海外子会社対応に強い経理人材が評価される理由|英語力と国際会計スキルを活かした経理の転職(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。
前編では、海外展開を進める企業の増加に伴い、海外子会社対応ができる経理人材の需要が高まっている背景を解説しました。
さらに、現地会計基準との調整や連結体制の構築を主導するなど、グローバル経理として求められる専門性や、30〜40代経理が果たす「マネジメントと専門実務の橋渡し役」としての重要性を紹介しました。
後編では、こうした海外子会社対応経験が転職市場で高く評価される理由や、職務経歴書・面接での効果的なアピール方法、そしてグローバル経理としてキャリアを広げた成功事例を解説します。
転職市場で評価される理由
国際的な会計業務に対応でき、英語で折衝経験を持つ経理人材は、圧倒的に希少性が高く、そのため転職市場において非常に高い評価を受けます。
現地への赴任経験があれば、部長~役員クラス(年収1,000万円~2,000万円)も十分に視野に入ります。
国際的な事業展開を進める企業が増加している一方で、「日本の会計知識」と「英語力」、そして「国際会計の知見」を高いレベルで兼ね備えた人材は依然として不足しています。
特に、単に英語ができるだけでなく、海外子会社の経理担当者を指導・監督し、本社基準に則った体制構築をリードできる人材は、企業が喉から手が出るほど欲しい存在です。
この供給不足が、転職市場での価値を押し上げる主な理由です。企業は、海外子会社との連携を円滑に進め、連結決算の精度を高め、グローバルなガバナンス体制を強化するために、この希少なスキルセットを持つ人材に対し、スペシャリストや将来の経営幹部候補として、高い報酬を提示し、積極的な採用を進めています。
また、現地法人へのCFOなどへの赴任経験がある方は、その統括力とリーダーシップが評価され、ハイエンドな年収レンジでの転職も視野に入ります。
アピール方法
職務経歴書や面接において、「語学力を行使した具体的な成果」と「異文化・言語の壁を乗り越えた調整能力」を明確に示すことが、評価を最大化するための最も効果的なアピール方法です。
職務経歴書でのアピール
職務経歴書では、企業が最も知りたい「子会社とどのようにコミュニケーションをとっていたのか(会話での折衝経験、英語での会議の経験は必須)」を具体的に記載しましょう。
例えば、「海外子会社5社のレポーティングにおけるグループ共通ルールを制定し、連結決算の早期化に貢献した」といった、体制構築を行った実績を強調することが重要です。
「子会社と連結するうえでの体制構築にどのように携わってきたのか」を明確に示すことで、あなたの能力が組織変革に貢献できるリーダーシップとして評価されます。
面接でのアピール:課題解決のフレームワーク
面接では、あなたの調整力と問題解決能力を、以下のフレームワークに沿ってエピソードを構成しましょう。
特に、「言語・文化の壁を越えた調整事例」は、あなたの市場価値を最大化します。
- 1.課題の特定
どのような問題があったのか(例:現地の売掛金計上基準と本社基準の大きな差異)。 - 2.現地の慣習や社員への配慮
なぜその問題が生じたのか、現地の慣習や社員の立場をどのように理解・配慮したか。 - 3.本社基準との摺り合わせ(折衝)
現地の状況を考慮しつつ、英語でどのように粘り強く交渉し、本社が求めるガバナンスと現地が受け入れ可能な実務との「落としどころ」を見つけたか。 - 4.結果
最終的にどのようなルールや体制を構築し、どのような成果(例:ミス削減、業務効率化)に繋がったか。
このフレームワークを用いることで、あなたの「英語での議論・折衝力」と「会計専門家としての調整力」が明確に伝わります。
成功事例
海外子会社対応の経験は、キャリアの選択肢を大きく広げ、「グローバル企業での経理統括」や「メガベンチャーの国際経理」といった、企業の成長戦略の中枢を担うポジションへのキャリアアップを実現させる強力な武器となります。
成功事例1:グローバル企業における経理統括への転職(30代)
日系企業の国際経理部門で、複数子会社の連結・IFRS対応、そして現地との英語での折衝経験を積んだ方が、その「国際対応力」を評価され、グローバル企業の経理統括ポジションへ転職に成功しました。
これは、日系企業での安定的な会計基盤と、グローバルな環境で通用する折衝力・国際会計知識の融合が、大手企業の求める「国際会計のプロフェッショナル」というニーズに完全に合致した結果です。
成功事例2:メガベンチャーの国際経理への転職(40代)
海外子会社とのレポーティング体制構築を主導して、短期間で作り上げた経験があります。
そのリーダーシップとスピード感を評価され、急成長中のメガベンチャーの国際経理部門へ転職に成功したケースです。
成長企業はスピード感のある体制整備を求めており、海外子会社対応経験は、まさにその要件を満たす強力な実績となります。
この経験は、単なる転職ではなく、企業の成長を牽引する中核ポジションへのキャリアアップに直結します。
まとめ|海外対応スキルはキャリアの広がりを生む
英語力と国際会計スキルを組み合わせた「海外子会社対応力」は、経理人材にとって市場価値を飛躍的に高め、国内に留まらないキャリアの広がりを生む市場価値を最大化するスキルセットです。
その成長への鍵は「業務における英語使用頻度を上げ、現場で経験を積むこと」にあります。
現代のビジネスシーンにおいて、経理部門は企業のグローバル戦略を支える「戦略的パートナー」としての役割を担っています。
その中でも、海外子会社対応ができる人材は、日本企業のグローバル化が進む限り、そのニーズが衰えることはありません。
この貴重な経験をさらに高める秘訣は、「失敗を恐れずビジネスにおける英語使用頻度を上げること」です。
業務上の英語力の使用頻度を上げ、現地との折衝を通じて経験を積むことが、キャリアにおいて直接的な評価に繋がります。
キャリアにおいては、とにかくビジネスでの使用経験が評価に直結します。
英語力+会計力に「折衝経験」を重ねることで、他の経理人材とは一線を画した市場価値の高い専門家として市場から認知され、より高い報酬や魅力的なポジション、そしてキャリアの幅を大きく広げる転職成功への確実な道筋となります。
- #海外子会社
- #国際会計
- #グローバル経理
この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、航空会社に新卒で入社し国内外各地へのフライト業務に従事。
その後キャリアアドバイザーとしてMS-Japanへ入社。
現在は主に経理財務や会計事務所などの会計転職希望の方を中心に担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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