企業内弁護士とは? 仕事内容や平均年収、求人情報を紹介!
企業内弁護士(インハウスローヤー)が近年大幅に増加しています。
2014年~2023年の10年間で約2.7倍の増加となり、採用する企業数も右肩上がりの傾向です。
ここでは、企業内弁護士とはどのようなものなのか、および増加の背景や年収などを見ていきましょう。
【リモートやハイクラス求人多数】企業内弁護士求人情報!
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【残業月10時間以内&リモート可】社内弁護士求人
仕事内容 |
・契約書等のリーガルチェック(基本的に和文) ・社内の各種法律相談への対応 ・新規事業の適法性チェック ・訴訟対応(社外弁護士と共同) |
必要な経験・能力 |
・弁護士資格 |
想定年収 |
800万円 ~ 1,300万円 |
【住宅手当や家族手当など充実】社内弁護士求人
仕事内容 |
・契約書の作成・検討、契約交渉支援 ・訴訟、債権回収、株主総会運営支援 ・社内規程管理、等 |
必要な経験・能力 |
・大卒以上(法学部卒or法科大学院修了者) ・法務業務経験者、もしくは弁護士有資格者 ・英語力(読み書き) |
想定年収 |
500万円 ~ 1,000万円 |
企業内弁護士とは
企業内弁護士(インハウスローヤー)とは、企業の社員として雇用される弁護士のことです。企業内弁護士の人数は、近年大幅に増加しています。
以前なら、弁護士を企業が社員として雇用することは稀であり、企業は弁護士と顧問契約を結ぶことが一般的でした。顧問契約は、訴訟などのリスクが明らかになった時点で、弁護士と対応を相談する形となります。
それに対して、近年では多くの企業が「企業内弁護士」として弁護士を雇用するようになっています。
企業内弁護士数の推移
日本弁護士連合会の調査によれば、企業内弁護士数の推移は次のようになっています。
出典:日本弁護士連合会「企業内弁護士とは」
2023年に1,179人だった企業内弁護士は、2023年に3,184人となっていますので、10年間で約2.7倍増加したことになります。
企業内弁護士を採用する企業数の推移
企業内弁護士を採用する企業も右肩上がりに増えています。
出典:日本弁護士連合会「企業内弁護士とは」
企業内弁護士採用企業ランキング
2023年6月時点での、企業内弁護士を採用している企業のトップ10は次のようになっています。
順位 | 企業名 | 人数 |
---|---|---|
1 | ヤフー | 56 |
2 | 三井住友信託銀行 | 36 |
3 | 三井物産 | 35 |
4 | アマゾンジャパン | 30 |
5 | LINE | 29 |
6 | 丸紅 | 27 |
7 | 野村證券 | 25 |
7 | 三井住友銀行 | 23 |
9 | 三菱商事 | 22 |
9 | 三菱UFJ銀行 | 22 |
11 | KDDI | 20 |
11 | 三菱UFJ信託銀行 | 20 |
13 | 住友電気工業 | 18 |
13 | みずほ証券 | 18 |
15 | アクセンチュア | 17 |
16 | 双日 | 16 |
16 | 豊田通商 | 16 |
16 | リクルート | 16 |
19 | 伊藤忠商事 | 14 |
19 | SMBC日興証券ほか2社 | 14 |
出典:日本弁護士連合会「企業内弁護士とは」
企業内弁護士を採用している企業の業種も、証券・金融業、銀行・保険業、卸売・小売業、情報・通信業、サービス業など多岐にわたります。
企業内弁護士が増加している背景
企業内弁護士が増加している背景として、
・法務リスクの拡大
・弁護士人口の増加
があげられるといわれています。
法務リスク拡大の要因は、
・規制緩和が推進されることにより、企業のコンプライアンス経営強化が求められるようになった
・グローバル化が進行することにより、国際間での取引やM&A・組織再編が増加した
・社内における労使トラブルが増加した
などがあるとされます。
これらの要因により拡大する法務リスクは、以前よりはるかに複雑化・多様化する傾向にあります。
法務リスクに迅速・内密に対応するため、企業内弁護士を採用する必要性が高まっているといわれます。
また、司法制度改革による弁護士人口の増加も、企業内弁護士が増加する背景にあるとされます。
弁護士人口が増加し、弁護士就職の受け皿が法律事務所だけでは足りなくなったことにより、企業内弁護士としてのキャリアを弁護士が積極的に選択するようになっています。
企業内弁護士は、以前であれば法務部門に配属されることが一般的でした。
しかし、近年では多くの企業が、企画や商品開発などの法務以外の部門に企業内弁護士を配属し、法的なチェックをより迅速に行える体制を作っています。
企業内弁護士の待遇や年収
企業内弁護士の待遇や年収はどの程度なのでしょうか?
日本組織内弁護士協会(JILA)が2023年3月に実施したアンケート によると、企業内弁護士の年収は以下の通りです。
年収 | 割合 |
---|---|
250~499万円 | 2.9% |
500~749万円 | 13.2% |
750~999万円 | 24.5% |
1,000~1,249万円 | 20.6% |
1,250~1,499万円 | 13.2% |
1,500~1,999万円 | 9.8% |
2,000~2,999万円 | 9.8% |
3,000~4,999万円 | 4.4% |
5,000万円以上 | 1.5% |
1,000万円未満が全体の4割ほどで、750~999万円が最も多くの割合を占めています。
法律事務所の平均年収は、パートナーになれるかどうかが伸びに大きく影響します。
それに対して企業では、昇給・昇格についての人事制度が整備されていることから、年齢が上がるにつれて年収も着実に伸びるケースが多くなります。
とはいえ、法を扱う専門職なだけあって一般従業員と比較すると高めに設定されています。
企業内弁護士になるには? 実務経験者が求められるのか?
企業内弁護士になるためには、実務経験者が求められるのでしょうか?
外資系企業の場合には、弁護士としての経験年数が長い企業内弁護士が多いことが特徴です。
採用にあたっては、実務経験の年数は5年以上が条件となり、さらに海外留学と同等の英語力、および特定分野に関する専門性も求められます。
それに対して国内の企業では、若手の弁護士を採用することが一般的です。
実務経験5年未満の弁護士も多く採用されています。司法修習生からの採用を行う企業もあります。
まとめ
企業の法務リスク拡大と弁護士人口の増加を受け、近年、企業内弁護士は大幅に増加しています。
法律事務所と比較してワークライフバランスが取りやすいことから、希望する弁護士も増えています。
国内企業においては、採用にあたって実務経験が問われないことが多くあります。
「安定した職場で生活も充実させながら働きたい」と思う場合は、法律事務所からの転職を検討するのも良いでしょう。
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