2024年03月01日

行政書士の就職先は?転職市場や失敗しないためのポイントなど

管理部門・士業の転職

行政書士は法律を学びたい人にとって魅力的な国家資格であり、ゆくゆくは独立開業という選択肢も可能です。
これから行政書士取得を目指している人や、取得したばかりの人は、まず独立の足掛かりとなる「就職」を見込んでいる人が多いでしょう。
一方で、資格を取得しても本当に行政書士として就職できるのか不安に思う人も少なくないでしょう

この記事では、行政書士の就職市場や資格が活かせる主な就職先に着目し、就職に失敗しないためのポイントも取り上げていきます。

管理部門・士業の転職

行政書士は就職できない?

「行政書士は就職できない」と言われることがありますが、決して就職できないわけではありません
これは単にデメリットを強調した風評と言えます。どのような資格にもメリット・デメリットはつきものです。
ここでは、「行政書士は就職できない」と言われる原因と考えられるデメリットを2点ご紹介します。

行政書士事務所は個人事務所が多い

行政書士は独立開業に向いている資格であるため、多くの行政書士事務所は個人事務所となっています。
個人事務所は人を雇う機会が少なく、求人も滅多に見られません。
繁忙期などで人手が足りない場合は、家族や一部の補助者の協力を得て業務が行われることが一般的です。
そのため、一般的な転職サイトなどでは行政書士事務所の求人を見つけることが難しいでしょう

また、事務所が法人化していても、行政書士資格者は1人であることが多く、新たな行政書士を募集するケースは少ない傾向です。

一般企業では行政書士として働けない

行政書士資格を取得していても、一般企業では「行政書士」という肩書きで働けないこともデメリットの一つです。
行政書士として働くためには行政書士会への登録が必要ですが、登録条件が個人開業や行政書士法人の社員、または使用人に限定されています
現時点で一般企業に勤めている人が行政書士資格を取得しても、行政書士会に登録できないため行政書士として働くことができません。

このようなデメリットから「行政書士は就職できない」という風評につながっているようです。


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行政書士の転職市場

次に、行政書士の転職市場を見ていきましょう。

行政書士は求人数が少ない

行政書士は全体の求人数が少なく、転職市場での競争率は高めの傾向です。
行政書士有資格者は、士業事務所や法律業界への転職市場において即戦力としてニーズがあります
しかし、士業事務所は募集件数自体が少ない上に人気の就職先であるため、募集があるとすぐに採用枠が埋まってしまうケースがほとんどです。

一方、一般企業の総務・人事や法務でも、行政書士有資格者が持つ専門性は高く評価されます。
しかし、前述のとおり、一般企業に所属して行政書士として働くことはできません。採用されたとしても、「行政書士」ではなく、あくまで「専門的な能力に期待できる人材」としての位置付けになるでしょう。

このような需要と供給のバランスから、行政書士の転職市場は、転職のハードルが高い「買い手市場」となっています。

転職する行政書士は30代が多い

行政書士試験合格者の平均年齢は30代が最も多く、資格取得後に就職する人も同様に30代が多い傾向です。行政書士有資格者は、一定の経験やキャリアを積んだ後に30代で転職する人が多いと推察できます。
ただし、20代の行政書有資格者は希少であり、さらにポテンシャルも期待できる若手として、20代が有利になるケースは少なくありません

もちろん40代以降でも転職できないわけではありませんが、多くの企業や事業所では35歳前後を採用の基準としていることが一般的です。前職と同業界や同分野など、関連性の高い就職先を選ぶことで、転職成功の可能性を上げることができます。
行政書士を目指すのであれば、他の業種同様に若いうちからキャリアを築いていくことが望ましいでしょう。


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行政書士の資格を活かせる主な就職先

行政書士の求人は少ないものの、活躍できるフィールドが多方面にあることは確かです。
ここでは、行政書士の資格を活かせる主な就職先を紹介します。

法務事務所

行政書士の代表的な就職先の一つが、法務事務所です。
弁護士が開業する法律事務所と異なり、法務事務所は司法書士や行政書士など弁護士以外の法務関係者が開業します
行政書士が法務事務所で雇用されて働く場合、登録分類は「使用人行政書士」です。

業務内容は、許認可申請や債務整理など、事務所が得意とする分野の業務を担当します。特に、起業や相続を支援する法的書面の手続きでは、行政書士の専門知識が重宝されるでしょう
法務事務所では法律に絡んだ相談なども行われており、行政書士が相談役を担うことも珍しくありません。
一方で、個人の裁量よりも組織としての方針が重視されるため、時には行政書士業務に関連しない雑務を任せられるケースもあります。

しかし、法務事務所で働くことで将来の独立に役立つ事務所経営や実務スキルを学ぶチャンスも豊富です。
使用者である行政書士から直接指導を受けながら実務に従事できるため、さまざまな経験を積みたい新人行政書士に理想的な環境と言えるでしょう。
専門知識を活かして幅広い業務に携わることができるため、キャリアのスタート地点としても適しています

弁護士事務所や社労士事務所などの士業事務所

行政書士の資格は、弁護士、社会保険労務士など別の士業事務所でもニーズがあります
士業事務所では、契約書や申請書類など法律にかかわる資料を作成する機会が多く、士業間の連携においても行政書士の活躍の場です。

例えば弁護士事務所では、行政書士有資格者がパラリーガル(法律事務員)として勤務することが通例です。
パラリーガルは、弁護士の補佐役として電話応対をはじめ、裁判所への書類提出、契約書や遺言書の書類作成・校閲、法令・判例の調査など、多様な業務を行います。
行政書士有資格者は、法律に関する知識を身につけている点で大きなアドバンテージとなるでしょう。
特に法令や判例に対して理解のある行政書士は、パラリーガルの業務効率を高める存在としてニーズがあります。

また、社会保険労務士事務所では、年金や税金に関する資料作成が発生するため、行政書士を採用しているケースも見られます。
行政書士の資格は、士業事務所において重要な能力として認識されており、就職活動の際には大きなアピールポイントとなるでしょう。
ただし、行政書士が担う業務内容は士業事務所によって異なるため、業務内容をよく確認することが重要です。

一般企業

一般企業でも行政書士が持つ専門知識は高く評価されます。
法務では、契約書の作成や法令改正の対応、法的な相談・アドバイスなどを担い、総務・人事では雇用契約書の管理、決算業務などに携わる場合もあります。
特に建設・不動産業界、流通業界では、許認可申請や契約書の作成など、行政書士の専門知識が求められる場面が少なくありません。

また、権利義務や事実証明、官公署に提出する書類作成など、行政書士が本来行う主業務も、一般企業で発生します。特定の許認可を頻繁に申請する必要がある企業では、複数の行政書士有資格者が在籍していることも多いでしょう。

一般企業では、登録条件上「行政書士」の肩書を持って働くことはできませんが、資格取得による専門知識を活かす機会は十分にあります
行政書士有資格者は、企業活動に伴う様々な法律関連手続きを担う専門家として活躍することができるのです。


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行政書士の就職活動のポイント

行政書士の就職活動のポイント行政書士の求人は数が限られているからこそ、周到な準備が重要です。
ここでは、行政書士が就職活動で失敗しないためのポイントに着目してみましょう。

自身が望む業務や環境を明確にする

まず、自分がやりたい業務や、希望する職場環境を明確にすることが重要なステップです。
求人数が少ないからといって条件を軽視してやみくもに応募するのは避けましょう。

面接や職場訪問を利用し、業務内容と職場の雰囲気を詳細に把握することで、自身が求めている条件にマッチした就職先が見つかります。
実際に働き出してから後悔しないためにも、慎重な職場選びを心がけましょう。

履歴書・職務経歴書は不備なく記載する

履歴書・職務経歴書は、就職活動において最も重要な資料です。
不備や不十分な情報があると、良い印象を与えることができません。経歴やスキル、学歴などの情報を正確かつ丁寧に記載することが大前提です。

行政書士は複雑な書類作成を主業務とするため、応募書類のわずかなミスでも職務能力を疑われ、マイナス評価につながります
誤字や脱字だけでなく、自己アピールに適切な文章になっているかなどもよく確認しましょう。自分だけでなく、第三者に添削してもらうことも重要です。

面接では的確かつ具体的に

面接のポイントは、自分の意欲や能力を的確かつ具体的に伝えることです。
自己PRや志望動機を明確に述べて、面接官に自分の魅力・適性をしっかりと印象付けましょう。抽象的な言葉ではなく、具体的な数字やエピソードを交えて話すとより理解してもらいやすくなります。
例えば、前職で貢献した実績や解決した課題などを伝えましょう。

応募先のホームページやSNS、転職口コミサイトなどをチェックし、求められる人材像に適した説得力のある回答を用意しましょう。


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行政書士の資格を活かせる求人例

弊社MS-Japanでは、行政書士をはじめとする士業と管理部門に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、「MS Agent」で取り扱っている行政書士の資格を活かせる求人の一部をご紹介します。

大阪市内の司法書士事務所から補助スタッフ募集

仕事内容
以下の業務補助
・不動産登記(売買、相続等)
・商業登記
・M&A
・事業承継
・不動産法務
・企業法務
必要な経験・能力
<必須>
・司法書士・行政書士を勉強している方、これから勉強を開始しようと思っている方
<歓迎>
・司法書士有資格者
・行政書士有資格者
想定年収
350万円 ~ 500万円

優良税理士法人から行政書士業務スタッフ募集※業務経験者・行政書士有資格者歓迎

仕事内容
・許認可書類の申請代行書類の作成
・相続関係書類(遺言遺産分割等)の作成
・議事録、契約書の作成
・公官署への申請、同行 など
必要な経験・能力
下記のいずれかを満たす方
・行政書士業務の実務経験をお持ちの方 又は 興味をお持ちの方
・行政書士資格をお持ちの方(※実務未経験者でもご応募可能です。)
・行政機関での業務経験をお持ちの方
想定年収
300万円 ~ 600万円

急成長中ベンチャー企業から司法書士・行政書士・社労士募集※フルリモート・フルフレックス可

仕事内容
・債権回収業務(担当業務 動産4:不動産6)
・訴訟対応、外部法律事務所との取り次ぎや調整
・会社設立に関わる書類作成や定款認証、申請手続きなど
・コンプライアンス関連業務
必要な経験・能力
<必須>下記いずれか
・司法書士
・行政書士
・社会保険労務士
<歓迎>
・宅地建物取引士
・法務・総務経験
・法科大学院修了生
想定年収
393万円 ~ 800万円

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まとめ

独立開業に役立つ行政書士の資格は、法務事務所や士業事務所、一般企業への就職でもニーズがあります
どの道に進むかは人それぞれですが、若い年代のうちから行動に移すほうが有利な点は、行政書士においても例外ではありません。
求人が少ない市場だけに、就職活動のポイントをしっかり押さえながら、早めにチャンスを掴んで経験とキャリアを積み上げていきましょう。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

高根沢 美帆

大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。

人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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