2016年9月より政府は「働き方改革実現会議」を設置し、2017年3月に「働き方改革実行計画」を発表するなど精力的にこの政策を推進しています。
「働き方改革実行計画」では、主に下記の項目に焦点が当てられました。

     非正規雇用の処遇改善

同一労働同一賃金に向けての法改正、ガイドラインの整備

    賃金の引き上げ、生産性向上

企業への賃上げの働きかけ

    長時間労働の是正

罰則付きの規制導入

    柔軟な働き方がしやすい環境整備

テレワーク、副業兼業推進等

    女性、若者の人材育成改善

学び直し支援、フリーターの若者支援

    病気の治療と仕事の両立

医療機関・企業との連携強化・新たなサポート体制構築

    子育て・介護と仕事の両立改善

保育所などの整備・男性の育児/介護参加促進

    転職・再就職支援転職・再就職

転職者受け入れ促進

    教育環境の整備

奨学金制度の強化

    高齢者の就職促進

雇用年齢の引き上げ

    外国人材の受け入れ

受け入れ体制、就業環境の整備

※参考:上記図は「首相官邸ホームページ-働き方改革実行計画」を元に株式会社MS-Japanが作成

中でも企業が注意すべき項目は、①「非正規雇用の処遇改善」、③「長時間労働の是正」ではないでしょうか。この2項目に関しては、早期の法令改正や規制の実施が検討・予定されているため、企業にとっては特に制度や規則づくりを急ぐ必要があります。


しかし、いずれも一朝一夕に解決できるものではありませんが、具体的にはどのような対応が必要なのかをまずは理解する必要があります。今回は、「非正規雇用の処遇改善」について、注意点をご紹介致しますので、働き方改革への理解を深めて頂くきっかけになりましたら幸いです。

非正規雇用の処遇改善

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今後、労働人口が減少していく中で、多様な働き方を求める個人と企業との関係性を考えると、この項目は、社会的にも経済的にも重要な課題です。企業としては、早目に規則・ガイドラインの整備が必要となる分野と考えることをお勧めします。
まず、理解しておきたいのは、非正規雇用の“処遇改善”とは、賃金のみならず、処遇全般を同一にする事が目標とされていることです。つまり、基本給、昇給、ボーナス、各種手当といった賃金にとどまらず、教育訓練や福利厚生等に関しても正規雇用と扱いが同等になることを意味します。

あなたの会社は大丈夫?~非正規雇用への対応に注意!~

企業が「非正規雇用」を行う理由も様々です。例えば、人手不足の状況下において、「非正規雇用」を活用することで、柔軟な働き方を望む優秀な人材の確保を実現する企業もあります。例えば、時間に融通がきく環境を希望するワーキングママをターゲットにパート社員として採用活動を行ったり、時間や就業環境に縛られない働き方を望む層を採用する為に契約社員の募集をかけたりするといったケースです。

一方で、「人件費削減を目的とした非正規雇用」を行っている会社もあります。こちらの場合は働き方改革に取り組む際に注意が必要です。早急に人事制度改革(とくに人事評価の見直し)を考え、徐々に規約等の整備をしていくことが必要です。以下は、人件費削減を目的とした非正規雇用の採用を行う企業が注意しておくべき事例です。

同一労働同一賃金だと人件費がかさむ!?
ある企業の悩み:
人件費削減を目的とした非正規雇用による採用を実施したものの、同一労働同一賃金は2019年に施行される見通しがある。この制度が適用されると、非正規雇用の採用ができても結果的には、人件費がかさんでしまうのではないか…。

そのような場合は、「職務内容に準ずる給与」を明確にする必要があります。そして、非正規雇用の社員にはその職務内容を超えない範囲内で仕事を任せることが重要です。この点をしっかり押さえるために、NG例をご紹介しながら具体的に理解して頂きます。

【ケース】
 正社員Aは新卒から入社し、3年目を迎えた。一方で契約社員Bは、1年前に入社した中途社員だった。ABが任されている業務内容や量は同じで、成果もほぼ同等だが、雇用形態・基本給・各種手当てに差がある。すると、ある時Bが「仕事内容やパフォーマンスもほぼ同じであるにも関わらず、給与や該当する手当に差があるのはおかしい」と上司に異議を唱えた。

【上司の回答】
このBの主張に対して上司は、「正社員Aと契約社員Bは、将来担うであろう役割の期待値が異なるため、現状の賃金の決定基準・ルールが異なる」という説明をした。

上記のような認識と対応は間違いです。なぜだめなのでしょうか?
正社員と契約社員の間で処遇に格差がある場合、職務内容、配置の変更範囲等企業内で決まっているルールを、客観的・具体的な実態に照らして、両者に差があることを示さなければなりません。その社員が、企業から期待される将来性などの観点も考慮して賃金の決定基準やルールが設けていたため、契約社員とは処遇が異なるという主張だけでは同一労働同一賃金の原則に反します。
改革後は「業務内容・成果から見た評価」による決定基準・ルールを設けることが必要になります。

※参考:上記事例は「首相官邸ホームページ-働き方改革実行計画(概要)」を元に株式会社MS-Japanが作成

今回のコラムは、いかがでしたか。
次回は、「長時間労働の是正」について、注意点をご紹介します。


(文/リクルーティングアドバイザー 浅沼恵美)

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